ニッポンの家電の底力をインドで証明せよ

2月17日に放送された未来世紀ジパングは、「インドで始まっていた反転攻勢~ソニー・パナソニック」でした。「日の丸家電メーカー」の最近のニュースはネガティブなものが多いのが事実。ソニーの社債が「投機的」水準に格付けされたとか、キャッシュをひねり出すために旧本社ビルを売却した、とか。パナソニックも美容家電以外は、「追い出し部屋」とか元会長の慰労退職金が莫大な金額になったとか、碌でもない話題が多かったと思います。しかし、実は反転攻勢が始まっていたのです。しかもインドで。

赤字に苦しむソニー。その元凶はテレビ事業の不振です。今や10期連続の赤字。ところがインドでは、ライバル・サムスンに、そのテレビで優位に立っているのです。ソニーは、「テレビ事業の再建」と「新興国市場での事業拡大」を再建計画の柱に掲げています。世界首位サムスンと激しい首位争いを繰り広げるソニーが注力するのが、12億人の人口を抱え、やがては中国を抜くと見られる巨大インド市場。

沸騰ナビゲーターの財部誠一氏の「サムスンとのガチンコ対決は厳しい戦いなのでは?」の挑発に対し、「世界的にはそうかもしれないが、インドは違う」と、戦略拠点を任されるソニーインディアの日比社長は自信ありげに答えました。販売現場での実態を検証すべく、デリー市内の家電販売店を幾つか訪れると、実績は明らかにソニーが圧倒的なトップです。価格はむしろ高めですから、ソニーらしい勝ち方です。

反転の鍵に挙げているのが「インド画質作戦」。インド人を徹底調査して「鮮やかな色がより鮮やかに見える画質を好む」という傾向を探り当てたのです(当初、日本の技術陣は反対したそうです)。音量も最高で聞くインド人の好みに合わせています。韓国勢の「市場に学ぶ」積極姿勢に脅かされ、ソニーは従来の「唯我独尊」的態度を改め、素直に市場の声を聞くようになったのです。人間、痛い目を見ないと変わらないということですね。

また、ソニーにはインドでもう一つの戦略がありました。ソニーTVという放送局を運営しているのです(現地放送局トップ3の一つ)。ソニーのスマートフォン・ユーザーは逸早く放送を観られるので、人気なのです。日本のソニーがかつて目指したソフトとハードの融合が数十年経って今、インドで花咲こうとしている点は非常に興味深いものです。

また、一足先に赤字を抜け出したパナソニックは、インドを最重要国と位置づけ、津賀社長特命のプロジェクトチームを送り込みました。「パナソニックの分水嶺」という意気込みで、公募で集めた闘争心みなぎる若手10人をインドに送り込んだのです。インド向け家電を開発する拠点を新設するためです。

「商人」企業・パナソニックはソニー以上に、インドで現地のニーズに合わせた家電製品を開発・販売し、ヒットさせてきました。女性の伝統衣装「サリー向け洗濯機」、野菜の蒸し器を組み合わせた「インド用炊飯器」、等々。しかしライバルも黙っているわけがありません。

今度の特命プロジェクトは、今までの“ローカル化”をさらに拡大する計画です。しかし、そこに集められたメンバー10人は、「元小学校教諭」「入社して4年間国内販売」といった異色の経歴。余計な先入観抜きに現地に溶け込み、生活者の実態を掴むためです。与えられた時間は4年間。若いチームのやる気・闘争心に期待したいものです。

財部誠一氏の未来予測は「インドの現場が日本を変える」。日本のメーカーが近年グローバル戦略で苦戦を強いられている元凶に、何も知らない日本の本社から現地の支社をコントロールしようとする官僚的な体制があったと言われています。本当の意味でのローカル化とは、(単に、現地社長なら良いということではなく)きちんとした信頼関係を築く事によって現地のニーズに合わせたものづくりが出来ることなのです。

インドの現場で働く人々が日本の「殻を破る」ことによって、日本のビジネススタイルが変わるのであれば万々歳です。親日的で合理的(世界一、損が嫌い)、多様性という特徴を持つインド。日本のメーカーが勝負を掛けるにはふさわしい市場成長力も併せ持ちます。インドを足がかりにすれば(印僑が多くいる)中東、ひいてはアフリカ市場を視野に入れることができる点も、将来の可能性を感じさせますね。
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