東名・新東名高速に見る「怠慢」「やっつけ仕事」の罪

昨日は久し振りに東名高速を長距離ドライブした。そしてせっかくだからと、今年かなり延長区間が開通した新東名も走った。大変なドライブになったが、お陰で色々と考えさせられた。

まずせっかくの新東名高速初体験は、残念ながらあまり快適なものではなかった。もともと山岳地帯をくり抜いて走る道路設計なので、景観を楽しむというよりトンネルを眺めている時間が多くなりそうなのは覚悟していた。しかしそれより、昨日は激しい雨と濃い霧そして他の車の飛沫のせいでワイパーが追いつかず、景観を楽しむどころか、前の車のテールランプを追い掛けるのが精一杯であった。そんな状況だというのに周りの車が無闇に飛ばすので、かなり緊張を余儀なくされた。むしろトンネル内のほうが、道幅が広くて雨も遮られるため快適に感じられたくらいである。

それ以上に東名高速の問題は、相変わらず(いや従前以上)の大渋滞であった。もう仕事納め後なのでトラックの数は少なかったが、帰省の自家用車が随分多かったようだ。特に横浜町田の手前、海老名SA、岡崎の手前はいつも通りの自然渋滞(しかも完全停止)が長々と続いた。雨のせいで多くの運転手がブレーキを踏む度合いが増えた(これが渋滞を引き起こす遠因になっていることは、以前ITmedia エグゼクティブのブログで書いたことがある)のは理解できるが、まったく何の渋滞対策も取られていないのがよく分かった。

そして一番問題だと感じたのが、新東名と東名の合流地点手前の大渋滞である。そこまでの交通量はスカスカ状態だったので、明らかに合流部分にボトルネックが生じているのである。東名も新東名も2車線で、その2つが合流したら本来は4車線、せめて3車線は欲しいところである。それなのに2車線のままの東名に合流させるのである。これでボトルネックが発生しなかったら、そのほうが不思議だ。

東名高速の道路計画者が気づいていないはずはなく、これは「当面は目をつぶろう」という判断をしたと考えられる。というのは、新東名はまだ完全開通しておらず、当面は東名の三ヶ日JCTにつながって(東名に)戻る構造なのだ。
http://www.c-nexco.co.jp/shintomei/section.html

そのため浜松いなさJCT~三ヶ日JCTの部分は一時的に交通需要が高まるが、新東名が豊田東JCTまで延びてしまえば閑散としたものになろう。それは東名高速から見たとき、三ヶ日JCTで生じる交通量急増もまた当面のものだということを意味する。だから東名高速の担当者は、その「当面」の間の利用者の不便を解消するためにわざわざ東名側の(道路拡張と)車線増をすることを面倒がったのであろう。

こうした「怠慢」や「やっつけ仕事」は、利用者の期待を裏切る行為といわざるを得ない。小生はクライアント企業によく注意喚起する。こうした一時的な「避難」に関わるケア的サービスは、コストは掛かるが利益を増やす訳ではない。しかしここで手を抜けば利用者の不満は高まり、やがて(高速道路のような選択肢の少ないサービスでさえも)いつか手痛いしっぺ返しとなりかねないのだ。今年を振り返り新年を迎えるにあたって、自戒を込めて思いを巡らせた次第である。
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「踏み間違いゼロ」の魔法のペダルを普及させる道筋はあるか

TSB「夢の扉+」(2012年12月9日放送)で、ブレーキとアクセルを踏み間違えて起きる自動車事故を防止する「魔法のペダル」が紹介されていた。
http://www.youtube.com/watch?v=EPuLqGzXVWM#t=34s

多くの人間はとっさの際に身体が突っ張ってしまい、アクセルに乗っていた足をつい踏み込んでしまう。それが、ブレーキとアクセルを踏み間違えて起きる事故につながるのである。誰もがそう冷静に、ブレーキに足を踏み替えることができる訳ではない。必ずしも老齢化による判断ミスではないのである。

その踏み間違えを無くすにはペダルを一つにしてしまえばいい、という発想から出たのがこのナルセペダルのコンセプト=「ワンペダル」である。踏むのはブレーキペダルだけで、アクセルペダルは踏むのではなくて横(右側)にスライドさせる。これで一つのペダルだけでクルマを操作できる。

開発者は熊本県玉名市の町工場、ナルセ機材の鳴瀬益幸社長。開発に取り組むことになったキッカケは、ご自身も(まだまだ働き盛りの年齢だった時に)誤ってブレーキペダルと間違ってアクセルペダルを踏んでしまい、危うい事態を経験した事だ。ご本人は発明家的開発技術者であり、人々の依頼で様々な製品を開発して喜ばれてきた。判断能力には自信があったはずなので、かなりショックを受けたと共に、世のためにこの問題を解決しようと思い立ったとのことだ。

ナルセのワンペダルは、アメリカでも注目されており、ニューヨーク・タイムズでも紹介されている。こちらの記事のほうがペダル構造は分かりやすいだろう。
http://www.nytimes.com/2010/08/04/business/global/04pedal.html?_r=2&ref=toyota_motor_corporation&

番組では幾つか小さなエピソードが紹介されていた。片足が不自由な方の電気自走車に装着した所、このペダルのお蔭で運転する事が楽しくなり、引きこもりがちだった方が元気に運転して外出する様になったというのが一つ。人材不足でドライバーの高齢化が問題になっているタクシー会社が検証の為、導入したというのがもう一つ。

構造から考えると、このペダルのほうが既存のものよりずっと安全性は高そうだ。鳴瀬社長は主な自動車メーカーにこのペダルの売り込みをしたそうだが、いまだこのナルセのワンペダルはメーカーに採用されるには至っていない。メーカー側に「アクセルとブレーキのペダルは既に完成された技術」という思い込みがあり、しかも既存技術で設計エンジニアから部品メーカーに至る「バリューチェーン」が出来上がっているためである。よほど社会的な圧力を掛けられない限り、この鉄壁のチェーンは崩れないかも知れない。

しかしながら事故被害者の団体などが政治家に圧力を掛けることで将来は変わるかも知れない。自動車メーカーが本当に「安全のための技術」を欲するのならば。

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驚異の冷凍技術”CAS”は地方の光になるか

ForbesでMr. Freezeと呼ばれた人物、アビー株式会社社長・大和田哲男氏が幾つかのTV番組で紹介されているのを観た。年商15億円の中小企業ながら、世界20カ国以上に特許を持ち、欧米諸国だけでなく、アフリカや南米からも引く手あまたの状態という。まさに中小企業の星である。

大和田氏が開発したのはCAS=Cell Alive Systemと呼ばれる冷凍技術で、細胞を生きたまま凍結できるという、それまでの常識を覆すものである。従来の急速冷凍では、肉や魚を冷凍した際に、細胞に含まれる水分が細胞膜を破壊し、旨味や水分が抜け出してしまう「ドリップ現象」を避けられなかった。しかしCASでは磁気を駆使して急速冷凍することで、解凍しても細胞を壊さず、「ドリップ」の出ない冷凍方法が開発された。しかも鮮度を落とすことなく5年以上もの保存も可能だという。

実は小生は別の技術の可能性を調べていたので、このCASがこんなにコスト安に、非常に有効な冷凍システムを成立させることに感動すらしている。

大和田氏はCAS冷凍技術を地方へ持ち込み、全国への流通販路を開拓している。島根県の隠岐島では獲れたての生ガキや白イカを凍結する工場を設立、すでに東京のすしチェーンへの流通をスタートさせた。既に大手スーパーのオーケー・ストアや大手百貨店でも採用されているようだ。

大都市・東京から遠い地方では、農業・漁業などの産物を、鮮度を保ったまま都会に流通させることができず、ある意味、大きな機会損失が生じていた。このシステムにより町には生産工場という職場ができ、活気が蘇り、さらには町を出た若者も戻り始めているようだ。さらに震災被害を受けた岩手県・大船渡には無料で提供されており、地元漁業の復興に貢献しているという。

日本の田舎を変え、日本の社会構造変化すらもたらしてくれそうな起爆力を感じる。もちろん他にも医療分野など色々とポテンシャルがあり、楽しみなニッポン発の技術である。

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町工場の技術を活かす「ニッポンの逆襲」その2

同様の「町工場の技術を活かして消費者向け製品を開発・製造する」というテーマで観たのは、やはりTV東京系のワールド・ビジネス・サテライト、「町工場発 ものづくり革命」であった。
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_32035

紹介されていたのは、金型製造のニットー、家電向けプリント基盤の設計・製造会社のケイ・ピー・ディ、医療機器業界など向けに部品の試作を手がけるジェイ・エム・シ-の例。中小企業向けコンサルティング会社のエンモノが仲介し、消費者向け製品を開発する試みが続けられている。

ニットーはクラウドファンディングの仕組みを活用し、開発資金を調達し、ヌンチャクの用に振り回せるiPhone用のカバー「トリック・カバー」を発売。出資者からの仕様要望が一種のマーケティングにもなっているという。ジェイ・エム・シ-は実験用の臓器シミュレーターを発売した。新規の引き合いはほとんどネットで行っており、「見積は1時間以内」と非常に効率的な対応だ。

注目したいのは、ニットーが使っていたクラウドファンディングによる資金調達、ジェイ・エム・シ-が活用していた3Dプリンターによる試作、そしてネット活用によるマーケティングと引き合い対応、の3つを組み合わせることのポテンシャルである。

技術力はあるがマーケティング力(商品企画、宣伝とも)に劣ってきたニッポンの中小企業が活躍できる素地が広がっているのである。従来なら中小メーカーには高すぎたハードルを超える手段が色々と出てきており、知恵さえあればかなりのことができるようになっている。今回紹介されたようなスマホ関連商品などは、「生鮮商品」なみの流行に対応できないといけないので、大企業よりむしろ中小企業向きだ。大いに期待したい。

この動きはChris Anderson氏が新著「MAKERS」で紹介しているように、米国では「パーソナルファブリケーション」といった呼び方で注目されているようである。以前この欄で紹介した個人家電メーカーがどんどん立ち上がるイメージだ。
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/003471.html

ちなみに米国の場合、特殊ニーズもある市場であり、なんとプラスティック製の銃のパーツが3Dプリンターによる試作を経て、ネットで売られているのが米国の報道番組で紹介されていた。なぜプラスティックなのか、お分かりだろうか。ばらした状態で持ち運べば飛行場などの危険物検知センサーを突破できる可能性が指摘されている。何と怖い話か…。

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町工場の技術を活かす「ニッポンの逆襲」

3連休を利用して、貯め撮りしてあるTV録画を集中的に(しかも所々早送りしながら)観ている。特にドキュメンタリーものやバラエティ番組の中で部分的に観たいテーマが取り上げられているものは、生で観るのは時間の無駄なので、こうした「タイムシフト視聴」を昔からの習慣としている。お気に入りは「ガイアの夜明け」「ワールド・ビジネス・サテライト」のテレビ東京系か、「BIZプラス」「NHK特集」などのNHKのいずれかである。

その一つで内容的によかったのが11月20日放送の「ガイアの夜明け」での、「町工場からお茶の間へ!~職人たちが大ヒット商品を生んだ~」であった。「魔法のフライパン」と「どんなネジでもはずせる工具」が紹介されていた。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber3/preview_20121120.html

一つめは、三重県にある錦見鋳造が2003年に開発した「魔法のフライパン」。鋳物特有の熱伝導率の良さと遠赤外線効果で、食材に熱が伝わりやすく、料理がおいしく作れるというものだ。薄さ1.5ミリという、鋳物の厚さの限界に挑戦した結果は大正解。評判は口コミで広がり、2003年の発売以来、累計10万個を売り上げたという。実は我が家でも購入し使っているので、その良さは実感済である。

2つめは工具店やバイク店など向けの業務用工具製造の老舗中小企業、「エンジニア」。初の一般家庭市場向けの商品として「どんなネジでもはずせる工具」を販売した経緯とその奮闘振りが紹介されていた。デザインを工夫し、恐竜をイメージした「ネジ・ザウルス」とネーミングし、販売。量販店での店頭販売では社長自ら被りものを着て消費者にアピールし、オリジナルのCMソングまで作るなど、従来の中小メーカーの域を超えた取り組みをやってきた。すると120万本の大ヒットにつながっている。

国内での大ヒットはさらには幸運を呼び込む。米国進出を支援する会社というのが声を掛けてきて、米国進出を促したのだ。結果的にはこれも大成功。日曜大工・DIY文化が浸透している米国市場では、この「どんなネジでもはずせる工具」は必需品となるかも知れない。

小生が疑問に思ったのは、この代理店のネーミングセンスとその理屈である。「ネジ・ザウルス」の恐竜イメージを「米国では『恐竜』は可愛いイメージなので、噛みつくイメージにつながらない」として吸血鬼と工具を掛け合わせた「バンプライヤーズ」と変えてしまったくだりである。これは全く出まかせとしか言いようがない。工具そのものがよくできていたのと、実演販売が効いたので結果オーライだったようだが、一歩間違えれば大失敗に終わりかねない。小生も東南アジア向けに「海外進出支援」を行っているので、自戒すべきと感じた。

なお、番組では他にも技術を活かして新しい製品に取り組む例が幾つか紹介されていた。純度の高い鋳物を作る技術を活かした「自由に曲げられるアクセサリースタンド」、金属医療器の技術を活かした「耳かき」、シリコンゴム製品にほこりが付きやすい性質を活かした「ほこり取り」など。特に、瀬戸物の型造りの会社が消費者向け製品を新たにプロデュースする話は面白かった。凹凸を強調した食器は何と1個6300円と高価過ぎるので大して売れるとは思えなかったが、ランプシェードは自分でも欲しい、売れると感じた。こんな製品をもっともっと作ることでニッポンの町工場が元気になって欲しいものだ。

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銃社会・USAは変わるか?

アメリカ・コネチカット州での小学生大量銃殺事件を契機に、ようやく米国社会に銃規制本格化の機運が現れてきた。

15日の事件直後の3日ほどは、日本の総選挙結果を含めほとんど他のニュースは無視されたくらい、全米は深い悲しみに沈んでいた。しかし、涙をぬぐいながらのオバマ大統領の「我々は意味あるアクションを取らねばならない」というコメントさえ、ニュースコメントでは疑問符つきのニュアンスだった。それだけ「自己防衛の権利」として銃の保有を認める意識は米国民に深く浸透しており、それを変えることは無理だとハナからあきらめてしまうのが、これまで(共和党に限らず)政治家の常だったのだ。

しかしその後、各界の有名人や識者たちや一般の人たちがこぞって「もうたくさんだ」といった声をあげるにつけ、全米ライフル協会の反発を恐れて沈黙を守って政治家も「有効な銃規制を」と言い出しており、今度こそ全米規模での本格的な大量殺人用の銃が規制される動きになりそうである。今回のような幼い子供たちの尊い犠牲で、ようやく人々も米国社会の異常さに目が覚めたと期待したい。次の選挙を気にしなくてよい2期目のオバマ政権であるからこそ可能な、「意味あるアクション」を望む。

一般市民が銃をおおっぴらに購入できる国は少なくないが、一般人保有の台数の多さでは米国が世界の半分程度を占めるという説もあるくらい、極端な銃社会なのである。今回のような一般人の大量殺人を狙った銃の乱射事件は、組織的なテロ活動を除けば、その多くは米国で、しかもほぼ毎年発生している。決して中東やロシアではない。そうした統計的事実も改めてニュースで集中的に報道されたので、米国民も嫌が応でも気づかざるを得なかったのだろう。

ただ、こうした大量殺人用の銃規制は望ましい方向とはいえ、必ずしも今回のような悲劇の再発防止に有効とは限らない。検討されようとしている銃規制の対象者は殺人や傷害などの暴力的犯罪歴がある者、精神治療歴があって暴力衝動が認められる者、それに知的判断能力に障害が認められる者、といった「大量殺人者」に結びつきそうなイメージで語られている。

しかし犯罪統計的には銃刀による大量殺人を最も起こすのは、実はそうした「いかにも怪しい/アブナイ」人々ではない。むしろ(今回の犯人もそうかも知れないが)それまで普通の一般人として扱われていながら、大きな個人的悲しみに襲われて自分の人生に絶望し、たまたま周りに集団としている他人を巻き添えにする「自殺願望」者なのだという。この類は事前に規制対象者として排除しようがない。

かといって、銃規制が全く意味ないとは思わない。事実、全米でも銃規制が厳しい地域では銃による大量殺人事件は少ないという。つまり米国が国家としてすべき規制は、「特殊な人」だけでなく、一般人がマシンガンやセミマシンガンなどの連続照射ができるようなタイプの銃を保有することを基本的に認めないようにすることが第一である。そして一家に保有できる台数も同時に規制すれば効果的だろう。そうした「大量殺人マシン」を一般社会から取り上げるだけで、今回のような事件の再発を防止できる度合いは一挙に高まるのである。米国に住んでいる友人たちのためにも、米国を訪れる機会のある我々世界の人々のためにも、是非ここまでは踏み込んで欲しいものだ。

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韓国大統領選は朴氏に

韓国の次期大統領に朴クネ氏が決定した。日中3国のうち初の女性トップが決定した。これまた韓国に先を越されてしまった感が強い。

しかも投票日は厳しい寒さでありながら投票率は75%と凄い数字であり、関心の高さだけでなく国民が実際の行動に示した、なんとも羨ましい結果である。

大統領に誰がなろうが、韓国自身が持つ課題、日韓で向き合わなければならない課題は変わらない。前者は大きく広がった社会的格差の縮小であり、これは李・現政権が掲げながら未達成の難しいテーマである。「国母」とならんとする朴氏が思い切った社会改革に切り込めるのか、その手腕に期待したい。

後者は竹島領有問題と従軍慰安婦問題という「両国関係ののどに突き刺さった骨」である。これは韓国からみたら右傾化しつつつあるとみられる日本の安倍新政権との関係構築次第であり、日本からみても未知数であった文氏よりは旧知の朴氏のほうが安倍氏も信頼関係構築はやりやすいかも知れない。

有体に言って、竹島問題は日本にとっては小さなイシューである。既に韓国が実効支配しており、日本は武力や威力で現状を変えるつもりもない。一方、韓国にとっては竹島は日本支配からの脱却のシンボルであり、竹島領有で日本が何か主張するたびに反発する構図である。日本政府は「当たらず触らず」に放置したいのであり、むしろ韓国に対しては「竹島も従軍慰安婦も、こちらにも言いたいことは山のようにあるのに黙っているのだから、いちいち騒いでくれるな」というのがホンネだろう。

安倍政権が本当に警戒すべきは中国であり、全く違う態度で臨むだろう。中国に対しては尖閣諸島領有問題で「共同管理」のような形でへたに譲歩すれば、次は実効支配を勝手に進めるだろうし、次は沖縄諸島に爪を伸ばしてくると容易に想像できる。したがって「蟻の一穴」にならないように用心を固めるだろう。

同じ民主主義の価値観を共有する韓国とは(いくら感情的には嫌な隣人といえど)、その仮想敵国・中国を包囲する重要な同盟国として、経済的な結びつき(実際には多くの場面でライバル関係であるが)以上に地政学的なパートナーとして今後も緊密な関係を保っていく必要がある。

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第3回BPM企画ワークショップを終えて

本日、第3回BPM企画ワークショップを完了した。

一部欠席者が出たが、参加者それぞれの会社での推進における説得対象または協力パートナーかつオピニオンリーダーとしての「キーパーソン」を想定していただきながら、中身の濃い議論となったと思う。しかも、それぞれの会社の話を言い放しにするのではなく、「自社ではこうした経験があり、こんなやり方をとってみた」というのを他社のヒントとして語ってもらう場面もあり、示唆深いものがあった。

特に参加者の議論が盛り上がったのは、「BPMなどの業務改革の結果、効率化されて浮いた人員をどう生かすのか、その策が明確にないときには業務改革をすべきでないのか」という話題である。どの会社にも通じる明確な正解がある訳ではない。ある参加者は「人員整理はすべきでない。むしろ効率化などの意義をトップが伝え、モチベーションを上げることでその人たちが前向きに取り組むように持っていく」ことを実践していると述べた。この議論を持ち出した参加者は、「建前としては分かるし、自社でも人員整理をしようとは考えていない。それでも業務改革の手が緩むのが実態だ」と緩やかに反論した。

当然ながら、小生からは、共通する視点と、参加社のそれぞれの事情に応じて留意すべき視点を提供した。例えば上記の話題に関しては、「リードタイム短縮などの成果は顧客像・確保につながるので、アグレッシブに取り組むべき。効率化の成果が見込める場合、浮いた工数の担当者のうち創造的思考の人は新しいサービスや事業を考える担当に、戦術思考の人は営業担当に、安定思考の人は(コストを上げずに)リスクを減少させる策を考える担当に、それぞれ振り替える」といった考え方を提示した。これが全ての正解ではないが、一律の考え方ではなくこうした柔軟な考え方で対処していただきたいということを伝えた。それを各社で受け止めていただき、トライし始めている動きを加速して欲しいと念じている。

もうBPMはコンセプトで語る段階はとっくに過ぎており、普通の企業が実践すべき段階にきていると信じるからである。

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総選挙結果を見て

前回には「自民はけしからん」ということで政権交代をさせた日本の選挙民は、今回は「民主はなさけない」ということで票を分散させ、結果的には第一党としての自民への大回帰となった。時計の振り子のような、見事なくらいの揺り戻しである。

小選挙区制の猛威をまざまざと見せると共に、「本当に自民の政策がいいと思って投票している?」という素朴な疑問を感じさせる投票行動でもある。
景気回復への期待は分かるが、「人からコンクリート」への路線揺り戻しであり、「外れたら財政破たんを招く社会的バクチ」だと彼らは意識しているのだろうか。

前回もいかにも口当たりはよいが裏付けのなさそうな民主の「国民の生活が第一」路線にお墨付きを与えながら、(やっぱり)裏切られた苦い経験を反省している投票行動とはとても思えないのは小生だけだろうか。

しかもこれだけ注目され、国の行方を左右すると言われている今回の総選挙において、最低の投票率という情けない状況である。
特に社会的に不利な状況に押しやられていると言われ続けてきた若者が「反旗」を振り回すチャンスだったのに、その機会を逃してしまったのかも知れない。

小生としては、仕事的には自民政権で景気がよくなるのであれば歓迎したいが(事実、株価は先取りしているが)、個人的には選挙民全体の合理性への疑問が膨らみ続けている。遠くない将来に「間違った期待」が裏切られて、
ポピュリズムが世論を乗っ取るのも怖い。同様に、知人のビジネスマンの大半は「景気回復には期待したいけど、もう政治家には騙されないぞ」と身構えているようだ。複雑な結果である。

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ルネサス再建策の合理性はどこに

大手半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクスの再建策として、政府系ファンドの産業革新機構が7割近い出資をして傘下に収めるということが決まった。自動車メーカーや大手電機メーカーなどルネサスの主要顧客も合わせて8%近い株主となる。出資総額は1500億円にもなる。

スポンサー探しに先に手を挙げたのは再生ファンドのKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)である。「外資傘下では技術流出が懸念される」との声が国内(官民両方か)で強まり、産業革新機構を軸とする「日の丸連合」による支援が固まったという経緯があるようだ。

機構には知人も数人いるため声高に批判するのは多少気が退けるが、それでもこの巨大な民間企業の救済策に産業革新機構が出張るのは筋が違うはずだ。

多くの識者やマスメディアはルネサスの寄り合い所帯(元々は日立、三菱電機、NEC)で「緩い」体質を取り上げて、「こんな企業に出資すると国民に損失負担が回ってくる」という観点で批判していることが多い。

確かに世界シェアトップのマイコンでさえ儲からないというのは経営がまともでない証拠である。その意味で、誰が出資者となっても再建策はほぼ同じであろう。厳しいリストラと共に、顧客に対して適正な価格を請求すればよい。それがトップシェア企業にできる再建策の主要項目であることは間違いない。たとえ株主になっても、それで価格交渉が手加減されると期待するほうが間違っている。

むしろ大切なのは、顧客に云われたまま作り、バリエーションを野放図に増やしてきた、今までの緩い経営と「おさらば」することである。もっと製品の標準化を進め、顧客にも標準製品を提案することである。そうした新しい視点を出すためには、日本人だけで株主を固めるよりもガイジンのドライな発想も取り入れたほうがよいという意見も傾聴に値する(ガイジンだから成功するとは思わないが)。

しかし小生が「筋が違う」というのは全く別の観点である。仮にルネサスがベンチャーであって、今後世界を大きくリードする技術を持ちながら、分野的に未成熟なためにリスクが大き過ぎて民間ファンドでは手を出せないという存在であれば、産業革新機構が孵化器の役割を担うのは筋が通っている。同機構は元々そうした役割を担って設立されたのではないか。ハイテク分野とはいえ、かなり確立したビジネスモデルで売上規模も既に8800億円を超えるような企業は、同機構の出資対象では本来ないはずである。KKRに取られるのが嫌だったら、民間の日系再生ファンドを糾合してでも対抗すればよいではないか。

また、マスメディアの批判には、同様の母体の半導体メモリー部門を集約したエルピーダメモリーの再建に日本政策投資銀行が出資したあげく、サムスン電子などとの競争に敗れて破たんした経緯をとらえ、「経緯も似て母体も同じ、だからその二の舞になるのではないか」といった論調も目立つ。しかしこれは誤った見方だ。

エルピーダとルネサスではかなり体質が違う。はっきりいって前者では坂本社長のリーダーシップはしっかりしていたし、戦略もちゃんとあった。しかし主要顧客が世界じゅうに散らばっているメモリー製品の場合、主な競合は極端なウォン安の韓国メーカーであり、理不尽なレベルの円高は致命的かつ同社のコントロール外だったと同情すべきである。それに比べ、ルネサスには明確な戦略も経営リーダーシップもない(戦略のお粗末さについては外部から入ったコンサル会社のミスも大きいようだ)。こちらのほうがずっと危ういのだ。

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今日もBPMプロジェクト企画WS

1週間は実に早い。今日はBPMプロジェクト企画WS、第2回セッションであった(実はなぜか今日に3つほど別件の重要アポ打診が重なり、残念ながら断らざるを得なかった。こういうこともある)。
https://bpm-j.smartseminar.jp/public/seminar/view/112

今日のテーマは「BPMプロジェクトの失敗要因、成功要因」。4つの失敗事例(当時者にヒアリングして調べたもので、前回に比べ一部差し替えて新しいのが登場している)と3つの成功事例(小生が過去に主導したもの)を小生から提示して、参加者に「共通する要因」「自社でもありそうな要因」は何か、考えてもらった。

誤解して欲しくないが、4つの失敗事例は小生が主導した訳ではなく後で聴いたものなので、「なんでそんな失敗すべく失敗したの?」という素朴な疑問を拭えない部分は残る。当時者企業の人にヒアリングしてはいても、当時責任者じゃなかった人には分からない原因というのはやはりあろう。ちょうど敗戦の要因分析を戦後随分あとになってすると、「こんな国家エリートの人たちが何故こんなばかな判断ミスをしたのか?」というのがボロボロ出るように。

そうではあるが、少なくとも当時者の認識をヒアリングし、比較対象の参考として提示したものである。実際には成功事例はたんとあるし、たまたま知っている失敗事例はあと幾つかあるが、時間の関係で上記の数だけに絞っている。

こうした「研究テーマに関する失敗事例」は大学教授でもない限りなかなかヒアリングし開示する人間はいないので、参加者としては珍しい経験だったのではないか。ある意味、「成功事例」はベンダーやコンサルタントがセミナーなどで紹介するが、自分の失敗はもちろん、今回のような「他社がやったプロジェクトだけど失敗したものの分析」は、調査するのは手間が掛かる割にほとんど見返りがないので、大学教授みたいな研究者でない限りなかなか取り組まないためである。日本BPM協会の横川さんには協会でこうした失敗事例・成功事例研究を進めて欲しいとリクエストしたところである。

事例紹介のあとでのディスカッションでは参加者のコメントをいただいた。失敗要因に関してはすぐに幾つか出た。曰く、「目的観の欠如、いきなり全面的可視化、成果への結びつきが見えない」等々の要因は今回もやはり出た。ちなみに成功要因では経営トップのリーダーシップや優先領域の絞り込み・優先付けが代表的なものだったが、的確なファシリテーションという新しい要因も出た。

議論が終わってから懇親会の場では新しいトピックが色々と出たし、小生も幾つか「実はこのときにはですね・・・」といった裏話をさせていただいた。またBPMに取り組んでいる人たちにヒントや励ましを与えたりもした。今後もこういう横つながりを拡げたいと思う。

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「新規事業には4つの方向性がある」への補足

先に書いた「新規事業には4つの方向性がある」に関し幾つか質問を受けたので、補足をしたい。
http://www.insightnow.jp/article/7421

記事の趣旨は、「新規事業の開発・推進と一口に云っても幾つか切り口が違う方向性があって、それぞれで方法論も違いますよ」ということである。その違いがあの短い説明だけではピンとこない部分があるようだ。

「競争戦略」と「ブルー・オーシャン戦略」の違いは、前者が既存競合のいる当該カテゴリーの事業への進出であるのに対し、後者は新規カテゴリーの事業への進出であり純粋な意味での競争者がいない(だからブルー・オーシャンと呼ぶ)。要は後者の場合、競争軸の違う新規カテゴリーを創出し、自社がそのカテゴリーの先駆者になるのである。キム教授とモボルニュ教授が例として挙げていたイエローテイルというオーストラリアのカジュアル・ワインは、高い品質と気軽に楽しめる価格帯という組み合わせにより、既存ワインの愛好者を奪ったのではなく、ビール、カクテル飲料を飲んでいた初心者を取り込んで大成功した例である。

では「ブルー・オーシャン戦略」と「ビジネスモデル変革」とはどう違うのか(この質問が多かった)。前者は既存のビジネスモデルで成り立っていても全然構わないのである。例えばイエローテイルのワイン製造のビジネスモデル自体は基本的に競合と全く同じである(製造法については熟成せずに出荷するという違いはあるが)。任天堂のWiiのケースもまた「ブルー・オーシャン戦略」ではあるが、ビジネスモデルとしては旧来のままである。

一方、ビジネスモデル自体が新規である「ブルー・オーシャン」ケースも当然ある。ヘアカット店のQBハウスの場合、サービスのカテゴリーも新しい(サービスの中から「理髪」以外を省略、所要時間を10分間に短縮)が、それを成り立たせているビジネスモデル自体が既存の割安理容店とは全く違う(技能レベルの低い従業員の採用、金銭のやり取りをしない、フランチャイズ・チェーン展開など)。

逆に「ビジネスモデル変革」ではあっても、商品・サービスのカテゴリーとしては既存のままというケースも多く存在する。例えば製造アパレルのSPAというビジネスモデルにおいて提供される商品の大半は、伝統的なアパレルと同じカテゴリーである。またBuilt-to-orderという直販ビジネスモデルで有名なデル・コンピュータの商品もまた既存競合と同じカテゴリーである。

つまり「ブルー・オーシャン戦略」と「ビジネスモデル変革」は両立するし、互いに独立的な戦略思考なのである。ただ実践的には両者のアプローチはかなり違う。

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新規事業には4つの方向性がある

掲題のようなことを言うと、多くの人は「そんなにあるのか」と惑われるかも知れない。でもあるのである。しかも方法論も違っていたりする。4つの方向性(および方法論)とは「競争戦略」「ブルー・オーシャン戦略」「ビジネスモデル変革」「未開拓市場進出」である。順を追って簡単に解説しよう。

第1の「競争戦略」というのは、多くの企業戦略論の大家やコンサルティング会社が開発した、多くの戦略手法体系の総称である。基本的には自社にとっては新規事業への進出だが、世の中的には既存の競争相手が存在する事業分野への展開を想定しているパターンである。例としては、自社の独自技術を応用して、伸びている太陽光発電関連ビジネスに新たに参入する素材メーカーである。

手法例としては、有名どころではHBSのM・ポーター教授の「コスト/差別化/フォーカス」基本戦略や「5つの力」などであり、ノースウェスタン大学ケロッグ・スクールのP・コトラー教授の「リーダー/フォロワー/ニッチャー/チャレンジャー」の4分類や「4P/7P」マーケティング政策などである。多くの教科書で解説されているのでここでの解説は省く。誤解されるといけないので予め断っておくが、「競争戦略」は多くの実践場面で今も有効かつ進化している。

第2の「ブルー・オーシャン戦略」はINSEAD教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュの両氏が先駆者として打ち立てた、比較的新しい新規事業開発方法論の体系である。第1の「競争戦略」論体系を「レッド・オーシャン戦略」と批判している立場であり、アンチ「競争戦略論」といえる。「ブルー・オーシャン」の名称が有名な割に、中身についてはあまり理解されておらず誤解が多いが、簡単に説明すると、「競争軸を変える」ことで従来無かった新しいカテゴリーの商品・サービスを開発するための方法論体系である。例とすると、従来の掃除機の概念を全く変えてしまった(がフローリングの部屋でしか使えない)ロボット掃除機ルンバである。

「バリュー・イノベーション」という戦略開発方法論(ツールとしては戦略キャンバスが有名)だけが取り上げられることが多いが、「フェアー・プロセス」と「ティッピング・ポイント・リーダーシップ」という推進方法論(チェンジ・マネジメントの一種と考えると分かりやすい)が体系として一緒になっているのが大きな特徴である。

第3は「ビジネスモデル変革」である。商品・サービスのカテゴリー的には(自社にとっても世の中的にも)既存のものであっても事業を成り立たせる仕組みが従来のものと違うことで新しい価値を提供できたり強い競争力を持つことができたりするものである。もちろん、結果としてブルー・オーシャン的な新カテゴリーの商品・サービスが生まれることもよくある。

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3度目のBPMプロジェクト企画WS

本日はBPMプロジェクト企画WS(ワークショップ)の3回セッションの初日であった。
https://bpm-j.smartseminar.jp/public/seminar/view/112

参加者が若干だが増えたこと、欠席する人もなく無事開催できたこと、参加した方々が(まだ若干硬いながらも)自分たちの取り組みに関して率直に語っていただけたことなど、まずはよい滑り出しとほっとしている。

諸外国に比べ日本ではBPMに対する理解がなかなか深まらないまま、普及の速度もまだまだ不十分であることから、日系ITベンダーの中にはしびれを切らしてBPM導入サービスからの撤退を決めたところもあると聞いている。一方で先日のBPM協会で聞いたように、経産省や総務省でBPMに対する期待が高まって影響のある取り組みが始まっている。ちょうど端境期にいるというのが小生の認識である。

今回のWS参加者は基本的にはユーザー企業(実はSIベンダーで社内向け業務改革部門の方もいる)であり、何とか業務改革をきちんと興したい、そのためにBPMの手法と技術を使いたいという方々ばかりである。このWSはそうした意欲ある人たちの情報交換の場でもある。取り組みと自分の位置づけや過去の経緯を聞いてみると事情は各社ばらばらだったが、意外と「既に小規模ながら進めています」というところもあった。その意味でユーザー側がより真剣なモードに入りつつあるように感じられる。

こうした方々に早く「離陸」していただき、成功事例をもっとたくさん世の中に発表できるようになれば、その気になる人たちも増えるのだろうと思う。大手ITコンサルタント会社の人たちも、自分が分からないからとプロジェクトの足を引っ張るのではなく、是非積極的に「ITをうまく使った業務改革」の手法としてBPMに取り組んで欲しいと切に願う。

テーマ : 経営コンサルタント
ジャンル : ビジネス

メスを入れずに治す、がん治療最前線「重粒子線治療法」

TBSで放映された『夢の扉+』で、重粒子線を照射することでガン細胞を殺す治療法が紹介されていた。
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/backnumber/20121202.html

これは「夢」ではなく既に確立している治療法である。1回30分程度の照射で、身体への負担も小さい。副作用もほとんどない。体力的な問題で手術をあきらめた老齢の患者でも効果を上げているという。

胃がん、血液ガン、および全身への転移が進んだ状態は適用できないが、それ以外は適用可能とのこと。がんの外科手術の第一人者が「外科手術の必要性が激減するんじゃないか」というくらい衝撃的である。今、日本では外科手術、放射線、化学療法(抗がん剤)が治療の主流だが、大きく変わろうとしているのだ。

群馬大学医学部の中野隆史教授がその動きの中心人物。通常の放射線治療では正常な細胞へのダメージが大きかった課題を解決する方法として重粒子線治療の研究に取り組んだが、300億円という巨額かつ大規模な施設が必要とされたとのこと。足掛け6年の時を経て、中野氏はメーカーと協力して小型化に成功し、建設費用を1/3ほどに圧縮した。並行して、文科省に掛け合って普及型の重粒子線施設(重粒子医学センター)を群馬大学に完成させた。九州に間もなく開業する同様の施設を建設・運営するのにも協力している。

重粒子線治療法は保険適用外なので、300万円ほどという高価な治療費であるが、患者は殺到しているようだ。今後、この治療法が保険適用になれば多くの患者が救われよう。小生の親しい友人も昨年、50過ぎという働き盛りでありながら肺がんで亡くなった。小生は高齢になればがんを受け容れてもよいと個人的には思っているが、50代や60代では早過ぎる。この治療法が普及することで、この悔しさを味わう人がひとりでも減ることを願う。そして日本初の技術として世界にも広めて欲しい。

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投票すべき「まともな政党」はあるか

総選挙に向けて各党の体制と公約が曲りなりにも出揃ったので、眺めていた(各新聞や週刊誌にはもっと詳しい比較や分析が載っている。なぜウェブ上にはないのか、これも不思議だ)。
http://mainichi.jp/select/news/20121202ddm001010077000c.html

2週間ほど前の時点では(そもそも存在すらしていなかった党すらあるが)、各党の公約自体にどういう違いがあるかすらよく分からなかったのに比べれば、随分進歩したものである(皮肉)。

この表や各党の代表者のコメントから推測できるホンネを推測して思ったのは、「『我が意を得たり』と思える政党が一つもない」というショッキングな事実である。小生はそんなに特殊な意見の持ち主なのだろうかと自問してしまった。

ちなみに4大政党の中では小生の意見に最も近いのが民主党である。前回の選挙の際には「バラマキ宣言」マニュフェストを見て、「この党にだけは入れたくない」と思った(多勢に無勢だった)が、今回はそのバラマキ部隊の主力がいなくなったので、妥当な内容に近づいたようだ。政権から落ちることが確実視されて目が覚めたのだろうが、皮肉なものである。しかしこの党は実行力と一貫性に甚だ疑問符が付くので、すぐにはその気になりそうもない。しかし他の党も似たようなものだ。

安倍総裁のもと、「ナショナリズム」と「上げ潮路線」の組み合わせに模様替えした自民党は、「消費税は社会保障に」と公約で謳いながらも、実際には「国土強靭化」の名の下に公共事業の大判振る舞いにつなげようとする幹部の発言がよく聞こえてくる。公約も言質を取られまいという意図のせいで曖昧なままである。原発に至っては、「再稼働は3年以内に結論」と結論を先送りしてしまった。どうして世論調査ではこの党が第1党に復帰すると予想されるのか、摩訶不思議である。日本の選挙民は政策抜きで判断する国民なのだろうか。

維新ときたら、橋本さんと石原さんという随分意見に隔たりのある両トップの折衷案だから、得体の知れない公約になっている。しかも2人とも「選挙公約には縛られない」と公言するような人物である。公約を真剣に読むだけ無駄であろう。頭脳を使わずに雰囲気で決める連中だけはこの党に期待するのかも知れない。

未来の党は、原発の10年以内での停止、東電の破たん処理と発送電分離という大向こう受けするエネルギー政策を掲げたが、核のゴミ処理の問題を考えていないので、現実感はない。さらにそれ以外の政策のほとんどが、小沢グループが前回民主党マニフェストに無理やり飲ませたバラマキ政策のお色直しである。さらにTPP反対である。この政策ミックスでは日本経済は立ち行かないのが目に見えている。所詮、選挙民を馬鹿にした「ウケ狙い」の公約集である。

こうやって見てみると、大きな政党にはあまり共感できない。また小党に投票して「死に票」になってしまうのかと哀しいが、よりましなところはないものか、もう少し研究してみようと思う。皆さんはどうしているのだろうか?

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