投票行動が示す日本国民の成熟度

参院選挙活動もたけなわである。自民が全国的に圧倒的優位を維持したままで、自公による過半数確保は間違いないそうである。一方、民主党は壊滅状態になる可能性が高い、との予想が多い。衆議院選挙であれば小選挙区制が基本なので、ある程度一方的な結果になるのは仕方ないが、参議院までが毎回極端な結果を示すとしたら何かおかしい。この国においては、まともな政策を推進できない政党の側だけでなく、きちんと政策意図を判断できずに風次第で極端から極端に走る国民の側にも問題が大きい。

そもそも今、安倍・自民が提示している政策パッケージのうち、国民の多くが支持しているらしい「アベノミクス」は、金持ちと大企業(しかも従業員にはおこぼれ程度)だけにしか恩恵が回らない割に、今の社会的弱者層と若年層にツケを回す、かなりリスクの高いものである。

「日銀による思い切った通貨供給増(ジャブジャブ・マネー)」と「財政(規律をとりあえず棚に上げた)カンフル刺激」という後先考えない博打だけが先行し、肝心の「成長戦略」に関してはほとんど中身のない、使い古された官僚の作文が並び立てられているだけのものである。せめて規制緩和で具体策があるか、原子力発電を縮小することで再生可能エネルギーへの転換を促すとかあれば、廃炉ビジネスの推進と新産業創造を促進することになるのに、それもない。

それどころか、財政規律の緩みようを誤魔化すために(金額的には全くスズメの涙程度の)生活保護予算の削減を進めるという、とんでもない弱い者いじめをしようとしている。本来すべきは年金支払と老人医療の適正化という、高齢者に対する苦い政策であろう。今進められているのは、労働者の非正規化とそれによる弱肉強食を進めた小泉・竹中政権よりタチが悪い、社会格差を意図して拡大しようとする政策とは言えまいか。円安が物価高を招くことも計算内であろう。その上に、改憲派が選挙に勝てば、憲法改正手続き条件を緩和するという筋の違うアプローチを持ち出してくる意図も満々である。

こうした「新・保守主義」に対しては、「小泉政治の負の側面」としてノーを示したのが、数年前の日本国民の判断ではなかったのか。いくら民主党がどうしようもないダメ集団だったことが判明したからといって、一旦ダメだったやり方に戻るというのは学習度ゼロではないのか。小生は民主党が政権を獲る際の参院~衆院選挙にかけては民主党の政策がどんどんバラマキになるのを見て、「反自民」ムードだけで民主党に投票しようとする国民の行動を嘆いた。今、同じく「民主への失望」と(目先の)「景気によさそう」だけで自民に振り子を戻す選挙行動には、賢明さも成熟さのかけらも感じられないではないか。
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