基本と合理性を徹底追及する経営こそがしまむらの真髄

11月28日(木)のカンブリア宮殿は「安さの裏に大胆戦略!店舗数日本一“しまむら流”独自経営の裏側」と題して、しまむら 代表取締役社長の野中正人(のなか・まさと)氏をフィーチャー。独自経営というより、基本と合理性を徹底追及する経営だと思う。

全国約1300店という日本一の店舗数を誇る(ユニクロは目じゃない)しまむら。グループ売り上げでは4,910億円と、ファストファッション業界では世界9位(ちなみにファーストリテイリングは5位)!

人気の秘密は、驚きの安さ。それを実現する秘密の第一は、メーカー側との取引の合理性にある。約500社の納入業者から大量に服を買い付ける(ユニクロのようなSPAではない)バイヤーは59人。毎日押し寄せる売り込みに対し、平均2回の商談で決着する。そのルールは徹底していて、「三悪の禁止」とされている。その第1は「返品禁止」(完全買い取り制)。つまり商品が売れ残っても「追加の値下げ要求はしない」という掟だ。

第2が「再値引き要求の禁止」、第3が「販売応援の要請禁止」である。過去多くの小売が没落した原因である甘えの商習慣を排除して、小売が腹を括るという姿勢を見せているのだ。非常に潔く、気持ちよい姿勢で、シンプルだ。そこに「物さえよければ1万点の買い付け」という規模の経済を背景とした交渉力(これは正当な力の行使である)を発揮させるのだから、メーカーはどの小売に出すよりもしまむらに最低価格を提示する。本当にガチンコ勝負で、メーカーにぎりぎりの低価格を出させるための合理的な掟のセットである。

ダイエーやマツモトキヨシ、ヤマダ電機など、小売の時々の覇者が規模を背景にメーカーや卸に対し(先の「三悪」に代表される)理不尽な押し付けをすることに、かねてから小生は納得がいかなかった。それらの行為は巡り巡ってメーカーのコストやリスクに撥ね返り、メーカーはその分だけ納入価格に上乗せをせざるを得ない。つまり無理難題を吹っ掛ける小売は結局、自らの首を締め上げていることに何故気づかないのか、不思議で仕方なかった。しまむらがまっとうなやり方で業績を上げていることで、小売業の旧悪弊が改善されることを願う。

だが、しまむらの強さは低価格の仕入だけではない。それがこの番組では丁寧に目配りされ紹介されていた。

しまむらの商品の売り方にはある特長がある。店舗に並べられている商品は1つのアイテムにつき、各1サイズ・各1カラー。全く同じ商品は1店舗に1つしか置いていない。これこそが「しまむら流 売り切れ御免」の販売手法だ。小売の経営側から見れば、どんどん早いサイクルで商品を投入し続けることで、移り変わりの早い流行のトレンドに対応できる。機会ロスよりも新鮮なうちに「売り切る力」を重視しているのだ。顧客の視点でいうと、狭い商圏を相手にしているので、たまたま同じ商品を着ている人が出逢ってバツの悪い思いをすることを避けるためである。さらに常連客に「あとでと思っていると誰かに買われてしまう。見つけた時に買わなきゃ」と思わせる効果も大きい。

しまむらのもう一つの特徴は「コントローラー」の存在だ。バイヤーは流行を先読みして大量の商品を発注し買い付ける。一方、その大量の商品を売り切る役割を担うのがコントローラーだ。例えば、ある特定の商品に注目し、少し売れ行きが芳しくない店から売れ行きのよい店に全国的に移送する決断を下す権限を持つ。彼らが売り切る平均目標は何と1ケ月。番組で紹介されたジャケットの例では400店→400店で実施された。

しまむらのローコスト戦略を支えるのが全国に9ヵ所の自社物流センター。無人で24時間稼働するコンベアオペレーションにより徹底的にコストの削減を図っている(最大規模のセンターでも20人ほどしかいないという)。アパレル各社が製造拠点を置く中国に大規模な物流センターを持ち、メーカーはそこに収めればよいし、国内の配送先も値札もそこで決まっている、非常に効率的だ。1点当たりの物流コストは50円前後という。この数字は宅配に大量発注しても到底ありえない、脅威の数値である。

過去の経営改革の「年表」が表示されていたが、それが凄い。1961年の2店舗しかない時点で本部集中仕入れを開始し、1975年の6店舗時点でコンピュータを導入している。1981年の37店舗時にオンラインでPOSシステムと結び単品管理を実施(7-11より1年早い!)。1984年には(54店舗)埼玉に自社物流センターを設立したとある。小売ではほとんど業界初ばかりかも知れない。とにかく自前で(ここは専門家としては異論もあるが、自分達の頭で考えるという意味では賛成だ)、実験して、色々自分達に合ったやり方を見つけ出す、というスタイルだという。

番組の後半ではパート主婦が主役になってオペレーションできるための色々な工夫(店長会議、マニュアル、改善提案など)が紹介されたが、こうしたことは以前にも紹介した通りである。
http://pathfinderscojp.blog.fc2.com/blog-entry-254.html

ロープライスの裏に徹底したロジックと実践がある。要はこの会社の経営のベースには、売り切ることと低コストが低価格を可能にし、それが大量販売という規模の力につながる、という「好循環」が明確に認識されているのである。非常にシンプル、かつ原則を大切にする経営スタイルであり、好感が持てる「業界の巨人」である。
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気楽に農業に親しむ人を増やす試みがある

11月27日(水)のBSフジ「プライムニュース」の特集は『提言企画2020の主役③ 農業界の新世代革命児 農地&就農者増加秘策』だった。マイファーム 代表取締役社長の西辻一真氏と、農業総合専門サイト「農業ビジネス」編集長の浅川芳裕がスタジオに会した。

TPPへの対応、コメの生産調整(減反)見直しなどでこのところ注目が高まっているが、元々数多くの課題を抱える日本の農業の在り方を変える新たな旗手として注目されているのが西辻氏である。都市圏での耕作放棄地を利用した体験農園や、新規就農者を増やすための農業学校など、農地・営農者の両面から農業インフラの底上げに取り組んでいることが番組で紹介された。
https://ja-jp.facebook.com/myfarm.kyoto

西辻氏は福井県生まれ。幼少期、社宅で菜園を母と楽しむ。2006年、京大農学部卒。翌年、マイファーム設立。2010年8月から2013年7月、農水省の政策審議委員を務める。

実に興味深い取り組みである。いわば①体験農園=趣味としての農業(家庭菜園の延長)、②農業学校=調査研究対象としての農業(準備段階)、③地方就農支援=第二の生業としての農業(本気)、といった具合に、ステップを経て農業に深入りしたい人たちをサポートできるようになっているわけだ。肩肘張らずに、これで少しでも農業を好きになって本格的に取り組む人が増えれば、というアプローチだ。

西辻氏は非常に若く、20代から30前後に見える。物腰も柔らかい。しかし秘めたる闘志は熱いものがあると見受けた。農協が食い物にする「三チャン」農業は少しずつ衰退していくしかないが、定年退職する団塊の世代や新しい世代で農業に興味を燃やす人たちが増えればいいなと思う。

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仮説の「検証」とはどんなもの?(実例 続き)

仮説の「検証」と「修正」を繰り返すサイクルをいかに早くできるか。その「スピード」と「大胆さ/割り切り」が無駄足を減らし、検討プロジェクトへの信頼度を増す。


以前の記事で幾つか仮説の「検証」事例をお伝えした。今回は、「想定した仮説が違っていた際にどう修正していくのか」を中心に、ある事例を使いながら(差し障りのない範囲で)ご紹介したい。

実際の戦略策定や業務改革の構想策定といった「(超)上流工程のプロジェクト」においては不透明要素が多いため、初期仮説通りに最後まで進むことは稀であり、ある程度は仮説の修正が生じるのがむしろ普通だ。ポイントは、いかに素早くしかも正確に仮説の誤りに気付き、いかに素早く大胆に修正を掛けられるかである。

この事例のクライアント企業は大手素材系メーカー。社会インフラ向け資材の製造事業を思い切って伸ばす戦略の策定が求められた。同事業に乗り出してまだ2年程度、実質的には新規事業の性格を帯びていた。主顧客は地方自治体である。

競合の大半は中堅メーカーもしくは地場の中小メーカーであり、同社の体力と技術力をもってすれば早々に市場制圧ができるはずだった。しかしシェアは一向に向上せず、利益も出ていなかった。そのため担当部門の意見を取り入れて、デザイン力で差別化するための「研究所」まで少し前に設立していたが、どうも確信が持てないというのが依頼時のクライアント・トップの認識だった。

我々コンサルタントチームが持っていた初期仮説は、「営業戦略的には自治体のインフラ計画部門への食い込みがキーポイントになるため、地元代理店(他事業部製品の取扱が主だが、本事業でも協力)への教育と支援を手厚くする」「事業戦略的には(クライアント想定の通り)デザイン力の強化は重要だが、それに加えて技術力からくる品質の違いを数値的にアピールする(ために計測可能にする)」というものだった。

しかしいざ顧客インタビューを重ねると、前者の仮説はほぼ合っていたが、後者の仮説は結構ズレていたことが判明した。

当時の自治体の多くは、観光面への影響から「デザイン重視」を唱えてはいたが、そのデザイン要望たるや素人である自治体幹部の思いつきにより左右されるものだった。つまり「デザイン強化」よりもむしろ「自らのデザインへのこだわりの少なさ」や「デザイン変更への柔軟性」が最も求められていたということだ。

しかしクライアントのデザイン研究所長にフィードバックすると、「知っていましたよ」とこともなげに言う。現場では既に対応しており、最初に雇った美術大学出身者ではなく、今や顧客要望をいち早くCAD化するためのエンジニアが中心になっていたのだ。問題は、この件に関してはとっくに(体制変更という)手を打ってあるのに競争力アップに結びついていないという事実だった。

また、国が決めたガイドラインにさえ沿ってさえいれば、あいまいな「品質の違い」はあまり差別化要素にならないのが実態だった(お役所の担当者はそこまで気にしない)。事実、競合のメーカーは技術的には今ひとつと同業者からは見られていたが、実績の多さが評価され、高い市場シェアを維持するという好循環を保っていた。ただ、メンテナンス周期が変わってくる、クライアントのある技術は高く評価されていた。

一旦はそうした「○○技術による耐久性」をアピールし差別化する戦略を立てたが(修正仮説の構築)、改めて市場関係者に打診してみたところ(修正仮説の検証)、その反応からは「決定的な差別化点とまでは言えそうにない」と認めざるを得なかった。プロジェクトとしては煮詰まり気味になったが、ここで足踏みしていては時間がもったいない。

そこで、クライアントとコンサルタントの合同で数度にわたってブレインストーミングを行い、打開策を模索した。出た結論は、「ビジネスモデル自体を思い切って転換し、強みである加工素材を競合業者にも提供することで事業のすそ野を拡げる」というものだった。

この大胆な戦略転換がうまくいくのか、その仮説検証は難しかった。一部の競合に対し非公式に受け入れ意欲を打診し、特に口の堅い一部代理店に(代理店全般からの反発が大きくならないかという)相談をし、社内的に規模拡大によるコスト低減が収益向上に結び付く効果の度合いを検討した。検証の結果は、とりたてて大きな問題はなく、今の中途半端な状態よりは将来的に事業が成長する可能性が高いという結論に至ったのである。

この事例では、事業担当者の割り切りが素早く、社内外の関係者への説得も手際がよかったため、意外なほど反発が少なく、大胆な方向転換に成功した。(実質的に)新規事業ならではの身軽さが功を奏した側面もあったが、「仮説構築-検証」のサイクルが速かったからこそ無駄足が少なく、プロジェクトへの信頼度が上がったことは間違いない。

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親日国・イランの国際社会復帰を待つ

11月25日(月)の未来世紀ジパングは100回記念SP「池上彰が解き明かす!謎多き国イラン」。池上彰とジパング取材班が、特別に許可を得て現地に乗り込んだスペシャル番組はとても興味深いものだった。

核開発疑惑で米国から「悪の枢軸」と名指しされ、その後の核兵器開発疑惑により課された経済制裁によって苦境の続くイラン。日本もイランからの原油の輸入を激減させ、数千人いた企業の駐在員も100人余りと、今や日本人にとっては馴染みが薄い国である。しかしイランのロウハニ新大統領就任以来、雪解けへの足音が聞こえてきている。

経済制裁下、外資や外貨の流入が細るイラン国内ではインフレが急激に進み、ここ数年でパンの価格は4倍、牛乳は3倍にもなった。また、インフレに高額紙幣の発行が追いつかず、最高額のものはトラベラーズチェックで代用されていた。取材陣などの外国人はリアル紙幣を大量に持ち歩かなければならない。海外との金融取引が止められているため、クレジットカードが使えないのだ。

バザールを取材していた池上氏たちが男たちに取り囲まれ、話しかけられる。日本人と分かると親しげに声をかけてきて必ず「ウェルカムトゥ・イラン」と言う。「中国人か、日本人か」と聞かれ、日本人と分かると途端に親しげになるそうだ(経済制裁に参加していない中国製品が入り込んでいるので、中国人ビジネスマンはそこそこいるようだが評判は芳しくないようだ)。池上氏は土産物を買ったところで、日本人だと分かると「日本人ならお代はいらないよ」と受け取ってもらえなかったそうだ。それほど“親日家”が多い国なのだ。

さすが時機を得たSP番組、かつ親日的と思えるのは、旧アメリカ大使館の内部取材を許されたこと。あの1979年の在イラン・アメリカ大使館人質事件の現場である(イスラム革命の騒乱の中、テヘランの学生たちがアメリカ大使館を444日間にわたって占拠した。アカデミー賞映画「アルゴ」の舞台でもある)。そこは今、さながら反米博物館。占拠直前にアメリカ職員がシュレッダーにかけた機密文書を、イラン人が一本一本張り合わせて復元したものなどが展示されていた。要は、「米国はこんなスパイ活動をしていた」とアピールする場になっているのだ。

テヘラン市内にある垂れ幕。アメリカとの対話路線に動き出したロウハニ政権を批判するスローガンが書かれている。しかし後日、その垂れ幕は撤去されていたという。政権側が動いたのだという。イランの中でも、柔軟派と強硬派がせめぎあっているという証拠だ。

それにしても、イランってこんなに親日国だったんだと感心した。日本の同盟国・米国とは犬猿の仲で、米国の同盟国の一つ、イスラエルやサウジアラビアとは宿敵の仲。しかし元々日本とは長い友好関係があった国。一時、ビザ免除で多くのイラン人が日本に来た時代があった。小生も親しく口を聞くイラン人の若者がいた。そのときに日本人と交流して日本好きになった人が多いと聞く。さらには「日章丸事件」(出光興産が英海軍の包囲網をかいくぐり、世界メジャーの英国アングロ・イラニアン社を出し抜いてイランと直接取引をした事件)、そして「おしん」が国民的ブームの人気になったこと。

当時は日本人が外国人に排他的だと感じたが、個人と個人の交流ではとても仲良くできていたということだ。同じ米国と対立する中国と違い、米国にも日本にも悪さをしないのだから、「何とか助けてあげたい」と思わせる。ミャンマーと同様、早く経済制裁が解除される日が来るのを期待したい。

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ディスカウントの代償とは

11月14日(木)に再放送された「BS世界のドキュメンタリー」は「低価格時代の深層」(原題:The Age of Cheap)。安い中古車でアイルランド、フランス、ブルガリアなどヨーロッパ各地をめぐり、ディスカウントの舞台裏を探る異色のロードムービー形式。

現代の消費社会において低価格の魅力は大きい。だが、低価格は本当に生活を豊かにしているのか―?そうした問題意識が何度も浮かぶ。

最初の目的地はダブリンに本社を置く格安航空(ライアンエアー)。航空業界に競争と徹底したローコスト戦略を導入したと創業者のCEOは自慢するが、彼は英国有数のビリオネア。何と、同社では飛んでいる最中以外の準備や着陸後の乗客誘導などに客室乗務員(CA)の給与は支払われない。手当も失業保険も福利厚生も何もない。こうした低賃金がパイロットやCAたちの心理的、肉体的負担、サービスの低下につながり、多くが会社を辞める。いじめや嫌がらせが蔓延し、今や会社全体が疲弊していると元従業員らが証言する。この会社のフライトには乗りたくないと素朴に感じる。

パイロットの多くが個人事業主として派遣会社と契約し、派遣社員として働いている。CEOは労働組合対策だというが、一番大きいのは年金も健康保険もこの会社はほとんど支払わないで済むことだ。パイロットは年を食って働けなくなったらお払い箱となり、路頭に迷う不安が大きい。

フランスの大手格安スーパー(ハード・ディスカウント店)では、人員削減のためマネージャー自らがレジを打ち、1日5トンもの商品を運ぶ。日本でいう「なんちゃってマネージャー」だろう。常に言われるのは「考えるな」「決められたことだけをせよ」ということ。驚いたのは、マネージャーのデスクでの文具の置き方までマニュアルで決められていることだ。明らかに異常である。

そして従業員が不正をしないか、サボらないかを監視するのが店長そして地域マネージャーの主要な仕事だとは…。従業員に圧力をかけ、密告を促し、過剰な懲罰を与えることで恐怖心を植え付け、人間関係を分断するのだ。これがこの会社の組織的かつ確信的な労務管理法だという。この会社の労働争議を扱った弁護士や元従業員の証言が本当だとすれば、とんでもない会社であり、いずれ崩壊するのではないか。

ベルリンのハード・ディスカウント店はアルフレッド兄弟が創業者で大富豪。最初の証言者は元の側近で今は弁護士。ビジネスモデルの優れた点を述べる。しかし次の証言者は組合の幹部。労働者の不安定な立場と経営者の富豪ぶりのアンバランスさを指摘し、「人々がディスカウントを求める風潮が貧困を招いている」と警告する。日本の経験とも一致する。5つのディスカウントショップが市場を制圧したことなど、ドイツ社会はすっかり変質したことが示唆される。

ルーマニアではアメリカの豚肉生産業者が40もの大規模プラントを建設したが、地元の雇用はわずか4人。大量に出る豚の糞が地下水を汚染し、住民が長年利用してきた井戸水が使えなくなる事態が発生している。

ここにも、先進国の消費者のための市場経済原理主義が発展途上国の社会を疲弊させ、利益ではなく外部不経済をもたらす構図がある(日本企業がこうした腐敗の構図に関与していないことを祈る)。そして先進国からは雇用を根こそぎ奪う。低賃金、重労働、環境破壊、等々。低価格の代償は決して安いとは言えない。

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老人を狙った国際詐欺組織を追いつめるロンドン市警の活躍

11月7日(木)~8日(金)の2日間にかけて放送された「BS世界のドキュメンタリー」の<シリーズ 犯罪捜査の現場>「金融犯罪を許すな!~ロンドン市警に密着~」(原題:FRAUD SQUAD=詐欺の一味)は非常に見応えがあった。

英国では高齢者に架空の企業の株式を売りつける組織的な詐欺が横行している。番組が張り付いたのは、ロンドン市警の詐欺事件捜査チーム。地道な捜査で犯罪の全貌を解き明かし、国際犯罪組織を追い掛け追いつめ、犯人に法の裁きを受けさせ、被害者の救済に奮闘する捜査官たちの奮闘が描かれていた。

過去の被害者数は300万人、年間の被害はおよそ3億ポンド(450億円)。被害者は老後の蓄えを使い果たし、絶望から自殺に至るケースも少なくない。被害者の中には、要介護の妻のための貯蓄およそ2,000万円をだまし取られた91歳の男性や、自分と母親の全財産をつぎ込み家の売却を余儀なくされた女性も。番組に登場した被害者の大半は老人であり(そのため「よくそんなに金があったな」と思うほどだ)、日本の「振り込め詐欺」と同じ構図だ。

捜査チームは膨大な銀行の取引記録などから、スペインを拠点に活動する犯罪組織を割り出す。首謀者のナイジェリア人は、英国内に住む妻や友人と共謀しながら詐欺を実行。株式仲買人を装い、偽のパンフレットや株券を送りつけたり、脅迫まがいの電話をかけたりして投資を迫っていたことが明らかに。

犯罪組織のメンバーがクリスマスに英国に帰郷するとの情報を得た捜査チームは、犯罪組織のメンバーらを逮捕するべく空港へ向かう。関係者9名の一斉逮捕を決行するが、残念ながら首謀者は姿を現さない。

一方、捜査員たちは押収した携帯電話などからマネーロンダリングを行っていたメンバーを割り出し、銀行口座を凍結。 被害者に少しでも多く返金しようと、資産の押収を始めた。逮捕した組織メンバーの供述などから、首謀者の高級車が保管されている豪邸を割り出し、スペインへ向かった。 そこで捜査チームが目にしたのは、欲に目がくらんだ犯人たちのあきれた暮らしぶりだった。

やがて逮捕した妻と合流するためにやってくる首謀者を捕獲すべく刑事が他国の国際空港に向かうが、何とその首謀者は空港で暴行騒ぎを起こし逮捕されるという事態に。一味は全員逮捕され、起訴され、収監されることになったが、既に多くの被害金額は浪費されていた。残された資産からの被害者への返済は精々1/10だという。これが詐欺犯罪の現実である。

英国にはThe Serious Fraud Offic(重大不正捜査局)という独立した経済犯罪専門の捜査機関があるが、今回の主役はロンドン市警察。世界の金融の中心のひとつであるシティを管轄するため、National Fraud Intelligence Bureauという経済犯罪専門の部局を抱えている。これが世界有数の情報組織だということがこの番組で伝わってきた。

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日本の飲食チェーン店も海外展開に積極的になってきた

今日、11月23日(土)に放送された「お願い!ランキングGOLD 特別編」は「日本のスゴい飲食チェーン店! 海外出店数ランキング ベスト15」。意外なチェーンもあり、結構笑えるメニューも多かった。

日本が誇る、海外に進出しているチェーン店を出展数でランキング!という趣旨。したがって美味しさとか人気のランキングではない。とはいえ現地で人気がなければ撤退するだろうから、美味しくて人気があるということだ。思い切って一足早く海外、特にアジア進出を果たして、リスクをとって積極的に展開した企業戦略の結果でもある。

第1位は、こだわりの熊本ラーメンチェーン店『味千ラーメン(拉麺)』。海外689店舗(ラーメンの本場・中国に594店舗)。東京都内には1店舗のみで馴染みが無いが、海外展開はNo.1。16年前にシンガポールに1号店を出した日本ラーメン界のパイオニアだという。

第2位は牛丼の『吉野屋』。海外630店舗(中国354店舗、アメリカ100店舗など)とこれは納得。海外では(牛丼の味は同じだが)ファストフード店のようにメニューが多い。アジアでも店が増えている。

第3位は『モスバーガー』。海外316店舗。日本食大好きの国、台湾の236店舗が最多で、非常に人気の模様。

第4位は『ペッパーランチ』。海外155店舗(シンガポールの36店舗が最多で、結構分散している)。日本では食べたことがないので、よく分からないが、随分人気なのだと知った。

第5位は老舗の『とんかつ新宿 さぼてん』。海外119店舗(韓国の80店舗が最多)。日本では特製のソースとサクサク&ジューシーなとんかつが人気。やはり全般的に台湾でも人気で、台湾限定の鍋膳(ヒレかつ)が好評だった(土鍋でカツを煮込み卵でとじた人気の一品だとのこと)。

第6位はカレーチェーン店『カレーハウス CoCo壱番屋』。ギネス認定、店舗数世界一。海外110店舗(中国の34店舗が最多)。日本ではカレー専門店だが、 香港ではオシャレなデートスポットのイメージという。

第7位は『やよい軒』という定食屋チェーン。海外108店舗(タイが104店舗と大半)だが、日本ではあまり馴染みがないかも。

第8位は石川県発祥の『8番らーめん』。日本では新潟県から岡山県の間だけで129店舗を展開し、全然知らなかったが、野菜ラーメンが大人気だという。海外107店舗(特にタイでは102店舗と日本のラーメン店なら「8番」と、ブランド認知が高い。タイ限定のトムヤムクンらーめんはスタジオでもウケていた。意外な「海外のみで知られているチェーン店」の代表か。

第9位は回転寿司チェーン店『元気寿司』。海外90店舗(香港の52店舗が最多)。ハワイでは大ブームを巻き起こしている行列の出来る人気店だそうな。番組で紹介されたハワイ限定の多くはもう寿司とは呼べないものだったが…。

第10位は居酒屋チェーン『居食家 和民』。海外80店舗(中国の29店舗が最多)。日本では低価格でバラエティー豊かなメニューで人気のチェーンだが、香港では高級レストランのような佇まい。しかも居酒屋なのに、ほとんどの人がお酒ではなくノンアルコールドリンクを飲むという。不思議な…。

第11位は定食屋の『大戸屋』。海外73店舗(タイの38店舗が最多)。日本では、お手頃価格で人気だが、タイでは富裕層が訪れる高級レストラン風になっており、凄いイメージギャップがある。タイの一般人の日給より高いメニューが人気だというから、タイの経済発展の様子が反映しているのだろう。

第12位は日本最大手の焼肉チェーン『牛角』。海外45店舗(アメリカの20店舗が最多)。富裕世帯の割合が高いシンガポールでは非常に高い価格づけの印象。

全般的に、日本と同じメニュー(味も日本と同じ)はあるが、とんでもなくユニークな現地独自メニューが目立つ(しかし魅力的で食べてみたいと思わせるものが結構あった)。店舗作りは高級イメージが多く、日本での庶民イメージとのギャップが強烈で笑えるものが多かった。

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権限は管理職に、責任は経営者に、というのがTCLの成長の秘密

11月20日(水)のNHK BS「島耕作のアジア立志伝」は「“スピード力”がビジネスを制す」と題して、中国・TCLの李東生CEOをフィーチャーした。

テレビ市場で世界第3位のシェアを誇るTCL。その大メーカーを率いる李だが、ブラウン管から液晶へというテレビ市場のニーズの変化を読み違えて大失敗したことが明かされる。自らの判断ミスによる失敗をきっかけに、大胆な人事制度を編み出した。“スピード力”のある現場の管理職に決定権限を与えることでニーズの変化をいち早くつかみ、世界のメーカーに一歩先んじた開発力で挑むという戦略である。小生のいうFSTの“S”を極限まで高めることを意味している。

権限委譲とか「スピードが大事」というのは経営本・雑誌などではありふれた言葉である。しかし実際に大胆な、TCLのような権限委譲がなされている日本企業は極めて少ない。なぜならそれは現場情報の豊富な現場の管理職(TCLの場合、管理職の中でも特に選別された「鷹」の称号を贈られたマネジャー)に担当事業の経営意思決定権を与えることで、いちいち経営者にお伺いを立てなくとも自分の判断で投資などを迅速に決めさせることを意味する。しかも判断ミスで失敗したときの責任は経営者が取るのだ。

これはスピードアップの効果は間違いなくあるが、非常に怖いことである。よほど部下を信頼できなければできない。腹の据わっていない日本の大半の経営者には難しいだろう。中国市場が驚異的に伸びたことはもちろん大きな成長要素だったはずだが、TCLの場合、他の中国メーカーを圧倒して国内市場を制圧したといっていいだろう。他の新興国市場にも積極的に進出している。なぜ同社だけが可能だったのか。その答がこの徹底した権限移譲なのだ。腑に堕ちた。

以前の「総集編」でTCLに関しての紹介は「大胆な人事制度で驚異的な成長を成し遂げた」とあったが、それだけではさっぱりピンとこなかった。今回の放送を観て、その意味するところに非常に納得し、李東生CEOの腹の据わり具合に対し、尊敬の念を抱かずにはいられない。

“オンリーワン”戦略は徹底すればこそ

BS NHKで11月13日(水)に放送された「島耕作のアジア立志伝」は「“オンリーワン”で生き残れ!」と題して、台湾の高級自転車メーカー・ジャイアントの創業者、キング・リュー(劉)会長をフィーチャーした。

現在79歳で、いまだ現役。通勤時に(毎朝自宅から会社まで40キロ!)、レーシング・スーツに身を固め、自社製自転車で快走する姿は若者と変わらない。この人物、台湾で創業した38名の町工場から、一代で世界一の高級自転車ブランドを築いた凄腕(ちょっと見は中小企業のおやじさんだが)。

下請けメーカーから始め、欧州の得意先に取引を切られる危機感から、独自ブランド「GIANT」を立ち上げた。当初は技術力に劣り苦労したが、日本メーカーから技術を、欧州企業から経営を学び、強くて軽いカーボンフレームの量産化に成功するなどした。やがて台湾そしてアジアでの競争に打ち勝ち、遂には高級自転車メーカーに転換。

その戦略とマーケティング手法が素晴らしい。その成功の秘密は、低価格競争に背を向けた"オンリーワン"戦略。他の台湾や中国などの競合メーカーが軒並み、低価格で勝負してくるのに対し、あくまで技術的な差別化を追求し、安売りの販売店とは取引せず、ちゃんとしたプロのメンテナンスができる販売店にだけ卸した。

しかもその価値をマーケティングとしてブランドの高評価に結び付けたのである。そういう高級自転車しか扱わない店のスタッフに対し、どう素材や機能が違うのかを丁寧に説明し、伝道師を作っていったのだ。さらにツール・ド・フランスで4回優勝を飾るなどし、高級ブランド化を徹底して推し進めた。この辺り、部品メーカーのシマノに通じるものがある。

そして高級路線維持のためにはライバルとも手を組む(台湾メーカー連合Aチームの設立)。理論的には分かっていても、なかなか実際にはできないことばかりだ。だがそれを着実にやったからこそジャイアントはナンバーワンになったのだと感じた。

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日本式生活習慣を輸出する際も、競合の「真似」に備えよ

11月11日(月)に放送されたNHK「クローズアップ現代」は、「新戦略 “日本式”生活習慣を輸出せよ」。日本を代表する「次なる輸出品」は何か。番組は「それは、生活習慣だ」と主張する。今、健康や食事など、質の高い生活習慣を新興国に売り込む動きが加速しているのだ。

冒頭に紹介されるのは、中国・上海に出来たスーパー銭湯。日本では当たり前の、きれいなお湯に浸かることが大人気だという(以前にも紹介した)。入場料は大人1人128元、およそ2,000円。日本の2倍以上の値段なのに人気は右肩上がり。今や2万軒近い上海のレジャー施設の中で、ナンバー1の評判を得ている。

中国の家庭ではシャワーだけの浴室が一般的。入浴施設も多くは水質や衛生面に問題があるため、ここまできれいな湯は現地の人々には驚きだった。清潔な風呂を実現しているのが、日本式の厳しい衛生管理システム。すなわち、1時間ごとに行う水質検査、日本製の高度なろ過装置、徹底した清掃。1つ1つが、日本でじっくり培ったノウハウの塊だ。最も喜んでいるのが、女性や家族連れ。家族で楽しめるレジャー施設が少ない中国で、お風呂屋さんでくつろぐという日本的な習慣が広がり始めたのだ。

チベットで行われ始めたのは、職場での健康診断。日本の病院が設計・開発した健診車が活躍している。300キロ離れたチベットの中心地・ラサから、中学校の先生の健診をするためにやって来た。運営しているのはラサの病院で、2年前に導入した。車内には日本製の検査機器が備え付けられており、身長・体重に始まり、視力や聴力、そして心電図やエコーまで、数多くの検査を効率よく受けられる日本式の健診を実現している。

チベット卓康国際健康診断センターの王斌オーナーは「私は健診車だけでなく、画像診断の高い技術、正確なデータ管理など、日本の病院の30年以上の経験を買った」とコメントしていた。日本側のパートナーは香川県丸亀市にある総合病院。チベットでの検査データは丸亀に送られ、詳しく分析される。チベットの病院には健診料が入り、日本の病院には画像診断料が支払われる。データは長期的に蓄積し今後の健康指導に役立てていく。こうしたサービスをスタッフの教育を含めて提供し、コンサルティング料が継続的に入る契約だという。

3つ目のサービスは社員食堂。ホーチミン郊外の工業団地に、この夏、新しく出来た。手がけたのは日本の大手給食サービス会社。味がよいと評判だという。以前の食事は仕出しの弁当で、大盛りのごはんに僅かなおかずが付くだけだったのが、新たなメニューではおかずの種類を増やし、肉も野菜もたっぷり。栄養のバランスも抜群だという。味以上に高い評価を受けているのが日本式の厳しい衛生管理である(実はベトナムでは、給食サービスで食中毒がたびたび発生してきた)。

番組でも指摘していたが、懸念されるのは「真似」されるということである。表向きだけでも真似することはたやすいし、特に中韓の競争者は器用な労働者を確保するのがうまい。日本企業は当面の技術的またはサービス的優位性におごり高ぶらず、常に現状を分析し改善を続けて競争力を維持しないといけない。これもBPMのコンセプトと共通するが、その根底にあるべきなのは競争者に対するリスペクトであり、恐れである。

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ピザーラ創業者の人生は「七転び八起き」そのもの

11月14日放送のTV東京「カンブリア宮殿」は、日本の宅配ピザチェーンNo.1、ピザーラを運営する「フォーシーズ」の代表取締役会長、淺野秀則(あさの・ひでのり)氏を採り上げていた。淺野氏の天国と地獄を往復した人生の凄まじさと執念に感動した。

日本の宅配ピザ市場は2500億円に達し、年々成長を見せている。そして「ピザーラ」は“日本生まれ”。海外から上陸した大手宅配ピザチェーンを追い抜き、創業からわずか10年で業界1位にまで成長した。今やダントツである(ピザーラ417億円、ピザハット243億円、ドミノ・ピザ215億円)。日本人の舌に合わせた「てりやき」や「マヨネーズ」、「ネギ」などを使ったピザなど、次々と業界初の独自メニューを生み出してヒットさせてきた。

番組では、味と食材にとことんこだわる独自の商品作りを一部紹介していた。トマト(缶詰モノは使わず熊本産の完熟したもの)やマッシュルーム(通常のホワイトではなく、ブラウンという少し高いが風味のよい種類)などの野菜は契約農家から仕入れたものを店でカットする。野菜のカットの大きさや並べ方と個数など、トッピングはすべてメニュー毎に厳密に決められており、すべて6分(だったか?)の焼き上がりでベストになるようにすべてのメニューが設計されている。オーブンも全て同じなので、どの店で注文しても同じ味のピザが届けられる。

そしてピザは注文が入ってから生地を1枚ずつ手で伸ばすなど、徹底して品質にこだわっている。さらにピザ生地は老舗のパン屋(1933年創業の浅野家)から調達するのだが、小麦粉はピザーラ専用のものを指定され、通常の宅配ピザチェーンでは考えられない“生きたイースト菌”を使用して低温で発酵させることで余計にうまみがでるようにしている。ピザーラ創業時からピザソースは1950年創業の山屋食品。玉ねぎとニンニクに他所よりも長く火に掛けることで玉ねぎの甘みを引き出しており、幾らでも食べられる美味しさを誇る。コストを優先せず、味を第一に貫く姿勢がそこにはある。

「フォーシーズ」は、「ピザ」だけでなく、ミシュランで3つ星に輝く「ロブション」から「でんがな」という立ち飲みスタイルの居酒屋まで、話題の店を次々とオープン。抱える業態は42を数えるという(多分、外食チェーンの中でも最多ではないか)。これは業態の盛衰や好不況での波があっても売り上げが大きく落ち込まないようにという経営リスク対策である。それはフォーシーズ自身にとってだけではなく、むしろFC店オーナーの経営が安定するようにという意図もあるという。

こうした発想を同社が持つようになったのは、創業者たる淺野氏の波乱に富んだ人生経験が反映している。氏は製紙メーカーの3代目として裕福な家庭に生まれたが、高校生の時、父親が倒れて、会社は人手に渡る。慶応義塾大学商学部卒業後、大日産業に入社するが、三ヵ月で退社。自ら事業をおこそうとレンタルビデオ店、ウーロン茶の輸入業、喫茶店、ラーメン店などを始めるが、全て失敗したという。特に最初期は、父親が入院中に自分が始めたレンタルビデオ店は10日ほどで火事に遭って焼失。その時、火を消そうとして大やけどを負い、まるまる借金が残る。やがて母親も亡くなる。さすがにこの時は「自分ほど運の悪い奴はいない」と嘆いたそうで、当時の写真での氏の表情は、これ以上ないというほど暗いものだ。

転機になったのが映画『E.T.』に出てきたピザのシーン。それを見て、日本では根付いていなかった「宅配ピザ」の開業を決心する。このあたりの行動力が凄いし、よく資金があった(または借りられた)と思う(そのあたりは番組では掘らなかったのは残念)。

同様に凄いのは夫人。事業はいつも夫婦2人でやっていたし、ピザ配達の1号店も同様だった。運転もできないのに(旦那が遠い地区への配達から帰ってくるのが遅れたため)自らバイクで配達しようと転び、10針縫うケガをしたのに、旦那が帰ってきたときには片足で立ちながらピザを作っていたという。旦那さんも凄いが奥さんも凄い。この伴侶と執念があったからこそ成功したのだと納得させられた。

だからこの人の「金言」は重い。いわく「やらずに失敗するのと、やって失敗するのでは雲泥の差。やって失敗したら、次は成功する可能性が高い」「僕は11回目で成功できた。(物事は)やってみなきゃ分からない」と。

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日本企業に必要な長期戦略は人づくりの原点に立ち戻ること

11月8日(金)にNHK BS1で放送された島耕作のアジア立志伝「スペシャル報告 ニッポン新戦略のヒントとは?」。今回のスペシャルでは、日本が今本当に必要な長期戦略は何なのかを探る、という趣旨である。第一線で活躍する日本の経営者(コマツ・坂根正弘氏、ローソン・新浪剛史氏、テラモーターズ・徳重徹氏など)のお馴染みの顔も登場し、作家・江上剛や、経営共創基盤・冨山和彦氏もコメントしている。

一部はこれまでの総まとめ的位置づけで、アジアの経営者の成長戦略をおさらい。誰もがリスクと機会に果敢に立ち向かい、迅速な意思決定によりアジア経済の勃興を支え、しかもそれに乗ってきたのが分かる。必ずしも彼らの真似をするのがよいのではなく、むしろ彼らのように本質を見極めてフォーカスし、スピードをもって徹底的に実行してきたことを見習うべきである。つまり小生がいつも言う、”Focus, Speed, Thoroughness”なのである。

二部で考察されるのは「日本のビジネスモデルは見直す必要があるのか」。日本のモノづくりの在り方や人事制度を改めて考えるということである。まずはアジアの低価格製造の秘密、それは水平分業。電子・半導体産業のような技術革新の速い分野では(日本の垂直分業より)有利だと番組は主張する。これはモリス・チャンのTSMCのモデルである。ファブレス(設計専門)とファンドリー(製造請負)のフォーカス同士の組み合わせが成功を生んだのである。

富山氏は垂直分業が出来上がっている日本企業では水平分業へのシフトは容易でないとコメントしていた。確かにその通り。番組はテラモーターズでは水平分業できていると紹介するが、これは論点がずれている。失うものがゼロのベンチャー企業には可能だが、工場部門を持ち、重厚な下請け構造を持つ日本メーカーだから難しいという話なのだ。

一方、作家の江上氏は逆に、日本企業は垂直分業で技術蓄積ができたのだから、擦り合わせが必要な領域では強みを発揮できると主張する。そう、日本企業は部品製造に強く、欧米企業は製品デザイン・設計に強く、中国や東南アジアで組み立てるのが、最も効果的な国際分業かも知れない。しかしそうすると電気・電子の完成品メーカーは生き残っていくチャンスが小さいことになる。小生は単なる「垂直か、水平か」ではなく、彼らは単品製造ではなく、製品およびサービスを組み合わせたシステムで付加価値を高めていく方向に行くべきだと思っている。

この「垂直・水平」論点をきちんと整理することなく、番組はいきなりAir AsiaのTony Fernandezの話に移る(これはこれで規制や既得権益を乗り越える方法論として面白いが、いい加減な番組なのかも知れない)。ちょっと日本企業の長期戦略の話の流れとマッチしないが、今の日本企業にとっての意味合いとしては「出でよ、ベンチャー企業。規制は自らの知恵で打ち破れ」といったところかも知れない。

さらにハイアールの「現場への権限移譲」や「成果主義」については、日本企業でも実施しているところも少なくない。番組の中で島耕作が主張するように、日本人に対しては「単なる成果主義より、長期雇用による安心感がよい発想を生む」というほうに小生も賛成する。中国をはじめとしてアジアの多くの国では長いこと同じ会社に勤める気は元々ないため、成果主義がやる気のある人材を引き付けるのに効果的なのである。しかしそれは底辺の「できない人たち」や「体を壊した人たち」を首にすることが前提である。そして中華系では大部分の労働者は自発的にルールを守らないので、罰則を厳しくして、ルールを守らないと損すると思わせる必要があるのだ。

優秀な日本企業ではそうした短期的で金銭的なインセンティブを強める代わりに、責任や機会、そして表彰を与えることでやる気を維持させる。罰則の代わりに、教育で自発的にルールを守らせるよう、我慢して雇用することで一体感を維持してきたのである。もちろん、「ぶら下がり」社員の甘えを許さないためには、飴と鞭の使い分けは必要。坂根氏の主張するように、日本企業の強さであるチームワークを活かしさらに強めるためには「成果報酬」と「長期雇用」のバランスで人を育てることが大切なのだ。それこそが「人以外に資源のない国」日本に育った企業の背骨ではなかったのか。

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「看板に偽りあり」はなぜ繰り返されるのか?(後編)

外食産業や有名ホテルの偽装表示だけではない。冷蔵・冷凍輸送のはずが常温になっていたヤマトの「クール宅急便」。事件の本質は組織としての怠慢とコンプライアンス問題である。本来、こんな話題とは縁がない企業のはずであるのに、どうしたことか。信頼してくれたユーザーを裏切る事態を解消するために、真摯に現実に向き合うことができるのだろうか。(前編より続く)


ヤマト運輸の全国約4000営業所のうち約200カ所で、「クール宅急便」の仕分けにおいて温度管理ルールが守られていなかったことが最近明らかになった。

ここで問題となっているのは、ヤマトの営業所から顧客への輸送の際の取扱いである。営業所には冷凍・冷蔵機能のある大型仕分け室がなく、「コールドボックス」(保冷用コンテナ)で運ばれてきた荷物を仕分けする際に、どうしても外気に触れるため、クール宅急便の社内基準時間ルール「530仕分け」を規定しているという。(1)コールドボックスから荷物を取り出す時間は、コールドボックス1本(荷物は30~50個)当たり5分以内、(2)コールドボックスから運送車両等に積み替える際に外気に触れる時間として30秒以内、と定めている。

このルールが守られず、規定時間を超えて荷物を常温にさらしていることが社内調査で判明したのである。ヤマトの複数の営業所内で撮られた動画を観てみると、コールドボックスの扉が開けっ放しになったまま、作業員が黙々と仕分けを続けている。「冷蔵」や「冷凍」と書かれたシールが貼られた荷物がコンテナ外に置かれたままになっている場面もある。誰も温度上昇を気にしている様子はない。隠し撮りなので、これが常態なのだろう。

しかも問題は仕分けに留まらず、配達でも発生している。社内規定を逸脱した温度管理で荷物の温度が上がり、常温のまま届け先に運んでいたことが、報道機関の調査で分かっている(これは先に挙げた内部調査で判明した200営業所とは別の話であり、範囲はさらに拡がるのかも知れない)。

中元やお歳暮の繁忙期はクールの荷物が多すぎて、配送車の冷凍・冷蔵庫に入り切れなくなる。その場合は、保冷剤で温度管理することになっているが、予算不足やドライバーの不注意で保冷剤が確保できない。また、都市部では台車を使って配送することが多いが、その間は配送車のエンジンを切るため、冷凍・冷蔵庫も止まる。台車での配達が長引くと庫内は常温に近くなる。等々。

同様の問題は日本郵便でも起きている。「チルドゆうパック」で荷物の一部が常温のまま配達されていたという。詳細な実態調査が進むにつれ、同社に関し判明する問題の規模は拡大するのかも知れない。それでも取扱規模が各段に大きい業界の盟主・ヤマトでの問題のほうが圧倒的にインパクトが大きいことは間違いない。

実はクール宅急便をめぐるこうした「常温輸送」問題は過去にも生じていた。そのため2012年に、ヤマトでは社長直轄でクール宅急便の品質改善のための部署を新設、改善策を施している。中元シーズン前のこの5月からはクール宅急便品質向上期間を実施。クール宅急便機材の充足や現場社員の意識向上を全国で働き掛けていたという。同社では今回の問題を受けて、すべての施設、営業所に対して再度ルールを徹底させるほか、より精度の高い調査を実施し、11月中に抜本的な改善策を策定するとしている。

つまり会社は懸命にクール宅急便の品質改善やルール順守を呼び掛けていたが、一部の意識の低い営業所やドライバー個人がルールを破ったのだ、とヤマトの本社は言いたいようだ。しかし事はそれほど単純ではないのではないか。

多忙な営業所現場からは、本社の決めた規定や作業手順が現場の実態に合っていないとの声も聞く。いちいち扉を閉めていたら仕事にならない、ということなら、クール宅急便は営業所でなく、しっかりと冷凍・冷蔵機能のある大きな施設で仕分けしなければいけない。事実、後発である佐川の飛脚クール便はニチレイロジグループと組んで、そうしている。

「クール」の上乗せ料金(210~610円)を取っているのだから、ヤマトを信頼して指定している通販業者等や、上乗せ料金を支払ってくれるお客に対し、約束したサービスレベルを保証する義務をヤマトは負っている。きちんと現場の実態を把握し、業務のあり方を見直さねばならない。報道で糾弾されるまでこれをおろそかにしてきたという点で、本件の問題の本質は「組織としての怠慢」である。

さらに微妙な点もある。今回の「常温仕分け」問題は、そもそも内部告発により発覚した。ヤマト運輸関係者が朝日新聞社に現場のルール違反の実態を知らせる映像を提供したのである。その意味することは何か。保冷材や機材が不足するために日常的にルール逸脱が起きていることを、現場の心ある人が本社に訴えていたが、なかなか改善されなかったのではないか。そのためショック療法としてあえて内部告発に踏み切ったのではないか。小生にはそう思える。

メニューの偽装表示は実態よりも良く見せようという「偽装」であり、クールの常温輸送は約束を果たせないという「能力不足」であり、悪質さの度合いは違う。しかしいずれも顧客の信頼を日常的に裏切っていたことは同じで、その実態を知りながら営業を続けていた現場はコンプライアンス違反である。

しかし、もし本社サイドが実態を知りながら現場に咎(とが)を全部押し付けようとしているのなら、その罪はさらに重い。昨年末に「二度と繰り返しません」と言っておいて抜本的対策が打たれていなかったこと、報道されることが明らかになるまで非を認めないこと、そこにヤマト本社の「変質」の臭いを感じざるを得ない。

暗黒大陸と呼ばれた物流業界において独自の顧客目線で新境地を開いてきた、尊敬すべき企業だったはずのヤマトがどう対応するのか、注目したい。

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「ひがみの国」韓国社会は「思いやり」も失ったのか

ETV特集で11月9日(土)に放送された「躍進とリストラのはざまで~労使対立にゆれる韓国~」は凄まじい内容だった。

経済のグローバル化の波に乗り、一人当たりの名目GDPがこの20年で3倍近くも増えた韓国。ところが今、労使の対立が深刻化している。その大きな理由に、正社員のリストラが進み、非正規雇用が拡大していることがある。

16年前、アジア通貨危機による国家破たんの危機を乗り切るため、韓国は大企業同士の合併をはじめとする一連の改革を実施。過剰人員を整理するために解雇法制を整備した(これを李・前大統領が自慢げに語っていたが、とんでもない間違いである)。

その後、(日本企業追い落としを中心戦略とする)経済成長の一方でリストラが推進され(なんと55万人が解雇!)、一旦解雇されるとその後は正社員への登用はまずないという。非正規労働者は既に32%。だから警察官などの公務員は、若者の間で人気が非常に高いという(日本と同じだ)。当然、格差が拡大しているし、職場や地域の絆が引き裂かれる事態も生まれている。去年の労働争議は105件。3日に一度は労働争議が起きているということだ。中国並みである。

番組で象徴的に取り上げた造船会社の争議は1年続き、一部の従業員は戻ることができたが、何と会社は組合に対し14億円の賠償を請求した(多分、世界的にも前代未聞)。そして組合幹部として責任を感じた一人が自殺したという。すると何と、怒った組合員の集団は、遺体を先頭に(というか、ぶつけて)バリケードを破り、工場を占拠し、賠償請求を取り下げさせた。何という会社、何という組合だろうか。

自動車メーカー(双龍)の争議も取り上げられたが、これも凄まじい例だ。リーマン後の経営不振、銀行団支援の条件として4割という大幅な解雇が宣言された。その撤回を求めて激しい争議を繰り返す組合。やがてリストラされた元の仲間たちがフェンスの外でデモをしているのに対し、フェンスの内側では従業員が勢ぞろいして「デモをやめろ」とシュプレヒコールを上げる。挙句は両者間でパチンコを使い攻撃し合う。両者の間の絆は徹底的に破壊され、今では街で出会っても目をそむけるという。

遂には警察も乗り出し66人の逮捕者を出し、会社はリストラを貫く。組合は法廷闘争でも完敗に終わった。そして組合に対し、会社と保険会社だけでなく警察からさえも損害賠償が行われた(!)。組合の責任者は退職金などを差し押さえられ、身動きがとれないという

双龍はその後インド資本に買収され、輸出も好調で再建されつつある。当初は一旦解雇した社員の再雇用もあるといっていたのに、組合員の再雇用については無視しているようだ。争議のあまりの激しさのせいで、元従業員は暴力的と考えられ、今では転職機会もないという。

ひとつ一つのエピソードを知るにつけ、「一体、この社会は何だ」と思わざるを得ない。ここに映ったのは「自分たちさえよければいい」という利己主義者ばかりだ。弱者に対する「思いやり」と最も遠い社会であり、(日本が決して真似をして欲しくない)中国・米国と同じ弱肉強食の社会だ(米国はまだ富裕層に慈善を行う習慣があるだけましかも知れない)。一体、儒教精神はどこに行ってしまったのだろう。日本に対するひがみ根性だけが問題だと思っていたが、同胞に対してもこんなに酷い仕打ちをするのか。こんな国の人たちと本当に仲良くなれるのだろうか、いや仲良くなる意味があるのだろうか。真剣に悩んでしまった。

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「挑戦の精神」こそが世界で勝てる地方メーカーを生む

11月7日(木)のカンブリア宮殿は「部品メーカーから日本No.1に大躍進!高くても売れる国産メガネ」。ゲストはシャルマン会長・堀川馨氏。

国内のメガネの9割を製造する福井県鯖江市。100年の歴史を持つ。しかし安い中国製の攻勢で苦戦を強いられ、今やメーカー数はピーク時からは半減した。その中、1本4~6万円台を中心とする高付加価値路線で、国内のフレーム市場でトップシェア(金額ベース)に君臨するのが「シャルマン」。

会長の堀川氏は、かつて下請けの部品メーカーに過ぎなかった小さな町工場を、業界の常識を破り続ける「アウトサイダー経営」で飛躍させた。分業が当たり前だったメガネ業界の常識を打ち破り、次第に内製範囲を拡げ、一貫生産体制を築いた。さらに、「柔らかく曲がって元に戻るチタン」や「チタンを劣化させず溶接するレーザー」など、オンリーワン技術を次々と開発。ついにはトップメーカーへと変貌させたのだ。

シャルマンには『7人の侍』と呼ばれる、社内きってのクリエーターを集めた部署がある。彼らは自由な発想での「新しいモノ作り」を任され、実際にヒットを連発している。「自由闊達で常識にとらわれない」シャルマンならではの商品開発。独自技術が生む「ありえないデザイン」と「絶妙なかけ心地」が人気を呼び、百貨店の店頭では試着した客に次々と売れていく。販売先は世界100ヵ国以上にまで拡がる。

シャルマンは去年から、「医療分野」にビジネスを広げ始めた。眼科手術用ハサミや脳外科手術用ピンセットなどの軽くて(従来のスェーデン企業のステンレス製の半分!)精密な道具が繊細な動きをサポートする。この製造過程でフル活用するのが、メガネ産地・鯖江が蓄積してきた、世界トップレベルのチタン加工技術。今までのような自社内製でなく、高い技術を持つ地元企業と連携している。横串を通す役割を果したい、鯖江を救いたいという思いも伝わってきた。

「全ての製品でグローバル市場を目指す」と宣言する堀川氏。地方メーカーが生き残り、世界で勝つための秘訣は「挑戦の精神」だと教えてくれる。

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「看板に偽りあり」はなぜ繰り返されるのか?(前編)

外食産業や有名ホテルで次々に明らかになる偽装表示。冷蔵・冷凍輸送のはずが常温になっていた一部の宅配便。いずれも本質はコンプライアンス問題である。信頼してくれた消費者を欺く行為であるという認識を組織内に浸透させることができるかが問われている。


10月に阪急阪神ホテルズの直営8ホテルなどで「鮮魚のムニエル」に冷凍の魚を使用するなどしていたのが内部調査で判明したのをきっかけに、他の有名ホテルや百貨店内でのレストラン・宴会場でのメニューの偽装表示が次から次へと明らかになっていることは周知の通りである。今、内部調査を進めている会社が今後、「実はうちでも」というのを発表するだろうから、まだ暫くはこの騒動が続くだろう。つまり特定の企業の問題ではなく、「業界の常識」の問題と思われる。

ただし一律に「偽装表示」と括ってしまうと可哀そうなケ-スもある。例えば日本橋高島屋のあるレストランではビーフフィレステーキなどに正しく牛ヒレ肉を使っていたが、厚さを揃えるために細い部分は折り返して結着材でつないでいたため、「加工肉」と表示すべきとされた。これは業界では一般的な調理法だそうで、虚偽とか偽装という類ではないだろう。

微妙なケースもある。幾つかの中華料理店や宴会場で「芝えびの…」とメニュー表示しながら実際にはバナメイエビを使っていた。小エビのことを「芝えび」と呼ぶものだと認識している中華料理人は多いらしく、「偽装」の意図がなかった店もあろう。それでも「小エビの…」とメニュー表示している店も事実あるので、経営者がそこまで気を使わずに大雑把だったともいえる。しかし「芝えび」は小ぶりだが天然で、「バナメイエビ」は少し大ぶりだが養殖であるため相対的に安いことも事実で、意図的に偽装表示していた店も少なくないと思える。

それ以外のケースは、意図的に偽装表示したとしか思えない、悪質なものが多い。「ビーフステーキ」と表示された牛脂注入肉、「車エビ」と表示されたブラックタイガー、「鮮魚」と表示された冷凍魚、「フレッシュジュース」と表示された冷凍ジュース、等々。どれも明らかにメニュー上は新鮮・高級に見せて価格を高くする表現を用いながら、実際にはコストを抑えるために安い食材を使っていた。

以前に食品会社で問題になった偽装表示と全く同じ構図で、「どうせ客には分からないだろう」という不誠実さが感じられ、決して一部のホテルやレストランの幹部が主張するような連絡不足が原因ではないと思われる。

実は小生も以前、あるホテルチェーンのBPRをコンサルティングしたことがあり、レストラン部門も含まれていたので、多少は実態が分かる。今や外食産業の現場では、コスト削減や利益確保を上からやかましく言われる。しかも大多数の消費者の舌はいい加減だということを、経験的にも伝聞的にも皆分かっている。

すると何かの拍子に、メニューに表示している食材より格段に安いものを使う誘惑が目の前をちらつかない仕入担当者は少数派だろう。問題は、実際に安い食材に切り替えるなら、同時にメニューの表示を変えるまで組織として動いているか、である。メニュー表示はお客に対する「店のマニュフェスト」なのである。

これはいわゆるコンプライアンス問題である。そしてコンプライアンスというのは、顧客の信頼を裏切っていないか、社会に後ろ指を指されることがないか、組織人の誠実さと倫理観が問われる問題なのである。経営層と管理職が普段から口を酸っぱくして具体的に「こういったことをやったら、うちはアウトだよ」と言い続けていないと、なかなか普通の従業員は真剣に考えない類の話なのである。

食品業界が偽装問題で大騒ぎになったのは2007年であり、それを他山の石として自らを省みる時間は十分過ぎるほどあったはずだ。残念ながら、今回問題が表面化している外食企業では、経営者にそうした問題意識は薄かったのではないか。

ところで、テナントのレストランや総菜店に偽装表示が見つかったからといって百貨店を非難する報道はおかしいと思う。百貨店がテナント店のメニューや食材をいちいちチェックするようにしていたら、とんでもないコストアップになろう。それを負担することになるのは、結局は消費者だ。ヒステリックにならず、社会的に妥当な改善への方向性を示すのがジャーナリズムの仕事のはずだ。

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“脱下請け”町工場が挑戦する世間の常識と世界市場

11月5日(火)のガイアの夜明けは「”不屈の町工場”新たなる挑戦!」。これまで放送してきた、"不屈の町工場"たちの続報特集。下請けから脱却し、逆境の中、長年培った技術を独自の商品開発に活用した彼らの新たな展開を取材し、日本の中小企業のものづくりにかける情熱を教えてくれた。

1社目は三重県にある「錦見鋳造」。下請け鋳物工場として50年。しかしバブル崩壊後、受注が激減。鋳物の技術を生かしながら1.5ミリという薄さの「魔法のフライパン」を開発。鋳物特有の熱伝導率の良さと、遠赤外線効果で食材に熱が伝わりやすく、料理がおいしく作れる。発売以来10万個以上を売り上げる大ヒットにつながり(今や年商2億5千万円、受注残3万個!)、番組放送後には、なんと30ヵ月待ちとなった。問い合わせも積み重なり、待ちきれなくてキャンセルされるケースも。

そこで、商品を待つお客を減らすため、一挙に生産量を引き上げるべく「自動鋳造設備」を開発中の社長。休みの時間もほとんど携わっているが、なんと7年の開発期間を掛けている。わずか3分で1個の魔法のフライパンが出来上がる予定で、そうなれば生産能力は今の3倍になる。完成までにはもう少し時間が掛るようだが、めどは立ったという。セットする金型を変えれば別の製品も作れる応用力もあり、新商品となる調理器具の開発にも挑んでいる。自動化で余裕が出る今の職人の一部は開発部隊化したいと夢は広がる。

2つ目は富山県高岡市のスズ鋳物メーカー、「能作」。創業以来、仏具の下請けを続けてきたが、年々受注は減少。そこで純度100%のスズを使った食器を開発。スズは非常に柔らかいので、ぐにゃぐにゃと好きな形に変えられる特徴が評判になり、今や欧米のレストランで大人気。世界10ケ国に輸出し、売上は下請け時代の6倍にまで伸びた。

前回の放送後、新たな展開があった。スズ加工技術を発展させ、「富士山の形をしたぐい飲み」を開発。これが面白い。全体が精巧な富士山の形をしており、内側にも小さな富士山がある。厚みは1ミリと非常に薄く、鋳物を作る要領で砂型を作る職人技。2つの砂型を合わせた狭い隙間に100%純度のスズを流し込んで作る。微妙な山肌の表現に独特の加工技術が応用されている。1つ4800円と高いが、今や百貨店で自宅用や贈答用に大人気。既に5千個を打っているという。さらに今は桜島など各地の名山を型作った新商品を展開するという。新しい伝統を築きたいという気概が見えた。

3つ目は愛知県の鋳物工場「愛知ドビー」。無水調理鍋「バーミキュラ」を開発。密閉性の高さから、水なしで素材のおいしさを引き出す機能が大評判となり、高い人気を呼び、現在は8ケ月待ちという大ヒット。アメリカでも販売を始めたところまでは前回の放送で観た。

しかし人気の反面、「いきなり焦がした」とか「使いこなせない」といったネットでの書き込みもあり、社内で対策を検討してきた。その結果、社内の一角にある工場内にキッチンスタジオを併設、無水調理鍋の機能を活かした調理方法やレシピを考案した。今ではそのレシピ本を鍋に同封し、ユーザーの満足度を上げている。従業員も増やし(3ケ月で15人採用!)、受注待ちを解消する努力をしている。さらに海外市場開発担当のフランス人まで採用し、今や欧米市場へ躍進しようとしている。

4つ目は栃木県・岩舟町にある「グローバルエナジー」。独自技術で画期的な風車を開発した。独特の形により羽を押し出す空気の流れを作ること、そして折れ曲がった先端の形により空気を逃がさないことで、少ない風で回るという。風が止んでもなかなか失速しない。随分不思議な形だが、確かに普通の風車に比べよく回る。

車のバンパーなどの下請け工場だったが、受注激減。「(仕事を)求めるのではなく仕事は作ればいい」と考えた鈴木社長は独自の羽の形をした風車を開発。しかし開発は苦難の連続で、これまでに試作した羽は約4000枚!「みんなうまくいかないことを失敗だと思っているが、僕はうまくいかないことは発見だと思っている。自分の思いを途中でやめることが失敗だと思っている」という鈴木社長。ようやく完成した風車の評価は高く、2011年には東京都が3基(×450万円)を購入してくれた。その後、国内企業4社が10基以上を購入。

その技術力に韓国の電力関連ベンチャー企業が目をつけ、すでに「グローバルエナジー」の風車を使った風力発電設備が稼働している。この韓国企業は世界中の風車を調査し、「グローバルエナジー」の風車がベストだと評価し(こうした徹底さが韓国企業の強さだ)、韓国での製造・販売ライセンスを約2億5千万円で購入してくれたという。世界市場への第一歩だ。

さらに鈴木社長は、もっと少ない風でも回る大型風車の開発に挑戦中である。羽根だけで7m、重さ120キロと巨大だが、風速1mの微風でも回る(小型の風車では2.5m以上必要!)。世間一般が常識と思い込んでいることが間違っていることを実証しているのである。しかもサイズが倍になると出力は4倍に、風速が倍になると出力は8倍になるという。この製品は風力発電の後進国・ニッポンが世界で注目されるようになる実力を持っているようだ。

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日本企業におけるIT投資の課題

戦略上の優位性を求めての「投資」ではなく、必要最低限の「コスト」として捉えるがために、絶対額もメリハリも足らない。現場に遠慮するがために標準化が不十分となり、費用対効果が低下する。この2つが多くの日本企業に共通する課題だ。


小生の母校である一橋大の経済研究所長・深尾京司教授が日米経済の比較などから、「失われた20年」における日本経済停滞の原因を綿密に分析した結果を見た。それによると、日本の非製造業の生産性が90年代以降停滞したのに対し、米国では非製造業を含め全産業の生産性が大幅に伸びたこと、その主要な要因はITを使う産業のIT投資の差であることが結論づけられていた。

20年間にわたっての小売業、卸売業、倉庫業といったサービス業においてのIT投資(対粗付加価値比)を見ると、トップ・米国、イタリア、英国などに対し日本は格段に小さい。何となく肌感覚では分かっていたことだが、統計分析的に裏付けられて、ちょっとため息が出た。

この間に小生が関わった改革プロジェクトを思い返しても、日本のサービス業はおしなべてIT投資に消極的で、「コストに過ぎない」という捉え方だったと思う(人件費に対する態度も同様)。そのため戦略上の優位性を求めて他社に先駆けてIT投資を行うという発想にはなかなか巡り合えず、メリハリのない投資になりがちだ。もしかすると製造業に比べサービス業の経営者にはITへの苦手意識が強く短期志向が強い方が多いのかも知れない(あくまで仮説です)。

もう一つ、日本企業でのIT投資の問題は標準化努力の不足だ。これは製造業・非製造業であまり違いがない。他の先進国や新興国でのIT投資は思い切った業務標準化を伴うため、生産性向上への費用対効果が高い。

それに対し、日本企業が行うIT投資は従来業務を自動化する発想が強過ぎて、現場の使い勝手に関する個別要望をくみ取り過ぎる傾向がある。しかも現場毎に異なる業務プロセスを、標準化することなく個別にシステム化してきた実態も散見される。こうしたやり方が主流となってきた主な理由は、情報システム部門の立場が弱く、現場に遠慮して御用聞き的な動きしかできないこと、SI会社が業務改革を支援できず「言われたことを形にする」だけに徹してきたことが挙げられるだろう。これらすべて、IT投資の費用対効果を下げる。

絶対額やメリハリが少ない上にカスタマイズすることに多額のコストを掛けるわけだから、日本企業の生産性向上に寄与する度合いが低かったというのも頷ける。同時に、この辺りを変えることに弊社が役立ちたいとも思う。

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会社の姿勢が分かるホームページの「問い合わせフォーム」

SIベンダー2社に、あるクライアント(社名は伏せてだが)のRFPを出すとしたら興味を持つかという問い合わせをしようとした。2社とも個人的付き合いがなかったので、ホームページの「問い合わせ」からメールを送ろうとした。あらかじめ問い合わせ内容はテキストメモにしてあったので、それを張り付ければ5分もせずに済むものだと思っていた。

しかし1社めの「問い合わせ」をクリックすると現れたのは「問い合わせフォーム」なるページ。こちらの社名やら担当者名やらが分割して入力されるようになっている。なるほどデータベース化するために全情報が区切られているのか、と納得した。面倒だが、コピペしながら一つひとつ入力した。一度、なぜか画面が一つ前に戻ってしまい(小生のPCのタッチボードではこういうことがよくある)、改めてフォーム画面に戻ると、折角入力した内容が全部消えてしまっており、脱力した。内容が保持されないタイプのページの作りになっていたのだ。

仕方がないので、改めて入れ直した。へたにタッチボードに両手の指や甲が同時に触れないよう警戒しながら。ようやく全部入力し、最後に問い合わせ内容をコピペした。500文字という字数制限が表示されていたが、多分入るだろうと思いながら送信。しかし「500文字以内でお願いします」というメッセージと共にエラー表示。箇条書きのせいで見かけより字数カウントが大きくなるのかも知れない。仕方ないので2割ほど情報を削って再度「送信」ボタンを押した。再びエラー。このあと文章を少し削っては送り、エラーが表示される、というのを延々30分以上繰り返した。結局、最後には大部分の情報を削って、概要主旨だけ残し、あとは「折り返しメールをいただきたい」という文章を付け加えた。それでようやくエラーにならずに送信できたが、500文字どころか実質的には2~300文字くらいしか入らないようだ。

最後には、相手が重要性を認識してくれるのか、それですぐに応答してくれるのかは分からない「薄い情報」になってしまった気がする。しかしこれで相手が期日までに反応しなかったら、そのベンダーは機会を失うだけで、自業自得というものだ。

もう1社のベンダーも同様の「問い合わせフォーム」からいちいち入力させられたが、こちらは途中で画面が戻っても情報が失われずに済み、しかも「問い合わせ」部分はあらかじめ用意してあった文章がまるごと放り込めて助かった。

それにしても、大幅な字数制限を掛けるような「問い合わせフォーム」を設計するITベンダーって何だろう。よほど問い合わせが多くてじっくり読んでいる暇がないというのか(ごちゃごちゃ書かれると余計に読みづらいと思うが)。それともホームページ用のサーバーのメモリが極端に少ないのだろうか(これもITベンダーらしくない)。たとえ今後この社から反応があったにせよ、最初から姿勢に対する「ミソ」が付いたこのベンダーへの信頼感は随分減ってしまったことは間違いない。

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「使われないシステム」を生む典型的パターン

収益管理の仕組みを考える際には、「現場の負担」と「精度の確保」のバランスをどう取るかという問題に直面することが多い。そこをよく考えずに情報システムを構築することを自己目的化すると、「使われないシステム」を生みやすい。

収益管理や管理会計の仕組みを欲しがるのは経営者であり管理者である。その情報システムを造る際に悩ましいのは、そのための数値把握とデータ入力が現場にとって負担にしかならず、直接には有難味がないということである。

しかしながら、例えば顧客別または製品別に掛けている現場作業の工数をなるべく正確に把握しない限り、人件費の割り振りが恣意的なものになってしまう。これは工場であろうと倉庫であろうと、または営業現場であろうと同様だ。さらには間接費の配賦についても、本来なら作業工数に紐づけたいが、その工数が把握できないので生産高や在庫高に応じて配賦している、ということもよくある。それだけ真のコスト把握から遠ざかるということを意味している。

以下のケースは業種や背景事情は全く異なる2企業の事例だが、「やってはいけない」パターンを示唆しており、他山の石として、差し障りのない範囲でご紹介したい。

一つ目は大手のB2Bサービス企業。数年前に経営トップの「顧客別収支を日次で把握したい」という強い要望を受けて、大手SI企業に依頼して収益管理のシステムを構築した。しかし現場はぎりぎりの人数で回しているため、(本来の作業をこなす以外に)作業毎に顧客や取扱品についていちいちシステムに入力することなど非現実的だった。

そこでその企業の担当者がSI企業のSEに指示したのは、「その部分は考えなくてもいい。あとでまとめて事務屋が人件費を適当に振り分けて、直接入力できるようにしてくれ」ということだった。この判断の背景には、当時現場で使っていた業務支援用のシステムには、工数・人件費データを保持し他システムに渡す機能が無かったという事情もあったと思われる。

加えて悪いことに、間接費の配賦基準についても恣意的なものになったようだ。そのせいで収益管理のシステムに取り込まれるデータは信頼性の低いものになってしまった。結果として、出力される顧客別収支は別途手計算で綿密に検証した数字とは20~30%かい離するという事態が生じたそうである。いわゆる”Garbage in, garbage out”(ゴミデータを入れればゴミデータが吐き出される)の状態である。

その結果、折角構築した収益管理のシステムは使われないままである。代わりにホストコンピュータ等からの数字を使い、別途エクセルと手計算で顧客別収益管理を作成している。日次ではできないので、月次の経営会議に合わせて作業しているとのことだ。

もう一つはある中堅の工事会社。こちらは現場での業務支援(プロジェクトにおける工数見積や進捗管理など)のシステムを導入した際に、把握した工数を会計システムに転送する機能がついているものを選んだ。ところが導入時に現場に使い方を徹底させることなく、「各機能は使っても使わなくてもいい」という中途半端な導入の仕方をしてしまった(今となっては関係者が退職しており、背景事情は不明)。

そのために大半の現場では、工数見積や進捗管理には従来から使い慣れている、各自が作ったエクセル等をそのまま使い続け、この「業務支援」システムは全く使わないままに終わった。しかしそれだと売上計上がされないので、現場事務の人が最低限必要なデータを直接入力し、それが会計システムに取り込まれるようになっている。つまり会計システムへのデータ入力用に使われているに過ぎない。しかも全く生産性向上要素のない、随分高額な「入力システム」である。

一つ目のケースでは本来、顧客や作業者の簡便な識別法(例えばバーコード読み取りなど)を考え、しかもそれでミスを防止できる、といった現場にとってのメリットも生み出せばよかったのだろう。二つ目のケースでは、業務支援システムの導入時に、現場における業務を標準化し、このシステムを活用することでのメリットを十分認識してもらい、活用を義務づければよかったはずだ。

どちらもシステムを作ることだけが自己目的化し、本来の目的実現のための手間を惜しんだと云わざるを得ず、残念である。今、小生たちは、それぞれの事情に合わせて収益管理の仕組みを改善し機能させるよう、この2社に促そうとしている。

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日帰りさせないぞ!富山名物「富山の朝ごはん」

10月29日放送のNHK情報まるごと(ニュース)。北陸新幹線の来年開業に向けた地域の観光戦略が紹介されたが、これは感心する内容だった。

立山黒部アルペンルート、五箇山、おわら風の盆など観光資源に恵まれている富山県。現在、東京との間は在来線と新幹線を乗り継いで約3時間半だが、北陸新幹線が開業すると乗り換えなしの約2時間に短縮され、余裕を持って日帰りできるようになる。このため、却って富山では宿泊する観光客が減ってしまう懸念がある。

新しいキャンペーンで売り込むのは、新鮮で美味しい富山の食材を使った朝ごはん。この日開かれた試食会には旅館やホテル、旅行代理店などが参加した(石井知事も)。披露された朝ごはんの条件は3つ。<条件1>富山の米を富山の水でとぐ。<条件2>富山の食材を使う。<条件3>一緒に富山のおいしい水を提供する。例えば宇奈月温泉の朝ごはんは温泉たまごで、氷見エリアの朝ごはんは秋のととぼち汁、といった具合である。

旅行代理店や雑誌の担当者にも好評で、その一人は「とてもいいと思う。朝ごはんは宿泊につながり、経済効果も出るのでおもしろい取り組み。うまく発信し続けて継続できるかが重要になる」とコメントしていた。富山県ホテル旅館生活衛生同業組合の小林忠行さんは「今後の春夏秋冬の季節ごとに変えていくにはどうしたらいいか、皆さんと話しながら全国的に発信していきたい」と話した。

富山のおいしい朝ごはんを味わえるのは富山県内の48ホテルと旅館で来月1日からとのこと。今回発表されたのは秋の朝ごはんで、春夏秋冬の朝ごはんも今後発表されるらしい。小生も近々富山に行く案件があり、楽しみが増えた。

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