再び海外に羽ばたけ、ニッポン企業① ~まず「挑戦意欲のある人材」を探せ

(以下は「オープンナレッジを加速するユーザ参加型ビジネスメディア / 勉強会でつながるビジネスコミュニティ」INSIGHTNOW!への小生の過去の投稿を転載したものである。数回シリーズになっている)
この年頭の社説や論説記事で、「内向きに閉じこもらず、せっかくのアジアの成長を取り込むべきだ」といった話題を何回か目にした。それに関連し、今の日本の中小・中堅企業の海外、特にアジア進出に関して、気になる点を幾つか考えたい。まずは意欲と人材の観点から。

そもそもいつから日本の中小・中堅企業は海外への挑戦に及び腰になってしまったのだろう。小生の学生時代には、オリンピックでしか聞いたことのないような国の市場開拓に中小メーカーの経営者自ら出掛けることがごく普通だったし、商社あたりだといきなり縁もゆかりもない辺境の地に一人駐在として送り込まれるのがサラリーマンの宿命だったものである。

ところがその後、日本経済自体が十分に大きくなったせいか、海外市場開拓は最終製品を作る大メーカーや商社または小売企業に任せて、国内での開発と製造・品質管理に注力するような部品・部材メーカーが増えたのと、サービス企業の多くは相変わらず国内市場に留まるケースが多くなってしまっていた。

最近小生は、ある中堅サービス企業の部長さんにボヤかれたことがある。インド市場に目を付けてはいるが、若手が行きたがらないので市場開拓ができないというのだ。その「若手が行きたがらない」理由を尋ねると、食事が口に合わないことと娯楽がないからだという(これは日本在住のインド人の知人も同意する)。無理やり派遣すれば辞めてしまうかも知れないという。一昔前を思えば、確かに「従業員に優しい」ことの証左でもあるのだろう。しかし小生には真剣味が足らないだけに思え、そう指摘したら苦い顔をされてしまった。他の幾つかの準大手のメーカーでも同様の話を聞いている。

さらに別の中堅メーカーではこんな話も聞いた。今の管理職の大半は若いときに海外市場を開拓するのが普通だったのに、今の若い人たちにはそうした機会がほとんどなくて可哀想だという。市場になりそうなところはもう既に進出してしまっており、残りは「カス」だということらしい。しかしアジアで伸びている国名を幾つか挙げて確認してみたところ、まだまだ多くが未進出のままである。これなどは思いあがりと勘違いの複合である。

経営幹部が「ウチの社員にはそんな根性や能力はないよ」と思ってしまい、挑戦意欲のある人材を探さないのであれば、多くの中小・中堅企業はいつまで経っても内向き志向のままに留まってしまう。若手の成長能力には侮りがたいものがある。まずは、本気になって誰ができるか(Who)を探すこと、そして機会を与えるところから始めて欲しい。Where やHowは幾らでも考えることができるのだから。
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