携帯ナビで、高速道路に歩行者が誘導される!?

今夕、こんな記事を見つけました(昨年9月7日の読売新聞にも同様の内容が載った模様ですが、今はトレイスできません)。
http://www.asahi.com/articles/ASG2X35FPG2XUTIL004.html

高速道路に入り込む歩行者が後を絶たないとのことです。東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県では昨年、徒歩や自転車で進入し、警察に保護された人は約500人。通報は少なくとも1400件を超え、死亡事故も起きているとのことで、かなり衝撃的な事実です。

通報件数は京葉道路がダントツで多く(2012年度で268件)、次いで第三京浜(170件)、横浜新道(150件)だそうです。首都高(ここ、東芝が強いです)は件数不明で、保護人数は243人です。

何故気づかないのか?コメントでは、携帯ナビを見ていると、周囲の様子に注意を払う度合いが減り、高速道路の入り口にも気付かないのだろうとありました。「そんなばかな」と思う人もいるでしょうが、先を急ぐ時の人間の注意力ってそんなものです。「想定外」ってやつですよね。

小生は、これに対するソリューションがすぐに頭に浮かびました。それを持っている会社の責任者に対し、各高速道路会社に売り込みを急ぐよう、お伝えしたところです。

それにしても、携帯/スマホナビというのは便利である一方で、罪つくりでもありますね。
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「アンネの日記」破損事件は第2の「タイガーマスク現象」を生む

東京都西部地区の図書館で、「アンネの日記」やその関連図書が大量に切り取られる被害が相次いでいます。
http://www.j-cast.com/2014/02/20197314.html?p=all

少なくとも、杉並区で113冊、中野区で46冊、練馬区で41冊、新宿区で39冊、豊島区で5冊、それぞれ見つかっています。このほか、多摩地区の東京都市町村立図書館長協議会などによると、西東京市で10冊前後、東久留米市でも数冊が切り裂かれているとのことです。合計すると、少なくとも250冊は被害に遭っていたことになります。書店でも同様の被害があり、犯人の執念や手の込んだ組織的仕業が感じられます。

犯人たちの意図は不明ですが、一部のメディアや識者は日本の右傾化が背景にあるとかの憶測をしています。『ホロコーストはなかった&『アンネの日記』はフィクション』というような空想的な主張をするアホな連中が日本にも確かにいるようです。

しかしもっと穿った見方では、そうした日本の右傾化を非難し、日本を世界のユダヤ民族(そしてその影響が強い米国)から離反させるための根拠として(いわば「ヒトラーのドイツと組んでいた日本は民族差別主義者」と主張するため)、中国の工作員が暗躍しているかも知れません。事実、「日記破りは歴史否定の表れ」との中国政府の非難の声のオクターブが上がっているようです。
http://news4chineselove.blog.fc2.com/blog-entry-2018.html

しかし、そもそも「日本のサイトで『アンネの日記は(事実ではなく)小説だ』とする言論が大量に見いだされる」などという中国の主張は日本をナチスドイツと同一視させて陥れる「為にする」、虚偽以外のなにものでもないと思えます。そもそも日本の右翼は杉原千畝を誇りに思っており、ナチスの残虐行為を正当化または「空想だった」とする思想は彼らにはなさそうです。
http://blog.livedoor.jp/sokuhoujapan-news/archives/3851493.html

そして実際に起きていることは、そうした碌でもない連中(ナチス好きのイカレた奴ら、もしくは中国諜報員のいずれにせよ)の意図とは別に、日本社会の健全さを示すものです。被害を受けた図書館に対し、善意の寄贈があったのです。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014022702000145.html

誠に素晴らしい、誇り高い市民、日本らしい品性ある行動です。小生の見立てでは、こうした寄贈が急増するような気がします。

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アイリスオーヤマを引っ張る大阪弁ワンマン経営者の視線の先には何が

2月24日に放送されたNHK「仕事の流儀 プロフェッショナル」は「歩き続けるかぎり、倒れない
経営者・大山健太郎」と題し、仙台の元気企業、アイリスオーヤマの社長をフィーチャしました。

同社では、新商品の提案はすべて毎週月曜日の“プレゼン会議”で行われます。大山氏はすべての提案を即断即決でさばき、商品化するかどうかの判断を下します。厳しいハードルではありますが、社長が「これはいい商品だ」と納得すれば、その場で商品化が決まるのですから、明確です。大阪あたりの電機メーカーから転職したエンジニアが張り切るのも当然です。

プレゼン会議という公開の場で、わざわざ決裁をする理由を、大山氏はこう語っています。「ほかの会社はね、ハードルがいっぱいあってね、1つオッケーになってもね、じゃあ後でお前大丈夫かと。みんな心配するわけ。失敗を恐れる訳ね。それが開発者にとってはブレーキになるわけね。私の判さえとってしまえば、もう鬼の首をとったのと同じですから、後から文句言う人いないの。その代わり、責任は全部私にあると」。そうですね、とても分かりやすいです。

毎年千以上もの新商品を発売するアイリスオーヤマ。定番の商品に固執するより、時代の変化に対応する方がリスクは少ないという大山氏の考えからだそうです。数々のヒット商品がありますね。まずは透明の衣装ケースです。それに、自家ガーデニング用のプランター。近年ではLED照明です。発売当初は売れ行きが伸び悩んだものの、あの大震災直後、節電需要が生まれると考えた大山氏が増産を指示、やがて会社の看板商品となったのです。一方で、鳴かず飛ばずのまま終わる商品も少なくないといいます。それでも大山氏は新開発の歩みを止めません。新商品の売り上げ高比率は5割といいます(定義にもよりますが、驚きの数字です)。

「バッターボックスでね、空振ったらどうしようなんてことを思ったんでは、ヒットは打てないと思うね。名医って言うのは、ぱっと見たら分かるでしょ。それは経験が多いからですよ。私は名医ではないけれど、30年間こういう仕事をずっとやってますからね、馬鹿でも勘が働きますよね」と、大山氏は言います。いえいえ、この人の選球眼は凄いものですよ。

大山氏は、30代のとき社員の半数を解雇するという痛恨の過去を持つそうです。その経験から生まれたのが、企業理念第一条にある「会社の目的は永遠に存続すること」という信念。いかなる環境下でも潰れない会社。どんなことがあっても社員を守り抜くという意味ですね。その思いから、大山氏は極端な規模拡大は目指さず、“身の丈に合った経営”という姿勢を崩さないといいます。

「大きくなると、重心が高くなってこけやすくなるんですね。すると企業理念第一条に合わなくなる。常に我々はどんな時代がきても、利益出せる仕組み。これは、儲けるための仕事をしてるのではなく、赤字を出さないために仕事しないといけない。赤字を出すとリストラしないといけないし。それだけは避けようと」。大山社長のこの感覚、よく、分かります。

組織のトップとして、どうあるべきか。大山氏は50年間、自問してきたそうです。最も難しいと考えるのは、社員1人1人の力をどこまで発揮させられるかということです。会社が大きくなればなるほど、その壁は高くなると痛感しているそうです。真面目な、よい経営者ですね(多数派ではありません)。

大山氏「社員の心に火をつけないけないんですよね。よし、やろうぞと。ただ言葉では言うのは簡単だけど、そんなんはマッチと同じでついたときにすぐ消えちゃうんですよ。それをやっぱり一緒にやる環境というかね。一体感。一体感出すためには、お互いが共感しなければいけない」と。

長年商品開発を手がけてきた大山氏は、それを生み出す社内環境にも人一倍こだわりがあるそうです。例えば、社員の自席にパソコンを置かないということ。パソコンは共有スペースにだけあり、1回の使用は45分までと決められています。「パソコンからはアイデアは生まれない」というのが大山社長の考えだからです。さらに、社内のいたるところに置いてあるミーティング用の丸いスタンディングテーブル。いちばんの良さは、とにかく距離感が近いということ。さらに上席がないというのもポイントだと。アイデアは皆で頭を突き合わせて出し合うのがいちばん、という大山氏らしさが垣間見えます。

なにかにつけ、この大阪弁の濃い経営者のキャラクターがこの会社の個性を彩っています。この会社の最大のリスクは、この60代後半~70前後(?)と見られる大山氏が倒れたらどうなるのか、後継者はいるのか、即断即決の経営スタイルによる強みは失われてしまうのではないか、といった諸々の不安です。

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独り立ちを余儀なくされた元下請けの意地と奮闘

2月20日放送のカンブリア宮殿は、「下請け脱出スペシャル!未来は自分の力で切り拓け!」と題し、2つの元下請け会社がフィーチャーされました。いずれも発注元の業績不振や海外生産移転で仕事がなくなり、存亡の危機にさらされた会社です。こんな立場に追い込まれて事業を畳んだ下請け中小企業は世の中にわんさとあります。でもこの2社は諦めませんでした。

1社めはオオアサ電子というオーディオ・メーカー。広島市の郊外、北広島町大朝という小さな町にある小さな会社です。料亭を改装したショールームに置いてあるのは、1組2本で26万円超という高級スピーカー。音を出す構造が違うために自然な音の再生ができ、ハイレゾ再生も可能なために脳の活性化にもよく、グッドデザイン賞も獲得しています。来場者の多くが1時間以上かけて実際の音を聴き、購入を即決するということです。ブランド名は「エグレッタ」(白鷺)。

1983年に設立したオオアサ電子は簡素なLED部品製造からスタート。そこから液晶技術を伸ばし、国内外の高級車の内装部品製造を請け負うように。2008年には約10億円にまで年商を伸ばしましたが、翌年、売り上げの8割以上を依存していた取引先の自動車部品メーカーから「中国に委託先を替える。1年後までに取引をゼロにする」と告げられたのです。絶望的な状況です。

廃業の不安が広がる中、みんなで出した答は、下請けからの脱却。まず挑戦したのが自社製スピーカーの開発でした。実はCD再生装置など、音響関係の仕事も20数年前からやっていたのです。2年がかりでスピーカーを開発、2011年に発売にこぎ着けます。下請け部品メーカーが、完成品メーカーに生まれ変わったのです。それがエグレッタでした。製品命名の日、会社の正面にはたまたま本物の白鷺がいたそうです。

スタジオに招かれた長田社長がコメントしていましたが、「親会社」から切られる前、不気味だったと云います。その自動車部品メーカーは、物作りの話ではなく中国製品と比べてのコストの話しかしなくなっていたそうです。中国に委託先を替えた後、そのメーカーは果たして生き残りの道筋に乗ったのでしょうか。本来の強みを失ったまま、途上国をさまようジプシーになったかも知れません。

さらに得意の液晶パネル技術を応用した、スマートフォン用カバーガラスを開発。特殊な加工を施し、強い衝撃を与えても容易には割れず傷もつきにくい、凄い製品です。番組では実際にカバーガラスを貼ったスマホをハンマーで叩いたり、カッターで切ったりしていましたが、傷一つ付かない様子が映されていました。2013年秋からネット直販を始めたのですが、細々と売っていたに過ぎません。しかし製品を知ったソニーマーケティングとのビジネスが急展開しようとしています。待ちの姿勢から、自ら攻める姿が運を引き付け始めた、小さな企業の挑戦です。

2社めは福井県越前市(旧武生市)にあるモーター専門のメーカー、TOP(トップ)です。元々はパナソニックの100%子会社、武生松下電器です。家電製品に組み込まれるモーターを製造する工場でしたが、親会社の生産拠点の海外移転に伴い、2003年には会社の清算が決まりました。

しかし地元で仕事を続けたい社員が立ち上がり、製造現場の中間管理職3人が資本金1000万円を出し合って新会社TOPを同年10月に設立。土地や設備などを松下電器から借りる形ながら、大企業の資本なしでの再出発となったのです。旧会社時代は課長だった山本惠一氏は出資メンバーに名を連ねて役員となり、後に社長の座を引き継いでいます。

TOPは長年培ったモーター製造技術を生かして、新たなビジネスを見つけ出そうと動き始めました。ある取引先との出会いをきっかけに家電向け以外のモーターを開発、それを起点に新たな顧客を少しずつ開拓していったのです。

しかし2008年、第二の試練に見舞われます。リーマン・ショックの余波で受注が激減したのです。当時は糊口をしのぐため、社員でコメ作りまでしたそうです。2013年になって大きな光が見え始めます。ハイブリッド後発の富士重工が、既存の車体構造を変えずに済むよう、TOPにハイブリッドエンジン用の、小さくてパワフルな専用モーターの開発を依頼したのです。しかも他のメーカーなら10年掛けるところを4年で。開発には悪戦苦闘したようですが、それが新型車に搭載され、予想以上に大ヒットしたのです。月産800個で始まったのが、今や3000個。24時間体制の製造で嬉しい悲鳴です。

こつこつと実績を上げ、取引先も増やしてきた結果、TOPのパナソニック以外の売上比率は今や4割にまで増えています。2013年11月に開催された東京モーターショーでは電気自動車(EV)を出品するまでになったのです。自分たちの技術力を武器に、新たな可能性を模索。大企業という大樹の下から一歩踏み出し、自分たちの足で歩み始めようとしているのです。

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ローカル路線を救うのは知恵と努力と地元愛

2月18日に放送されたガイアの夜明けは「ローカル路線を救う!驚きの手法」でした。赤字に苦しみ廃線となったローカル線は、2000年以降だけで全国で35路線にもなります。過疎化が進んだせいで、多くの地方鉄道はいま存亡の危機に瀕しています。これまで赤字を補てんしてきた地方自治体もまた、財政的に赤字鉄道を支えていくことに限界を迎えているのです。

再建ケースとして最初に紹介されたのは、千葉・外房約27kmを走る第三セクター「いすみ鉄道」。このローカル鉄道再生に挑むのは、2009年一般公募で社長に就任した鳥塚 亮さん(53歳)。元航空会社勤務で、無類の鉄道ファン。これまで独自のアイディアで集客を伸ばしてきました。

応募時の決め手となり、まず手がけたのが、女性客を呼ぶための「ムーミン列車」です。可愛いムーミン一族の絵(知財権所有者が知人なので安く使えるそうです)が車内外に映え、人気を呼びました。3箇所の駅舎に直営のムーミンSHOPを設け、乗車賃だけでなくお土産収益を上げています。

さらに旧国鉄時代のディーゼル車両キハ52(昭和40年)を導入し、鉄道ファンを惹きつけています。鉄道ファン以外を呼び込むため、日曜祝日に都心から団体客を呼び込む仕掛けとして、旧国鉄時代のディーゼル車両を食堂車にして、地元千葉房総の特産物、伊勢えびや新鮮な魚介類をふんだんに使った「ランチクルーズトレイン」を走らせています。

また1口5000円の枕木オーナー制度や1口5万円の車両オーナー制度(オーナーの名前プレートが車内に飾ってあります)、訓練費700万円自己負担での運転手募集など、続々と斬新なアイディアを実行に移しています。この新社長の奮闘に地元の人たちも奮起、ボランティアで駅の清掃や草花の手入れをするなど、地元の鉄道として再生しつつあるようです。

「観光鉄道」としてブランド化し、外からお客を呼ばなければ、これからのローカル線の運営に勝算はない。鳥塚社長はそう断言していますが、それに加えて地元民のこうした「おらが鉄道を守れ」の動きが、長い目で見ての再生には不可欠です。

鉄道だけでなく路線バスの廃止も全国で相次いでいます。2008~2011年の間に廃止された路線バスの廃止距離は何と49,344kim!過疎化が進む日本の現実です。

番組で紹介されたもう一つの再生例は、2012年10月に経営破たんした岡山県笠岡市の井笠バスの再生です。笠岡市を中心に沿線自治体が協議し、岡山市を拠点とする両備グループの小嶋会長(68歳)に再生を依頼しました。同社は路面電車、バス、タクシー、トラック輸送など多角的に展開する運輸事業会社です。(全国的に不振が続く)地方交通を次々と再生し、傘下の56社すべてが黒字経営です。

有名な再生例が和歌山県の「南海鉄道・貴志川線」です。毎年5億円もの赤字を出し続け、一度は廃線が決定していました。両備グループが運営を請負い、「和歌山電鉄貴志川線」として再生させたのです。「(ネコの)タマちゃん駅長」などで人気化させ、今では海外からもお客が訪れます。

さらに財団法人「地域公共交通総合研究所」を立ち上げ、今では全国から寄せられる案件に向き合っています。井笠バスの再生を託された小嶋会長は現場を訪れ、その前途が容易でないことを思い知らされます。通勤・通学時間を過ぎるとバスはガラガラ、バスの整備はいい加減。つまり営業努力も足らないが、社員の士気も最低だったのです。

そこで小嶋会長は矢継ぎ早に手を打ちます。リストラで足らなくなったバス運転手は両備グループから20名ほど補充しました(その何割かは元トラック運転手で、意気に感じてバスに乗り換えて笠岡市に移住)。バス運転手の考え方を変革するため、それまでローテーションにしていたバスと運転手の組み合わせを固定制にしたのです。「相棒」となったバスを運転手は毎日手洗いするようになり、きちんと整備するようになりました。さらには自主的に営業に出掛ける運転手まで出てきました。バスも新型を導入する際には低ステップ型で白い塗装(汚れるとすぐ分かる)です。再生の目も出てきたようです。

ある意味、前の経営陣は一体何をしていたのでしょうか。バスを大事にしない運転手では、乗客も安心できないでしょう。そんな基本的なことをないがしろにしていては、客が必要とすることが見えないのも当たり前です。そうした破たん例が多いことを知っているからこそ、小嶋会長は基本を大事にするのだと思います。

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ニッポンの家電の底力をインドで証明せよ

2月17日に放送された未来世紀ジパングは、「インドで始まっていた反転攻勢~ソニー・パナソニック」でした。「日の丸家電メーカー」の最近のニュースはネガティブなものが多いのが事実。ソニーの社債が「投機的」水準に格付けされたとか、キャッシュをひねり出すために旧本社ビルを売却した、とか。パナソニックも美容家電以外は、「追い出し部屋」とか元会長の慰労退職金が莫大な金額になったとか、碌でもない話題が多かったと思います。しかし、実は反転攻勢が始まっていたのです。しかもインドで。

赤字に苦しむソニー。その元凶はテレビ事業の不振です。今や10期連続の赤字。ところがインドでは、ライバル・サムスンに、そのテレビで優位に立っているのです。ソニーは、「テレビ事業の再建」と「新興国市場での事業拡大」を再建計画の柱に掲げています。世界首位サムスンと激しい首位争いを繰り広げるソニーが注力するのが、12億人の人口を抱え、やがては中国を抜くと見られる巨大インド市場。

沸騰ナビゲーターの財部誠一氏の「サムスンとのガチンコ対決は厳しい戦いなのでは?」の挑発に対し、「世界的にはそうかもしれないが、インドは違う」と、戦略拠点を任されるソニーインディアの日比社長は自信ありげに答えました。販売現場での実態を検証すべく、デリー市内の家電販売店を幾つか訪れると、実績は明らかにソニーが圧倒的なトップです。価格はむしろ高めですから、ソニーらしい勝ち方です。

反転の鍵に挙げているのが「インド画質作戦」。インド人を徹底調査して「鮮やかな色がより鮮やかに見える画質を好む」という傾向を探り当てたのです(当初、日本の技術陣は反対したそうです)。音量も最高で聞くインド人の好みに合わせています。韓国勢の「市場に学ぶ」積極姿勢に脅かされ、ソニーは従来の「唯我独尊」的態度を改め、素直に市場の声を聞くようになったのです。人間、痛い目を見ないと変わらないということですね。

また、ソニーにはインドでもう一つの戦略がありました。ソニーTVという放送局を運営しているのです(現地放送局トップ3の一つ)。ソニーのスマートフォン・ユーザーは逸早く放送を観られるので、人気なのです。日本のソニーがかつて目指したソフトとハードの融合が数十年経って今、インドで花咲こうとしている点は非常に興味深いものです。

また、一足先に赤字を抜け出したパナソニックは、インドを最重要国と位置づけ、津賀社長特命のプロジェクトチームを送り込みました。「パナソニックの分水嶺」という意気込みで、公募で集めた闘争心みなぎる若手10人をインドに送り込んだのです。インド向け家電を開発する拠点を新設するためです。

「商人」企業・パナソニックはソニー以上に、インドで現地のニーズに合わせた家電製品を開発・販売し、ヒットさせてきました。女性の伝統衣装「サリー向け洗濯機」、野菜の蒸し器を組み合わせた「インド用炊飯器」、等々。しかしライバルも黙っているわけがありません。

今度の特命プロジェクトは、今までの“ローカル化”をさらに拡大する計画です。しかし、そこに集められたメンバー10人は、「元小学校教諭」「入社して4年間国内販売」といった異色の経歴。余計な先入観抜きに現地に溶け込み、生活者の実態を掴むためです。与えられた時間は4年間。若いチームのやる気・闘争心に期待したいものです。

財部誠一氏の未来予測は「インドの現場が日本を変える」。日本のメーカーが近年グローバル戦略で苦戦を強いられている元凶に、何も知らない日本の本社から現地の支社をコントロールしようとする官僚的な体制があったと言われています。本当の意味でのローカル化とは、(単に、現地社長なら良いということではなく)きちんとした信頼関係を築く事によって現地のニーズに合わせたものづくりが出来ることなのです。

インドの現場で働く人々が日本の「殻を破る」ことによって、日本のビジネススタイルが変わるのであれば万々歳です。親日的で合理的(世界一、損が嫌い)、多様性という特徴を持つインド。日本のメーカーが勝負を掛けるにはふさわしい市場成長力も併せ持ちます。インドを足がかりにすれば(印僑が多くいる)中東、ひいてはアフリカ市場を視野に入れることができる点も、将来の可能性を感じさせますね。

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外食業界での人集めの工夫のあれこれ

2月4日に放送されたガイアの夜明けは「人が足りない..."外食"驚きの一手!」。景気が上向き始めた結果、以前にも増して人集めに苦戦している外食業界。他業種との競合が激しさを増し、時給アップに加え、他にも様々な条件を付けないと人が集まらない状況です。どう人を確保し、辞めさせないか。さらに少ない人数でも利益が出せる店をどう作るか。生き残りをかけた取り組みが始まっています。

1970年に創業した高級ステーキ店「ステーキくに」。100グラム6,500円の神戸牛など、様々なブランド牛を客の目の前で好みの大きさや厚さにカットし、焼いてから提供する本格的なステーキ店です。現在、都内を中心に9店舗を展開し、今後も積極的に店舗を増やそうと考えています。しかし今、これまで以上にアルバイトが集まらなくなっているといいます。単に時給1,000円を超える条件で募集しても反応は鈍いままです。

肉のオーダーカットなど店の売りであるサービスはどれも人手のかかるものばかり。このままでは新しい店舗展開は夢の夢です。そこで経営トップが新たに考案したのが、少ない人手でもオペレーション可能な、立ち食いステーキ店です。

これまでより狭い店舗で、スタッフが効率的に動けるようなシステムを作って、従来の半分の人数で運営できるようにする。さらに立ち食いで客の回転を良くすることで、高級肉のステーキをより安く提供できるようになるという狙いです。東京・銀座でスタートした新業態の名は「いきなり!ステーキ」。実際、「高級ステーキ店が立ち食い店で同じ肉を出す」という評判を知って、大勢の客が押し寄せていました。

2番手は全国500店舗以上の「長崎ちゃんぽん」を展開する「リンガーハット」。外食の大手と言えど、アルバイトの確保には悩みが尽きません。そこでリンガーハットも効率のいい新たな店づくりに取り組んでいます。それは客が実際に料理を持って店内を移動するセルフ式。しかも、客がレジに並んでいる間に色々なトッピングを選べる「マイちゃんぽん」式です。

実験店舗で試してみた結果は好評。さらなる一手が、人手をかけずに効率的に調理が出来る機械の導入です。実はリンガーハットは調理器具を開発・製造する自社工場を持っています。佐賀にある工場を訪ねると、そこでは「より早く麺をゆでる機械」と「具をより効率的に調理できる機械」の開発が進んでいた…。これが完成すれば、スタッフ一人でこれまでの半分の時間でちゃんぽんを提供できるようになるというのです。これはなかなか期待させますね。

居酒屋チェーンの人材確保作戦外食産業の中でも、より人集めに苦戦しているのが居酒屋業界。アルバイトの主力は学生たちですが、定着率は低いのです。そこで各社とも、新規採用に加えて、今いる人材をいかに辞めさせないかに苦心しています。

大手のモンテローザは、2週間辞めなかったバイトには一時金を支給。さらにお金に困っているバイトには、給料を支給日の前に受け取ることも出来るようにする。等々、あの手この手で引き留めを図ります。

同じ居酒屋業界で、「塚田農場」などを展開するのは大手のエー・ピーカンパニー。就職活動を機に辞める学生バイトが多いため、無料で就職活動セミナーを開催するなど、就活とバイトを両立してもらえる取り組みを始めました。それだけではありません。会社側が一般企業に対し、アルバイトの学生たちを採用試験で優遇してもらえるよう働きかける、という試みまで始めました。これは就職活動を強力に支援してくれるかも知れませんね。

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徹底的にキレイにするビジネスならば日本の得意

2月10日放送の未来世紀ジパング。今回は、企画「ニッポン再発見」の第四弾、「ニッポンのキレイが世界を席巻!」と題して、1)中国に進出した日本の洗車ビジネスと、2)タイに乗り込んだクリーニングチェーン店の"徹底的にキレイにするビジネス"の2つを取材してくれました。

いま、中国で「洗車の王国」という日本人が経営する自動車洗車場が流行しています。日本では無名です。富裕層にターゲットを絞り、わずか4年で中国全土に270店舗を展開するまでになっています。急成長の中国は、車の保有台数で1億台、新車販売台数で世界初の2000万台を突破。車に関するビジネスが広がりを見せる中、洗車場も増えています。

とはいえ街に普通にある地元の洗車場は「さっと洗ってさっと拭く」大雑把なものです。一方の「洗車の王国」は、2人1組、30分かけて丁寧に念入りに洗う、いわば日本流。なぜ、日本でも聞いたことの無い会社が成功したのか?

2006年8月に中国北京にて満を持して『洗車の王国』直営第一号店をオープン。現地のTV取材を受け、製品への環境問題への取り組みについても高い評価を獲得しています。とにかく店員が若く、将来は自分の店を出したいと懸命な仕事振りに好感が持てました。

2008年には中国に続き韓国でも製品の販売をスタート。中国ではフランチャイズ店も含め続々と店舗数を増やしています。神奈川の田舎にある会社ながら、海外展開に積極的な、元気のある会社ですね。

もう1件の話は、タイに進出した中堅クリーニング店・喜久屋の挑戦です。ここ10年で、個人所得が倍になるなど、経済成長著しい国・タイ。クリーニング店が全国で5000店舗あるといいます。しかしタイのクリーニング店は、規模が大きいものはあまりなく、家庭用の洗濯機で洗い、家庭用のアイロンでしわを伸ばす程度のものが多いのです。しかも、クリーニングの料金は、「重さ」で決まるという、実に大雑把なシステム。ワイシャツでもティーシャツでも下着でも関係ありません。

そんなタイに、日本の中堅クリーニングチェーン喜久屋が進出することになりました。先行して現地に進出した「白屋」から「買ってくれ」とのオファーがあったためです。日本とは全く違うクリーニング事情の中、日本流の丁寧で細かい作業で、豊かになりつつあるニューリッチ層を狙う戦略を取りました。

結論からいうと、これは当たりそうです。現地にはここまで丁寧な高級クリーニング屋はなく、評判になっているからです。しかもタイ・バンコクは共稼ぎで豊かになったばかりの夫婦が多く、このようなニーズを埋めてくれるところは他にはありません。ブランド確立のチャンスだといえますね。

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ソチ五輪に見る、スポーツの一発勝負の非情さ

週末から始まったソチ・オリンピック。連日のアスリーツ達の挑戦に(TV画面から)横目が離せなくて、思ったより仕事が進まなくて困るくらいです。とはいえ、相変わらず録画してそれを観るという習慣は変わらず、寝不足には陥っていないだけ救いがあると自分自身に言い訳をしています。

昨日(というか今朝未明)の放送では2つの「意外」がありました。まず今回から正式競技となった女子ジャンプ。直前のW杯で13戦中10勝という圧倒的強さを誇り、日本勢での初金メダルを期待されていた高梨沙羅選手が4位に終わりました。1位、2位は最近ずっと沙羅ちゃんの後塵を拝していた「銀コレクター」と言われた選手達。身長は低くと飛び出し姿勢の完成までのスピードが圧倒的に速いと評された沙羅ちゃんは、1回目は追い風で距離が伸びず(補整点は少し入ったのですが)、2回目も伸び悩み、結局は予想外の4位に終わりました。

新聞ではテレマーク姿勢が不十分だったという本人のコメントを受けて飛型点などをどうのこうの言っていますが、沙羅ちゃんの強さは距離が出ることでした。その距離が本番で伸ばせなかったことが直接的な敗因です。その主要因は1回目は風向きかも知れませんが、2回目は特にそうした要因はありません。結局、メンタルなスポーツといわれるジャンプにおいて、五輪のプレッシャーが17才を委縮させたということかも知れません。

もう一つの「意外」はスノボのハーフパイプ(HP)です。「絶対王者」と言われ、Xゲーム(プロリーグ)で連勝を重ねてきた米ショーン・ホワイト選手がまさかのメダル逃しとなってしまったのです。正直、沙羅ちゃんのメダル逃し以上に驚きました。

日本の若手、中学生・平野歩夢選手(15)と高校生・平岡卓選手(18)が銀・銅メダルを獲得したのは予想外の嬉しさでしたが、当然、金メダルは3連覇に挑んだショーン・ホワイトだとばかり思っていたのに、アナウンサーが告げたのはユーリ・ポドラドチコフ選手でした。確かに彼はXゲームでホワイト選手に次ぐ成績を上げていたらしいですが、完全に「陰に隠れた」存在でした。

ショーン・ホワイトは「明確なプランがあったけど、その通りにできなかった。失望している。でも、これで僕のキャリアが終わるわけではない」と胸を張っているようです。さすが王者。きっとこのあとまた、Xゲームでは連勝を続ける気がします。でもその王者でさえゲームプラン通りにはできなくさせる強烈なプレッシャーがあるということです。やっぱり五輪には「魔物がいる」ということなのでしょう。

これらのことを考えるにつけ、アスリーツの世界は格段に厳しいということです。ビジネスの世界では10戦6勝だったら上等です。10戦8勝なら圧倒的王者です。でもアスリーツの世界では、W杯でどれだけ勝っても、4年に一度の五輪の舞台で勝たなければ自分自身の商品価値はほぼゼロなのです。なんとシビアかつ身も蓋もない世界でしょうか(五輪競技以外でも、例えばバスケットのNBAではレギュラーシーズンで圧倒的に強いスパーズがファイナルで勝利できないまま5年以上経ちます)。

改めて、自分がビジネス界に生きていて、クライアントの勝率を着実に上げることに貢献すればいい(年に一度や数年に一度の一発勝負でない)ことに感謝したいと感じています。

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『波力発電』は有力な再生可能エネルギーに名乗りを上げる

2月2日に放送された「夢の扉+」(TBS系)は≪シリーズ “大海力”発電~第1回 “波力”≫で、「資源小国」からの逆転!日本の海に眠る“波の力”をエネルギーに変える!」。フィーチャーされていたのは、三井造船 技術開発本部 技術総括部 再生可能エネルギープロジェクトグループの中野訓雄さんでした。

世界第6位の海の面積を有する海洋国家・日本。本番組では、その大海原に眠るエネルギーを発掘するプロジェクトに注目し、シリーズ「“大海力”発電」をスタートしたそうです!第1回は、波の力を電力に変える『波力発電』。

日本近海の波の潜在エネルギーは、日本全体の発電能力を上回る約3億キロワットと言われているそうです。
これをたった3%でも活用できれば原発30基分に相当するわけです。そんな日本の“秘めた資源”から高い効率で電力を生み出そうと、「波力発電」プロジェクトを推し進めているのが、三井造船の中野訓雄氏、43歳(さすが三井造船、ちょっと変わった毛色の領域にフォーカスするのが伝統です)。海に波力発電装置を浮かべて、太陽光や風力と並ぶ第3の自然エネルギーに、というわけですね。

実は、世界中で50年以上前から研究されている波力発電。でも、波の運動をどれだけ電力にできるか、という「エネルギー変換効率」が、実用化の壁となってきたのです。

中野氏は、波の力を最大限に受け止めて回転運動に変える、独自の制御技術を開発しました。波力発電装置は通常、フロートと呼ばれる浮きが上下することで電力を生み出します。その仕組みは、装置の内部で歯車を使い上下運動を回転運動に変換するものです。これで直接発電機を回し電気を作ります。

それまで17%が限界だった波のエネルギー変換効率ですが、中野氏たちの研究では世界でも例のない制御技術を開発、最大59%(!驚異的です)にまで引き上げることに成功したのです!従来の技術ではフロートは波に乗るだけでエネルギーの多くを逃がしてしまっていました。これをコンピューターで制御し波の力を一瞬溜めることでエネルギーを最大限に取り込むことができます。この技術で17%が限界だったエネルギー変換効率を最大59%にまで引き上げたのです。細かいことは次のURL先にて。
http://otoriyosetv.blog.so-net.ne.jp/haryokuhatsuden

『がむしゃらにやれたら、それが実現への一番の近道』。中野氏が目指すのは、日本中の海に面した港町で、波力で生み出す「地産地消エネルギー」。その実現に向け、いよいよ海上で、本格的な商用化を視野に入れた実証実験が神津島で始まりました。しかしプロジェクトには厳しい現実が待ち受けていました。現状の設計では設置困難というのです。計画では装置をクレーンで海に沈めて設置しますが、効率よく発電するためには上下の誤差は50cmしか許されません。しかし施工業者によると、海底の地形やチェーンがねじれただけでもそれ以上の誤差が生じてしまうというのです。そこで中野訓雄さんは水中工事のエキスパートである村上舟美さんと共に大胆な解決策を捻り出します。それは発電装置を2つに分割するというものでした。まず下段を水中に設置した後、上段を海に入れてボルトで接合。その接合部分で誤差を調整でき、精度の高い施工が可能になるというものです。

今年1月には、1/10スケールの発電装置を初めて海に設置する実験が行われました。しかし、分割した上段と下段は海の中で接合することが出来ませんでした。フロートの浮力が邪魔をして斜めになってしまったのです。結局、海上での接合を諦め、陸上で接合。そして実験を決行。すると波が低い日だったにも拘わらずフロートは大きく上下していました。世界トップクラスのエネルギー変換効率を実現した制御技術の威力が発揮されたのです。これで安定した電力を生み出せることも分かりました。来年春にはこの10倍もの大きさの発電装置を神津島の海に浮かべるとのことで、期待が持てます。

この番組は時々エネルギー関連の面白い(しかも全然知らない)情報を教えてくれるのでユニークで役に立ちます。きっと番組プロデューサがエネルギー問題に関心が強いのでしょうね。小生は地震国・日本で最も有望な再生可能エネルギーは、天気次第の太陽光発電ではなく地熱発電だと思っています。そしてそれに次ぐ第2の再生可能エネルギーは、もしかすると「波力発電」かも知れないと思い始めています。

テーマ : 経営コンサルタント
ジャンル : ビジネス

タイのビジネスパーソン達よ、目を醒ませ

タイの政情混乱は長期化の様相を見せています。その主体である反政府派と野党・民主党、その支持者である都市住民の中間所得者層は、この混乱がもたらしかねない、さらなる危機のリスクを軽視しています。彼らは自らの首を締めつつあることにも気づかないようです。


反政府デモが続くタイでは、インラック首相が自体打開を狙って議会選挙の実施を決め、今月2日に厳戒態勢のなか投票が行われましたが、デモ隊の妨害で選挙区全体の2割近くで投票が中止に追い込まれ、選挙が成立しない事態になりそうです。政府は選挙が成立するまで何度でも実施するとしていますが、野党寄りの憲法裁判所が選挙を無効と判断する事態もありそうです。対立と混乱を収めるはずの選挙がむしろ対立と混迷を深めるだけに終わりそうで、同国の混乱は長期化が予想されます。

反政府派(=反タクシン派)を支持する中間以上の所得層で都市住民(小生の知人の多くもこちらに属します)は意外と平気を装っており、有名なビジネス界の支持者なども「タイにはタイの民主化プロセスがある」とか「今の議会選挙は不正だらけなので、民意を正しく反映することはできない」と主張したままで、強硬にインラック首相の退陣を求め続ける方針に変わりはないようです。

しかし彼らは、今この世界情勢の下で、この反政府派の行動と政情不安がもたらす同国経済へのリスクの意味を本当に分かっていないのではないかと思えます。彼らの楽観主義の根拠は、「2011年の洪水騒ぎでタイからの投資引き揚げが大量に発生するかと心配されたが、実際にはむしろ翌年からタイ進出が急増した。今回もいずれ解決するから大した心配は要らない」というものです。しかし2012年のタイ進出急増の要因は、日本の自動車メーカーや電機メーカーがサプライチェーン再編のために部品メーカーに現地進出を促したからです。今回、そうした特需の要素はありません。

先月の時点でも小生はかなり心配していました。
http://pathfinderscojp.blog.fc2.com/blog-entry-359.html
しかし今、事態はもっと悪くなっています。この騒動のとばっちりを受けて、同国での海外からの商談の多くが中断の憂き目に遭っているのです。同国に事務所を開こうとしている日本企業の担当者が諦めて帰国したり、インドネシアなど他の国と進出先を比較していた企業がタイをあきらめたりしていると聞いています。同国に先行して進出した日本企業が今、デモのせいで売上が半減している状況を見ているからです。小生が直接関わっているプロジェクトでも、予定していたバンコクでの打ち合わせが延期されたまま消滅するかも知れませんし、同国は進出先候補として順位が下がりつつあります。一昨年から昨年にかけての、熱に浮かれるような投資熱は、今はもうありません。

タイの政治の不安定さを改めて思い出した外国企業が「チャイナもリスクが高いが、プラス・ワンのはずのタイで余計にリスクを抱えることはない」と、こぞって進出を見送りつつあるとしたら、どうでしょう。また同国での人件費の急増に嫌気が差したサプライヤーが撤退を決めつつあるとしたらどうでしょう。実際、欧米や中東の投資家は今、トルコ・アルゼンチン・南アなどの新興国市場からこぞって資金を引き揚げつつありますが、1997年のタイ発のアジア通貨危機を思い出した時、次の引き揚げターゲットに再びタイがいつ選ばれてもおかしくないのです。

反政府派デモを組織する一派とそれを支える野党・民主党、そしてそれを支持する都市住民であるビジネスパーソン達は、急いで現実的な打開策を打ち出すべきタイミングに来ていることを自覚すべきです。

テーマ : 経営コンサルタント
ジャンル : ビジネス

外国人客の争奪戦真っ最中!日本でのホテル生き残り策は高品質か独自性

1月28日に放送されたガイアの夜明け(TV東京系)は「外国人客が殺到!真冬のホテル戦争」でした(撮り貯めている録画を観ているので、かなりタイミングがズレています)。

去年は訪日外国人旅行者数が遂に1000万人を突破しました。2020年の東京オリンピックの開催も決まり、ホテル業界は活気づいています。そんな日本には今年、外資系ホテルが続々と開業することが決まっています。増える外国人旅行者を獲得しようというホテル間の争奪戦も激しくなっているのです。

まず採り上げられたのは、西武グループ傘下、全国に40のホテルを持つプリンスホテル。スキー場などのレジャー施設と一体開発したリゾートホテルや、「赤坂プリンスホテル」に代表されるシティホテルなどがかつて人気を博した名門。しかし近年、顧客は固定化し、宿泊客数も頭打ちとなってしまっています。そこで目をつけたのが外国人旅行者です。

しかし、国内では"名門ホテル"だが、海外では知名度がほとんどなく、外国人の宿泊客を受け入れるノウハウも十分ではありませんでした。そこで去年、世界的なホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルと業務提携しました。マリオットのもつ知名度、国際基準のサービス、外国人客を獲得するノウハウを学ぶ事にしたのです。初めての外資系との提携です。

番組では、戸惑いながらも世界的なホテルチェーンの能力・ノウハウの凄さを思い知らされ、学んでいくプリンスホテルのスタッフ・経営陣の悪戦苦闘がよく伝わってきました。例えば、前週に宿泊した外国人客をチェックイン時に認識できずに、客からの話で気づく状況でした。西武グループ自体が崩壊していたのですから、他の大手チェーンではとっくに導入していたITシステムもプリンスでは持てなかったという実態が分かるものです。他にも覆面チェッカーによる質問への対応など、実にもどかしい場面が多くありましたが、プリンスの当事者たちにとっては精一杯の対応なのだろうとも思いました。

2つ目は北海道の北端に近い町、「歌登」。かつて賑わったスキー場がなくなり、人口は最盛期の3分の1に減るなど、過疎化が進む町です。そこにある唯一のホテルに、いまタイ人の観光客が殺到しています(以前、このブログでも採り上げました http://pathfinderscojp.blog.fc2.com/blog-entry-305.html)。
その秘密は、事前に旅行会社と相談し、徹底的に宿泊客の要望に応えるというサービスにあります。宿泊客には浴衣を着てもらい、鮭の解体ショー、寿司握り体験、流しソーメン、茶道教室・・・。雪を見た事がないタイの人たちに雪像作りやソリ滑りを楽しんでもらう。とにかくお客の希望をかなえたいという思いがこの「奇跡」を実現したのです。さらに、いま、ホテルと町が一丸となって新たな取り組みをしているといいます。

3つ目は長野県白馬にある樅の木ホテル。去年の大晦日には、年越しのパーティで盛り上がる外国人観光客が溢れていました。白馬に来る日本人スキー客が減ったため、このホテルは4年前から外国人客を獲得しようと手を打ってきたのです(経営者は2代目、海外留学経験ありの若手です)。

大規模なイングリッシュパブを作り、様々な国籍の外国人スタッフを採用しています。今や外国人が宿泊客の9割を占めるといいます。映像で観る限り、なかなかいい雰囲気のホテルです。そして、いま取り組んでいるのが富裕層の獲得。空港から直接来てもらうため、ヘリポートを建設、1泊60万円の部屋も用意しています。若いながらも凄い経営者と思いました。

どのホテルも生き残りに必死なことがよく伝わってきました。従来の顧客層た国内でのブランドだけに頼っているようでは難しい。周辺の特産物や名所にだけ頼ってはダメ。結局、グローバル・ネットワークの知名度&高品質か、徹底した独自の何かを持っていないと、わざわざ海外からは指名されない、という当たり前の答が浮かび上がります。

テーマ : 経営コンサルタント
ジャンル : ビジネス

老舗の再生仕掛け人は「自分がやる」アイディアマン

1月30日に放送された「カンブリア宮殿」は少々特異な事例ではありましたが、興味深いものでした。「消滅寸前…日本の伝統のものづくり企業を次々再生!300年企業が挑む“新・ブランド創出術”」と題して、老舗ものづくり企業の再生を次々に果たしている中川政七商店社長の中川淳(なかがわ・じゅん)氏を採り上げていました。

中川政七商店は、奈良で300年続く麻織物「奈良晒(さらし)」のメーカー。そんな老舗企業が、今や全国に33店舗を持ち、急成長しているのです。実は自社商品を製造・販売するだけでなく、全国の伝統工芸品を自社の店舗で売り、瀕死のものづくり企業を再生させているのです。

東京・丸の内に、平日の日中でも大人気の店があります。奈良の麻織物の老舗が仕掛ける「中川政七商店」です。店に並ぶのは自社の麻織物などの製品だけでなく、包丁、土鍋、ノート、陶磁器などなど、「暮らしの道具」をコンセプトにした、日本の伝統工芸の品々です。「伝統工芸品」は数多くありますが、生き残りは極めて厳しい時代です。なぜこんな店が繁盛できるのでしょう。

中川淳社長は、京都大学を卒業後(やはり優秀な人なんだ!)、2年間の大手電機メーカー勤務を経て、家業の中川政七商店に入社しています。父の代では茶道具などを扱い年商9億円と経営は安定していたはずでしたが、入社して初めて看板の麻部門が赤字に陥っていることを知ります。危機感を感じて改革に乗り出した中川氏でしたが、他にはそんな危機感を持った人はいなかったようです。そんな折、デパートに営業に行くと、伝統の麻のポーチが特売品でワゴンセールになっており、かなりショックだったようです。

「良いものであっても、伝え方が悪ければダメだ。自分たちでそれをやろう!」中川氏は、商品の良さを客に直接伝えられる、自分たちのブランド造りと直営店の立ち上げに挑みます。そして見事に表参道ヒルズへの出店を果たします。これにより中川政七商店は奇跡の再生を成し遂げたのです。

ここ数年、中川氏のもとには廃業の知らせが後を絶たないそうです。日本の生活と共にあった品々を作って来た零細、中小企業が次々と姿を消しているのです。そこで中川氏は、中川政七商店の再生で得たノウハウを使って、他社の再生支援をすることにしたのです。しかも、たった一人で。中川氏は、「その良さを自分たちで伝えること」にこだわり、さらには経営不振にあえぐ企業に出向き、有料で経営指南までしているのです。

長崎県波佐見町にある有田焼の下請けメーカー「マルヒロ」では、確かな技術と生産力を生かして「売れる商品づくり」を提案。焼き物のブランドに「HASAMI」と命名し、地域も製品も同時に発信する手法を展開しました。

また新潟県三条市にある包丁鍛冶「タダフサ」では、900種もあった包丁を絞り込み、客が選びやすいよう「基本の7本」を提案しました。そのうちの1本は、中川氏とタダフサとで考案した、包丁メーカーならではの「パン切り包丁」。どこにもないタダフサだけの一品に、注文が殺到しました。

企業再生を手掛けるコンサルタントは数多くいますが、中川氏のやり方は一体何が違うのか?「何をやりたいのか、将来どうなりたいのか。僕らの手法は『自分たち起点』でものづくりを考える」と、中川氏は話します(このコメント自体は大抵の再生コンサルタントと同じですが、むしろ2年も掛けてじっくりやることが違いだと思えました)。そして産地再生のカギは「一番星を作ること」だと中川氏は言います。

中川氏は最近、新たなコンセプトの店を立ち上げました。それは土産物店。「土産物こそ、その土地に根付く昔ながらの工芸品」。そう考えた彼は、経営に苦しむ土産物店と、作ったものが売れなくて困っているその地域の工芸の職人をネットワークする仕掛けを考えたのです。その名も「日本市」。人が集まる「市」と、日本一の土産物という意味をかけました。まずは奈良に1号店。今後、これを全国各地に広めていくつもりです。

中川氏は言います。「その地域に、タダフサのような“一番星”ができれば、2番手、3番手は見よう見まねでついてくる。これが産地を元気にする秘訣です」。自分の店で他社の工芸品を売り、経営に入り込んで再生に手を貸し、さらには産地を元気にする仕掛けまで自分で作る。誰もやってこなかった「ニッポンの工芸を元気に!」を、中川氏は実践しているのですね。

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「尊敬すべき対象」とは一体何だろうか

前回のブログを書いた後に思い出したのが、ある先輩との最近の面談です。その先輩も、「元」ですが経営者の一人です。しかも経歴は実に華麗で、大手IT企業の部門(普通の大手企業全体ほどのサイズがあります)責任者、外資系コンサル会社社長、大手ITインフラ会社社長、と続いて、比較的最近になって引退されました。長年に亘って色々とお付き合いさせていただいており、尊敬もしていたつもりでした。

でもあるとき、ふと気付いたのです。「もしかしたらこの人は、ただの傲慢でラッキーな、典型的な団塊世代の初老の男ではないか」と。

お酒が入っていたせいでしょう、最近の色々な事象について実に他愛のないコメントを続けておられたのですが、どんどん本音が出てきて「暴走老人」の様相を呈してきました。過去の自慢話が続き、すべて自分の考えが正しい、今の若い人たちは意気地がない、といった調子でどんどんエスカレートしていきました。ご自分の主張を話すことは構わないのですが、同席している後輩に一方的に自説を押し付ける様子が続き、後輩も迷惑そうな様子でしたが、小生も少々うんざりしてきました。

やんわりと「人によって見方は色々違いますよ」といったりして、話題を変えようとしているうちに、段々違和感を覚えました。そして「そうか、これは世の中の普通のおっさんと同じだ」と気付いたのです。それでこの方の過去の言い振りがすべてこうしたものだったとも気付いたのです。まるで素敵だと思っていた恋人に対する気持ちが一挙に醒めるような思いでした。

不思議ですが、一旦こうした感覚を覚えると、それまで尊敬の対象だったはずの人物なのに、色々な問題点が気になるようになってしまいました。残念ですが、「素顔を見た」気がしたということなのでしょう。

もし自分が誰かから尊敬されている局面があるとしたら、誤解に基づくものではなく、正しい理解に基づいて尊敬してもらえるようにしたいですし、傲慢でなく互いに尊敬できる関係を続けていきたいと真摯に思いました。

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男は歳を食っても本性はそう変わらない

親類に「経営者」がいます。その会社は一種のインフラサービス業です。非上場なので世間的には決して有名ではないのですが、地元ではそれなりに知られていて、社会インフラとして、また雇用面でも少なからず貢献をしています。業種がら、決して高収益ではないですが、「失われた20年」の間も増収増益を続けてきており、「隠れた優良企業」といってもおかしくありません。

そんな会社の実質的トップ経営者ですから(一応、最大株主、つまり親会社から「天下り」したお飾りの社長はいますが)、親類の中でも名士として扱われています。しかし子どものころからその「外面のよい」性格をこれでもかというほど知っている小生としては、手放しでそのまま受け容れるほどお人よしではあり得ません。どこかに警戒する心証を持っていることは否定できません。

そんな人と久し振りに会って、アルコールも介在させてですが色々と話をしました。話は多岐に亙っていましたが、「実はフループ会社の色んな人たちから直接担当でないことも相談される」と彼はあたかも迷惑そうに話し始めました。話題はグループの1つである公共的サービス会社です。その顧客サービス部門ではないバックオフィス部門の人が髭を生やしていることに対し相談者は快く思っていないようで、「どう思われます?」と尋ねられたということです。いわく「顧客には全く見えないとはいえ、最前線部門であれば髭禁止になっているのだから、全社員同じ扱いにすべきでしょうね」とアドバイスした、とのことでした。

これ結局、ホントの話かどうか、怪しいなと思いました。多分、小生が客商売でありながら髭を生やしていることに批判的なその親戚「経営者」が、説話の形をとって間接的に、小生の髭を批判したのかも知れないと感じました。面倒くさい話ですが、直接的に伝えるとカドが立つと考えたのでしょうね。こういうことは皆無ではありませんし、田舎の人ですから何でも保守的なのです(日本も戦前は成人男性で髭を生やすのはごく普通だったのですが)。

端的には「お節介」に過ぎず、しかも実情を何も分かっていない上での批判(当人は「助言」的な気分でしょうが)なので実に厄介なのです。当人はそれなりに年齢もいっているので、自分の意見は世間の代表的な意見であり、十分客観的だという意識が強いのですね。そこでこちらも、あからさまに否定したり、「余計なお世話」などと拒否したりすることはしません。「へーそうなんだ」とかいいながら話をはぐらかそうとしました。

すると同席していた奥さんが「どうでもいいんと違うの?会社のルールで髭禁止とか規定されとんの?」などと、かなり的確な突っ込みを入れました。その「経営者」はちょっと意外なところから反撃が来たので戸惑ったようですが、「いや、全社員が平等でないといかん。同じ仕事に対し同じ扱いをせんと」と言い出す始末。すかさず奥さん、「同じ仕事じゃないんでしょ?同じ会社だからと全部同じ格好せいってこと?あんたの会社もそうなの?」と厳しい。

段々旗色が悪くなった「経営者」は、何と「お客さんの前に出んといっても、髭なんか生やして格好ええなと思われとるのがおったら、社内でしめしがつかん」と言い出しました。「それって中学生の時にあったけど、みんな坊主って言われているのに一部の特待生が長髪なのはけしからんということ?」と、小生が思わず訊いたら、即座に「そうや」との返事でした。あぁ、何と低次元…。大人になっても、この個人的意見を客観的なものと信じ込んで人に押し付けようとする性格はやっぱり変わらないなぁと、強く感じました。情けない。

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