Mr. Robbotが介護現場に届ける、新発想の解決策

5月11日放送のTBS系「夢の扉+」は、マッスル株式会社(大阪市)の社長・玉井博文さんをフィーチャーした、「世界が絶賛!“頭脳を持つモーター”で未来を変える!~NASAや米大手企業も着目した日本発テクノロジー~」でした。

マッスル社は、安倍首相も視察に訪れるなど、今、国内外から注目されています。その理由は、世界屈指のロボット技術と、介護に使えるという新製品です。特に国内で注目されるようになったのは最近で、垂直に壁をよじ登るロボットを発表してからです。業界では難しいとされたその製品ができた理由はひとえに軽量化です。人型ロボットは部品や配線が多く、通常100kg前後するのに、同社のロボットは子供ほどの35kg。モーターの数をそぎ落とすことで可能になった「革命」なのです。

開発者の玉井社長は、自ら考えて動く“頭脳を持つモーター”を独自に編み出した、Mr. Robbotと呼ばれる業界の有名人。従来、多くの部品を必要とするロボットの頭脳と制御装置を、小さなモーターに集約することで、ロボットの低コスト化と軽量化を実現したのです。

技術を“足していく”のではなく、余分なものをすべてそぎ落としていく“引き算”の発想です。『夢を描き、それを達成するための努力をする。そうすれば、夢が近づいてくる』と玉井氏は語っています。

実はこの件、以前にもこのブログで簡単に紹介したことがあります。
http://pathfinderscojp.blog.fc2.com/blog-entry-292.html

『機械のための機械ではなく、人のための機械を作りたい―』。30代後半で、産業用ロボットの会社を辞め、独立した玉井氏。“頭脳を持つモーター”の第1弾を開発し、多くの大手企業に持ち込んでみましたが、「どこの馬の骨かも分からない、実績がない会社とは取引しない」と全て門前払い。実に日本の経済界(特に大企業)のよくない側面が出ています。技術・製品・経営者を見ずに、実績や会社規模という数字しか見ないのです。そして自らの判断でリスクを取ろうとしないのです。

そこで玉井氏は、アメリカへと飛び、産業機器展に出展しました。すると、評判を聞きつけてNASAや巨大企業の責任者が集まってきて、質問攻めにしたそうです。そして引き合い、製品評価、受注ととんとん拍子で決まっていったのです。ここが米国人の偉いところです。自ら評価し、ホンモノだと判断すれば自らリスクをとって真っ先に採用する。様々な業界で散見される、世界を常にリードしてきた米国企業・組織の勝ちパターン行動です。

米国で実績を上げた玉井氏の会社はやがて日本でも受注を獲得するようになります。そして冒頭で触れた「垂直よじ登りロボット」により、その技術を満天下に示したのです。今や逆に、相談があちこちから舞い込んでいるようです。でも正直、情けないですね。日本発の技術・会社を真っ先に日本で評価できない、出遅れが目立つ保守的な日本経済の負けパターンです。

玉井社長が新たに手がけるのは、ベッド⇔車イスの移乗を手助けする介護ロボヘルパー「SASUKE」。これが今、医療・介護の現場では腰痛による離職者が後を絶たないことから、最も世の中が欲しているものの一つでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=9AeJSjlyQJo

別のアプローチで介護スーツのHALも有名ですし、他にも人型ロボットで老人・患者を持ち上げる製品はありますが、どれも構造的に無駄が多過ぎて、結果として高価過ぎます。SASUKEは新発想の製品で、大量生産(すなわちコスト削減できる!)に向いています。介助者の動作を徹底解析し、無駄をそぎ落としてできたMr. Robbotの渾身作といえます。保守的な日本社会といえど、せめて多くの現場で早く導入されることを望みます。
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