権限は管理職に、責任は経営者に、というのがTCLの成長の秘密

11月20日(水)のNHK BS「島耕作のアジア立志伝」は「“スピード力”がビジネスを制す」と題して、中国・TCLの李東生CEOをフィーチャーした。

テレビ市場で世界第3位のシェアを誇るTCL。その大メーカーを率いる李だが、ブラウン管から液晶へというテレビ市場のニーズの変化を読み違えて大失敗したことが明かされる。自らの判断ミスによる失敗をきっかけに、大胆な人事制度を編み出した。“スピード力”のある現場の管理職に決定権限を与えることでニーズの変化をいち早くつかみ、世界のメーカーに一歩先んじた開発力で挑むという戦略である。小生のいうFSTの“S”を極限まで高めることを意味している。

権限委譲とか「スピードが大事」というのは経営本・雑誌などではありふれた言葉である。しかし実際に大胆な、TCLのような権限委譲がなされている日本企業は極めて少ない。なぜならそれは現場情報の豊富な現場の管理職(TCLの場合、管理職の中でも特に選別された「鷹」の称号を贈られたマネジャー)に担当事業の経営意思決定権を与えることで、いちいち経営者にお伺いを立てなくとも自分の判断で投資などを迅速に決めさせることを意味する。しかも判断ミスで失敗したときの責任は経営者が取るのだ。

これはスピードアップの効果は間違いなくあるが、非常に怖いことである。よほど部下を信頼できなければできない。腹の据わっていない日本の大半の経営者には難しいだろう。中国市場が驚異的に伸びたことはもちろん大きな成長要素だったはずだが、TCLの場合、他の中国メーカーを圧倒して国内市場を制圧したといっていいだろう。他の新興国市場にも積極的に進出している。なぜ同社だけが可能だったのか。その答がこの徹底した権限移譲なのだ。腑に堕ちた。

以前の「総集編」でTCLに関しての紹介は「大胆な人事制度で驚異的な成長を成し遂げた」とあったが、それだけではさっぱりピンとこなかった。今回の放送を観て、その意味するところに非常に納得し、李東生CEOの腹の据わり具合に対し、尊敬の念を抱かずにはいられない。
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