「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」は何を見せてくれたか

NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ 『第1回 岐路に立つ"日の丸家電"』」を観た。

ソニー、パナソニック、シャープという家電御三家が苦境に陥っている。アップル、そしてサムスンやLG電子など韓国メーカーにいいところなく敗れたこの10数年を振り返り、逆襲のシナリオが成り立つのかを考える、非常に興味ある題材である。

1回目では、ソニーの平井社長が進める改革に密着。縦割り組織を「ワンソニー」としてひとつにまとめ、商品開発の仕組みを変えようとする様子などを取材している。一方、シャープでは、台湾のEMS、ホンハイと提携することに活路を見いだそうとする様子を取材。両社の過去の経営陣の証言を交えながら、なぜ両社が苦しんでいるのか、どこに逆襲のシナリオがあるのか考えている。番組はこの中で日本の家電メーカーが我が世の春を謳歌していた1980年代までと、その後の20年を対比して、どういう経営判断ミスなり努力不足があったのかをあぶり出すべく、幾つかの切り口で分析をしていた。

小生の私見では(大きな観点でいうと)、ソニーの場合にはアップルと対比してソフトウェアとネットサービスへの対応スピードと徹底度において、シャープの場合はサムスンと比較して世界展開マーケティングのアプローチにおいて、どちらも競争相手を甘くみ過ぎていたことが致命的だったと思う。前者はインターネットという新しい技術インフラの勃興が、後者は市場のグローバル化という大きな経済トレンドが、それぞれライバルにとってのレバレッジになったのである(言いかえれば両社は十分にその機会を認識・活用できずに座視していたに等しいのである。

この番組の中で小生が苦々しい思いを感じたのは元ソニー会長の出井氏である(今はVC的な会社の経営者)。ソニーの当時のCEOとして凋落の責任をどう語るか注目していたが、全く期待外れであった。いわく、「インターネットがソニーのビジネスにとって、どんなインパクトを与えるについて当時予想したことはほとんど当たっていた」と少々自慢げである。その上で「ソニーほどの巨大企業の舵を切り替えるのは個人には無理だった」と言い訳をして、あげくは「当時何をすべきだったとか、何をできなかったかをあげつらっても仕方ない」と責任逃れの言い方をした上で具体的な証言を拒み、「今の人たちには是非色々と考えてもらい、その反省の上で次に向かってもらいたい」というような意味の言葉をのたまわっていた。非常に矛盾したもの言いである。彼のような立場にいた人が何を間違ったのか具体的に詳細に語らずして、後輩たちはどうやって教訓を学べるというのか。

そんなに正確に予想していたのに十分な手を打てなかったのは、自身がトップ経営者としてリーダーとして、力不足であったと何故言えないのか。IBMのガースナー氏、Appleのジョブ氏、日産にゴーン氏のように超巨大企業を再建した人は確実にいる。出井氏は自分にその力量がないことが分かった時点で、久多良木氏のような乱世向きの経営者にバトンタッチすべきだったのだろう。ビジョナリーとしては注目された人だっただけに誠に残念である。
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家電ベンチャーからの挑戦状

ガイアの夜明けの10月23日放送分、「家電ベンチャーからの挑戦状」を観た(相変わらず録画にて)。日本の大手家電が元気を失くしている中、ベンチャーが元気である。主に2つの家電ベンチャーがフューチャーされていた。

一つはBalmudaという注目のベンチャー企業。元々ミュージシャンであった人物が創業、既存家電企業を飛び出した技術者を集め、ユニークな扇風機でヒットを飛ばした。羽根の構造が複雑で、内側と外側の羽根が逆方向に回ることで風が自然に近いものになるとのこと。3万円代という高価な製品ながらクリーンヒットを飛ばしている。次の新製品としては同社独自の羽根構造をベースとした空気清浄機に悪戦苦闘しながらも挑戦している様子が放映されていた。部屋のどの位置に置いても、強力な空気の流れを作って塵を吸い込む機能が優れている。しかし構造が複雑で部品点数が多く、組立工場が嫌がっていたのもよく分かった。大量生産は難しいので、価格は少し割高にならざるを得ないだろう。

もう一つはBサイズという「一人家電ベンチャー」。富士フィルムではなかなか実現できなかった「ものづくり」を全部(材料探し、設計、組み立て、梱包、出荷)自分で行っている。独立後3家月で最初の製品、スタイリッシュなLEDスタンド(なんと4万円弱という価格!)がヒットした。グッドデザイン賞を受賞したその製品の肝は、元々知っていた、シチズン電子のLEDと、きれいに鉄パイプを曲げる金属加工技術を持つ工場である。どうやら彼は目利き能力に長けた技術者のようだ。放送の中で紹介された次の挑戦はスマホ用「置くだけ」充電器。大手メーカーが既に上市している分野なので疑問にも思ったが、何と木を外装に使うべく、木工家具メーカーの強力を得て製品化しようとしていた。強度を保つために圧縮して、しかも最低2ミリと薄く削ることで電磁波を通すこともできたようだ。確かに木は癒し系材料として魅力的なのだが、本当に消費者が望む価格でできるのか、少し心配になってしまった。

いずれも機能や素材など非常にユニークであるが、価格は割高になる傾向も見えてきたが、オーバーヘッドが極小のベンチャー企業だと、もしかすると意外と受け容れられる価格で出せるのかも知れない。

これを観た後で、日工大の自分の講座「ビジネスモデル開発とリエンジニアリング」で昨日紹介した2つの家電ベンチャーが気になった。カンキョーとバイ・デザインである。前者は大手の攻勢に負け、98年には会社更生法適用の憂き目を見た空気清浄機メーカーである。今や小型除湿機やタービュランス空気清浄機でヒットを飛ばし復活しつつあるようだ。すごく嬉しい(小生は同社のクリアベールを2台買ったほど応援していた)。

それに対しバイ・デザインのほうは、デル・モデルのアキアで一世を風靡しながらその後蹉跌を味わった飯塚氏が起こした、液晶テレビのBTOベンチャーである。こちらは残念ながら2011年に破産したようだ。飯塚氏には是非、3度目の挑戦をしてもらいたい(ただし生鮮食品的な分野ではなく、もっと企画力が活かせる分野で)。

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ベトナム国費留学生との交流会

第5回「ベトナムブラザーズ」なるイベントに参加した。「ベトナム国費留学生50人×日本の経営者50人の交流会」とのことである。
http://www.k-tsushin.jp/global/seminar/vietnambrothers5.html

ベトナムに進出中・検討中のベンチャー・中小企業(多分、ベトナム人の採用に興味が強い会社が多い)と、ベトナムから日本に国費留学で来ている優秀なベトナム人学生との「お見合い」的な色彩をもつイベントである。弊社はまだベトナム人学生の採用は時期尚早なのだが、人脈作りとして、またどんな企業や学生が集まるのか興味があり、参加した。

実際に会話した20人程度の人たちから判断すると、ベンチャー・中小企業側はその前口上通りだったが、現役学生と同じくらいかそれ以上に「元留学生で現在日本企業に就職しているが、いずれ母国に帰りたいと考えている若いベトナム人ビジネスマン」に巡り合った。彼らは第1~4回のいずれかで参加した人たちであり、もちろん優秀な元国費留学生が大半である。したがってこれはこれで将来の楽しみとして収穫であった。

それにしても、途中で挨拶されたベンチャー企業の経営者のように、ベトナム人の学部を卒業したばかりの人を現地拠点立ち上げの責任者として母国に派遣するというのは、過激すぎる例ではある(MBAの卒業生だったら全くおかしくはないが)。あとベトナムの人件費の安さに注目して労働集約産業であるシステム開発関連の業種が注目して動いていることも感じた。しかしアウトソーシング先としてならともかく、現地進出して現地需要(進出した日本企業相手を想定しているようだが)を取り込もうとしているIT企業は、自社に十分なスタッフ管理能力がないと無理なのだが、あまり理解していないようだ。この両例に限らず、このイベントでは日本人経営者側の期待過剰が目についた。

このイベント参加企業に限らず、ほとんど無手勝流に近い状態で(つまりとりたてての戦略なしで)中国や東南アジアに進出する例がまだまだ多いのには驚かされる。よくいえば度胸があるのだが、ありていに言えば現地市場を舐め切っているとしか小生には思えない。実際、そうしたやり方で中国・東南アジアに進出し、失敗して逃げ帰った例を幾つも聞いている。もう一つの失敗パターンは、たまたま知りあった現地出身の人の人脈に頼って進出したのはいいが、全く業種的には無関係の人脈のために見事に失敗する例も少なくない。これもまた安易な進出としか云えない。

いくら資源に余裕のないベンチャー・中小企業だろうと、知見のない海外市場(しかも勝手の違う途上国市場)に進出する場合、事前に事業戦略仮説をきちんと描かずに(そしてその検証をせずに)いきなり進出するのは無謀であり、貴重な時間とカネと人的資源の無駄遣いとしか言いようがない。是非、冷静になって欲しいものだ。

PS このイベントは面白いが、会場の食事はいただけなかった。おいしいベトナム料理は無理と思うが、コストを削った中途半端な洋風料理は日越いずれの人にもウケないと思う。

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オバマ vs ロムニーの論戦に見るレベルの高さ

オバマ大統領と共和党のロムニー候補の第2回討論会の様子をYouTubeで観た。

前回の第1回では、ロムニー氏が積極的に押しまくり、オバマ氏は言い淀む場面が目立った。それを反省したオバマ氏は今回、4日にわたって「特訓」を受け、この真剣勝負の場に臨んだとされる。そしてオバマ氏は第1回のような受け身的な行儀のよさをかなぐり捨て、何度もガバナー・ロムニー(本当はFormer Governerというべきところだが)の過去の言動や金持ち優遇の志向をしつこく攻撃し、前回の劣勢を見事盛り返したと評価されている。

通しで討論会を観終わった感想としては、「甲乙つけ難い」と小生には思えた。確かにオバマ氏は復活した。元々演説だけとれば、歴代大統領の中でもトップ3に入ろうかというほど、拡張高いトーンや絶妙の間が超一流なのである。そして今回は随所にオバマ節が出ていた。前回うまくいかなかったロムニーの発言の矛盾点や弱点を突く、本来のディベートに成功していた。

しかしそれでも報道がいうほど勝ち負けがはっきり出たかというと、そうは思えない。

元々ロムニー氏の政策は金持ち優遇的な臭いがプンプンしていたし、第1回討論会直前の身内の会合でのあからさまな社会的弱者への軽蔑発言もあり、投票態度を決めていないミドルクラスの投票者の予想はロムニー氏に対し相当辛いものがあった。しかし第1回の自信満々で攻撃的なビジネスマンらしさを発揮したことで、「もしかすると経済回復ができるのはこの男かも知れないぞ。性格的には問題あるかも知らんが、大事なのは景気だ」と人びとに思わせるのに成功したのである。

今回も彼は、「自分はビジネスの世界で企業業績を上向きにすること、借金を減らすこと、雇用を増やすことに成功してきた実績がある。それに対しアバマ氏は4年間で結局ジョブを増やすのに失敗した」と何度も強調し、その自信とリーダーらしさはいささかも揺らぐことがないように見えた。

とにかくこの第2回討論会で感じたのは2人の候補者のレベルの高さである。事前にどれだけ特訓しようと、会場の質問の中には予想外のものもあろう。ましてや討論相手が質問に対し、または自分の話に対しどんな論を起こすか予想できるわけではない。その内容に応じて適切に反論し、場合によっては厳しく「揚げ足を取り」、相手を言い淀ませようとする。しかも与えられた時間をオーバーすると途端にタイムキーパー役の司会者が口を挟む。

本当に「丁々発止」というのはこのことだ。こんな論争で鍛えられている政治家の中のトップが大統領になるのだ。長老との腹芸や数合わせで勝負が決まる日本の首相が太刀打ちできないのは仕方ないと思わせるものがある。

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長野の年金基金にみるファンド管理業/投資顧問業のいい加減さ

長野県建設業厚生年金基金というところはあちこちからカモにされていたようだ。AIJ投資顧問による詐欺事件の被害にあった年金基金の一つなのだが、別のファンド運営会社が、投資顧問先3社を介して同基金の資産を預かり、経営状態が悪化している企業の未公開株に投資した結果、損失を出したとのことだ。

同基金については前事務長が着服容疑で全国に指名手配されているということで報道があったばかりだ。そこに今回、金融庁の調査で、さらに大きな損害実態が判明した訳である。

その金額、約46億円という。AIJ事件が表面化する前の今年1月時点で年金資産は175億円程度とされていたとのことなので、AIJ事件での約34億円と合わせて、半分近くまで基金が減ってしまった模様である。

この話でひどいのは、同基金は運用委託契約を3社と結んでいたにも関わらず、というところである。ソシエテジェネラル信託銀行、スタッツインベストメントマネジメント、ユナイテッド投信投資顧問の3社が、今回判明した別の未公開株ファンドにも投資をして大損(68億円→22億円)をさせたということである。

しかもこの未公開株ファンドの管理会社(アール・ビー云々という名称)は詐欺容疑で家宅捜索されるような悪質なところなのである。AIJ投資顧問に加えて今回のアール・ビー社という、複数の詐欺的運用会社に多額の年金基金の資金を投じるということで、実態調査もせずに運用会社を決めていたとしか考えられない。プロとしてあってはならない体たらくである。廃業して欲しいくらいである。

小生は元々「投資顧問業」という連中は胡散臭いと思っていたが、ここまで腐っているものだとは信じられない思いである。日本経済がおかしくなってしまった一つの重要な要因は日系金融業のレベルの低さ(その結果、多くのまともな企業が外資系に食い物ににされたこと、海外展開の機会を逃し続けたこと)だと小生は思っているが、こうした犯罪レベルの話を聞くと、何をかいわんやと感じる。小生の知る多くの金融マンは真面目な人たちばかりで、金融業全般がこんなものとは決して言わないが、この業界ではひどい連中は骨の髄までひどいものである。

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ソフトバンクのスプリント買収が持つ、2つの意味合い

ソフトバンクが米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収すると発表した。買収資金はメガバンクからの総額1兆6500億円の借り入れで賄うという。市場では、ソフトバンクの今回の合併に対し色々と批判的な見方が多い。外国企業を対象にした通信分野でのM&Aは、周波数帯の違いなどを背景に使用する端末の機種が異なるなど、相乗効果が小さいとの見方が多い。NTTドコモのAT&Tワイヤレスに対する資本提携と失敗も引き合いに出されている。

しかし、所詮それらは評論家的、外野のヤジに過ぎない。アニマルスピリットを発揮することこそ企業経営者の真骨頂であり、さすが孫さんと小生は高く評価する。

もう一方では、能天気な報道も相次いでいる。将来的に通信方式を日米で統一することで基地局設備や端末仕様が共通させ、規模の経済により通信料金の値下げも期待できると。確かに企業収益の向上にはそうした方策を執るだろうし、かなり先の将来には通信料金の値下げ(というか値上げの抑制)につながるところもあろう。しかし後述の通り、短期的には全く逆である。

さて、この買収には2つの意味合いが読み取れる。1つは、孫さんとしては今が円高のピークであり、かつスプリントの業績が底入れしたと読んでいるのだろう。ある外資系証券M&A担当幹部のコメントがネットに載っていたが、「日本もこれだけ疲弊し、グローバルな先行きも不透明さを増している。どこまで積極的にM&Aをすべきか慎重な経営者が増えている」と、情けない事情を伝えている。しかし国内市場の伸びが期待できず海外市場に期待せざるを得ないのなら、しかも基本的にキャッシュフローを稼げるビジネスであるのなら、円高の今のうちに既に確立した現地事業を買収することを選択するのは合理的である。まだまだソフトバンクの負債は半端でない金額であり、本来ならもう少し圧縮してから仕掛けるのが常識的考えだが、孫さんはそれでは機を逃す、円高のピークは今、スプリントも今が買い時と読んでいるのは間違いない。

もう一つの意味合いは日本の消費者にとっては面白くない予想である。スプリント・ネクステルを買収する1.6兆円という途方もない金額は銀行からの借入金でファイナンスするそうである。何と総額1.8兆円の協調融資という。確かにキャッシュフロー総額も日米ダブルインカムになるので増えるが、米国市場というのはかなりシビアで日本以上の激戦区である。今回の出資額は基本的にスプリントの設備投資更新、特にLTE化に使われ、またソフトバンクが日本市場で培ってきたマーケティング手法を米国市場で適用するのに全額使われよう。つまり債務の返済原資の主体は日本市場から上がるキャッシュと推論される。

結論からすると、ソフトバンクは日本市場を「キャッシュ・カウ」の位置づけにし、「価格競争の仕掛け人」の立場から降りると宣言したようなものである。多分、「犬のお父さん」のようなブランド広告はこれからも続くだろうが、業界の先陣を切っての「XX割」をアグレッシブに打ち出すソフトバンクの姿はしばらく見られなくなろう。これに対しauとドコモがどう仕掛けるか、見ものである。

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台湾と中国は全く社会的背景が違う

台湾に向かおうとした日本人観光客が相次いでキャンセルしているとの情報がある。理由はデマのせいである。いわく、「台湾でも中国と同様に過激な反日デモが行われ、暴徒化した」「危険だから日本人は出歩かないよう、現地在住の日本人には(日本大使館に相当する)日本公館交流協会から通達が出た」などといった類である。全部嘘である。

中には「台湾には中国人観光客が多くいる。現地で日本人と鉢合わせしたら危険だ」という、いかにも尤もらしい話もあるが、冷静に考えみれば、台湾に旅行できるような裕福な中国人観光客は(いくら日本嫌いでも)暴力は振るわない。危険な状態になるとしたら、わざわざ現地の居酒屋に行って中国語で「尖閣は日本の領土だ」とでも主張するようなことをした場合くらいだろう。

台湾は民主国である。日本と同様に色々な政治的主張がなされ、デモも起きる。中には過激な主張をする人たちもいるし、「魚釣島は台湾のものである」という主張はかなり広範になされているのも事実だ。しかしだからといって日本人もしくは日本系企業や製品に危害を加えるような野蛮な真似をする人はまずいない。社会的背景が全く違うのである。石碑にペンキが塗られ「慰安婦記念碑」と書かれた事件があったが、これは明らかに朝鮮系の悪たれがやった嫌がらせの軽犯罪行為だ。

だから台湾旅行を考えている人たちはキャンセルなんかせずに、是非現地を訪れて欲しい。全般的に親日的な人が多いが(日本語を話せる老人も多い)、当然、そんな人ばかりとは限らない(歴史的には日本は朝鮮と台湾を同様に扱っている)。それを含め、是非台湾の人達と意見交換し、彼らがどんなことを考えているかを知って欲しい。台湾は中国では決してない。

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中国での日本車はさらに苦境へ

中国での日本車の売れ行きが殊のほか悪化している。9月の各社の販売実績は前年同月比で、トヨタが48.9%減、日本車トップの日産が34.6%減、ホンダが40.5%減と、軒並み討ち死に状態である。一方、韓国車は飛ぶように売れている。ヒュンダイは15%増と、市場全体の伸びを大きく上回る。

つまり日本車への買い控えがダイレクトに韓国車に向かった訳である。いかにも金持ちであることを示す外国車を乗り回す、見せびらかすという行為は、成功した中国人としてはゴールイメージに近いらしい。日本車でなければ欧米車や韓国車が代替品になる。はっきり言って車に関しては、彼らに日本ブランドへのロイヤルティはない。

この結果は、今回の反日デモ/暴動が起きた直後に予想されていた。今回ターゲットにされたのは日本資本のスーパー/百貨店だけでなく中国人所有の日本車が多かったからだ。多くの都市で日本車が傷つけられ、中には車から引きずり出されて大けがを負った人たちさえいる。こんな怖い思いをした人たちの話を聞いて、わざわざ日本車を買おうと思う勇気はなかなか出ないものだ。

以前に書いたように、今回の暴動の本質は中国人同士の経済格差、そしてそこから生まれる都市に流入した元農民やその子供たちの嫉妬心のマグマがのっぴきならないレベルに達したことから来る。確かに中国政府が扇動した側面はあるが、「火薬」が積み上げられているところで火遊びをするようなもので、危険極まりない状態だ。したがって今後も事あるごとに今回のような暴動は起きるだろう。そしてそれを中国の豊かな側にいる消費者も敏感に感じているだろう。

この数字の落ち込みは、反日デモの連中が声高に主張した「日本車不買運動」の成果では決してない。日本車を買える人たちに対する嫉妬心が自分達に向かう過激な暴力になることを身近に感じた中国の消費者(しかも都市エリートたち)が恐怖に駆られた結果である。

しかも9月の販売実績は、既に注文済みだった車を受け取った人たちがかなりいるから、それなりに底堅いものがあったが、10月以降の数字はさらに惨めなものとなろう。当然ながら、一連托生のTier1以下の部品メーカーや関連サービス事業者も、一層の業績の縮小を余儀なくされる。既に中国ビジネスのモードを拡大から縮小に切り替えたところが多いと聞いているが、戦略的撤退は早ければ早いほど、そして果断であればあるほど、傷は小さく済む。

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自らの首を絞める韓国の無用な意地

竹島問題がきっかけで日韓間が冷え込み、本来延長されるはずだった両国間の通貨スワップの拡充措置が延長されないことに決まった。

通貨スワップ協定は、(アジア経済危機の際のように)韓国経済が落ち込んだりしてドルまたは円資金が急激に流出した場合に、日本政府が韓国ウォンとドル・円を交換することで、韓国経済にドル・円資金を供給する仕組みである。

元々の交換枠は130億ドルだったが、昨年の欧州経済危機への不安が高まった際にウォン安が続いたため700億ドルに枠を拡充する措置を取っていたものだ。その措置の延長期限が10月末なのだが、何もなければ延長措置を執るはずだったのに、竹島問題で日韓関係が冷え込み、急にこのスワップ拡充が政治問題化したのである。

要は、韓国マスコミがなぜか「スワップ拡充は日本側の要請に基づくもの」とし、日本政府が色をなして「韓国政府の要請に基づくものだ」と反論し、韓国政府は世論に気兼ねして沈黙したのである。日本政府も大人げなく、「韓国政府から要請がない限り拡充延長はない」などと宣言してしまったため、韓国世論は「日本は韓国に頭を下げさせるためのカードとしている」と反発し、当然ながら韓国政府は要請できなくなってしまったのである。まるで子供の喧嘩である(喧嘩しているのは今や、韓国のマスコミと日本政府である)。

この結果、誰かがすぐに困る訳ではない。しかしこの通貨スワップそのものは韓国経済にとって一種の保険なのである。韓国経済が大きくなったせいで、今や元の交換枠・130億ドルは、保険の額としては非常に心もとない規模なのである。万が一、欧州経済危機がさらに中国経済を変調させ、「財政の崖」の問題や政権交代時の機能不全などで米国経済が失速したりすると、韓国経済だって安泰ではない。国際金融市場の子鬼達が目をつけると、投資資金が急激に引き揚げられたアジア経済危機の悪夢が蘇らないとも限らない。そうすれば日本経済だって大打撃を食らう。

元々はレームダック状態の李大統領の浅はかな国内向けパフォーマンスにより冷え込んだ日韓関係が、世間の劣情ウケだけを狙う韓国マスコミとその偏った情報に踊らされる韓国市民の相乗効果と、両国政府の大人げない態度とによって増幅されてしまった構図である。救いは日本の市民の冷静さだが、これだって韓国市民の嫌日コメントや韓国政府の欧米での反日宣伝活動などを知れば、今後どうなるかは予断を許さない。

国は引っ越しできない。どれほど嫌な隣人でも、隣人のままで付き合っていくしかないのである。しかも国家戦略上、日米を引き離すことを国家戦略にし機会あれば領土侵略にも意欲を見せる中国と違って、韓国という国に帝国主義的戦略や深謀はない。日本政府や日本の市民には大人の態度を続けて欲しいし、韓国の政府とマスコミには「沈黙は金」という格言を送りたいものだ。

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「日本発」が眩しい山中教授の受賞

昨晩は非常に興奮した。もちろん、iPS細胞の山中・京大教授のノーベル医学生理学賞受賞のことである。

昨夕は何となくTVをオンにしてすぐ、ビッグニュースが飛び込んできたので、とても驚いた。関係者は待ち構えていたようだが、ノーベル賞の発表予定だということすら知らなかった。数年前から山中氏が日本人としては最もノーベル賞に近い人物だとされている(他には村上春樹氏が文学賞の候補か)ことは知っていたが、イメージとしては「お年寄りの賞」なので、意外と早い受賞だったという印象だ。

受賞の記者会見や過去のプレゼン、友人のコメントなどが放映されており、この人のほんわかした、謙虚で優しい人柄が伝わり、とても日本中をハッピーにしてくれたと思う。「チーム山中」もまたこの人柄故に一丸となって頑張れるのであろう。以前の島津製作所の田中耕一氏を思い出した人も多いのではないか。しかも山中氏の場合、関西人なので、必ず1回はウケを狙う楽しい「ボケ」コメントもあり、国際学会などでも評判がいいそうだ。

それにしても、長期経済低迷、東日本震災、中韓との領土問題など、このところ日本という国が運に見放されているのではと思わせるくらい暗い世情が続いている中、本当に嬉しい話題である。本来、日本発の技術には世界レベルのものが幾つもあり、それらに興味を惹かれて日本に住み着いた外国人も多い(実は先週はたまたまそんな人たちと別々の機会に会い、面白い意見交換ができた)。

時折耳にするのだが、日本人の研究者やビジネスマンは、国際学会などの舞台でのアピール力に欠けることで損をしていることもままあるようだ。研究が一番大事なのはもちろんだが、優秀とされる研究者の方々は是非、山中先生を見習って、プレゼン力もまたブラッシュアップしていただきたいものだ。

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ロムニー候補の逆襲

米大統領選挙の行く方が全く読めなくなった。昨日(1昨日?)の2大政党候補の討論会にて、民主党の候補であるオバマ現職大統領と共和党の候補であるミット・ロムニー氏が討論を行った。

大衆およびマスコミの評価は明らかにロムニー氏が優勢であったと伝えている。氏のほうが具体的かつ明確に現職大統領の失政もしくは進捗の遅さを突き、オバマ大統領は防戦一方だったと。ABCニュースでの抜粋放送を聞く限り、ロムニー氏は「舌鋒鋭く」切り込み、オバマ大統領はいつもの格調あるスピーチやウィットを効かせたコメントではなく、なんとなく元気がない様子なのである。言っている内容も「でも頑張っているでしょう」程度のトーンなのである。精彩を欠くといってよかろう。

確かにテーマごとの論戦の最初には、大統領はロムニー氏の政策に関し以前から露呈している矛盾点を突こうとするのだが、ロムニー氏が反論すると、それに対し再度鋭く突っ込むということが殆どなかったようだ(全部聞いていないので、定かではないが)。まるで何か他に心配事でもあるように集中不足のように感じたのは小生だけだろうか。地方遊説を副大統領や夫人に任せて(これは両候補に共通するが)、このディベイトに集中するために準備し練習していたはずなのに、どうしたことだろうか。それとも体調不良か。まさか共和党支持者の極派(実際にいるのが厄介だが)による、家族に危害を加えるといった脅しでもあったのでは、と疑念を抱かせるほどの、オバマ大統領の不調であった。

この結果、「隠し撮りビデオ」による身内での発言の暴露により土俵際に押し込まれていたロムニー候補も息を吹き返したと、もっぱらの評判である。今回の選挙は、米国の将来の方向を決める、非常に重要な選択になろう。さて、あと1ケ月あまりの大統領選挙マッチレースは最後の追い込みに入ろうとしている。ここで大きな失策をどちらかが犯すと、手痛い打撃となること間違いない。

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プリンターのビジネスモデルはエコじゃない

我が家で使っているプリンターが数日前に故障した。同じエラー番号が出るので、ネットで調べてみると、あるわ、あるわ。同じように故障した人の嘆き節がわんさと載っている。意外と多いのが、新品同然の早い時期に同じエラーが頻発して全く復旧しない人たちの怒りの声である。どうやらこれはC社の設計上の致命的な欠陥のようである。

「これで取りあえず乗り切りました」などとなっているのを参考に、何度も電源オフしたが、復活しない。同様に、何か詰まっている様子でもない。結局、一番厄介な、「センサーの故障」である可能性が圧倒的に高いと判断せざるを得なくなった。

その場合、小売店経由でメーカーのサービスセンターに直してもらうことになるのだが、何人もの人がコメントしているように、修理代>新品代のようなのである。修理に出すより新品を買ったほうが安く、しかも性能も多少アップするのである。これで修理に出すのは、メーカー保障期間の場合だけであろう。小生の場合、とっくに保障期間は過ぎている。

仕方ないので、買い替えるつもりでネット上で探してみた(しかも、C社は本体を安くしてインクカートリッジが割高だというネット上の評判なので、E社の同等機種で探した)。すると、ネット上で同輩諸君が嘆いて(?)いた通り、修理代より安くて性能的に全機種よりいいのが見つかった。さっそく注文した。そして翌日には配達された。素早い。

C社に限らず、基本的にプリンター・メーカーは本体を安く販売し、インクカートリッジで収益を上げるビジネスモデルだというのは認識していたが、これほど極端だということを改めて認識した。いまや物置コーナーに放置してあるC社の旧機種プリンターは、外観的には全然古ぼけていない。しかし廃品回収でも引き取り手は多分おらず、廃棄処分するしかない。ちょっと罪悪感に陥ってしまう。

これは全く、資源としての無駄使いを促進するビジネスモデルである。

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「自動駐車システム」の付加価値

昨日から開催した家電見本市、CEATECの様子が色々と報道されている。家電は解像度4倍の4Kテレビが目玉らしいが、むしろ全体的に目立つのはスマホとEVとのこと。わけても日産の「無人自動運転EV」が評判である。

車体の周りにある4つのカメラを使って駐車できるスペースを探し出し、自動で駐車するものである。ウェブやTV報道で部分的にではあるがその様子を見たが、面白い。一種の遠隔ロボット操作である。

仕組みはそんなに複雑ではない。大きく2つのポイントがある。1つはスマートフォンを使ってLTEでクラウドとつなぐこと。車がこれから入ろうとする駐車場の詳細な寸法、どこが空いているか、どこに止めるか、何番目に止めなさい、そういう情報を設備側のクラウドから受信する。

次のポイントは車の周りについている4つのセンサーカメラで、車自身の周辺はどうなっているか確認する。クラウドからもらった詳細な駐車場の情報と、車から見えている白線などの情報を照合することで、自分の位置を5cm以内の精度で把握する。あとはスマートフォンからのキュー出しをトリガーにして、指定された場所に自走して駐車する(この部分は既に実用化されている機能)。

この構想で面白いのは、駐車場の中を前後の車と一緒にノロノロと運転する部分を、運転手なしでも自走できるようにしたことである。同乗者だけでなく運転手も車を降りてしまい、あとは駐車場と車のやり取りにより、空いているスペースまで自走できるのだ。誰も乗っていない車が貴方の目前で駐車する様子を想像して欲しい。

確かに渋滞するSCで(例えば予約している映画に間に合うかどうか)やきもき&イライラしながら駐車するオトーサンを尻目に奥さんと子供だけ先に降りる、といったことは一度や二度、誰でも経験したことがあろう。これは実現すれば人気が出ると思う。ちょうどアイサイトによってスバルの車があまり値引きされなくなったように、意味のある付加価値になる可能性が高いと小生は見る。

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日工大MOTコースの秋講座開始

昨日から小生の講座「ビジネスモデル開発とリエンジニアリング」(15セッション)が始まった。日工大専門職大学院は社会人がMOT(Master of Technologies)を一年で取得するコースである。
http://mot.nit.ac.jp/f

少人数ではあるが受講生の過半数が経営者であり、中には静岡から通う人もいる。各人の自己紹介では「プライベートはこのMOTコースに捧げています」という人もいるくらい、ハードだがやる気のある人たちばかりである。

小生の講座はビジネスモデルとリエンジニアリングという2つの大きなテーマがあるので、どちらに関心が強いかは人によって異なる。しかし(講座の中でも伝えたが)両方を理解しある程度使えるようになることで、イノベーションのレベルは飛躍的に向上する。

MOTコースの受講者の多くはメーカーに所属するが、製造業の人というのは往々にして製品開発のイノベーション(プロダクト・イノベーション)だけに目が行きがちである。しかしそれは一発勝負の世界でもある。例えば製品開発プロセスのリエンジニアリング(プロセス・イノベーションの1パターン)に成功すれば、競合よりも一歩先にかつ着実に製品開発が成功する確率が飛躍的に高まるのである。このプロセス・イノベーションのためのやり方を教えるのが、本講座の後半である。

さらに上が「マーケット・イノベーション」であり、アジアなど新規市場への進出を指す。パスファインダーズ社では東南アジア市場への進出支援がメインメニューの一つである。

一番「非連続的」で難しいとされるのが「ビジネスモデル・イノベーション」である。ビジネスモデルの重要な要素や切り口、開発の手法やパターン、失敗のパターンとその回避の視点、戦略・マーケティング視点での検証などを事例研究を使いながら行うのが、本講座の前半である。

とてもチャレンジングなテーマではあるが、新しい受講生と一緒に楽しみたいと考えている。聴講したい人は事務局に相談して欲しい。
http://mot.nit.ac.jp/inquiry.html

テーマ : 経営コンサルタント
ジャンル : ビジネス

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