日工大MOTコースのサバイバル

数年前まで数年間、客員教員をしていた日工大の社会人大学院MOTコースで、同窓会および教員OBの集まりがあったので、久々に訪れた。

施設環境やプログラムがどんなに変わったか(これらはポジティブな話)も紹介されたが、懇親会の際に教えられた「最近の(社会人)生徒は社長が減りました」というのが一番ショッキングだった。中小企業からの派遣が中心だったので、2代目社長などがそれなりにいることがウリだったはずなのに…。

それとやはりここも学生募集には毎度苦労しているようだ。他の社会人向けMOTコースが多く閉鎖・縮小している中、健闘しているほうだとは思うが、世の中のモノづくり系中小企業が保守的になっていることを象徴しているような話だ。

日工大のMOTコースは来期から中小企業診断士コースというのを設け、1次試験に通っている人がこのコースを受けると2次試験を免除されるよう、中小企業庁に申請して許可待ちらしい。中小企業診断士の資格が本当に実務で役立つかは経営コンサルタントの現場に立つ身としては疑問なしとはしないが、世間にアピールする方策としては悪くない。何とか頑張って欲しいものだ。
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中古品業界の戦いは異次元の場で、しかも面白い

最近、人づてに聞いて感心し、かつ不思議に思っていたアプリがある。それがスマホを通して簡単に中古品などを出品、売買ができるフリマアプリ、メルカリ。自分では使っていないが、はまっている人はかなりいるらしい。

そんなメルカリをフィーチャーしたのが、10月10日放送の「ガイアの夜明け」、シリーズ「激闘 シェア争い!」第2弾「"中古品"の覇者 新たな戦い!」だった。

サービス開始からわずか4年で、年間流通額は1000億円超。現在、登録数は国内だけで5000万を超え、脅威の躍進を遂げている。番組でもメルカリにはまって中古品の売却を繰り返している人たちの姿が紹介された。いちいちリサイクルショップに持ち込まなくとも、直接買い手にネットでアピールできて高く売れるという手軽さと効果が大きい。お陰でリユース業界での従来のリアル店の業態は軒並み前年割れだそうだ。

そんな急成長の新覇者が7月に打ち出したのは「メルカリチャンネル」、出品者がライブで動画を配信しながら、商品を紹介できるようにするというアプリ更新だ。今までは、出品する商品の紹介は写真と文章だけだったので、随分リアル感が増したと思える。

さらにその1ヶ月後、今度は新たなアプリ「メルカリ メゾンズ」をリリース。ブランド品の売買に特化したものだ。そこには目利きポイントを順番に示してくれる機能が搭載されていた。なるほどこれなら素人でもブランド品を売ることができるかも知れない。これは確かにブランド品の買い取り業者にとって脅威となろう。

一方、押されるリアル店舗側の代表として、業界大手「ブックオフコーポレーション」の対応も紹介された。売り場面積約900坪、商品約48万点という巨大店舗の展開など、新たな戦略だ。中古品の買い取りにも積極的に動いており、昨年11月には自由が丘駅前店に“総合買取窓口”を設置。ここでは洋服・家電・ブランド品・ジュエリーなど、幅広く買い取る。今やリピート客が後を絶たず、買取額が100万円に達する日もあるという。

その人気の秘密は、佐々木店長の接客にある。一人一人と向き合い丁寧に質問に応じる。これが客との信頼関係を生み、リピーター獲得につながっているという。「ブックオフ」は今後、この“総合買取窓口”をさらに展開していきたいと考えているが、最大の課題は窓口を任せられる人材の育成。簡単ではないが、リアル店ならではの強みを発揮するには必須だ。

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従来の延長線上にない、売り方の革命を目指す人々

元々弊社は小売業や飲食業のような付加価値の低い業種には直接クライアントを持たないが、最近は知人やクライアントの紹介で間接的にアドバイスをさせていただくことが度々ある。小売業においては少子高齢化とネット通販の台頭という需要サイドが、飲食業においては人手不足と原料コストアップという供給サイドがクローズアップされる違いはあれど、経営の難しさが加速していることは共通しているようだ。

そんな中、刺激を受けた番組が「ガイアの夜明け」9月26日 放送の「便利で快適!買い物革命」だった。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber4/preview_20170926.html

フィーチャーされていたのはアパレルのGU、メガネチェーンのメガネスーパーの2社。いずれもメガチェーンだが、市場の荒波に揉まれてモノを売るための新たな動きを見せていることが共通する。

ユニクロの弟分ブランド「GU(ジーユー)」が苦境に立たされている。客の好みが多様化し、大ヒット商品依存の“一本足打法”が通じなくなった上に、ネット通販やフリマアプリに客を奪われていたのだ。そのジーユーが新たな勝負として横浜のショッピングモール内に既存大型店の1.5倍、およそ800坪もの超大型店舗をオープンした様子を番組は追いかけていた。

従来の、商品がうず高く積まれ、安さのみを前面に打ち出した売り場ではなく、デジタルツール(これが面白かった)も駆使して、客が本当に買い物を楽しめるような売り場へと脱却することを目指す。店を任せられたジーユー新卒入社1期生、礒野莉衣店長(28歳)の奮闘が伝わり、応援したくなった。それにしても従来の店づくりがあまりにプアだったと感じたのは小生だけか?

もう1社は全国で約350店舗を展開するメガネチェーン・メガネスーパー。かつては低価格帯競合店に対抗し低価格路線へと走り、赤字に転落(牛丼業界と似ている)。経営再建の中で就任した物産出身の外様社長は、高い技術力と丁寧なサービスを武器に、中高年へ向けあえて高価格帯眼鏡を販売する戦略を採る。

現在、力を入れているのが「眼鏡の出張訪問サービス」。老人ホームや病院など、なかなか店舗まで足を運べない高齢者のために、24時間365日、要望があれば全国どこでも駆けつけるという。番組はその現場を取材してくれたが、これは伸びると感じたし、参考にすべき業種が少なくないと思った。

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マーケティング・ワークショップに自ら参加して

昨日、今日と某マーケティング会社主催のワークショップに1.5日間缶詰状態になって参加した。この忙しいさ中なので、クライアントのプロジェクトの進行するのと並行に参加をし、この2日間だけはプロジェクト関連の予定を入れないようにブロックするのが大変だった(実際、プロジェクトの重要ミーティングがこのタイミングで一つ発生したが、参加できないままだった)。

よく考えると、独立して5年、こうしたクローズドのワークショップに受講生として参加するのは初めてだ(もちろん、講師側としては何度もやっているが)。その分、新鮮だったのも事実。

このマーケティング・ワークショップというのは世界的な権威のノウハウを取り入れたもので、値段もたった1.5日間(実際には0.6×2日くらい)で20~25万円とかなり高額。参加者は中小企業経営者もしくは起業予定者ばかり。

それが全国から集まっており(東京ベースの経営者はむしろ少数派)、約60‐80名ほど。つまり2日で1200~2000万円のイベントということ。大した商売だ。しかもリピータが多いし、そのマーケティング会社の商材を何度か買ったことがある人ばかり(小生も含め)。

こうした投資の目的は自社のビジネスの見直し・再構築・成長のヒントを得るため。とにかく弊社はあまりにリピートに依存(というかそれで手一杯)しており、大企業向けの新規事業コンサルの一本足打法になっていることを自覚しているから。コンサルタントというのは因果な商売で、クライアントのためには知恵が出るのに、なぜか自社のことになると堂々巡りしてなかなか知恵が出ないのだ。見事な「紺屋の白袴」である。これを何とか解決したいのだ。

結論として、ワークショップ自体はもちろん、参加者および講師との会話を通して、そして何より集中して考えることで普段断片的に考えていることが一挙にまとまってきた。こうした効果はワークショップならではのものだと実感した。来月あたりに久々にワークショップを行うつもりなので、非常に刺激になったのもよかった。

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Amazonさん、それはAIとは呼ばないのでは?

世の中、第3次AIブームだそうである。発表された事例の中には「それはAIじゃないだろう」と突っ込みたくなる「AIもどき」のサービスやシステムがあるのも事実だ。そんな中、世界最大のEコマース、Amazonの有名なリコメンデーション機能もAI活用の事例として扱われているが、素朴な疑問を呈したい。


最近、NHKが「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」というスペシャル番組の中で、「社会課題の解決を目指すAIを開発した」と称して、5000種類、計700万件超を超える公的データを解析した結果を公開していた。番組内容自体は面白かったのだが、これはビッグデータの解析に過ぎないなと思っていたところ、世の中でもそうした指摘が多かったらしい。
http://toyokeizai.net/articles/-/182300
http://diamond.jp/articles/-/136897

話は変わって、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のHPの冒頭には次のような文言がある。
「Amazon では、20 年以上にわたって人工知能の分野での大規模な投資が行われてきました。お客様にご利用いただいている多くの機能は、機械学習の力によって生み出されたものです。Amazon.com のリコメンデーションエンジンは、機械学習 (ML) を使用して構築されていて…」。

この文章を素直に取れば、Amazonで使われているリコメンデーションには機械学習をベースとするAI(人口知能)機能が搭載されていることになる。本当だろうか。もしかするとAmazonの定義する「人工知能」や「機械学習」というのは世の中でいうものと少々違うものなのかと疑念が浮かぶ。

なぜこんなことを言うのか。小生も数多いAmazon Primeユーザーの一人であり、その便利さは骨身に沁みている。しかしそのリコメンデーションに関しては時折だが首をひねらざるを得ないものがあるからだ。

具体的に言おう。例えばインクジェットプリンターをエプソン製からキャノン製に買い替えた時のこと。併せてインクカートリッジのセットも幾つか買っておいたので、数週間後に同じ機種用のインクカートリッジが幾つかリコメンデーションされた時には「さすがにそんなに早くはなくならないよ」と苦笑いするだけだった。しかし、しばらくした後でインクジェットプリンター本体がリコメンデーションされた時には「なぜだ?買い換えたばかりだぞ」と興ざめしたものだ。

ついでに言えば、たまにだが、以前使用していたエプソン製用のインクカートリッジがリコメンデーションされることもある。「もう使っていないことぐらい推測しろよ」と言いたくなる。

同じようにPCを買い替えた時にも、数か月後に同機種および類似機種のPCがぞろぞろとリコメンデーションされた。やはり「おいおい、そんなに何台も要らないよ」と突っ込みたくなってしまう。

何のことはない。小生が購入前にAmazonのウェブサイト上で検索して色々な機種を閲覧していた結果から、「このユーザーはプリンター/PCに興味がある」という情報が一旦蓄積されているゆえに、ある程度の期間を経て、同じまたは類似機種をリコメンデーションしているに過ぎないのだ。Amazonの場合には買い物や検索に加え、「欲しい物リスト」に入っているものも同様にリコメンデーションの対象になることも明確だ。

しかしこれらははっきり言って、「AI」とか「機械学習」とかいうレベルではないのではないか。

確か、Amazonのリコメンデーションというのは「(ログイン後の)買い物や検索などの行動データを蓄積して、同じような行動を取った他のユーザーがその後に購買したパターンと同じものをリコメンデーションする」のだと聞いたことがある。その精度は母集団データが巨大になればなるほど向上するに違いない。

しかしこれだけでは「ビッグデータ解析を自動手順で実施している」に過ぎず、「機械学習ベースのAI」とは違うはずだ。後者であるなら、新機種を買ったばかりの人に「もう一台どうぞ」と勧めるのではなく、周辺機器や関連サプライ品を勧めることが優先されてしかるべきだ(確かにそうした商品もたまにリコメンデーションされるが)。また、新機種を買ったばかりの人に、買い替えられた旧機種プリンターのサプライ品を勧めるのもAIらしからぬ振る舞いだ。

確かに可能性としては、複数台のPCを所有している人(小生もその一人だがAmazonで買ったのは1台だけだ)がそのうち1台を更新した後に、買ったばかりの機種が気に入って他の旧機の更新時に「もう一台」と追加購入するケースがないとはいえない。また、インクジェットプリンターを複数所有している人が連続して似たような機種を更新購入することがあるのかも知れないし、前から使っている別機種のインクカートリッジを相変わらず追加購入することも皆無とは言えない。

しかしそんな行動パターンを示す人たちが多いとも思えないし、小生がそうした人たちと同じ購買行動を示したとも思えない。やはりAmazonは単に、個々の検索行動と購買行動それぞれに対し単純反応してリコメンデーションしているとしか思えない。

第2次AIブームの時にはエキスパートのノウハウがプログラムされているだけでAIと呼ばれた。しかし第3次AIブームの今、「機械学習などで自己学習して少しずつ賢くなる機能がない限り、普通はAIと呼ばない」(某I社のAIエキスパートの談)。新規事業をコンサルティングしている小生としてもそのように説明している。

一体、AmazonではAIおよび機械学習をどう定義しているのだろうか。NHK的に、「先端的なITなんだからAIと呼んでもいいじゃん」というバズワード追随派なのだろうか。それともAWSのHP冒頭の説明文はまったく違った解釈をすべきなのだろうか。謎だ。

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