『日本の観光』はまだまだ未熟

最近は日本を元気づける意図だろうが「日本を褒め過ぎる」番組が増え、小生は随分違和感を持っていた。しかし、海外ジャーナリストが日本を冷静に評価する番組として、BS-TBSの「外国人記者は見た!日本inザ・ワールド」という番組が10月にスタートしている。TV界にもバランス感覚はあるのだと安心した。

10月28日のテーマは『日本の観光』。 今回、初の街頭インタビューを銀座と浅草で行い、外国人記者の声と街の外国人の方の声の両方から「日本の観光」に迫ったとの触れ込み。まだそうなのか、というレベルの問題を幾つも指摘された。

よく出る「無料WiFiがほとんどない」はごもっとも。駅や構内、道路などの案内標識・案内板の不親切さもその通り。英語表記がまだまだ足らないもの事実だが、英語表記だけの問題ではない。そもそも「知っている人にしか通じない案内」(これでは意味がない!)がいまだに多いのが実情なのだ。

日本人でさえよく分からないのだから、外国人には(たとえ英語表記してあっても)わけが分からないだろうと同情する。元環境庁長官だった方が言っていたが、「日本のおもてなしは供給者目線」というのは真実を突いている。

また、街角で困った外国人が道などを尋ねようとしても言葉が通じない、というのも相変わらず。東京はまだましになったようだが、他の地域では大して改善していないようだ。ホントに情けないが、これが実態なのだろう。

「ハラル食品や対応している飲食店を見つけるのが難しい」というのもあまり改善していないようだ。事業者として本気になるところがなぜ現れないのか、不思議で仕方ない。寒いのに外で待たせる店が多いのも指摘されていたが、その通り。外国人向けの英語表記の「乗り換え案内」や「道案内マップ」のスマホサイトがなぜ未だにないのかも同様に不思議だ。

「“爆買い”頼みの観光を考え直せ!」という主張にも共感する。(台湾や韓国と同様)遠くない時期に中国国内にも日本製品の供給網は確立される。そうしたらわざわざ日本旅行時に親戚・友人の分まで買い込むような購買行動は自然となくなるに違いない。ちょうど昔は海外旅行時に洋酒を大量に買い込む日本人旅行者が多くいたが、関税が引き下げられて国内価格が下がるにつれて消滅したように。

そしてどなたかが指摘していたが、「“爆買い”をネガティブに捉えるのはおかしい。お客さんが日本で商品を買ってくれるのだから」というコメントにも全く同意する。

中国人観光客のマナーの悪さには閉口するが(この番組でも、銀座で路上に座り込む姿や英国の店の入り口脇で子供に大便させている母親が映っていたが、こうしたものは言語道断である)、それと“爆買い”とは別問題だ。この番組でもそうしたニュアンスがあったが、嫌中感情を持ち出すのは場違いだろう。

それにしても中国・台湾・韓国の3国からの観光客で7~8割程度占めているようだが、他地域への観光キャンペーンなどの努力が明らかに足りないと思える。韓国や台湾、タイなどはかなり真面目にやっている。日本の観光関連産業・官公庁は仕事をしていないとしか言いようがない。
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急増する外国人観光客をいかに取り込むか、地方の知恵が問われる

訪日外国人が急増中だ。飲食店、旅行会社、バス会社、自治体等々、これまでにない対応が迫られている。意外なところに外国人が出没し、それに合わせた意外な新ビジネスも出てきている。

10月13日放送のガイアの夜明け「意外なところに外国人...新ビジネス現る!」で、2つの取組が紹介されていた。

一つ目はグルメ情報サイトの「ぐるなび」。飲食店のメニュー等のホームページ制作が主な業務だが、実はそれだけにとどまらない。全国の飲食店の価値を高めるため、各店舗にコンサルティング営業を行っているのだ。

その中でも、最近の課題はインバウンド対応だ。「ぐるなび」の多摩地区担当営業・伊東翔磨さんは、東京立川市のある焼肉店から相談を受けていた。訪日外国人観光客増加に伴い、都心のホテルに外国人旅行者が入りきらなくなっている影響で、立川などの郊外の街にも外国人観光客が増えていて、インバウンド対応を迫られているのだそうだ。

伊東さんが外国人観光客に対応できる武器として考えているのが、「メニュー情報一元変換システム」。日本語でメニューを作ると、ボタン1つで英語や中国語など4カ国語に変換できるシステムだ。これは便利だ。英語が苦手で外国人客に不満を抱かせていた店の人たちが笑顔になるのが分かった。

急増する外国人観光客の影響で「宿不足」だけでなく「バス不足」も起きているというのがもう一つの話題。こちらの主人公は市役所だ。

和歌山市にあるバス会社には、大阪で観光バスが確保できなかった旅行業者からの配車要請が殺到しているという。ところがそうした配車要請の多くは和歌山市を素通りして大阪に向かってしまう。会社の利益にはなるが地域の利益にならないというのが現状なのだ。

この状況を逆手にとって、地方創生のチャンスに変えようと動き出したのが和歌山市の観光課。和歌山市内のバス会社を利用する団体ツアーが市内観光や地元商店街に立ち寄るよう補助金を出すという〝仕掛け〟を考えたのだ。

市の観光課でインバウンドの誘客を担当する谷口さんは、観光協会の理事でもあるバス会社・ユタカ交通の豊田社長と共同で旅行会社への営業活動を開始した。すると間もなくタイの観光業者から「このプランを利用してみたい」という問い合わせが入った。番組ではその団体観光客を精一杯もてなす地元商店街の懸命な姿、それに感動して色々と買い込むタイの観光客の姿があった。これもとてもいい取り組みだ。

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ボヤキに耳を傾けるニッチ農機具メーカーが世界に羽ばたく

10月22日に放送されたカンブリア宮殿「農家&世界が感動!スーパーニッチ“ものづくり”」を録画で観た。フィーチャーされていたのは筑水キャニコムの包行均(かねゆき ひとし)会長。実に感心した。

筑水キャニコムの製品は、全国の様々な果樹園で使われている農業機器。ニーズに極め細かく応じた商品展開で人気を集めている。特に運搬機のジャンルではトップシェアだ。

それぞれの機能を表したネーミングで有名だ。例えば、実にかっこいいデザインの草刈機は「草刈機まさお」(村上龍氏が欲しがっていた)。多分、聞いたことのある人も少なくないはずだ。音の静かな電気駆動の三輪運搬車は「三輪駆動 静香」。どんな場所にも電気を導くことができる電源付き運搬車は「伝導よしみ」など、ユニークすぎる名前で農家に親しまれてきた。

そんな筑水キャニコムは、福岡市から車で1時間の、うきは市という田舎町にある。歯車の削り出しから完成品まで一貫で作り上げる本社工場では、トラクターなどの大手農機具メーカーが手がける商品には手を出さず、ニッチな分野に絞った製品づくりを行っている。番組の中でも展示会の様子が紹介されていたが、クボタやヤンマーなどの大手メーカーと比べると、展示スペースは半分程度だが、来場者は多いため「人口密度」が高いのだ。

創業者である父の跡を継ぎ、飛躍的に業績を拡大したのが、現会長の包行氏だ。24歳で父の会社に入社。当時、製品のアフターサービスに問題が多かった会社で氏は、その改善のために全国を歩き、農家の声を聞き続けてきたという。

そんな中で行き着いた製品づくりの信条が「義理と人情」。工場にはそこらじゅうに「モノづくりは演歌だ!」とのスローガンが張ってある。これがこの会社の心意気をうまく表現している。大手メーカーに真似のできない極め細かいスタンスで農家の要望に寄り添い、他にない製品を作り上げているのだ。

感心したのはその独自の手法。営業担当が顧客農家を廻り、商品への感想をビデオに収める。そして撮影した動画を開発部門の社員全員で共有し、埋もれがちだった製品への「声にならない不満(ぼやき)」を顕在化させ、商品改良に生かしていったのだ(これは実に効果的だ。是非、クライアントにもお薦めしたい)。

例えば、果実農園の枝の下を座って運転しても頭がぶつからない低さ、凸凹のあぜ道でも衝撃を吸収する、荷台がせり上がり収穫した農産物のかごを滑らすだけで軽トラックに積み込める等々、運搬車だって色々な改良点が実現されている。筑水キャニコムはそんな手法で、農家を感動させる使いやすさを生み出し、圧倒的支持を得ているのだ。

農家の声に耳を傾けて生み出した独自の製品で、今や筑水キャニコムは世界40カ国に商品を展開するグローバル企業となっている。そして海外専門のスタッフとして様々な国籍の人材を社員として採用し(多様性の重要性を理解している!)、アメリカの巨大農場から東南アジアの奥地にまで進出している。しかも海外の現場でも農家の“ぼやき”発掘に力を入れ、徹底した義理と人情のものづくりで、さらなる改良を行っている。

これは本当に素晴らしい企業だ。

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新規事業における素朴な疑問 (7) 向かないタイプをアサインしがち

あなたは営業部門の責任者だ。来年の人事異動に向けて企画部門から、「新規事業の開発・推進の担当者を営業部門からどうしても1人は出してくれ」と言ってきている。本音は誰も出したくないが、社長の肝いりなので断るわけにはいかない。迷った挙句、「分析もよくできて優秀なはずだが、お客からは今一つ好かれず、数字が伸び悩んでいる」A君の顔が浮かんだ…。


あなたが送り出す側でも受け入れる側でも、A君を新規事業担当者にすることには慎重になって欲しい。しかし何故か、こういう人を好んで新規事業担当者にしたがる会社も決して少なくない。

小生のように数十ケースの新規事業をサポートしてきた(だけでなく自らも推進責任者になってきた)人間や、新規事業担当役員として数多くの新規事業に関わった人たちなら、共通認識として「こういうタイプの人は新規事業担当としては向かない」という物差しがあるはずだ。より詳しく人となりを知る必要があるが、A君はそれに当てはまる可能性がある。

「新規事業担当者に向かない」人の典型的特徴を幾つか挙げてみよう。

1. 口達者で資料作りもうまい

少なくとも頭は悪くないし、スキルもある。一見、新事業の企画には向いているではないか、とお思いになるかも知れない。しかしながらその中身が問題である。

自分の頭で考えた内容なのか、どこかで読んだことをさも自分で考えたように話しているだけなのか、よく吟味して欲しい。例えば新規事業の成功例を沢山知っていることが実際に役立つことは多くない。むしろ自分の頭で考える習慣が根付いていることが重要だ。

資料作りも同じだ。そこらじゅうのウェブサイトからコピペし、多色の図表を使って最初から綺麗な資料を作ってくる担当者は少なくないが、中身の貧弱さをごまかそうとする下心が隠れているかも知れない。新規事業を企画するためヒアリングしようとする場合、むしろ資料はシンプルすぎるくらいでいい。色々と市場関係者に教えを乞ううちに中身は充実してくるはずだ。

2.言い訳がうまい
3.要領がよい

少々きつい表現になって恐縮だが、人との関わり方でその人の価値観がかなり滲み出るものだと小生は考えている。1のスキルがあって2~3の特徴が揃っている人には、用心したほうがよい。

机上で考えていたロジックと現実が違うことが見えてきても、またはミスをしていたのが判明しても、こうした人の場合、素直に認めずに何とかこじつけの理屈を考え出してしまい、その場を取り繕うのがうまい。手柄は自分、ミスは人のせいにしがちだ。社内の実力者に取り入ることには鼻が利くが、得をしないことには汗をかこうとはしない。言ってしまえば、彼らは自分が大好きで、利己的な性格なのだ。

しかし新規事業の場合、仮説と現実にギャップがないはずがない。相手としても、協力しても実を結ぶ保証はない。いちいち言い訳をするような態度では、市場の真実に近づけないばかりでなく、社内でさえ誰も相手にしたくなくなる。優秀なのに営業先であまり好かれない人というのは、その利己的な価値観が肌感覚で相手に伝わっている可能性が高い。

間違っていたら素直に謝り、他人のせいには決してしないことが新規事業担当者として最低限の条件だ。こうした素の人間性を信頼されてこそ、見返りの保証がなくとも協力してもらえる。自ら汗をかくことをいとわず相手の懐に入っていくことが、結局は本音を聞き出す近道となる。

4.目の前にある答(らしきもの)に飛びつく

これは物事に対する考え方であり、仮説-検証に対する態度である。「新規事業に向かない」人は、ウサギとカメの寓話でいえばウサギのタイプである。

有名校を卒業したことを自慢する人にありがちだが、新規事業にも「絶対的正解がある」と漠然と信じているためか、往々にして権威がある人(学者、著名な経済評論家など)が「画期的な技術だ」「これが流行る」などと言っているのを盲目的に信じて、それに飛びついてしまう。ましてや「儲かるらしい」といった目先の利益がちらつくと、矢も楯もたまらない。「これが答だ」とばかりに自分なりの結論に飛びついてしまう。

そのため、自分の立てている仮説は何を前提にしているのか、何を検証すべきなのかを考えることをすっ飛ばして、実現のための対応策だけを考えようとする。その方向性に合わない証言や事実が出てきても、得意のこじつけ論理で粉砕してしまう。それで事業を実行する段になって「想定外」の事態が噴出することになると、会社としては痛手が大きい。

「新規事業に向く」人というのは、ウサギとカメの寓話でいえばカメである。どんな権威のある人の意見でも批判的な目で受け取り、自分なりに理解すべく咀嚼しようとする。本質的な意味合いは何か、根源的に顧客にとっての価値につながるのか、を自問自答する。安易な答が道端に転がっているわけではないと分かっているため、市場関係者へのヒアリングなどにより仮説検証-再構築を地道に繰り返し、よりよい方向を見出そうとする。

ウサギの目にはまどろっこしいように映るが、常に着実に前進するので、結局はこれが早道なのだ。

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欲しがる人を見つければ何でもレンタルできる時代

今月からあるシェアリングビジネスに関する調査をやっている。そのために様々な公開資料に現れている事例やら研究、そして記事をむさぼるように読んできた。

クルマ、家、服、空きスペース…。誰にも使われずに「ひっそりと眠っているモノ」「一見、価値がなさそうなもの」を「求めている人」とマッチングし、借りてもらうというビジネスが世の中で動き出している。これで成長中のベンチャー企業もいる。使われていなかったモノをレンタルするというこのスタイルが私たちの生活をどのように変えるのか。

そんな中で、10月06日に放送されたガイアの夜明け“「貸す」と「借りる」の新時代〜進化するレンタルビジネス〜”を録画で観たが、少しヒントをもらえた。番組はちょっと変わった例を幾つか紹介してくれた。

鎌倉を代表するお寺の一つ、建長寺。800年の歴史を持つ古刹で、小生も何度か訪れたことがある。旅行サイトを運営するベンチャー企業のロコパートナーズが気分を変えて会議をするため、1時間9000円で敷地内の古民家を借りていた。寺の住職はこの古民家の活用方法を模索していた。

これを仲介した会社「スペースマーケット」は去年設立したばかりのベンチャー企業で、社員数16名。スペースマーケットでは様々な施設を使われていない空き時間に貸し出しているそうだ。

猿島は毎年約11万人が訪問する観光スポットだが冬は閑散期。スペースマーケットの重松社長は島を管理する横須賀市役所へ赴き、吉田市長に12月~2月の閑散期に島をレンタルする直談判に成功した。市にもレンタル料が入る、意義のあるビジネスだ。

最近はタイムズ24など、無人駐車場システムが全国様々なところに拡がってきたが、それでもなお都市部や観光地では駐車場が足りない状況が続いている。今まで使われていなかった意外なスペースを駐車場にすべく、新たな動きが始まっている。

開いているスペースを駐車場として貸し借りできるサービス「akippa」は10日前からインターネットで予約でき、値段も割安なのが売り。利用者の支払いのうち、6割がレンタル料としてスペース保有者に入る仕組みだ。

2014年4月にサービスを開始、最近は少しだが知名度も上がってきている。現在駐車場は全国に約3400ヵ所、利用者は約3万4000人に上る。従来、デッドスペースには何か置くか、そのまま空けておくしかなかったのが、場所によっては月に4~5万円稼ぐ人も出ているそうだ。

丸亀製麺の一之江店はランチのピーク時には33台分の駐車場がすぐ満車になる。店の前には駐車場待ちの車の大行列ができるが、店内には空いている席もあり、諦めて他に行ってしまう客もいる。丸亀製麺を運営するトリドールはakippaに駐車スペースを探して欲しいと依頼。担当者は徒歩2分圏内に10台分の駐車スペースの開拓に挑むこととなった。

これまでにない大手との取引ゆえ、担当者の女性も非常に力が入っているのがよく分かる。周辺のめぼしい駐車スペースを見つけては家主・地主に交渉をしたが、大半は門前払いか、断られていた。それでも何とか徒歩圏内の場所に10台分の駐車スペースを確保。次はそれらが使えるかだ。

駐車スペースの運用を開始するため、専用の目印を設置。客を誘導する警備員に手作りの地図を渡した。最初の誘導客は地図を読み違えて違う方向に去ってしまったが、その後は誘導が効いたのか、うまく駐車スペースが回り始めたことで、店の前の車の行列が解消された。

閉店後、一日の売上がこれまでの週末に比べ、来客数は約100人も増加。売上は安く見積もって約5万円増加となった。成功である。担当者の菅田さんは「法人に対する営業方法を確立して、より多くの貸し手や借り手のお客様をつなげていければ、なくてはならないサービスになると思う」と述べていた。

最後の例は貸倉庫。「エアークローゼット」は月額6800円でコーディネートされた服が3着届くレンタルサービス。送り返すと何度でも違う服が届く。プロのスタイリストが、コメント付きで選んだ服を送ってくれる。衣装を管理する寺田倉庫のサービスで、貸し出す服の撮影、梱包から配送までを手がけている。なかなか面白いところに目を付けたものだと思う。

寺田倉庫は1950年に国がコメを保管する倉庫として創業。その後、富裕層向けにワインや美術品などを保管してきた。年商約160億円、従業員約100人の中堅倉庫会社。一般向けのトランクサービスでも有名だ。

絵のレンタルサービス「レンタルト」は、画家の絵を寺田倉庫が無料で保管し、気に入った人に貸し出し、レンタル料金を保管代に当てるサービス。もし絵が売れれば販売価格の7割が画家の収入になる。現在約500人の画家から約5000枚の絵を保管している。そのうち常に約1000枚を貸し出している。

ある利用者は何か飾るものを探していた時にレンタルトを知り、「ずっと飾りたいものもないので、マッチしたサービスだなと思った」と述べていた。このサービスは初耳だったが、こんなニーズがあるんだと感心した。

寺田倉庫の月森さんは新たなレンタルサービスを始めるため動き出していた。訪ねたのはhesoという女性作家グループのアトリエ。絵の他に、置物や雑貨のレンタルを新たに開始しようとしている。

アトリエの物置には作品や道具などが溢れていた。今までなら何のお金にもならずに場所だけ取っていたのが、「お金を生んでくれる」と約30人の作家から続々とアート作品が集まった。期待は高そうだ。この新しいサービスは11月中旬に開始するそうだ。

こうした新しいマッチングサービスがどんどん生まれる背景には3つあると思う。一つは価値の多様化。もう一つはスマホの普及とICTレベルの向上。最後は宅配便の普及。要は、欲しいと思う人が数人でもいれば、マッチングが可能になり、リーズナブルなコストで送り届け、一定期間後に返却してもらうことが簡単にできるようになったからだ。時代の賜物ともいえる。

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パーティとカゼ菌

先週の木曜夜にインターウォーズ社の20周年パーティに参加した。思ったより重鎮(なぜか新潟県知事や大企業の社長ら)が数多く参加されていてびっくりした。この会社、こんなに大手と取引があるのだと(弊社自身は、取引なし)。そしてこの会社のビジネスをようやく多少は理解できた(と、挨拶の数人が言っていた通り)。

会場で見知った人は少なかったが、それでも数人と再会や名刺交換をした。こうした立食パーティでは相変わらずだが、食事を取りながら知り合いを探すのは大変だ。パーティ自体は冒頭こそ派手だったが、意外と早く終わり、家路に就いた。

問題は翌日の金曜から始まった。どうも体が重いのである。そして頭も少々痛かったことは覚えている。翌日土曜にも軽く仕事をしたが、夕方になると喉が痛くなり、どうもこの時点で、体調はおかしくなっていたようだ。

翌日は完全に風邪ひきモードで、朝から病院探し(日曜なので)。近所で日曜に営業している内科が極端に少なく、ネットで調べて行ったところは小児科がメイン。そこに紹介されて行った最近開店した医院は午前中というのに、「待ち時間2時間」と告げられてしまう。順番が近づいたらケータイに連絡もらうことにして自宅で横になっていた。

結局、連絡が来たのは約4時間後。少し熱も出てきて、体調悪化も加速していた。大慌てで駆け付け、診てもらったが、あまり話がかみ合わない(当方も声が掠れてしまっていた)。どうも見掛けではそんなに腫れていないというのだ。抗生物質を要望したが、結局、簡単な薬の処方箋しか出してもらえなかった。結論から言うと、この処方箋、全く見当外れで、咳き込むことが激しくなり、熱も出てきて、結局その夜は一睡もできず、体調は最悪となった。

最悪の朝を迎えた今朝になって、眠りに就けるような薬の処方箋を改めて出してもらおうと、その医院に行ったら、何と祝日は休み。診察券で確認したつもりだったのに、ぼうっとした頭では何をやってもダメなようだ。

とにかく今日は昼寝をすることと、今週のスケジュール変更調整だけに集中した。パーティで拾ってきたカゼ菌は小生のスケジュールをめちゃくちゃにすることに大成功したようだ。

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あとはISDS条項と農業強化策だ

TPPの大筋合意が発表された。強気一本やりで合意形成力の弱いフロマン代表に振り回されながらも、根気強く交渉を続け、米豪仲介などに多大な努力を傾けた、甘利担当相をはじめとする交渉団に大いに敬意を表したい。

早ければ年内にも事務レベルでの協定案が作成され、日本では1月からの通常国会で審議されることとなる。とはいえ各国での国会承認待ちの上での批准となるので、実際の条約発効は2016年一杯掛かるとも云われる。まぁ5年も交渉に欠けたのだから、あと1年くらいは待ってもよかろうといったところか。

もっとも、参加国の政局事情にもいろいろあり、カナダのように今の与党が政権を滑り落ちる可能性が高いところもあるので、順調に各国の承認・批准が進む保証もないらしい。GDPベースで85%以上を占める6ケ国以上が2年以内に批准しないと発効しないということは、日米どちらかが批准できないといけないことになるそうだ。

既に日米交渉で大筋を決めていた線からすれば今回の合意の内容はそれほど外れてはいないが、米国はこれから大統領選挙が本格化するので、揉めるリスクがゼロではない。民主党の大統領候補は多分、ヒラリー・クリントンかバイデン副大統領に落ち着くだろうが、その選考過程でカードの一つとして、労働団体が「批准するな」と大統領候補者に圧力を加えるかも知れない。

共和党はTPPに対し賛成派が多いが、草の根組織のTee Partyの影響力を受ける一貫性のない候補者、D’donald Trumpのようなハズレ者が最後まで残った場合などには、どんな無理難題を持ち出すかは分からない(彼らには「貿易」「マクロ経済」などという「高度な概念」は難し過ぎるのだ)。

では我がニッポンはどうだろう。与党・自民党&公明党は全体としてはTPP賛成派だ。しかし農業県出身の代議士はぎりぎりまで抵抗するだろうし、民主党などは与党を困らせるためだけに反対運動をするのではないか(元々民主党政権がTPP交渉を開始したのに、最近の岡田さんは筋を違えることが多い)。

とはいえ、今の大筋合意内容はニッポンにとっては失うより得るもののほうが多いことは明らか。全農など農業関係者団体も、安倍政権に相当骨抜きにされたので、あまり抵抗はできないだろう。結局は次期通常国会あたりで承認されるのではないか。

唯一、このTPP合意で気掛かりなのはISDS条項だ。この扱いに注意を払わないと、将来多くの企業や自治体が泣きを見ることになる。
http://www.insightnow.jp/article/8521

大筋合意内容と事務レベルでの協定案を改めてチェックする必要があるが、きちんと制御できる内容となっていることを祈りたい。

そして残る課題はニッポンの農業強化策だ。政府は今までは専守防衛にしか興味がなかったため、今回もコメ防衛に偏った交渉内容になっていたようだが、本質的にはニッポンの農業もこれからは攻め時だ。農業関係者に加え、地方創生に関わっている方々、そして小生のようにそれらの動きや民間企業を通じてビジネスをサポートしている人間も、もっと知恵を出していかねばならない。

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ウルトラファインバブルが産業構造を変える!?

直径ナノレベル~0.1ミリほどの微細な泡を液体に注入すると、信じられないような効果が生まれることが判明しつつあり、実際に様々な産業に革新が起こりつつある。これをウルトラファインバブル(極小の泡)と呼んでいる。半年以上前に、たまたま別の展示会のついでに覗いた会場で、小生は初めて知った。光触媒と並ぶ日本発のイノベーションであり、世界を変え得る、注目すべき技術だ。

本日、10月6日(火)に放送されたNHK「クローズアップ現代」で「“小さな泡”が世界を変える!?~日本発・技術革命は成功するか~」というタイトルで、ウルトラファインバブルを採り上げていた。実は同じNHKで数日前にも同じテーマで「“ファインバブル”がビジネスを変える!」というのをやっていた。それだけ注目が高まってきたのだ。

極小酸素は養殖魚や農作物の成長を促進し、魚のサイズを2倍にまで伸ばす。極小窒素を水揚げした魚に使えば、雑菌の繁殖を抑え、食品の保存期間を5倍に延長させる。界面活性効果で工業製品の洗浄力は薬品を上回り、最新医療ではウィルスや細菌を破壊、一部高温状態にすれば醸造・発酵にも活用できるなど、といった夢のような効果が確認されつつある。

当然ながら元々は水と気泡に過ぎないので、毒になる可能性は限りなく低いし、環境負荷の面でも心配する必要はまずない。環境に優しく、低額投資で応用が広がる、筋のよい技術なのである。

日本で20年ほど前から研究が始められ、最近一気に実用化が進んだ。開発の主体となっているのは地方の中小企業や大学だ。中でも高知県は、漁業や農業など1次産業の分野で活用が先駆けて進んでいる。

きっかけは、VTRで紹介した魚の養殖業者が、生産減などの課題を解決する方法がないかと、地元の研究者の秦准教授に相談を持ちかけたことだ。その相談を受けて、それまで微粒子などの研究をしていた秦准教授は、本格的にファインバブルの研究に乗り出し、多くの実績を残してきたのだ。

高知県もファインバブルの可能性に注目していて、1次産業だけでなく、ほかの産業にも活用していこうと全面的に県を挙げてバックアップをしているところだという。

今や国際標準作りへ向けての全国の連携も始まっている。日本が独走する「バブル革命」、その成果をビジネスにまでつなげることができるかどうかは、往々にして欧州だけで決まりがちな国際標準づくりにおいて日本の関係者が主導権を取ることができるか否かである。大いに期待したい。

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長く愛されるいい品だけを扱う店は幸いなり

10月1日(木)に放送されたカンブリア宮殿は「長く使える良いものだけを売る!感動百貨店の新戦略」と題し、D&デパートメント会長のナガオカケンメイ氏がゲストだった。この雑貨店の名は知らなかったが、とても興味を覚えた。

東京・世田谷の住宅街に「D&デパートメント東京」という生活雑貨店があり、とても人気だという。売られているのは、60年前から作られ続けている鍋や、50年前から形を変えていない醤油差し(でも液ダレしない)、業務用で無骨だが頑丈・実用的など…消費者から長く愛される生活用品を揃えたユニークな店だ。

どの商品も、一見地味だがシンプルで飽きが来ず、使い勝手を考え抜かれたものばかり。しかも、店員はただ売るだけでなく、歴史や作り手の思いなど「商品の物語」も一緒に伝えて売っている。業務用品の中には本来とは違って生活の場で使うととても素敵で役に立つ、そんな提案もある。そんな品々と売り方に共感した多くの若者が、並べられた商品を次々と買っていく。

そんなD&デパートメントを全国チェーンに育てた男こそ、デザイナーである創業者・ナガオカケンメイ氏(50歳)だ。店を通じて「長く使えるいいもの」の良さを伝えることで、消費者の意識改革を目指しているという。

新たなデザインが次々と打ち出される現代。消費者は流行の最新デザインを追い求め、毎シーズンのように“もの”を買い替えていく。そして、作り手も「大量生産・大量消費」という社会の波に乗り、毎年、買い替えられる「安くておしゃれなもの」を生み出し続けている。デザイナーとしてそんな“短期消費型”の片棒を担いでいた自分の仕事の存在意義と世間の風潮に強い疑問を感じ、ナガオカ氏は新たなビジネスを立ち上げたのだ。

現在、国内外に12店舗を展開(うち国内10都市にはチェーン展開)しているD&デパートメント。全て同じコンセプトで展開をしているのだが、東京と地方では品揃えが大きく違う。ナガオカ氏が是非お勧めしたい商品はもちろん含まれているのだが、地方のD&デパートメントには「その土地らしさ」が色濃く出る地域の逸品が数多く揃えられているのだ。

これはいい。これは地方に住人が地元のよさ、地元で細々ながら作られてきた「今まで隠れていた、でもいい品」を知るきっかけになる。下請けに甘んじてきたが本当に腕の立つ職人が作るいい品というのが地方には多くあるのだ。

地方の店の多くはFC制で運営されているが、ナガオカ氏は、そうした地方のFC店を“地域の良さを伝えて、地域を活性化させる場”と捉えて、少しずつ増やしてきた。もちろん、店を任せるオーナーは、地域の活性化に強い意識を持つ地元の人と面談して選りすぐっている。そして3つ目のFC条件の一つは必ずカフェを併設すること。「カフェに寄ったら隣にいい品が見つかった」というのが理想だという。

「店を地域の情報を発信できる場にする、そして、そんな店を全国47都道府県すべてに展開したい」というナガオカ氏の構想は、少しずつ形になろうとしている。是非、実現して欲しい。

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