再び海外に羽ばたけ、ニッポン企業⑤ ~東南アジアでテロの危険は?

リスクの話で追加したい。正直、少し迷ったのだが、アルジェリアで日揮社員らが襲われたテロ事件が気になって仕方がないため、書こうと思う。

今ニッポン企業の多くが注目する東南アジアは、近隣に無政府状態が存在する中東や北・中部アフリカ諸国ほど大規模テロ活動が活発なわけではないが、駐在員の安全が保証されている世界でもない。実際、外務省のホームページでも「我が国の国際テロ対策」と題して、東南アジアにおける国際テロ組織によるテロの発生事実について指摘されている。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/terro/taisaku_0506.html

これは2002年10月12日にバリ島で起きた爆弾テロ事件が、国際テロ組織・アルカーイダとの関係があるとされる「ジェマア・イスラミア」の犯行とされていることを指しているのだと思われる。東南アジア全域で「イスラム国家建設」を目指して活動しているこのイスラム過激派は、各地にある分離独立運動に関与するイスラム系過激派組織と水面下で連携している可能性も指摘されている。

具体的には、インドネシアのアチェにおける独立運動の中から生まれた「自由アチェ運動(GAM)」、フィリピン南部のミンダナオ地域の分離独立から生まれた「モロ・イスラム解放戦線(MILF)」、タイ南部地域の「パッタニー統一解放機構(PULO)」などが、武力で分離独立運動を進めようとしてきた代表的組織である。

日本企業の経済活動とは本来無縁のはずなのだが、地元政府の経済政策に協力することになる日本企業や欧米企業の関係者が、テロ活動のターゲットにならない保証はない。首都地域では各国政府の取り締まり体制も厳しいが、地方では欧米人をターゲットにした襲撃や誘拐事件は時折起きている。例えばミンダナオ島では2011年10月、住友金属鉱山の子会社のニッケル精錬プラント建設現場や関連鉱山会社が襲撃されている(フィリピン人警備員4人が殺害された)。

通常の民間人にとってテロから身を守る術は「危険地帯に行かないこと」くらいが関の山だろう(日揮や住友金属鉱山などはそうした地域が仕事場なので、民間警備会社に頼るしかないが)。もっとも、日本政府のテロ対策努力を挙げないのも片手落ちであろう。例えばそのミンダナオ紛争の解決に貢献すべく、日本政府は2006年から校舎、職業訓練所、給水設備等の建設や補修などのミンダナオ支援を行っており、2011年8月にはアキノ大統領とムラドMILF議長との非公式会談を日本で仲介し、和平に向けた交渉を支援している。

そうしたイスラム系過激派テロ組織による事件以外にも、地元暴力組織や民間人による営利誘拐や強盗事件は、一部の特殊な国を除けば「日常茶飯事」といっても差し支えない。とはいえ特別に東南アジアが危ないという訳ではない。どの国にも悪い奴らはいる。

バンコックやホーチミンなど東南アジアの大都市に赴任する人たちの間では「車を運転するな」というのはかなり浸透しているようである。渋滞が凄い上に交通ルール無視が横行しているので日本人ドライバーでは簡単にバイクや他車にぶつけてしまい、法外な修理代や慰謝料を請求されるからである。赴任前から自家用車を運転しないよう注意されるようだし、会社が地元ドライバーごと雇うケースも多い。

しかしそれ以上に重要な身の安全のため、東南アジア駐在の日本人に言いたいのは、「日本国内と同じような行動をするのは止めてくれ」ということである。例えば、日本語を使えるとか親切にしてくれるからといって、まだよく知らない人にのこのこと付いて見知らぬ土地に出掛けるのはやめよう、地元の人ですら立ち寄らない危険地区というのはどの都市にも必ずあるので、赴任当初に地元の人にちゃんと教えてもらうこと、などといった安全管理ガイドラインを作って徹底することをまずはお薦めしたい。
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再び海外に羽ばたけ、ニッポン企業④ ~東南アジア特有のリスクを認識せよ

ニッポンの中小・中堅企業の海外市場進出に関し、最後にリスクの話をしたい。先に述べた実際に進出した企業の話でも気になったのだが、日本企業のリスク感覚にはどこか不思議なズレが常にある。

戦略的に考えて絶好の機会なのに、他の企業(特に近い業種の企業)が行動を起こしているように見えないと腰を上げない。逆に客観的にはリスクが高まっているのに、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とでもいうように、同じところに集中しようとする(中国進出はまさにこの典型であった)。

今、多くの中小・中堅企業が進出を検討している東南アジア市場も発展途上ゆえに、ある種のリスクからは無縁ではない。
http://pathfinderscojp.blog.fc2.com/blog-entry-83.html

東南アジアに典型的なリスクとは、例えば「日本人リスク」である。他の地域に比べ現地在住の長い日本人が多いのが東南アジアの特徴だが、彼らが結構悪さをするのである。十分に戦略を練らずに「とりあえず現地に行きゃあ何とかなるだろう」と安易に現地事務所を開設して現地の商売の糸口を掴もうとする(ある意味、元気のいい)中小企業の現地責任者が、彼らのカモになる事例が続発しているのである。

弊社ではこうしたリスクを解説するセミナーを2月中旬に実施するので、ご興味のある方は是非参加して欲しい。
http://www.pathfinders.co.jp/seminar

もちろん怖がらせることが目的ではないが、こうしたリスクをしっかり認識し、対策・準備を講じた上で進出して欲しいと願う次第である。

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再び海外に羽ばたけ、ニッポン企業③ ~ビジネスモデル開発の発想を

ニッポンの中小・中堅企業の海外市場進出についての3つ目の話題として、進出先の国でどんな事業をするのかについて考えたい。こんなことを言うと、「今、日本でやっている事業に決まっている」という反応が返ってきそうである。しかしそれはナイーブ(世間知らず)な反応かも知れない。手慣れた既存事業をそのままやりたいのが人情だが、新興国へ進出する場合、それは保証されないのである。

価格帯や商品パッケージングを大幅に変える必要性は(BOPビジネスへの対処などとして雑誌記事などで話題になっており)あらかじめ検討しているケースが意外と多いようなので、それは置いておこう。しかしそもそも先進国と違って、バリューチェーンを成り立たせる要素や社会インフラが揃っていないケースがままあるのである。

典型的には流通チャネルや物流インフラの未整備が往々にして事業展開の阻害要因となる。収益モデルが全く変わってしまうことも多い。大手企業の場合は自ら手を拡げるか、下請けに「付いて来い」と要請できるから気楽だが、中小・中堅企業では必ずしもそうはいかず、知恵を絞らないといけない部分なのである。

例えばある専門通販会社が東南アジアの某国での事業展開を検討した際、同様の問題が起きた。現地にはパパママ経営の零細運送業者が掃いて捨てるほどあるのだが、主な都市圏を自社でカバーするような信頼できる大手宅配業がなく、下請けに依存する構造だった。そのため配達期日が保証できず(重要商品にとって致命的だった)、同社はそのタイミングでの進出を断念した(その後、日本の大手宅配業が進出したタイミングに合わせて進出)。

同様の困難を自力で切り抜けた企業もある。楽天はジャカルタで生菓子などをバイクで自宅に届ける「クール便」を昨年夏に開始した。現地に適切な宅配便サービスがないため、自ら手掛けることで他社と差別化することに踏み切ったのである。

他にも、ある部材が現地で調達できないために日本から輸入することにしたら、リードタイムが極端に延びることになってしまったメーカーの例は実は少なくない。一方で、日本では(顧客が実施するので)必要のなかったメンテナンスサービスを組み込むことで売上を伸ばしている機器メーカーもいる。ことほど左様に、異国での事業は勝手が違うものである。

要は、日本やその他の先進国でのビジネスモデルと違うものを編み出さなければ事業そのものを開始(または維持)できないことが往々にしてある、ということである。つまり、(新規事業開発における)ビジネスモデル開発の発想が必要になってくるのである。逆にいえば、そうした「現地仕様のビジネスモデル」を開発できれば競合に先んじることができ、中小・中堅企業にも逆転の目が生まれるということでもある。

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再び海外に羽ばたけ、ニッポン企業② ~どの国を選ぶかの選択は「橋頭保」の観点で戦略的に

ニッポンの中小・中堅企業の海外市場進出の話題を続けて、次は進出先に関しての固定観念について考えたい。

中国リスク(1.人件費の高騰、2.反日機運の高まり、3.景気後退の様相)が急増するにつれ、東南アジアが注目されている。弊社も東南アジア市場への進出をお手伝いしている。
http://www.k-tsushin.jp/search/details/013171/

東南アジア進出という選択肢自体は妥当なケースが多いと思われるが、実際に進出した企業の責任者の話を聞くと、どの国を選ぶかの選択の安直さが気になる。単純に現在の人件費と人口の多さ、あとは直近のオペレーションのしやすさだけで選ぶケースが意外と多いのだ。これでは、人件費が上がると拠点をどんどん移していく「渡り鳥」企業からは脱皮できない。

東南アジアは元々世界有数の人口を抱える地域であり、既に中間消費者層が急増している有望な市場である。2006年末に正式開通した東西回廊だが、ミャンマーが国際社会に復帰することで実質的に初めて貫通する。日本から見てのグローバル・サプライチェーンが一気に機能拡大する、その中核地である。しかも2015年にはAEC(ASEAN Economic Community)が成立し、関税撤廃や規制の標準化などにより経済共同体(EUのレベルとは全く違うことは留意)となる見込みである。つまり欧州・中国に匹敵するような一大経済圏が身近に出現するのである。

こうした地域の発展ビジョンを考慮すると、業種によっては進出先候補の評価基準もおのずから変わるはずである。単に人件費の安さや工業団地の使い勝手だけではなく、東南アジア全体市場を攻略するために最も適した「橋頭保」はどこに築くべきか、という観点で考えたいものだ。

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再び海外に羽ばたけ、ニッポン企業① ~まず「挑戦意欲のある人材」を探せ

(以下は「オープンナレッジを加速するユーザ参加型ビジネスメディア / 勉強会でつながるビジネスコミュニティ」INSIGHTNOW!への小生の過去の投稿を転載したものである。数回シリーズになっている)
この年頭の社説や論説記事で、「内向きに閉じこもらず、せっかくのアジアの成長を取り込むべきだ」といった話題を何回か目にした。それに関連し、今の日本の中小・中堅企業の海外、特にアジア進出に関して、気になる点を幾つか考えたい。まずは意欲と人材の観点から。

そもそもいつから日本の中小・中堅企業は海外への挑戦に及び腰になってしまったのだろう。小生の学生時代には、オリンピックでしか聞いたことのないような国の市場開拓に中小メーカーの経営者自ら出掛けることがごく普通だったし、商社あたりだといきなり縁もゆかりもない辺境の地に一人駐在として送り込まれるのがサラリーマンの宿命だったものである。

ところがその後、日本経済自体が十分に大きくなったせいか、海外市場開拓は最終製品を作る大メーカーや商社または小売企業に任せて、国内での開発と製造・品質管理に注力するような部品・部材メーカーが増えたのと、サービス企業の多くは相変わらず国内市場に留まるケースが多くなってしまっていた。

最近小生は、ある中堅サービス企業の部長さんにボヤかれたことがある。インド市場に目を付けてはいるが、若手が行きたがらないので市場開拓ができないというのだ。その「若手が行きたがらない」理由を尋ねると、食事が口に合わないことと娯楽がないからだという(これは日本在住のインド人の知人も同意する)。無理やり派遣すれば辞めてしまうかも知れないという。一昔前を思えば、確かに「従業員に優しい」ことの証左でもあるのだろう。しかし小生には真剣味が足らないだけに思え、そう指摘したら苦い顔をされてしまった。他の幾つかの準大手のメーカーでも同様の話を聞いている。

さらに別の中堅メーカーではこんな話も聞いた。今の管理職の大半は若いときに海外市場を開拓するのが普通だったのに、今の若い人たちにはそうした機会がほとんどなくて可哀想だという。市場になりそうなところはもう既に進出してしまっており、残りは「カス」だということらしい。しかしアジアで伸びている国名を幾つか挙げて確認してみたところ、まだまだ多くが未進出のままである。これなどは思いあがりと勘違いの複合である。

経営幹部が「ウチの社員にはそんな根性や能力はないよ」と思ってしまい、挑戦意欲のある人材を探さないのであれば、多くの中小・中堅企業はいつまで経っても内向き志向のままに留まってしまう。若手の成長能力には侮りがたいものがある。まずは、本気になって誰ができるか(Who)を探すこと、そして機会を与えるところから始めて欲しい。Where やHowは幾らでも考えることができるのだから。

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「個室」ボウリング場に見る経営者の優秀さ

先日、録画してある中からTV東京「ワールドビジネスサテライト」で面白いものを観た。ある大阪のボウリング場の取り組みが紹介されていた。全国で競技人口が低下していると言われながら、行列が出来るほど人気があるボウリング場だそうだ。

投げるスペースはオープンだが、座るベンチのある場所は左右を黒い壁で仕切られていて隣の視線が遮断され、「半個室」状態になっている(最近飲み屋にも増えてきたのでイメージできると思う)。投げて戻ってきて仲間と盛り上がる、小さな子供が騒ぎはしゃぐ、そうしたプライバシーが確保されるという。確かにニーズに応えており、効果的に思える。
http://tokori-global.com/

大きなグループでプレイするときには仕切りを仕舞えるようになっている。それと相場が数百円なのに1ゲーム100円!とかなり安い。それに対して重要なポイントだが、飲食のワン・オーダーがマストになっている(カラオケ店の感覚か。店には厨房があって本当に料理している)。これによって店の売上はかなり底上げされ、利用者は割安な料金で家族や、歓送迎会や2次会でも使えるという訳だ。消費者ニーズに応えながら勘定も合うのである。

多いときには3時間の待ちとなるほどの「大ヒット」となっているそうだ。多分、今後各地でこのタイプのボウリング場が増えるのではないか。このボウリング場の会社は現在39会場まで拡大しているそうだが、一時は廃業も検討したという。しかしこの起死回生のアイディアに辿りついてからもきちんと仮説検証をしたことに感心した。

すなわち、一つのボウリング場の中で1階に普通のレーン、2階は「個室」にして運営したところ、「個室」から予約が埋まっていくのを見て、この方式の成功を確信したそうだ。思いつきを検証せずに展開して失敗する経営者が多い中、斬新な着想と収益モデルを揃えただけでなく、科学的なアプローチをとった点でもこの大阪の経営者は非常に秀逸だと感じる。

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政府-日銀の「共同声明」の持つ意味

政府と日銀は22日、デフレ脱却のための「物価上昇目標2%」を盛り込んだ「共同声明」を発表した。その中には2014年度から無期限で市場にお金を流し込む新たな金融緩和策を始めることも盛り込んでいる。今の日銀にできる精一杯の「大盤振る舞い」である。

つい半年前までの日銀の態度は、木で鼻をくくったように「デフレ退治は日銀の仕事じゃない」「今まで金融緩和を続けてきたのに物価はほとんど上昇しなかったのでインフレターゲットは有効ではない」「将来制御できないインフレが起きかねない」とずっと駄々をこねていたのだから、変われば変わるものだ。言いかえれば、ここまであの責任放棄体質だった日銀の態度を変えさせただけでも、安倍総理の強硬姿勢の演技力と覚悟は大したものだと思う。

この「アベノミクス3本の矢」がデフレ脱却に唯一有効である可能性があること、そして失敗したら日本経済と政府財政にとって致命的なリスクを抱えることはこのブログで何度も繰り返している通りである。しかしそうした懸念をさし置いても、この政策ミックスに断固として向かおうとしている安倍氏の「覚悟」を買いたい。失敗すれば歴史的には「浅はかな考えに基づいて日本の破たんの引き金を引いた政治家」と烙印を押されかねない、思い切った戦略を打ち出したのだから。

この日本の政策転換は海外でも非常に注目されている。日本の株式に投資するファンドが随分急増している(とはいえ連中は短期的な相場転換だけしか期待していないはず)ようだし、塩漬けされてきた日本の不動産に投資しようとする海外投資家の動きも報じられている。
http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20130121/

こうしたメディアの「デフレが終わってインフレが来そうだ」という煽りがデフレ脱却には一番有効なのかも知れない。実際、90年代の「デフレ突入」の最上級戦犯の一つは間違いなくTV・新聞などのマスメディアだったのだから(当のマスメディアには自覚はないだろうが)。

今後円安がさらに進むにつれて海外政府や特定業界からはごうごうたる非難が湧き起こるだろう。しかし一切無視すべきである。現状は、実力を無視した極端な超円高が終わっただけであり、1ドル100円を大幅に超えない限り適正レンジの範囲なのだから。

それによって韓国企業などと比べ理不尽に不利な立場にあった輸出企業がまともな水準の売上と利益を回復することで日本経済が息を吹き返せば、他の業界にも好影響をもたらし、うまくいけば景気回復にもつながる。そうした期待が盛り上がるだけでも違うのである。まさに「景気は気から」という言葉の通りなのだから。

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日工大MOTコース秋講座を終えて

日工大MOTコースの秋学期で教えていた「ビジネス開発とリエンジニアリング」の秋講座がこの月曜日に完了した。
http://mot.nit.ac.jp/

受講者は若干名で、(終了後に打ち上げに行った際にも彼らに伝えたが)本当によく頑張ってくれたと思う。1年でMOT(技術修士)コースを習得するというのだから元々大変なのだが、今の日工大MOTコースの先生方は手抜きをできない人たちばかりのようで(小生もその1人)、受講者はあまり気を抜けない。そんな中で脱落せずによく食らいついてくれたし、最後の講義の当日まで課題提出の内容のブラッシュアップに努力した彼らの真面目さには本当に頭が下がる思いである。

小生の授業は(最後に試験で合否を出すというのが嫌なので)積み上げていくような課題を少しずつ出していき、ほぼ毎回何らかの発表をしてもらうようにしている。そして最後の授業でそこまでの成果をまとめて発表してもらうスタイルを取っている。だから途中でサボるとどんどんキツくなる仕掛けなのである。その代わり、真面目に続けていれば、1回1回の課題は仕事をやりながらでも普通にこなせるように調整してある。

具体的には、前半では自分が関わる事業分野での新しいビジネスモデル仮説を作ること、後半では自分が関わる業務を思い切って革新する策を考えることを課し、少しずつ指導しながら検討を進めるようにしいている。1学期付き合えば、新しいビジネスモデルの素案が生まれるか、業務改革の解決仮説と試行計画が出来上がるようになっている。特に小生の授業では身近な実例を用いて仮説の構築-検証を検討するようにしており、多分日本全国探しても珍しい(講義・指導する側がしんどいため)授業スタイルだと思う。

その実践的な内容が受講者には評価されているようで、授業の最後に感謝されることはもちろん、アンケートによる授業評価のフィードバックではいずれの項目も平均を下回ったことはなく、総合評価でもかなり平均を上回る結果を戴き続けている。「他の人に薦めたいですか?」の質問は常に最上位かそれに次ぐ評価をいただいてきた。

過去の受講者の高評価を励みに、この度外部に対しても研修サービスとしてリリースすることにしたので、興味がある企業の方は申し込んで欲しいし、お知り合いに是非紹介して欲しい。
http://www.pathfinders.co.jp/service/training/index.html
http://www.pathfinders.co.jp/service/training/innovation.html

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浦安での創業支援セミナー講師を終えて

この土曜日、浦安市商工会議所主催の創業支援セミナーで、「経営戦略・マーケティング」の講師として半日ほどワークショップ形式での講座を実施した。
http://www.urayasu-cci.or.jp/seminar/?p=294

参加者は約20名。浦安在住または浦安市内で開業予定の人たちである。何人かは夫婦や家族で参加していた(今回初めてかも知れない)。彼らはこの日から4週連続の土曜にこのセミナーを受講し、創業に必要な知識や心構えを準備することになる。

そのメニューは、戦略・マーケティングから始まり、融資の受け方、アイディア創出、経理、IT活用、事業計画、労務などに至る、かなり包括的である。ここまで至れり尽くせりなのは全国でも少ないのではないか。これで無料なのだから、起業しようとしている浦安市民ならば活用しないのは勿体ない。

実際に参加した人の中にはまだ明確なビジネスプランを形成していない人もいるようだ。また、一応のプランはあっても、人に説明しているうちに変わってしまうケースもあった。それくらい「やわ」な段階の人でも参加できるということでもある。

小生はこの講座の中で、特に「基本戦略方針」の考え方、「マーケティング戦略」の立て方、「愛顧化のマーケティング」という3つをテーマに集中して説明し、ワークショップも行った。ほとんどの方がこうしたものは初めての様子で、初めはかなり戸惑っていたようだ。しかし代表者のビジネス案を素材に取り組むうちに、少しずつ慣れてきた様子があり、マーケティング戦略を考える段では色々と意見を出し合うようになっていた。これを手始めに自分のビジネスが「選ばれる理由」は何かを考えるようになるだけで随分違ってくるはずだ。

最後のワークショップの合間に一人の参加者が小生に近づき尋ねた。「色々とマーケティングの本を読んできましたが、この『愛顧化のマーケティング』といった考え方は初めてで、とてもユニークです」と。小生としてはなるべく受講者にとって実践的なものをと考えはしたが、個々の内容としてはそんなにユニークとは思っていなかった。確かに体系としてはユニークなのかも知れないし、あまりマーケティング教科書に載っているような当たり前の「一般論」は伝えなかったつもりである。それだけ実践的で役立つ内容と捉えていただければ幸いである。

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古巣の同期会に参加して

昨日は外部セミナー講師役の後に、プライベートの会合として、大学卒業後に就職した会社の同期会に参加した。小生は退職後20年以上経っており、退職後初めて再会する人の何人かは、最初は誰だか分からないくらい面影が変わってしまっていた(当然だが)。

小生は留学のために退職したが、その後も何人かの人と付き合いは続いていた。現在もその会社に残っているのは全体の3分の1に過ぎないが、30年超の企業戦士としては悪くない定着率なのかもと思った。それだけいい会社であったといえよう。確かに同社は当時とは全く業種が変わってしまったが(技術を活かして変化してきたと評価したい)、優良企業グループ所属として羨ましがられている立場だった。

しかし近年の電機業界の苦境の中で、同社も同社グループもリストラを何度となく迫られ、同期から歯が抜け落ちるように早期退職が繰り返されたことも知っている。少し前に辞めた人間の再就職の大変さも知っている。この日知ったのは、最近では実質的には退職勧告にまでエスカレートしている実態である。聞いてみるとこの世代はあまりいい思いをせず、ちょっと辛い味も混じる同期会ではあったが、どんな立場でもそれぞれ頑張って欲しい。

望むらくは、残った人たちも(あと暫くの)踏ん張りを効かせて、そして超円高の終焉という機会を捉えて、是非ニッポン電機メーカーの復活を成し遂げてもらいたいものである。そのためには、従来なら歯牙にも掛けなかった国内外のビジネス機会に目と耳を研ぎ澄まして欲しいと感じた。時代はもう一度動こうとしていると信じて。

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地熱発電の飛躍的実現を阻むものは何か

1月7日放送の「未来世紀ジパング」(TV東京)「日本の新エネルギー第1弾:"地熱発電"の可能性とは?」と、1/12放送の「報道特集」(TBS)「”眠れる獅子”日本の地熱発電の可能性」を録画で続けて観た。

どちらの番組も、火山国・日本には恵まれた資源と世界の最先端を行く技術がありながら、離陸しない地熱発電の現況を取り上げていた。温泉業者との折り合いの問題、大半が国立公園内という立地環境保全の問題、計画から稼働までにおよそ10年かかるとも言われる期間の長さなど、乗り越えなければならないハードルも合わせて紹介し、日本での地熱発電の可能性を探るという趣旨だった。

前者の番組では、日本の地熱研究第一人者である、九州大学名誉教授で地熱情報研究所代表、江原幸雄氏がナビゲータを務め、丁寧な解説と冷静な評価がされていたように感じた。いわく、地熱発電のメリットは3つ。①CO2排出量が少ない。②天候に左右されず24時間発電可能。③太陽光や原子力と比べコストが格段に安い。

既存の温泉層と地熱発電のための掘削対象の地層はまったくかい離しており、本来であれば温泉業者が主張するほど心配には及ばないことも触れられていた。現在は1000~3000mほど掘って地熱を利用しているが、5000mくらいまで掘れば、温泉地でなくともその熱を利用できる、つまり温泉がない東京の都心でさえ、深く掘れば地熱発電所を作ることも可能だという話には驚いた。

地熱発電で26%の電力と地元の暖房をまかなう地熱先進国・アイスランドの事例を取り上げており、いかに日本がその資源を放置し続けてきたかを問うものになっていた。結論的にはどちらの番組も「期待しましょう」といった中途半端なものだった。しかし本当の意味での社会としての「課題」をもっと鋭角的に掘り下げて欲しかった。

番組を観終わって、正直、もどかしい気がしてならない。自然災害時にコントロールできない原発という悪魔を飼い慣らそうと無駄な努力をする代わりに、各地の温泉業者という既得権益者のエゴを抑えるだけで、地域住民の安全とエネルギー供給という大きな公益になるのだから、真っ当な感覚を持つ市民・政治家だったら結論は明白ではなかろうか。

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BPM経験者が語る日本の現場・現実

首都圏にもドカ雪が降って交通が混乱した余韻が今日もまだ残っている。お陰で予定が変わり、その合間を縫ってこのブログを更新している。

先週、最近BPMを実践した会社にてインタビューをする機会があった。BPMに取り組むことになった最初のきっかけは、情報システム部門においてBPMに強い興味を持つリーダーが就任したことで、その後優秀なチームメンバー(とはいえたった2人)を社内から一本釣りし、「とにかく進めよう」という機運になったとのこと。

もちろん、一夕一朝に変わったわけではない。それまで「言われたことを受け身にしかやらない」どころか、かなりの部分を現場任せに放り投げていた情シスがまず現場と対話するようになり、「ユーザー部門が本当にやりたいことは何か教えて欲しい」「我々ができるだけ支える」と全くスタンスを変えたそうだ。

最初は疑わしい目で見ていたユーザー部門も、現場でニーズを拾い上げてこつこつと実現していくうちに(これはBPMツールも活用したから可能になったと思われる)彼らを信頼するようになり、改善サイクルを一緒に動かしていくスタンスに徐々に切り替わっていった、とのことだった(嬉しいことに、小生の著書も多少は役に立ったようである。この事例は多分、6月のBPMフォーラムで発表されるだろう)。業務改革が成功する際にはこんなストーリーが生まれるものである。

同社のBPMもまだ道半ばである。ここまでの初期プロジェクトは協力度の高い管理部門が現場だったが、ここからはもっと日常業務に追われている営業部門が相手なので、手ごわそうである。そのためメンバー補強が課題とのことであったので、若干のアドバイスもさせていただいた。それにしても、こうした成功例がもっともっと増えて欲しいものだ。

同時に、この事例の中心人物のコメントに少し複雑な思いが募った。この事例が記事で取り上げられた関係で、彼は色々なユーザー企業の人から「話を聞かせて欲しい」とコンタクトされ、可能な限り応じているそうだ。多くの人が話を聞いたあとで「そこまでしなきゃダメなのか」と少々尻込みするそうだ。しかし受け身でなく現場に入り込んでニーズを汲み取るなんていうのは、昔は情シスの人間なら当たり前にやっていたことなのである。

また、ユーザー企業の情報システム部門の人が「業務要件を明確化するのに業務フローを可視化することが効果的だと思うが、実際には実践できていない」とこぼすケースが多いそうだ。どうやら一つにはSIerのSEやコンサルタントが積極的でないようだが、もしそれが効果的と認識しているなら積極的に自ら実践すべきだろう。

小生は自著「BPMがビジネスを変える」や過去の講演にて主張してきたように、ユーザー部門の意図を誤解なく伝えるために、業務フローをどう変えるのかを可視化(ビジネスプロセスのモデル化)して伝えることが業務要求定義の基本だと確信している。これは世界の常識でもあり、日本のSI産業は明らかにサボっているのである。

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新予算案の示唆するもの

安部新政権が提示した新予算案。「デフレ脱却、経済再生」の目標にフォーカスしていることが明確な、日本にしては珍しい戦略的な性格をもつ予算案に、大筋では見える。市場の期待が高まり、円安・株高の「安倍効果」が生まれている。景気は「気」からなので、このこと自体は評価したい。

来日中のムーディーズ社チーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏が「アベノミクス」の「3本の矢」に関するコメントを出しているのを目にしたが、なかなか的確だと感じた。

1本目の「大胆な金融緩和」については手放しの褒めようだ。投資銀行など外資系金融人は、以前から日銀の保守的に過ぎる姿勢に批判的だった。将来のインフレ懸念を気にし過ぎてデフレを放置しているのは無策に等しい、中途半端な金融緩和策が円高を放置しているのに何故気づかない、インフレターゲットを導入せよ、と散々だった。デフレ心理を断ち切り円高を終わらせるためには、インフレ期待を煽るのが打ち手だという点で小生も賛成したい。

ザンディ氏はしかし、2本目の「公共事業を中心とする思い切った財政政策」については批判的だ。要はカンフル剤に過ぎず、これに過大な期待を掛けるのは危険だということだ。全くその通り。特に、東日本震災復興事業で土木資材・人員・施設に対する需給がひっ迫している状態では、公共事業への追加投資の多くは値段を釣り上げる方向に吸収されてしまい、乗数効果は大きくない。ましてや自民党の担ぐ「国土強靭化」事業の多くは、費用対効果が小さいために後回しにされてきた「いわくつき」の代物が多い。日本社会の生産性を引き上げる見込みもなく、とにかく当面の景気を引き上げようという魂胆が見え見えなのである。

これでは財政赤字の後世へのつけ回ししか残らないという懸念が強くなる。同じ公共事業でも、社会インフラの再生・メンテナンスに対する投資(都市部での渋滞解消投資も含む)、エネルギー転換のための社会投資等を中心にすれば、民間投資への呼び水や社会の生産性向上につながるので費用対効果も高くなるはずなのに、残念至極である。

ザンディ氏は「3本目の矢」である「成長戦略」に関しては、「公共事業というカンフル剤が効いている間に効果的な成長戦略を実施しないと…」という以外は具体的コメントをしていなかった。そもそも「成長戦略」の中身は具体性・新規性に欠けるというのが実態だろう。

もし「成長戦略」が効果を発揮しない場合、日本経済はどうなるのか。まずは日本国債の暴落がもたらす金利の暴騰で、政府も中小企業も首が回らなくなるというのが最もありそうなシナリオである。この恐ろしい懸念を描いたNHKの番組「日本国債」を年末に観た。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/1223/

幸田真音著「日本国債」を読んだのはもう10年近く前になるような気がするが、現下の状況でNHKがこうした番組を放映するのは意味深である。この漠然とした、しかしじりじりと迫りくる危機的状況を避けるためにも、カンフル剤が効いている間に効果的な成長戦略を是非実施して欲しいものだ。

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ノートPCが故障して考えたこと

仕事で使っているT社製ノートPCが年末に突如として故障した。それが修理され、戻ってきた。ハードディスクのエラーという表示だったので、ハード的に壊れたのかも知れずデータはもちろん消去される、年末年始なので、へたをすると1ケ月近く修理にかかるかも知れないと脅かされていた。結果的にはードディスクとの接続が物理的に緩んでしまっていたとのことで、約2週間後に戻ってくることになった訳である。

この間、プライベートのラップトップPCで概ね代替していたが、色々と考えさせられた。小生は仕事のデータに関してはクラウドサービスに預けており、ハードディスクには残していないので、代替PCでもデータを引っ張り出して作業できたので、この面では全く問題はなかった。実は以前に3回ほどPCの故障で全面的にデータが消えた経験があるため、こうした自衛策を施してあるのだが、このやり方は概ね正しかったようだ(できればミラーリングのほうがよいとは思っているが)。

しかし問題も残った。特に電子メールのアドレス帳と過去メールである。会社のメールはWebメールでも操作できたが(時々書き込み速度が大幅に落ちる問題もあった)、そこには過去のメールのやり取りは殆んど残っていなかったので、記憶を頼りにしたり、重要な内容の場合にはもう一度送ってもらうことにしたりした。そして何といってもメールアドレス帳がなかったことで、年末に予定していたニュースレターを発行できなかったことである(改めて内容とタイミングを検討中)。

PCという「モノ」はいつでも壊れるリスクがある。それに対してどんなリスク対策をあらかじめ施しておくのか、改めて真剣に考えておく必要があると実感した次第である。

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顔認識技術の進歩に戸惑う

1月6日(日) にNHKのEテレ「サイエンスZERO」で放送された「もう逃げられない!あなたを狙う顔認識技術」というのは少々ショッキングだった。
http://navicon.jp/news/16971/

「顔認識技術」が急速な進化を遂げているというのは知っていた。相当昔、ある大手企業の中央研究所で、膨大な画像データから同じ人物の写真データを非常に素早く検索する技術を見せてもらって感心したことがあるが、今考えると子供だましのレベルにしか思えない。この番組で紹介された、「機械による顔認識」の精度には感心するばかりである。

その応用領域はどう広がっているのか。逃走中の犯人の顔や犯行現場での人物の顔を、街角の監視カメラや道路に備えてあるNシステムで捉え、検索することで防犯に役立たせることができるのも刑事ドラマなどで知っていた。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの会場でも(会員証不要での)会員認識に使われている。東日本震災で流された家族の写真を探し当てるのに活躍したと聞くと、ほっとする。

しかしまさか、フェイスブックなどネット上に公開した顔写真と目の前の人の映像を瞬時に照合させ、相手の個人プロフィールを把握することができるというのは衝撃である。そういえば、以前、TEDスーパープレゼンテーションでMITの研究者が似た様なことをやっていたが、もう実験レベルでなく実用レベルになっていたということなのだ。

グーグルなどのIT大手企業が相次いで顔認証技術を持つ会社を買収しているのも意味深である。何が起きているのか?と疑心暗鬼になるし、小生などは会社のホームページ等に顔写真をアップしているのも(営業上は必要だが)個人情報は大丈夫かな?と少々心配にもなってしまう。

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究極のリサイクル発電を目指す研究者魂

12月16日(日)放送の「夢の扉+」の録画を年明けに観て、感心した。その研究者、東北大の小濱教授、67歳のバイタリティに、である。

脱原発の代替案があれこれと取りざたされている。いや太陽光だ、地熱だ、いやシェールガスだ、メタンハイドレートだ、と。ここに全く異なる選択肢が浮上してきている。それがマグネシウムである。

小濱教授らが開発に情熱を燃やしているのはマグネシウム燃料電池。ほぼ無尽蔵の資源といえるマグネシウムには、酸化する際に発電するという特性がある。それを活かそうと幾多の研究者が過去取り組んできたが、ことごとく挫折してきた。発火しやすく電解液に溶けやすい特性も同時に持つので扱いにくいのである。このためマグネシウム燃料電池の大容量化は不可能とされてきた。しかし小濱教授らは、ある特性を持った「マグネシウム合金」を作ることで、この壁を突破しつつある。

彼らは使用済みとなった酸化マグネシウムを太陽光の熱によって精錬し、再びマグネシウムとして利用する技術も確立しており、順調にいけば究極のエネルギー循環社会を実現できる可能性があるという。

宣伝も兼ねて、小濱教授は技術的に一番難しいと考えられる移動体への搭載を決断。番組では、マグネシウム燃料電池による電動三輪車での走行実験(福島県~宮城県)に挑む姿が描かれていた。研究者魂を観る思いだった。遠くない将来、この技術が開花することを願って止まない。ニッポン発の「世界を救う」技術として。

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初夢にふさわしい“メイド・イン・ジャパン”のプロジェクト

本日放送の「夢の扉+」は2013年に本格始動する壮大な5つのプロジェクトとドリームメーカーたちを紹介する“特別編”であった(1月10日夜11:00~BS-TBSにて再放送)。心躍るチャレンジに挑むサムライ達の目の輝きがいずれも素晴らしい。
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/

1.日本初の国産ジェット旅客機の発売開始( 三菱航空機社長 江川豪雄氏)
国産プロペラ機・YS-11の生産打ち切り以来、ずっと米ボーイング社の下請けに甘んじてきた日本の航空機業界だったが、今年、小型ジェット旅客機・MRJを完成させ、世界市場へと打って出る。競合はカナダ・ブラジル・ロシア・中国といった国々の実績あるメーカー。しかし江川社長の「日本のモノづくりの悲願であり、日本のために作る」との宣言通り、競争力ある製品を作り上げ、既に300台以上の受注を確保しているという。

2.iPS細胞の自動培養ロボットの本格運用(川崎重工業システム技術開発センター 中嶋勝己氏)
創薬や再生医療に期待が寄せられる、iPS細胞の培養には、実は気の遠くなるような人手が掛かり、しかも微妙な手さばきや細心の心配りが要求される。それを自動化できないか?という素朴な発想から立ちあがった世界初の装置が、2013年に本格運用される。研究用のiPS細胞を自動培養できる、最先端テクノロジーの装置。微妙な人の熟練作業を24時間無休で繰り返す、日本らしいプロジェクトである。

3.世界最高峰の地震シミュレータの開発(海洋開発研究機構 金田義行氏)
次に起こると言われている大地震、南海トラフ地震。想定死者最大32万人と云われる。避難路を逃げる人たちや発生する津波など、様々なシミュレーションは既にあるがそれぞれ部分的なものでしかなかった。それらのシミュレーションを繋げることで、地震が発生した場合のあらゆる災害をシミュレートでき、具体的な対策が検討できる。そのためスーパーコンピューター「京」の中に、実在する街を再現したのがこのシミュレータ。年内に完成、発表の予定である。

4.世界初のメタンハイドレート海洋産出試験の開始(JOGMEC 山本晃司氏/佐伯龍男氏)
日本近海に大量に眠る“燃える氷”メタンハイドレートは100年分の国産資源と云われる。その地中のメタンハイドレート層から天然ガスを取り出す世界初の海洋産出試験が、2013年1月にスタートする。多様な再生可能エネルギーの分散型社会に移るのがトレンドとしても、このメタンハイドレートは埋蔵量が桁違いである。エネルギー輸入大国・日本が資源大国になれるかも知れないという、まさに壮大な夢プロジェクトである。

5.世界最高時速500キロ超の『超電導リニア』の走行試験開始(JR東海リニア開発本部長 白國紀行氏)
品川~名古屋間をたった40分で結ぶ夢の『超電導リニア』。存在自体は多くの人が知っていても、一体いつ実用化されるのかは知らない。そんな「夢」の代表でもあったが、2027年の実用化に向け、その営業車両での走行試験が2013年末に山梨の実験線でスタートする。1962年から携わっているMr.リニアカーの夢が実現に近づいている。

いずれもニッポンの技術力・総合力が花開こうとしていることを告げる壮大かつインパクトの大きい「ドリーム・プロジェクト」である。是非成功していただきたいし、技術的な観点だけでなく日本社会・経済の発展のための国家戦略としてもうまく使って欲しいと感じた。

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