甘利氏辞任の報に感じたこと

甘利経済再生相の辞任には驚いた。もしかすると安倍内閣に迷惑をかけるのは不本意と辞めることになるかもな、と家族とは話していたが、これほど早く辞任するとは。素早い行動で内閣を守ろうとしたのだろう。何とも潔いというか、感心すらしてしまった。

ただ日本経済の再生の観点からいえば大いに残念な結末である。よりにもよって交代したのが石原元幹事長とは。大臣経験があるとか政策通だとかいう声があるが、あまりに格落ちであると同時に、かなりのリスク要因である。

甘利氏はTPP交渉で見せたように、非常に粘り強く調整するタフネゴシエータであり、信念の人である。しかし石原氏は失言も多い以上に、政治家としての力量に問題がある。道路公団民営化の過程で見せたように、相手を説得するだけの執念に欠け、信念に欠ける妙な妥協をする人である。この先、TPP合意や経済再生のために国内調整を進め、TPP実施のために細かい海外交渉を進める際に、とんでもない腰砕けをしかねない。日本経済のためには最大級のリスク要因が増えてしまったようだ。

それにしても今回の騒動には腑に落ちないことが幾つもある。マスコミはあまり深く追及せずに「甘利さんが辞めることになるかも」「野党の追及はどうなるのか」という点だけに絞っていたが、むしろ事の真相を明らかにして欲しい。自民党の誰かが言っていたように甘利氏は「罠にはめられた」可能性が高いのではないか。

そもそも自らわいろを渡そうとする人物(建設会社の「総務部長」)がマスコミ(週刊文春)と組んで政治家を告発するというのはどう考えてもおかしい。現金を手渡す時も用意周到に記者が録音や撮影をするなんて、初めから「罠に嵌めよう」と考えていたとしか思えない。しかもその人物は本当は建設会社の社員でもなんでもなく、右翼の筋もので札付きの「トラブル男」として有名な人物だという。

一体どういう意図と筋書きがあったのだろう。「誰が一番得をするのか」から考えると、週刊文春が一番怪しく、彼らが筋書きを練った可能性はかなり高い。仮にそうだとすると、もうまともなマスコミではなく、3流の恐喝週刊誌がやることだ。しかし本来の週刊文春の体質からするとあまりに悪辣過ぎて、にわかには信じがたい。

次に得をするはずだったのは野党・民主党だが、彼らにこんな手の込んだ芝居ができる頭脳と度胸があるとは思えない。一歩間違えば政党として崩壊しかねない(既にその一歩手前ではあるが)、際どい手口だ。

では甘利氏と同じ選挙区の政治家(誰か知らないほど無名か?)あたりが足を引っ張ろうとしたのだろうか。しかし神奈川13区で甘利氏は既に絶対的存在だ。今回のことで選挙民は却って甘利氏の大物ぶりを再確認することになったので、次の選挙でも安泰だろう。むしろこんな汚い手口への関与が疑われたら、その政治家は一生当選の可能性はなくなる。それもリスキー過ぎるだろう。

敢えて深読みをしてみると、ポスト安倍を甘利氏と争う人物が「今のうちに」と甘利氏排除に動いたという可能性はどうだろう。それには菅官房長官が最も有力候補だ。彼ならそうした策略を練るだけの知力があり、仕掛けを指示するだけの胆力もある。しかし彼は悪役を演じることができるが、私利私欲はない。そこは甘利さんと同じだ。

それに第一、あまりにリスキーで筋が悪い。このまま安倍内閣で点数を稼げば次期首相候補最右翼のまま禅譲の可能性が高いのに、こんな馬鹿げた(安倍氏にバレたら徹底的に排除される)リスクを冒すような馬鹿じゃない。麻生さんだって既に首相をやっているので変な欲はない。つまりこれもあり得ない。

一体、誰が何のためにこの右翼崩れの「総務部長」に罠嵌め行為をさせたのか、ライバル週刊誌やTV局は是非、真相追求をしてもらいたいものだ。
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見えてきたAEC発展途上の姿

我が社でも大いに注目しているAEC(ASEAN経済共同体)。人口6億、GDP2兆5000億ドル超の巨大経済圏が誕生。関税の撤廃、通関手続きの簡素化、規制緩和などでヒト、モノ、カネの動きを自由化し、域内経済を活性化させようという試みである。

その動きを伝える番組があった。それが1月28日(木)に再放送されたドキュメンタリーWAVE (NHK)の「動き出した6億人の市場 ~ASEAN経済共同体にかけるタイ~」だ。

ASEAN経済共同体で最初に大きな変革がもたらされるのは物流である。2015年4月、タイ、カンボジア、ベトナムを一本の道路でつなぐ「南部経済回廊」が完成した。すでに整備されている「南北経済回廊」「東西経済回廊」と共に陸上輸送の大動脈として活用され、「物流革命」を引き起こすことが期待されている。

番組ではタイの大手物流会社V-Serveのトラックドライバーに密着取材し、タイからミャンマーへの輸送の実態も映してくれた。確かに以前よりずっと道路や橋が整備され、スムーズな通行ができるようになっているのが分かる。

一番注目したのはタイ~ミャンマー間の国境を越える部分。南北回廊を北上し、次に東西回廊へ入り、メーソートに到着。まだ以前に比べて早くなっているとはいえ、専任者による関係部署持ち回りでも、通関手続きには4~6時間掛かる。これは相変わらず最も非効率な部分だ。

現在、ASEAN各国は、国境を越えたシングルウインドウと呼ばれるネットワーク作りを進めている。シングルウインドウは書類を電子化し、いくつかの窓口もインターネットで結んで手続きを瞬時に行なえるようにするものである。現段階ではこのシステムを相互に接続できるのは5か国にとどまっており、タイはシンガポールに続いて導入が進んでいる(中心となって推進しているタイ財務省情報通信技術部長・ジェーサダーアリヤチャックン氏がコメント)。

その次に、積み荷の中古自転車や家電製品を降ろし、船で川を渡す工程も何とも非効率。橋は架かっているが強度が十分でない為、大型トラックは通過できないのだ。国境の船着き場から川上へ車で30分かかる、東西回廊の難所である。現在(40億円の建設費はタイ政府が拠出し)建設が進められているタイ・ミャンマー友好橋が完成すれば(来年後半予定)、大幅な手間と時間の短縮につながり、物流コスト削減にもなろう。

一昨年の経済成長率は8%を超えるミャンマーの物流を押さえようと進出している日本企業、日本通運の動きも伝えられた。2014年に現地法人を設立、去年6月には巨大な倉庫の運用をスタートさせた。そして首都・ヤンゴンの事務所では19名のスタッフが海上輸送の可能性など新たな物流ルートの開拓にもあたっている。

ミャンマー日本通運が注目しているのはミャンマーの海沿いの町・ダウェイ。港が完成すればインドを巨大なマーケットとして捉えることができるという(ミャンマー日本通運社長・野尻浩のコメント)。日本-南アジアをつなぐ要所としてASEANの南部回廊が位置付けられているのだ。何とも楽しみな地域である。

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終末期鎮静は次善の策として決然と執るべき

終末期の治療および見取りというものについて時折考える。決して今、肉親や近い友人が死にかけているということではないが、小生は子どもの頃に親友を脳腫瘍で亡くし、祖父が数年間寝たきりになって死亡してから、死はそんなに縁遠いものではないと意識できている。

1月19日(火)にクローズアップ現代で放送されていた「“最期のとき”をどう決める~“終末期鎮静”めぐる葛藤~」を観たときも、むしろ死を異常に先延ばしする現代人の多数派の感覚のほうに違和感を覚えるほどである。

番組の冒頭で、激しい痛みを訴える末期がんの男性に対し鎮静剤で眠らせ、3日後に静かに息を引き取った様子が伝えられた。こうした“終末期鎮静”が今、在宅で広がっていること、残された家族や処置をする医師の中には葛藤を抱える人もいることが語られていた。

しかしこの“終末期鎮静”を施した医師が語るように、これは最後の切り札だと思う。本人も苦しみぬかなければならないのと同時に、ご家族も最後の数日苦しんだことは、相当後になっても残るような、辛かった思い出になる。それに対し、痛みを感じないように本人を眠らせてあげるのは「次善の策」だと思う。

積極的安楽死は、日本では違法行為だ。医師が患者に死に至る薬を投与して、患者の命を終わらせるというものだ。一方で“終末期鎮静”は鎮静薬を投与して、患者を眠らせて苦痛を取り除くといったもので、多くの医療従事者は区別して考えている。

とはいえ、薬を投与したあと、患者が命を終えるという側面を見ると、両者はよく似ており、医療従事者の中には「積極的安楽死とあまり変わらないと感じることがある」という回答が2割もあったそうだ。

番組では、残された家族が悩む例も挙げていた。子宮けいがんの末期で治る見込みはないと言われ、自宅で療養することになった39歳の姉が終末期鎮静を強く希望していた。それに反対し続けていたが、最終的に折れてその選択に同意した妹は、その後もその選択がほんとうに正しかったのかを自問し続けているという。

しかしそれは家族のエゴではないのか。本人が苦しみ続け、眠らせてくれと懇願しているのに、自分たちのために少しでも長く生きて、苦しみ続けてくれと考えることは。

もちろん、最期の最期にうなずいたり、いろんな意思表示ができたり、にこっと笑ったりしてから亡くなると、遺族も「よかった」と思うだろう。それが理想的な死に方だ。完全に寝てしまうと、意思疎通のないままで死ぬわけなので、あとから悔いが残るというケースがあるのだ。

しかし終末期鎮静では理想的な死に方にならないからといって、苦痛の緩和の最後の手段を執らずに苦しむままにしておくとしたら、そのほうがよほど残酷な「生殺し」だろう。しかも単に死を先延ばしするだけなのである。

理想的でなくとも次善の策を、医師は勇気をもって薦め、執るべきだ。そして患者家族が公開しないよう、納得できるように、腹を割って対話すべきだ。

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外国人技能実習制度を廃止せよ

それは国がサポートする外国人向けブラック雇用制度。その実態は今や諸外国からも糾弾されつつあるばかりか、必然的に急増している技能実習生の逃亡・失踪は不法就労に直結している。勇気をもって止めよう。


現在日本では、16万人の外国人技能実習生が働いている。本来同じところで技能を学びながら働き続けるはずの、その実習生の逃亡が急増している。H24年で2,007人、H25年で3,567人、H26年で4,851人というハイペースである。過去10年間では25,000人に上るという。この制度は破綻に向かってまっしぐらなのだ。

「外国人技能実習制度」というのは「発展途上国の人材が最長3年の期限で働きながら日本の技術を学ぶ仕組み」であり、平成5年に創設された。対象地域としては中国とASEANの発展途上国が多い。

政府は建前上「途上国の経済発展に資する国際貢献」と位置付けている(公益財団法人 国際研修協力機構=JITCOによる)。しかしその実態は、日本人が嫌がる3K(きつい、汚い、危険な)職場において外国人労働者を安くこき使うための短期雇用制度に過ぎない。

外国人単純労働者の受入れに慎重な日本社会の世論に対し、「技能実習生は短期間だけ滞在し、技能を習得すれば母国に帰るので、日本人の就業機会を奪うことにもならず、将来にわたって住民間の摩擦増や治安悪化を生む懸念もない」という言い訳が立つように、基本は1年間、その後1年ごとの延長で最大3年を限度としているものだ。

こんな嘘で固めた歪んだ制度であるため、様々なほころびが生じている。その最たるものが信じられないほど酷い労働条件の放置と、その結果生じている技能実習生の逃亡・失踪の急増である。

この技能実習制度では賃金の低さや不払い、過労死さえ生む長時間労働やセクハラが度々問題になっており、実習生が逃げないようにパスポートを取り上げたり、強制的に貯金として積み立てさせたりしているケースが少なくない(日本側のコーディネート組織が顧客企業に懸命に注意しているくらいだ)。過去には雇い主に反発した実習生による殺人事件すら起きている。まさに「21世紀の奴隷制度」と呼ばれる所以である。

米国務省の報告書で2年連続して「強制労働」と指摘されるほど、国際的な批判の対象になっている(国務省勤務の友人による)。いくら日本が「オモテナシ」などと愛想よくしても、この実態が伝わるだけで日本に対する印象は暴落するに違いない。既にネット上には情報が洩れ始めている。「悪事千里を走る」というのは現代にも通じるのだ。
The Worst Internship Ever: Japan’s Labor Pains

もちろん、「タコ部屋」ともいえるほど極端に悪い労働環境に閉じ込めているような悪質な企業や農家は一部に過ぎないと信じたいが、大半の企業・農家での労働実態は「技能習得」という名目とはかけ離れたものだと指摘されている。

つまり、母国に持ち帰る価値のある高度な技能を教えてもらえる機会などなく、延々と単調な作業を繰り返すものだったり、または単なる力仕事だったりするという指摘である。それが体を壊すほど長時間続き、「技能実習」という名目ゆえ不当に安い賃金に抑えられているのだ。

もちろん、雇い主側にも言い分はある。彼らは単に「働き手」が欲しいだけで、自分たちがこんな制度を欲した訳ではないし、その現場には「教える高度技能などほとんど存在しない」というのが多くの本音だろう。それにたとえ何らかの専門技能の蓄積があったとしても、最長でも3年で帰国する外国人に対し熱心に指導する気にはなりにくいだろう。これは本質的に欠陥制度なのだ。

技能実習生の側にはさらに切羽詰まった事情が存在する。多くの実習生はこの制度に応募する段階で本国の仲介者に大金を支払うため、多額の借金を背負っているのだ。その仲介金たるや(国や仲介者によって大きな開きがあるが)日本円にして100~200万円とされる。現地通貨に直せば、田舎なら家が一軒建つほどではないか。

それほどの大金を支払ってまでも日本で働きたいというのは、過去に日本へ出稼ぎに行って大成功して帰国した人の事例を聞いているからだ。それは為替が円高だった時期で、かつ日本の製造業がまだ元気だった頃には事実だったかも知れないが、今やあり得ない幻想だ。

家族と親戚一同からかき集めた金に加えて、多額の借金までして、一家の期待を一身に背負って日本で働き始めた実習生はやがて、事前に訊かされていた話とは全く違うことに気づくのだ。

母国で使えない「技能」、朝から晩までの長時間労働、借金を返すにはあまりに安い賃金。雇い主に「話が違う」と訴えても、「文句なら中国の仲介者に言え」とされる。ブラックな実態を日本の役所に訴えて、もし受け入れ中止となったら自分は帰国させられる。そうしたら残るのは大きな借金だけだ。そう考えると、泣き寝入りするしかない。

そんなのっぴきならない状況に陥った彼ら・彼女らに、日本にいるブローカーが甘い声で近づく。「そこを逃げろ。もっとずっと稼げるところがある」と。こうしたブローカーは、安い外国人労働力を探している他の日本企業や農家に実習生を仲介して稼ぐのだ。当然これは非合法である。雇い入れる企業・農家もまた非合法であることを認識しながらも、逃亡した元実習生ならば安く使えると考えているのだ。

それでも最初の引き受け先よりましだと考え、借金を返すためにあえてリスクを冒して逃亡・失踪する実習生が後を絶たないのだ(中には最初から失踪するつもりで入国する実習生もいるかも知れない)。

当然、逃亡して別のところで働き始めた時点で技能実習ビザの条件を踏み外すことになり、日本の法律を破ってしまうことになる。一旦こうなるとまともなところは雇ってくれないので、この元実習生は「不法就労」の坂を転げ出す。

より稼ぎのよい職場を求めて転々とする過程で、不法就労外国人の一部は同族系の犯罪集団に組み込まれていく可能性も高まる。彼らは母国を同じくする点で結束力が高く、自分たちを受け容れなかった日本人に対してより凶悪な存在となりやすい。

つまり将来の日本社会における摩擦増や治安悪化を避けるための苦肉の策である今の技能実習制度は、現在の日本社会における外国人単純労働者の不法就労を促し、外国人犯罪集団への人材供給役を果たしているのだ。何という皮肉だろう。

これほど本来の(建前上の)趣旨と実態とがかけ離れ、かつメリットよりもデメリットのほうが数倍も大きくなっている制度は即刻打ち切るべきである。

「そんなことを言っても、人手不足の現場はどうするんだ」という声が聞こえてきそうである。そこで、思い切って現実的な政策転換をした韓国の例が参考になる。

実は10年程前までの韓国は日本の外国人技能実習制度と似た制度を運用していたが、同様のジレンマに苦しんでいた。劣悪な労働環境・条件のせいで、既に雇った外国人には逃亡され、新規の外国人労働者は思ったほど集まらなかったのだ。

そこで従来の民間主体の受け入れ体制から、政府が主体となった『雇用許可制度』へと180度転換したのだ。韓国人を対象に募集して集まらなかった職種のみ、国が外国人労働者を募集する。韓国人に対するのと同じ給与条件で、だ。

政府が責任をもって受け入れる外国人労働者を人材データベースに登録し、企業が希望する条件と合致する人材をその中から紹介するのだ。実際に働くようになってからのトラブルにも政府機関が間に入って対応する。

就労期間も(日本の3年間に対し)最長で9年8か月と、技能・ノウハウを習得するのに十分な長さだ。転職は(日本では認められていないが)韓国では3回まで認められている。

当事者の外国人労働者の視点から見て、日本と韓国のどちらに出稼ぎに行きたいと思うだろうか。送り出す外国政府としてはどうだろうか。答は明白だ。実際、アジアでの日本の「外国人技能実習生」の募集事業は韓国や台湾に完全に競り負けている、と我々は聞いている。

この状況下、「外国人技能実習制度」を小手先で手直ししても(受入れ団体・企業に対する指導強化、雇い入れ期間を最大5年に延長、など)、期待効果はほとんどない。外国人だから安くポイ捨てして構わないというような、根本が腐っている制度をお化粧しても仕方なかろう。

震災復興と東京オリンピックの準備という短期特需に対応すべき建設業界だけは例外扱いで、韓国のように政府が主体になって責任ある受け入れ体制を築き、あくまで期間限定で凌ぐしかない。そしてこの「技能実習制度」は潔く廃止すべきだ。

それでは人手不足で立ち行かない中小企業や農家が幾つも出る?弱音を吐く前に工夫をしよう。条件さえまともで柔軟(例えば数時間ずつ数人で組み合わせるなど)なら、中高齢者でも女性でも働きたい人は近所にまだまだいるはずだ。

そもそも極悪な条件でしか人を雇えないような中小企業や農家には、大幅な縮小か、いっそのこと廃業してもらって結構ではないか。冷たく聞こえるかも知れないが、日本人の面汚しと外国人犯罪者を増やすよりはずっといいだろう。

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個別化する?GMSの新店舗づくり

小生の近所のアピタが昨年11月に閉店した。選択肢が一つ減った結果、それまであまり行かなかったコンビニスーパー「マイバスケット」というイオン系の店に時々行くようになった。全体としての品揃えはしょぼいが、コンビニよりは食品類が多く、買い足し的なものは代替できている(よく考えると、元々アピタをそれほど利用していたわけではないのだ)。

これはまだましな例で、全国では「買い物難民」が増えつつある。一時は地元の商店街を駆逐した大手スーパーが不採算店を軒並み閉鎖させているからだ。1月14日に放送されたガイアの夜明けではそうした大手量販店の店舗リストラの様子を伝えていた。

最初に映されたのは兵庫県の西友高砂店の閉鎖。1976年に開業し、人口約9万人の地元に根付いて40年。生鮮食品はともかく日用品や電気製品の売れ行きが悪く、総合スーパーとしては立ち行かないと判断されたのだ。地元の戸惑いの声が響いていたが、人口減と高齢化、GMSでのダサい衣料品の組み合わせでは生き残りは難しかろう。

続いては、2015年度の中期決算で99億円の赤字を出した結果、大きな戦略変更を決めたイオン。地域の特色に合わせてそれぞれ異なる店舗を作ることにしたのだ。

東京大田区にあるイオン御嶽山駅前店が特にフィーチャされていた。ここはリニューアルオープンしたばかり。ここ数年でマンションやアパートが増えたことによる客層の変化に合わせて、ターゲットを35歳から45歳の主婦・単身者へと大きく変えた。

会社帰りの客からの要望が多かったことから、惣菜の数を倍増。また、オーガニックや健康食品など、働く女性を意識した商品の充実を図る一方で、テラス席を設けて親子が一緒にくつろぐスペースを設けた。

そして最大の目玉が、ワインを飲みながら食事を楽しむことができる本格的なバル。駅前という立地を生かして会社帰りに寄ってもらおうと考えたのだ。バルで販売されているワインなどのお酒は、約2500種類を取り揃えた別の酒類売り場で販売されている。バルで飲んで気に入ったら購入して自宅でゆっくりと堪能してもらおうという狙いだ。

御嶽山駅周辺の客層がどんなものなのか知らないが、同じ東急沿線とはいえ池上線沿いなので、交通の便は悪く、比較的小さな商圏なのだろうと推測される。ただ大田区ではあるので、周辺住民の所得水準は低くはないのだろう。

放送で観る限り、このイオンの店舗はなかなか洒落た雰囲気になっており、従来のGMSとは一線を画す感じだ。これで成功すれば、イオンはきっと、山手線内と東急沿線の店はこんな風なプチ高級店舗に変えていくのだろう。小生は大資本の店は個人的には好きではないが、今までの画一的でつまらない店が減り、個性的な店が増えることは住民にとってはよいことだと思う。

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スマートライティングで省エネを

街灯・道路灯・信号が誰も通らない時には消灯する。人やクルマが通るタイミングに合わせて点灯・作動する。今のICT技術ならこんなこともできる。しかし技術力はあるはずの日本社会での実現の目途は立っていない。


真夜中の2時とか3時過ぎといった時間帯に、郊外をクルマで走ったことはないだろうか。近所を歩いたことはないだろうか。そんなときにでも道路灯や信号、もしくは街灯はずっと点灯していることに違和感は覚えないだろうか。

都会にいるとつい忘れてしまいがちだが、本来真夜中というのは闇のはずなのだ。

昨今は結構な田舎でさえも信号と道路灯がかなり整備されており、真夜中というのにずっと先まで点いているのが見える。しかも感応式でない大半の信号は、律儀に色を切り替える動作をずっと続けている。全く通過するクルマや人がいなくとも、だ。ちょっと離れたところから見ていると、かなり間抜けな感じだ。

もちろん、この明るさに救われるという声があることも承知している。帰宅途中の街灯が明るくなければ大半の女性は怖くて仕方ないだろう(実は男だって同じだ)。車道を先まで照らしてくれる道路灯や信号が機能しているからこそ、安心して目的地に向かうハンドルを握れるというものだ。

しかしそれはあくまで歩行者やクルマが通る際に点灯していればいいだけだ。誰も通らない時にまでずっと点いていなければいけないというものでは、本来ない。ただ単に今までは自動的に切り替えるのが技術的に難しかったのだ。

しかし現在のセンサー・ネットワークと連動した情報通信技術というものは恐ろしいほどの進化を見せている。ある地点に人がいることを感知し、そこから進める先の場所の街灯を次々と照らすことは朝飯前なのだ。

歩行者に比べて速度の違いはあれど、道路におけるクルマについても同様だ。A地点からB地点に向かったクルマの速度を勘案して、どれほど先の信号や道路灯を点けておくと安全なのか、ちゃんと制御センターのコンピュータが自動計算して、余裕を持って点灯させておくことができる。

これが道路網と交通事情に合わせてセンサーと信号・道路灯がネットワーク化されて連動する「スマートライティング」と呼ばれる仕組みだ。

これによって(いくら夜間料金で割安とはいえ)公共部門が無駄に税金を費やしている電力料金が削減できる。ついでに云えば、真夜中に星が見やすくなるという効果も少しは出るに違いないし、道路沿いで飼われている動物が寝不足になるという話も少しは減るだろう。

え?そんな田舎に住んでいないので関係ない?いやいや、国道なら国交省経由で直接に、県道・町村道の信号・道路灯でも路地の街灯でも地方交付税という形で間接的に、それぞれ貴方も負担させられているのだ。だから全ての地方における無駄遣いに反対すべきなのだ。

尤も、理屈の上では全く問題がなくとも、人の心配のネタは尽きない。「自転車は感知されないのでは」「小動物がうろつくだけで、人と間違って点灯し続けるのではないか」「クルマが何かの拍子に故障して立ち止まった途端に道路灯が全部消えてしまい、周りが真っ暗になってしまうのでは」…等々。

そのために今、省エネ意識の高い欧州を中心に、公共の「スマートライティング」プロジェクトが幾つか走っており、想定外の問題が生じないのか、どういうタイミングで切り替えるのがベストなのか、様々な検証作業が進んでいる。

旧来の水銀灯や白熱灯からLED灯に切り替えることですぐに現れる省エネ効果が一番大きいのが実情だが、さらに省エネ効果を引き出そうと熱心に取り組まれているのが、ここまで話してきた「誰も通らない時には消灯する」という自動切り替え機能だ。

それに水銀灯や蛍光灯と違って、LEDだと消灯・点灯を繰り返してもすぐに照度も上がるし寿命も縮まらないので、こまめに切り替えることが実用的な節約に直結するのだ。

こうしたプロジェクトで蓄積された知見がやがてICTベンダーが提案する道路交通システムや都市管理システムに反映され、街ぐるみの省エネが期待されるのだ。欧米および豪州・NZではそうしたシナリオが着々と進んでいる。

世界市場をリードしている有力なベンダーとしては、米Streetlineや米Silver Spring Networksが代表といえよう。

それにしてもICT企業の少なくない日本で、しかも信号が無駄に多い日本で、あまり公共「スマートライティング」プロジェクトが行われていないのはどうしたことだろう。

日本で「スマートライティング」というと、商業施設および工場などでのLEDへの切り替えぐらいしか目立たない。残念ながら街灯や道路照明・信号の「スマートライティング」はなかなか日本では実現していないのだ。これは、国交省・自治省・総務省(警察庁を含む)間の連携がほぼないことが影響していそうだ。もしかすると必要性さえ感じていないのかも知れない。

海外での「スマートライティング」プロジェクトに日本企業が参加しているケースも今のところほとんどないようだ。したがって、その成果である知見を持ち帰って日本で実用化するというシナリオは、このままでは待てど暮らせど実現しないのではないか。少々気を揉む事態だ。

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善悪二元論で語れない“無届け介護ハウス”の現実

国の想定をはるかに上回る速度で、介護が必要な高齢者が増え続ける中、20年前に設計された介護制度には様々なほころびが生じている。介護施設の絶対的不足というのがその最たるものだ。しかしポイントは「施設」という入れ物ではなく、そこで働く人手が不足しているという事実である。

2015年12月6日(日)に放送されていたNHKスペシャル「調査報告 介護危機 急増“無届け介護ハウス”」が録画されていたものを観た。何とも深刻な事態であることが改めて明らかになったが、救いは、番組制作者が単純に「“無届け介護ハウス”は悪い施設だ」と断罪する態度ではなかったことだ。そんな簡単な話ではないのだ。

番組は、法律で定められた行政への届け出を行っていない“無届け介護ハウス”が、全国で急速に拡大している実態を伝えてくれた。背景にあるのが、正規の老人ホームに入れず、家族による介護も受けられない高齢者の急増だ。

比較的収入が少なくても入所できる「特別養護老人ホーム」(=特養)は、52万人が入所待ちと元々「狭き門」である上、今春には新規の入所条件が要介護3以上に限定され、入所はさらに難しくなった(かといって既存入居者のうち要介護度2以下の人を追い出すわけにもいかないのが実態だ)。

一方、病院は患者の7割以上を“在宅”に帰さなければ、診療報酬が加算されないため、次々と高齢者を退院させる。社会保障費を抑制しようと「在宅介護」を推し進めようとする国の政策が、皮肉にも、行き場のない高齢者を急増させ、 本来国が認めていない“無届介護ハウス”へと高齢者をいざなう事態となっているのだ。つまり国の「無策」がこうした事態を招いていることを浮かび上がらせているのだ。

“無届介護ハウス”で暮らす高齢者は、入居待ちや利用料の問題で正規の施設には入れなかった人ばかり。もし法律に従って届け出がされると、個室になって(人手が余計に掛かるため)利用料が上がってしまい、行き場を失ってしまう。

そして年金を10万円以上もらう人にとっても、無届けの施設は最後のセーフティーネットになっている。年金を25万円ほど受け取る元国家公務員の夫とその妻が例に登場していたが、夫が病気で倒れてしかも痴ほう症になってしまい、入院・手術料などでその年金でも全然足らなくなってしまっていた。

取材者は「次第に、悪いのは、高齢者の受け皿を確保できない介護保険制度の方ではないかと感じるようになりました」と語っている。それが真実なのだ。

しかし一方で、行政の目が行き届かないため、虐待が放置されていたり、介護報酬が過剰に請求されたりする悪質なケースもかなりある。それもまた、無届け介護ハウスの一断面だ。

結局、“無届け介護ハウス”は良い施設なのか、悪い施設なのか。「一年かけて取材したが、私にはどちらとも言い切れません」と取材者は語る。「だからこそ番組では、無届け介護ハウスの良い面も悪い面も、丹念に取材する道を選びました」「現実はとても複雑で、善悪二元論だけで片付けられないということを、今回の番組を通じて痛感させられました」、と。実に正直な感想だ。

無届け介護ハウスが映し出す今の現実を映した、よいドキュメンタリー番組だったと思う。

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”伝統の味”を進化させる“新しい仕組み”

1月7日のガイアの夜明け「”伝統の味”を打ち破る」の後半で紹介されていたnifty提供のサービス「うまいもんプロデューサー」が興味深かった。

食品を開発したい事業者が30万円を支払い、サイトに登録。するとアイデアや意見を出したい一般のユーザーがプロデューサーとなって、一緒に商品開発をしてくれるというものだ。 https://umaimon-p.nifty.com/ 


クラウドファンディングの出資者が金を出すのと同様、この場合は試食などの時間当然、と自分なりの意見を提供してくれるわけだ。当然、自分の意見を取り入れた商品が発売されたら、一生懸命に知人への宣伝も手伝ってくれるだろう(クラウドファンディングの場合も同様の傾向がある)。このサイトとバックにいる電通も宣伝に多少は協力してくれるが、ガイアの夜明けのようなテレビ番組で採り上げられるのが何といっても一番強力な宣伝ツールであることは間違いない。

さて、売上げの減少に頭を悩ませていた秋田県の老舗佃煮屋「佐藤食品」の4代目、佐藤賢一さん(31)もこのサービスに賭けてみた。うまいもんプロデューサーに寄せられた意見を基に新商品開発に乗り出したのだ。それがトマトを使った佃煮だった。

まず、トマトのエキスを使用してトマト風味の爽やかな佃煮を目指した。その製法は従来の製法とは全く違うもの。佃煮のメリットである保存性を多少犠牲にして美味しさを最優先し、”浅炊き”という製法を採用した。

しかし佐藤さんの佃煮を応援する約400人のうまいもんプロデューサーの内、9人が参加した試食会では「トマトの味がしない、魚の臭みが気になる」等々厳しい意見が続出。

秋田に戻った佐藤さんは、試食会で指摘された魚の臭みを抑える対策として酢を使うことにした。さらにトマト風味をより強く打ち出すために、トマトピューレを使うことにしたのだ。うまいもんプロデューサーの一部に試作品を送って食べてもらったところ、結構公表である。

意を強くした佐藤さん。「黄金佃煮 生炊若さぎ 完熟トマト」と銘名した商品を携えてやってきたのは、三越の恵比寿店。テスト販売に望むためだ。売れ行き次第で今後の取引が決まる。佐藤さん自らが売り場に立って試食を勧めると、試食した人たちが次々に購入。用意した50個が完売した。新商品は見事、三越恵比寿店で扱ってもらえることになった。

伝統の味も挑戦することで進化する。それを実証するような話だったが、それをサポートする仕組みができたことも大きいと感じた。

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ワシントンホテルは常に進化している

年明け早々の出張で仙台に来ている。首都圏に比べ何とも寒いのと、元旦に開いている店が少ない(アーケード街が巨大なシャッター商店街に化している!)ことには閉口したが、幸い、事前に探しておいた牛タンの店(昼)と、ネットで見つけた洋風居酒屋(夜)のどちらも安くてうまかったので大満足だった。

さて宿泊は仙台ワシントンホテルだ。元々はビジネスホテルとして有名なチェーンだが、ここは観光ホテルの作りになっているようだ。昔からワシントンホテルを使うたびに、その効率性と清潔性には感心することが多いが、今回もその進化ぶりに感心させられた。

まず、デッドスペースがほとんど無く、しかも部屋の広さにしては窮屈さを感じさせない造りに感心する。そしてアメニティや備品、施設の充実ぶり(かつ無駄のなさ)にも感心する。薄型テレビのお蔭もあるだろう(ちなみに小生は出張先ではほとんどTVは見ないが)。

しかし今回一番感心したのは、浴室である。かなり広い浴槽というのにまず好感をもったのだが、シャワーを使って初めて気づいたのは、その水滴の飛び跳ねが少ないこと、そして何より飛び跳ねの音がほとんどないことだ。多分、抗菌仕様になっていると思われる床が音を吸収するようになっているようだ。

地方のビジネスホテルで意外と気になるのが、隣の部屋のシャワーの音である。朝、隣の部屋が早い出発だと、こちらがベッドの中なのに聞こえてくる音で目が覚めたことがよくある。いわゆるユニットバスだと、床面が薄く、その下に空間があるため、水跳ねの音が響くのだ。それがこの仙台ワシントンホテルの場合、ほとんどないのだ。

高級ホテルの場合、タイル貼りの床になっていることが多いが、あれだと多少滑るのと、綺麗に洗うのが難儀で、目地の部分が汚れていることもよくある。それに比べ、ここのは清潔で水捌けもよい。しかも粛清性のお蔭で隣部屋に気を使う必要もない。大したものだと感心した。ワシントンホテルは常に進化しているのだ。

テーマ : 経営コンサルタント
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