やせ細る地方の実数を示す統計データに向き合って

先日来、あるプロジェクトの関係で、全国のいくつかの特定市および特定県での様々な統計データを調べている。人口や、飲食店数とか小売店数などだ(実際にはもっと細かいが)。

弊社の調査担当が、各自治体のホームページを当たってもなかなか適切な数字が見つからなかったのだが、ようやく総務省の経済センサスのエクセルファイルも入手でき(なかなかお目当てのファイルが見つからず苦労していたが)、概ねカバーできるようになった。

それにしても自治体によって統計データの取り扱い態度がバラバラなのがよく分かった。分かりやすく丁寧に直近の統計データを示している自治体もあれば、随分古い数字を平気で示している自治体もあり、また鹿児島県・市のように「総務省のホームページはこちら」と丸投げのところもある。

そもそも総務省の経済センサスの分類についても一次産業や二次産業は丁寧な分類がなされているのに、最も数が多く従業員数も多い三次産業はかなりいい加減だ。小売と卸を一緒くたにしていたり、飲食業と宿泊業を一緒にしていたりと、統計データの意味がないではないかと思う前近代的な扱いだが、これが日本の役所の実態だろう。

それと同時に改めて感じたのは、年を追うごとに人口や事業者数が着実に減り続けている実態だ。実数を追うことで改めて実感でき、そして背筋の凍る思いもした。これが少子高齢化と人口減少の進む日本の地方の現実なんだと、改めて向き合う思いだ。
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秋田の自殺者数を半減させた“命の駆け込み寺”

経営コンサルタントという職業柄、様々な仕事をしている人の話を聞く機会がある。経営者の話もしかり。そして経営者の場合、往々にして過去に「どん詰まり」の経験を一度や二度はしているものだ。

そこで幸いにして回復し立ち直れた人もいれば、残念ながら倒産してしまった人も少なくない。しかし問題は、倒産したことで人生の甲斐を失ったり、家族が借金を背負ってしまうことを恐れるあまりに思い詰めたりして、自殺に追い込まれる人が少なくないことだ。

そうした経営に失敗した人に加え、親兄弟・配偶者の借金を背負ってしまった人が絶望にとらわれたり、いじめや過労などで精神が一時的におかしくなってしまったりして、やはり自殺してしまう人の報道があると、非常に悲しいものだ。「生きていれば何とか盛り返せることもあるのに」とつい思ってしまうが、当人にとっては、冷静に事態を分析し対策を練るなどといったふうに考える精神状態でないのだ。

8月1日に再放送されたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の録画を仕事の合間に観たのだが、「あぁこうして自殺者を救ってくれている人がいるんだ」と感じ入った。2016年5月9日放送の「どんな絶望にも、光はある 自殺対策NPO代表・佐藤久男」という回だ。
http://www.nhk.or.jp/professional/2016/0509/index.html

「蜘蛛の糸」というNPO法人の代表である佐藤氏は「“鏡”に徹する」、つまりあえてアドバイスはせずに、苦しみを一つ一つ吐き出させていく手法を採っている。心理カウンセラーと同じだ。平均2時間の面談を終えると、気持ちを語りきった相談者の多くは自ずと気持ちが静まるという。そしてそこから当人も佐藤氏も解決策が見えてくるようだ。

佐藤氏も16年前、会社倒産、自己破産に直面している。従業員や家族への罪悪感で、自殺を考えるほど追い詰められたという。そうした経験を持つ人だからこそ、自殺ばかり考えるように追い詰められた人を救えるのだと思う。

残念ながらこうした「自殺者を救うための電話ボランティア」の数が減少傾向にあることも事実だが、小生の知人でも同様の経験を基に同じく自殺者を救う仕事をしている人がいる。本当に尊敬に値し、頭が下がる思いで一杯だ。

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日本人の探求心とまじめさが世界を驚かせる

夢のようなリオ・オリンピックの2週間が過ぎようとしている。日本勢は予想を超えた活躍を示し、今の若者の鍛錬と度胸のよさを示してくれている。もちろん、サポートしてくれるスタッフやスポーツ器具メーカーらによる技術的な分析、それに基づく指導法や器具の発達も大きく作用しているはずだ。

これを特に感じたのが昨日の男子400mリレーだ。メダルが取れればいいとは思っても、まさか米国等を押さえて銀メダルを獲得するほどとは日本人皆が驚いたはずだ。メンバー4人の頑張りはもちろんだが、誰も100m決勝に残れなかった実力からいって、アンダーハンド改方式によるスムーズなバトンタッチが大きな効果を果たしたことは間違いない。

今回の日本チームの偉業により他国でも研究が進むことは間違いないが、日本チームでさえ完成させるのに2つの五輪を経ている。他国は次の五輪大会には到底間に合わないだろう。しかもジャマイカのボルト選手は引退し次の大会には出ない。今回の4人のうち3人が20歳そこそこの日本チームにとって、東京大会は夢を実現する大チャンスだろう。

日本人の探求心とまじめに努力する姿勢は、モノづくりだけでなくスポーツでも世界の強豪に匹敵する力を持つことに勇気づけられる。

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東京五輪でのマラソン競技は夜間に実施すべし

このところリオ・オリンピックでの日本人選手の活躍に魅かれ、連日でテレビの前に釘付けになることが多い。普段はリアルタイムで観ることが滅多にないので、このイベントは特別なのだ。

その合間にお客さんとの打ち合わせなどに出かけているが、昼間の酷暑は殺人的だ。この炎天下で4年後は東京五輪大会をやって大丈夫なのか、と素朴に懸念する。

ちょうどTBSテレビの「報道特集」で「<特集>酷暑に豪雨…東京五輪は大丈夫?」というのをやっていた。とてもタイムリーな問題提起番組だと思う。
https://jcc.jp/sp/jiken/26682/

特に大都市ならではの暑さを考えると、4年後の東京五輪では過酷な条件のマラソンレースになる可能性が大きい。さらに8月下旬に始まる東京パラリンピックの車いすマラソンは、照り返しの影響をもろに受ける。単に日向を歩くだけでも熱中症になりかねない気候なのだから、正気の沙汰ではないと思う。

照り返しの少ない道路に改修するだとか、沿道からミストを撒くだとか、小手先だけの対策が挙げられているのは知っているが、そんなものは「焼け石に水」である。マラソンのスタート時間を夜にするという現役アスリートで市民ランナーからの提案こそがもっともな対策だと思う。

しかし実際の競技スタート時間を決める要因になっているのは、米国のテレビ局のゴールデンタイムに合わせるなど、商業主義的な判断が最優先されているのが現実だ。「アスリートファースト」との言葉通り、競技者が競技しやすいように条件を整えていくよう、IOCおよびUSAのスポンサー放送局に圧力を掛けることこそが東京五輪組織委員会のミッションであると改めて指摘したい。

この番組の終盤、中高年の男性解説員?が「環境でいえば五輪誘致の際、安倍首相が述べた『アンダーコントロール』発言が物議をかもしたが福島第一原発事故の取り組みが根源的な問題だ」とコメントし何の解説もなかったが、実に唐突かつ関連不明だった。彼も鳥越氏と同じ老人性痴ほう症と思想を持つ自称ジャーナリストなのかも知れない。小生も原発反対派ではあるが、論理性を失った批判の「掛け逃げ」は迷惑でしかない。

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アスリートの凄さと人間の情けなさを同時に教えてくれるリオ五輪

開幕から約1週間経ったリオ・オリンピックは今、日本にとって予想以上のメダルラッシュに沸く嬉しい日々を迎えている。小生と同様に連日の日本選手の活躍に単純に喜び、眠い目をこすりながら夜更かしまたは早起きしている同輩は少なくないだろう(小生はビデオ録画でも補っているが)。

常人の想像を超える激しい訓練を重ねて代表になり、しかも世界のトップレベル選手としのぎを削る。それだけで大いなる尊敬に値するのだが、ぎりぎりの闘いの中で我々を感動させてくれるシーンが続出している。特に女子重量挙げの三宅選手、競泳メドレーの荻野選手、卓球の水谷選手、そして何と言っても体操の内村選手。痺れるほどの緊張感の中で大技を決め、大逆転を果たした姿はさすがのレジェンドだった。

そしてそれと対比されるように醜い姿をさらしている連中が少なくないのも世界のスポーツ界の現実だ。国ぐるみのドーピングで恥をさらしたロシア陸上・重量挙げと、賄賂まみれの国際オリンピック委員会(IOC)はその双璧だ。

そして規模は小さいかも知れないが同様の問題を抱えている競技界は少なくないようだ。例えば卓球界はラバーへの不正な加工にメスを入れる動きが、水谷隼選手の告発によりようやく日の目を見たが、国際卓球連盟の動きは鈍い。今まで不正な手段で勝利を独占してきた某国が足を引っ張っているのは明白だ。
http://mainichi.jp/articles/20160304/k00/00e/050/140000c

また、組織的な不正ではなくとも、個々の選手における振る舞いには、(本当に立派なものもあるが)徹底的に情けないものまであり、人間模様そのものだ。それらを含め、トホトな話題、え?という話題が多い大会だ。さすがブラジル、なんでもアリだ。

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営業改革を考える (11) “断れない営業”は組織を滅ぼす

売上が欲しいゆえに望ましくない案件を受注する、または望ましくない顧客と取引することは、組織の多大な負担になり体力を奪う“罪”である。


大概の営業というのは「売ってナンボ」「売れている奴が偉い」という意識が組織に染み付いているものである。それが高じると、うるさ型だろうが値引き幅が大きかろうが、とにかく買ってもらえるお客であれば有難い、となりがちである。

実のところ、「この案件を取ると、あとが大変だなぁ」というのは営業としては大抵の場合、予想できる。だから、“望ましくない案件”を無理矢理にでも取りに行くというのは、実は営業のエゴなのである。

売上が欲しいゆえに望ましくない案件を受注する、または望ましくない顧客と取引することは、次の投資をするための収益を削り、そのあとのクレームに関係スタッフの苦労が費やされることになり、企業としては大きな負担となる。職種によっては、それで心労を重ねて「辞めたい」となるスタッフすら出てくる。

顧客単位で調べてみたら、売上額は大きいがクレームや無理難題の要求も多く、対応する手間を考慮するとトータルで損失となっていた、という話は世間には意外とよくある。小生も過去のプロジェクトで経験した。

業種によっては案件当たりのインパクトが大きいために企業体力を大幅に奪うことすらある。実際、SI企業や建設会社では、プロジェクト選別が十分できないために損失が膨らむという痛い経験を長い間繰り返してきた。

教訓を学んでプロジェクトを峻別するようになったのは実は最近のこと、という大手企業は少なくない。中堅・中小企業だと未だに「分かっちゃいるけど止められない」(古い!)というケースが少なくないようだ。そうした経緯で不採算プロジェクトを重ねたために倒産または吸収合併されたと云われる企業も幾つか聞いている。

これらの業界はプロジェクト方式なので案件ごとの収益が見えやすいが、他の業界でも本質的には同じことだ。

営業幹部は是非、経営者と戦略を共有して欲しい。そして「勇気をもって“望ましくない案件・顧客”を断る」という方針を、経営者は営業全員に対し明示して欲しい。

なお、特定の顧客と取引することで市場への強烈なアピールになるため価格やサービス面で“戦略的な対応”をするというのは一種の投資であり、その意図が社内で共有されている限りは上記とは別の話である。峻別したい。

(本稿は2013年5月のコラム記事に加筆修正したものです)

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素材はイノベーションの只中にある

日本が強みをずっと発揮できている産業というのは実はそう多くはない。その限られた産業が素材産業である。しかしその産業内では絶えることなく激しい競争と新陳代謝、そしてイノベーションが繰り返されている。

それを教えてくれたのが8月4日放送のカンブリア宮殿の10周年&500回記念スペシャル企画、スパイバー代表執行役の関山和秀(せきやま かずひで)氏とTBM社長山﨑敦義(やまさき のぶよし)をフィーチャーした回だ。題して「10年で世の中は変えられる!素材に革命を起こす若きサムライたち」。なかなか恰好いい内容だった。
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20160804.html

スパイバーは以前にも何かの番組で採り上げられていたが、夢の繊維“クモの糸”を人工的に量産したことで有名だ。NASAの研究者などが量産化を目指しながら成し遂げられない中、全く新たなやり方で「人工クモ糸」の量産化に道筋を付けたのが、スパイバーの関山氏だ。

アパレルはもちろん、自動車部品や医療機器などにこの夢の素材の新しいブレークスルーの期待が集まっている。そしてそれは世界的な関連部品メーカーが集約する日本で試行するのが合理的だ。スパイバーの本社は山形だが、日本市場で孵化した後は、この新素材を世界へ広げてくれるだろう。

もう1社のTBM社は初耳だった。山﨑氏が作り上げた「ライメックス」は、「石」を原料とした全く新しい「紙」だ。世界中どこでも大量に採ることができる石灰石とポリオレフィン樹脂を原料としているため、日本でも国内の資源だけで作ることが可能だという。
http://forbesjapan.com/articles/detail/13095

木と水を使わずに紙の代替品を製造することができるというのは冷静に考えてみると凄いことだ。環境負荷が大いに小さくなるうえに、石灰石という全世界に豊富にある原料を使える。コスト次第ではあるが、壁紙に利用できれば不燃材としても応用できる。ポテンシャルはかなり高い。

同社はその開発に、元日本製紙で「紙の神様」と呼ばれたベテラン技術者を巻き込み、ベンチャーの若者も一緒になり、世界の環境を変えるべく挑戦をしている。夢のある企業だ。

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産廃業をリサイクル企業に生まれ変わらせた女

前から関心を持っている業界の一つに産廃処理業というのがある。一部にはかなりダーティーな連中もいたりする業界だが、最近はその「静脈産業」としての重要性が認識されてきて、大手企業グループも取り組み始めている。そんな中、業界に対する見方を変えさせる原動力になった有力企業の経営者が紹介された。

それが7月28日放送のカンブリア宮殿、石坂産業の社長、石坂典子(いしざか のりこ)氏だ。題して「産廃業からリサイクル企業へ大変身!~絶体絶命から会社を変えた2代目女社長の格闘記~」。
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20160728.html

この会社のリサイクルへの取り組みは業界一といってよいもので、とにかくここのリサイクル率の高さ(95%減量化)には感心する。だから多少でも意識の高い関東の産業廃棄物排出事業者(主に建設業)は石原産業に産廃を持ち込むと聞いたことがある。

しかし今回の番組を観て、もう一つ大きな理由があることを知った。それは受付に若めの女性を何人も並べ、愛想がよいこと。しかもおしぼりなどのサービスまである。そのためトラック運転手が石原産業に向かうのだということだ。見事な商売人だ。

1999年に起きた「所沢ダイオキシン問題」で矢面に立った石原産業。そのとき創業者である父の思いを受け止めて、そして存亡の危機感に支えられて、石原新社長(当時30歳!)が繰り出した職場改革は徹底したものだった(これは以前、別の番組でも知った)。

持ち込んだ処理物が処理場からはみ出し溢れることを許さず、整理整頓や規律を口やかましく言う2代目の娘社長に反発したベテランがこぞって(社員の約半分?)退職したという。大変だったろうが、ある意味「血の入れ替え」が短期間でできたわけだ。これこそが不退転の決意というものだ。

それと平行して焼却処理から撤退、40億円かけて完全に屋根で密閉された(したがってほとんど埃を出さない)プラントを建設。廃棄物をリサイクルすることにこだわったビジネスへと転換した。これは当時、この業界では誰もが無謀だと考えた、しかしその後いくつかの大手企業が追従した最先端のやり方だ。先見の明とはこのことだ。

おかげで地元から「汚染源」と嫌われていた会社を、清潔で環境にやさしいリサイクル企業の代表へと変えたのだ。今では地元の人にも慕われ尊敬される企業になっている。こうしてみると、石原社長の執念というのはすごい。そしてその成果は「素晴らしい」の一言だ。
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