東芝はどこに向かおうとしているのか

優良子会社を次々に切り売りする東芝。経営陣は「上場維持のために苦渋の決断だ。背に腹は代えられない」と言い訳をするのだろう。しかし上場維持を最優先することでスカスカの企業グループになってしまって何の意味があるのか、素朴な疑問が湧き上がって仕方ない。


東芝が2011年に買収して子会社化していたLandis-Gyr(ランディス・ギア)をスイス証券取引所に上場させ、60%になる保有株をすべて売却したとの報があった。
http://asia.nikkei.com/Spotlight/Toshiba-in-Turmoil/Toshiba-to-reap-360m-profit-on-Landis-Gyr-IPO

東芝にとっては1617億円の売却額をもたらし、(税金など差し引いても)約400億円もの利益になるそうだ。ひどく財務が痛んでいる東芝にとって大いなる恵みをもたらしてくれた「孝行息子の独立」と見る向きも多いだろう。

しかし小生のブログに前にも書いたが、このスマートメーター会社を買収した狙いは全く果たされていない(小生の友人は経営の自由度も増し、この上場に大いに喜んでいるようだが)。
http://pathfinderscojp.blog.fc2.com/blog-entry-819.html

このタイミングで高値で売り抜けることができたのはたまたまの幸運に過ぎない。この一連の経過を見る限り、東芝という巨大会社の経営能力の低さを世の中に露呈しただけというと酷だろうか。

既に手放した東芝メディカルしかり、ただいま入札騒動中のメモリー事業しかり、そしてこのランディス・ギアしかり。上場廃止を避けるために、必死でぴかぴかの優良子会社を切り売りしている。この結果、東芝に残るのは厄災の種である原子力事業と、経営能力に欠ける経営陣だけということになりかねない。実に不可思議、本末顚倒の動きだ。

目先の体裁のためにこんな中身の薄い企業になってしまって、いったい東芝社員は誇れるのだろうか、経営陣以外の誰がハッピーになるのだろうか。大きな疑問だ。
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高度な自治を守るため奔走する“民主の女神”たちに力を

中国の横暴・強引なやり方に飲み込まれる懸念が強くなっていた香港には、以前から強い同情と関心を持っていた。そんな折、未来世紀ジパングでタイムリーな放送があった。『香港返還から20年"民主の女神"が再び対決...中国の巨大権力!』がそれだ。

今回は特に「雨傘運動」のリーダーだった"民主の女神"こと、周庭(アグネス・チョウ)さんが表立って採り上げられていた。)大の日本好きで20歳の若さでありながら、しっかりとした考えを述べてくれた。さすが民衆が推すリーダーだ。中国が約束しながら二枚舌で逃げようとしている「一国二制度」の高度な自治が守られることを願って止まない。
http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20170626/

今回は香港で済む所を追い立てられる「住宅難民」や、1997年の返還を前にカナダに逃げ出した人たちの苦闘なども追ってくれた。以前、米国に逃れた人たちが天安門事件の事実を残そうと語り出したというドキュメンタリーも観たが、やはり自由があってこそ人間の創造力やバイタリティは輝くはずだと思う。

膨大な人たちの生活を破壊しながら好き勝手に勢力を拡大しようとする中国政府にはほとほと嫌悪感を催すが、「東洋の真珠」(中国には「豚に真珠」だが)と呼ばれる香港の良さを消してしまうことがないよう、僅かながらも冷静さを残しておいてもらいたいものだ。そして日本のメディアや政府も目を離さないようにしてもらいたい。

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テキサス大学校友会の集まりに出席して

本日、テキサス大学の校友会の集まりに出席した。少々仕事が押しているので、朝少し仕事をやってからぎりぎりに出たが、乗り換えの関係で少しだけ遅れてしまった。

その出席メンバーたるや、もの凄いご高齢の方が少なくなかった。小生のように50代なんてのは若手に分類されてしまうくらい。70代が主流で、その前後が数名ずつといった感じだった。フルブライト奨学生だった方々が何人もいたのだから恐れ入る。その分、少々話が長い方も数名いらっしゃったが、そこはご愛敬。

出席者には建築土木関係が数名、石油や化学関係が若干、医学関係も若干と、なかなかバラエティに富んでいた。LBJの奥さんが理事会メンバーとか、ティラーソン現国務長官がUT出身だという話も聞き、なるほどテキサスだと納得。

若い時に留学して視点が広くなったり人脈が豊かになったりといった話には共感した。逆に、今の若い人たちにそうした機会は十分与えられているのだろうか。また、日本は豊かになり留学のハードルは下がったはずだが、その分の覚悟が問われないことで、却って人生の大きな転機にならないケースもあるかも知れない。それは実にもったいない話だと考えさせられた。

幹事の大野先生はパソコンもスマホも信用せず使わないそうだ。この集いは大野先生のご尽力でずっと続いており、出席者一同が感謝している。来年もできる限り出たいものだ。

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名門日本企業のグローバル戦略

私の友人にスマート〇〇の世界的メーカー(仮にG社とします)のCEOがいる。確かスペイン辺りの出身だ。

彼がCEOに出世したタイミングとほぼ同時期に某名門日本企業(仮にT社とします)から買収のオファーがあり、上場廃止と併せて同意している。何せハイテク分野なので競合を引き離すための投資が将来的にかさむことが見込まれ、経営にとやかく言わずに後ろ盾となってくれる日系超大企業ということで歓迎だったのだろう。

しかし今やその名門企業T社は自らの台所事情が火の車となり、片っ端から傘下の事業を売り払う姿勢を隠さない。G社も例外ではなく、口さがない国際的金融情報会社では売却金額予想まで報道している。日本のアナリストなどは「G社の製品は日本市場で使えないから不要なのだろう」と言っているようだが、ピントがズレている。

グローバル市場を相手にする「スマート〇〇」とか称される分野の企業にとってM&Aは日常茶飯事であり、親会社が毎年入れ替わることも稀ではない。だから友人にとって今回の騒ぎは戸惑いではあっても驚きではないだろう。

でも小生が首をひねるのはT社の態度だ。「重点分野」だと公言しておきながら、そして実際に自らの事業とのシナジー効果の膨大なポテンシャルを持っているのに、それを活かすべくG社が持つ世界販売網を活用する動きは過去数年の間ほとんど見えてこなかったし、今この売却話を否定していない。

一体、この名門企業のグローバル戦略はどうなっているのだろう。

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人間の厚みと応用能力を決めるもの

大学の後輩と久し振りに会食した。自動車部OB会メンバーであり、彼らと共に定例的に飲み食いする会では何度も食事しているが、2人で会うのは初めてだったので、色々と突っ込んだ話をする機会となった。

特に彼のこの30年余りの商社マン・キャリアについていろいろと聴き、思わぬ珍しい経験や、小生が興味を持っていたスマートシティの海外プロジェクトの経験などまでやっていたことを知ることができた。

小生自身が特殊なキャリアと経験を持っていることはよく指摘されるのだが、たとえ普通の大手企業の中にいても、海外や地方で「切った、張った」をやってきた人間は面白い経験を持っており、その分だけ「特殊能力」を蓄えている可能性は高いのだろう。

正直、日系大手の金融マンや役人、大手企業の国内主流派には要領や人脈遊泳だけで出世したような連中が多い。これは一橋の先輩・同輩でも東大/京大出の優秀とされている人たちでも同様だ。肩書は凄いのに、パーティなどでちょっと突っ込んで話してみると薄っぺらなことにがっかりすることが少なからずある。

結局、人間どれだけ修羅場をくぐってきたかが人間の厚みと応用能力を決めるのではないか。この歳になるとくれぐれもそう思う。

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