中国に脅かされる香港の未来に幸あれ

9月22日(月)放送の「未来世紀ジパング」(TV東京系)は「ニュースが伝えない「香港」異変! ~中国返還から17年 今何が起きているのか~」。面白く、かつ心配な内容でした。

香港がイギリスから中国に返還されて既に17年。中国本土の経済成長の恩恵を受け躍進してきた香港でしたが、今、異変が起きています。その一つが、これまで香港経済を支えてきた中国本土への反発です。

年間4000万人を超える中国人観光客のマナー違反の数々。日常的に香港市民とトラブルが起きているというのです。「列を守らない」「どこでもゴミを捨てる」「子どもが街中で排泄する」等々。

ちらと映像も流れましたが、子供を抱えてゴミ箱に小便させる親の姿があり、これは確かに後進国・中国人らしいとはいえ、先進国・香港の市民からひんしゅくを買うのは当然です。多くの香港人が「中国人と一緒にされたくない」と感じているというのは無碍なるかな、です。でもその中国人観光客のお陰で香港が潤っていることも事実で、そうしたことを理解している金融街のビジネスマンたちは(商店街の人たちと違って)、彼らに対し概ね寛容でしたね。

更に大きな香港市民の不満の要因は、「水客」と呼ばれる運び屋です。観光客を装い、中国から香港にやってきて、粉ミルクやオムツをはじめ大量の食料や日用品を中国へと運び届けて、利益(小遣い稼ぎ程度ですが)を得ているのです。これ、商売としての関税を払っていないので、明らかな違法です。

香港では品不足や価格の高騰につながっており、市民の不満が噴出しているのです。香港から中国側へと渡った品物(ヤクルトや紙おむつのメリーズが人気だそうです!)は、そうした違法並行輸入商品専門のマーケットで取引され、そこから中国全土に流通するのです。巨大ビジネスが成立しているのです。

なぜ違法な「水客」は増え続けているのでしょうか。わざわざ素人の人手を介して香港で市場価格で買い付け、中国本土で流通させてもペイするのは、「香港で売っていた商品」が高額所得者に対し2倍、3倍と高く売れるからです。同じブランドの商品でも中国向けに製造された商品だと「おかしなモノが混じっているかも知れない」と消費者は信用していないのです(香港向けは香港または日本で製造されているのかも知れません)。中国人は中国人を信用できないということでしょう。

さらに返還時の約束でありながら棚上げにされてきた、民主化選挙が争点となっています。香港のトップ、行政長官を決める選挙の民主化を求めて、大規模なデモや抗議集会が発生しているのです。今年7月1日の返還記念日には、過去最大規模である50万人を超える市民がデモ行進を行いました。そして8月下旬には中国政府からの回答が出ました。結果は、これまで以上に民主化を排除しようという「ゼロ回答」=「中国政府が認めない候補者は立候補すらできない」というものでした。

民主派勢力はすぐさま大規模な集会を実施し、警察ともみ合いになり拘束される学生たちが続出しました。民主化を求める勢力は今、「金融センター香港」の象徴でもある中心部の「セントラル封鎖」を目論んでいます。市民の中でも議論が渦巻いているようです。

民主派リーダーの一人で「学民の女神」と呼ばれる女性大生がおり、番組は密着取材をしてくれました。デモの現場で拡声器やマイクを握り訴える彼女は現代のジャンヌ・ダルクばりの存在感ですが、素顔は今月から大学生になったばかりの17歳。日本のアイドルグループ「嵐」が好きと答える普通の女子でした。しかしすでに電話を盗聴されたり家族が嫌がらせを受けたり、当局の圧力が強まっているのです(これが中国のやり口です)。

番組ではもう一人の学生リーダーの様子も映していました。心配する母親を説得し、あくまで抗議活動を続けると、彼は語っていました。2人とも逮捕も辞さないという悲壮な決意に満ちていました。香港の未来を憂い、強大な中国政府に立ち向かう彼らの勇気に拍手を送りたいと思います。台湾で馬政権に対抗して議会を占拠した学生リーダーたちを思い起こさせますが、香港のほうが中国政府の権力下にあるだけ、民主派学生の危険が大きいのは勿論です。

アジアの癌、中国共産党政府に多くの若い魂が翻弄されているのです。妥協しそうにない中国政府と、その意図を受けて圧力を強める香港当局。最終的に彼女たちは金融街「セントラル」の封鎖を決行するのでしょうか。

そうなった時に「香港版天安門事件」が起きない保証はありません。もちろん、後藤ナビゲータが言うように、「金の卵を産むガチョウ」をわざわざ殺してしまう愚は、かの中国政府だって避けるはずという読みはありますが、民主化の動きが中国本土に飛び火しかねない、とメンツを最重視する中国政府が判断すれば、何が起きてもおかしくありません。実に心配ではありますが、彼女たちの純粋で堅い意思を応援したいと思います。
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