ニッポンの子供を餓えさせるな

9月25日(木)の「クローズアップ現代」(NHK)は「おなかいっぱい食べたい ~緊急調査・子ども貧困~」でした。何とも悲しい、「飽食の国」ニッポンのとんでもない現実を知らされました。

学校教育の現場では、給食がない夏休みに食事を十分取れず、体調を崩す子どもの存在が危惧されているそうです。なんと「夏休みが終わる頃、体重が減る子どもがいる」という報告がそこかしこにあるのです。背景にあるのは、貧困世帯における「食の貧困」。7月の厚労省の調査では、「相対的貧困」状態にある子どもの割合は6人に一人(貧困率16.3%)と過去最悪の値、しかもこの10年、悪化の一途です。この8月には、子ども貧困対策に関する大綱が閣議決定されました。


今回貧困問題に取り組むNPO(フードバンク山梨)が、新潟県立大学と共同で調査を実施したところ、「子ども一人当たりの食費が一日329円」と、子どもの成長に必要な栄養が取れないほどにまで食費が圧迫されている実態が見えてきたのです。番組では、調査で明らかになってきた実態を分析するとともに、学校や地域で始まった先進的な取り組みを合わせて紹介してくれました。

フードバンク山梨では、企業や農家などから寄贈された食品を、支援が必要な家庭に無償で提供する活動を続けています。活動を始めて6年。行政などから紹介を受け、これまで1,000世帯以上を支援してきました。多くは収入が生活保護の水準を下回っていますが、さまざまな事情から生活保護は受けていません。最近は子育て世帯が増え、支援の対象となる人の4割を子どもが占めているそうです。

今回、子どものいる269世帯を対象に実態調査に乗り出しました。番組はその一端を伝えてくれました。この日訪ねたのは、7歳から17歳まで4人の子どもを育てる母子家庭です。収入や食費、日々の食事の内容など、支援を受けるまでどんな生活だったのか詳しく聞いていきます。

澤村さん(仮名)「ほとんど買えない、自分では買えない」
フードバンク山梨 代表・米山けい子さん「子どもたちも、おなか空いてたね」
澤村さん(仮名)「すいていたと思います」「これはフードバンクからいただいた。お米が一番うれしいです」

何とも悲しいやり取りが交わされています。これが先進国ニッポンでの現実なのかと胸が痛みます。澤村さん(仮名)は3年前に離婚。パートで毎日働いていますが、収入は生活保護基準を下回っています(これ、絶対におかしいですよ!)。一度は生活保護の申請を考えましたが、通勤に欠かせない車を手放さなければならず、諦めたそうです。

助けとなっているのが、NPOから2週間に1度送られてくる6キロのお米だそうです。浮いたお金で、以前はほとんど購入できなかった野菜などを少しは買えるようになったそうです。もらい物のきゅうりを漬物にして出すなど、なんとか栄養のバランスを取ろうと努力していますが、育ち盛りの子どもたちにとっては十分とは言えません。

子ども「みそ汁はおかわりないんだよね?」
澤村さん(仮名)「ないです」

胸が締め付けられてしまいます。この家庭の場合、パートで毎日働いて得る収入は平均10万円。児童扶養手当など合わせてようやく月収18万円ほどです。一方、家賃や光熱費、奨学金の返済など、毎月固定で出るお金はおよそ14万円。差し引くと4万円ほど。これで5人家族の食費をやりくりしなければならないのが現実なのです。首都圏でこれは無理でしょう!しかも非正規雇用ゆえ月によって働く時間が短くなることもあり、収入減の分はどうしても食費にしわ寄せされるといいます。厳しい時には、主食のお米さえ買えないこともあるのです。

次男(15歳)「お年玉を正月にもらったんですけれど、それをみんな回収して米はお年玉を使って買ってくるみたいな感じで。あまりおかずも食べないで、一膳よりちょっと少ないみたいな。おなかがすいたって感じです」。

こんなことを子供に言わせるのは親としては非常に辛いでしょう。でもこのお母さんは懸命に働いているのです。それでも食っていけないのは、社会のほうがおかしいのです。

今回NPOでは、栄養学が専門の村山伸子教授と共に、アンケート結果について分析しました。浮かび上がってきたのは貧困の厳しい現実です。今回調べた支援世帯では1人当たりの1日の食費は329円。300円にも満たない家庭が半数近くに上りました。一食にすると100円前後ということです。

食事の内容も、米や麺など主食のみというケースが多く、栄養バランスが取れた食事を1日に1度もとっていない家庭が8割以上に上ったのです。栄養不足で体重が減った、貧血で倒れたなど、子どもたちの健康にまで影響が及んでいることが明らかになりました。

新潟県立大学 村山伸子教授「体にまで現れてしまうということがすごく問題です。もっと発達・発育する時期に食べなきゃいけないものがある。(親も)分かっているけれどできない」。非常に深刻な事態です。

さらに今回の調査では、貧困が子どもの体の健康だけでなく、学校生活や友人関係など社会的な基盤を揺るがしていることも見えてきました。例えば17歳になる澤村さんの長男は、中学のころから不登校になりました。学校では友達が普通に楽しんでいることに参加できず、孤立することが多かったと言います。

長男(17歳)「遊んでいてファストフードをみんなが買うけど、俺は買わないで見ているだけというか。買えている人たち、他の友達がうらやましくて自分が情けない、惨めみたいな感覚でした」。

惨め、まさにそうでしょう。自己肯定感を育むべき時期に、こんな惨めで不平等な境遇に自分があることにやりきれない、うっ屈した思いが醸造され、社会にも絶望感や反感を持つようになるのは当然でしょう。これを放っておいた私たち大人の責任です。

スタジオで国谷キャスターと神奈川県立保健福祉大学教授・新保幸男さんのやり取りがなされ、世の中の無関心と誤解が浮き彫りにされました。

「昔は自分たちも同じだったという人もいるのでは?」→昔は皆が同じように空腹で、それを分かち合うことができた。しかし今は周りがみんな、ある程度の生活をしている。自分だけがなぜ?って思うはずです。

「生活保護を受ければいいじゃないか」→確かに状況はまず改善されるはず。しかし例えば車の保持はできないだとか、貯金はしにくいだとか、自立手段も尊厳も失われがちです。大半の人は、児童扶養手当の範囲内で自分たちで生きていこうと頑張っているのです。安易に生活保護に頼ろうとしない、むしろ立派な心構えの人たちです。

「子どもの貧困対策、食に関する支援は?」→大綱でも記述はされています。しかし、具体的な制度として明記されていないのです。子どもの貧困対策の4つの柱は、①教育の支援、②生活の支援、③保護者に対する就労の支援、④経済的支援、です。①は色々と具体策まで書かれているようですが、子供たちが学ぶための前提として②③④こそが重要で緊急です。

安倍政権がまずは早急にすべきことは、現行の児童扶養手当に対しての純増であり、多子の加算です。そして最低賃金のアップです。フルタイムで働いても子供を満足に食べさせることができないような「非正規の仕事」を許してはいけません。そしてこういった現実をもっと世の中に知らせ、金の使い道に迷っている富裕層にまともな支援団体への寄付を促すことです。

富裕層が喜ぶ株価対策だけでなく、貧困層を助ける政策こそが今、ニッポンの子供とお母さんを助けるために必要なのです。海外へのODAを止めろとはいいませんが、足元がぐちゃぐちゃの状態で他所のウチの掃除を手伝っているようなものです。まず「社会の宝」である子供たちが餓えないようにするのが、政治に最低限求められる最優先・緊急事項です。
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