AKBというビジネスモデル

昨日、AKB48の前田敦子の「卒業」ラストコンサート生中継を観た(こういうリアルタイム放送を観るのはロンドン五輪を除けば年末の紅白以来だろう)。

歌の最中にはアップされる子の顔がどんどん切り替わるので、かなりせわしない。隣で観る娘に「これは誰?」「これは○○か?」とか質問したのだが、分かった気になった子だけでも打率3割を切る体たらく、要は3~4人ぐらいしか識別できないことが分かって少々情けなかった。

こうした多人数ユニットは「おにゃん子クラブ」、「モーニング娘。」という流れの中で出来上がったようだが、それにしても48という人数には当初は驚かされたものである。「誰が48人も覚えられる?」という小生の素朴な疑問に、「ファンは自分の好みの子のことさえ観れればいいんだよ」という娘の回答があり、なるほどと感心したことを覚えている。

昨日は卒業していく前田アッちゃんに他の子たちがメッセージを語る場面が感動的だったのだが、その最中にも「私はNMBで…」とか「SKEで頑張ります」などのコメントもあり、娘が「この子は今HKTだよ」とか「この子が今度上海駐在だよ」とかいう指摘ありで、なるほどAKBのグループ政策って企業とよく似ていると思った。人事異動や駐在が頻繁にあるし、別プロジェクトとの兼務もあるらしい。地方子会社で成果を上げて本社に凱旋するみたいな方式らしい。

AKBは芸能界の既存の方式と新しい試みを取り交ぜて展開する、ユニークな存在である。Akihabara48劇場を拠点に多人数で展開するのは、西の宝塚や昔のSKD(松竹歌劇団)の流れを汲んでいるが、お笑いの吉本に近い感覚である。また、ユニットを自在に組み替えて音楽・バラエティ番組への露出拡大を図るところはジャニーズ事務所のやり方か。

そしてCDが売れない時代においてAKBの存在感を圧倒的なものにしたのは他を圧倒する売上であり、それに効果的な仕掛けが色々とある。通常は歌手のCDを買った人に付いてくる特典は、コンサート優先予約権だったり握手権だったりするが、これは他の歌手でも採用されている。しかしAKBの場合、これに「総選挙」への投票権という仕掛けが加わるのが特徴的である。ファンは自分のひいきの子が上位にくるよう、同じCDを幾つも買って投票権を得ようとするのだ。ほとんどゲームのアイテムを買う感覚だろうか。しかも握手会の際の行列の長さが人気のバロメータになっていると聞く。AKBという一軍とNMBなどの二軍との間での降格や昇格という要素もあるので、ファンは懸命に応援することを余儀なくされる。実によく考えられたビジネスモデルである。

それにしても昨日のフジテレビの放送はへたくそだった。本当に最後となる歌の途中にCMが挿入され、リーダーがアッちゃんを送るメッセージの最後のセリフがCMで途切れたり、きっと視聴者からのスポンサーへの反感が局にも届いたのではないかと心配したのは小生だけだろうか。
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