身近に潜む危険ドラッグの恐怖は中国由来

11月30日(日)に放送されたNHKスペシャル「攻防 危険ドラッグ 闇のチャイナルートを追う」は深刻かつタイムリーな内容でした。

最近、それまでの「脱法ドラッグ」から「危険ドラッグ」に呼称が変更され、社会の認識も少しは改善したかに見えるのですが、実態はむしろ深刻さが増しているのかも知れません。6月に池袋で8人が死傷する事件が起きて以来、国は次々に対策を打ち出していますが、規制が強化されるたびに、それをかいくぐる新たな危険ドラッグが生み出され続けているのです。

NHKの報道スタッフが追ったのは、危険ドラッグの原料製造から加工、そして流通までに至る通称「チャイナルート」。拡大の背景に何があるのか、その実態に迫る番組でした。

危険ドラッグは一般人に流通していることが、他の薬物との大きな違いだとのことです。つまりそれだけ危険が身近に潜んでいることを意味します。ある日突然、電車で隣り合わせた人間が襲いかかってくるとか、ホームから突き落とされるとか、歩道を歩いているのに暴走車にはねられるとかいう事態が、あなたを襲うかもしれないわけです。

「チャイナルート」の鍵を掴む女、リンが図らずも言っていた通り、「危険ドラッグ」はすでに産業化しています。中国で過剰生産されダブついた化学品を売りさばくため、中国大手の化学品メーカーの工場が関与しているのです。そして日本人の被害を横目に、膨大な利益を上げているのです。まるでアヘン戦争直前の役どころを英→中、中→日と替えたようです。

中国人たちはしたたかです。中国では規制されていない化学品を製造し、日本の業者に輸出し、日本のさびれた地方の工場跡地で合成することで、日本でまだ規制されていない化学物質をどんどん進化させていくというのです。合成のためのレシピは中国の大学院あがりの技術者が作り上げるのです。規制される前にすでに確立している複数ルートを使い売りさばき、規制されるとまた別の化学物質を合成させるのです。

その結果、日本社会にもたらされている影響はあまりにも深刻です。未知の化学物質は、脳を含む人体をむしばみ、死に至るケースも相次いでいます。危険ドラッグを使用した末の暴走運転や殺傷事件を引き起こす輩も絶えません。事件に巻き込まれたことで大切な家族を亡くした遺族たちの悲しみは癒えることはないのです。この悲劇がいつ我々に降り懸かるか、誰にも分かりません。

麻薬と違って所持・使用するだけでは逮捕されないからといって危険ドラッグに手を染めている連中はいわば犯罪者予備軍です。それでも使用者が減らずにむしろ蔓延・拡大しているのは現実逃避したい人間が多いということであり、その背景にある社会の闇は深く暗いものです。競争が激化し敗者が二度と復活できない、そうして絶え間ないプレッシャーにさらされる社会、人間を大切にしなくなってブラック化する企業がのさばる社会。日本社会の劣化と歩みを同じくして、一般人の間にまで蔓延したのが危険ドラッグです。

「ここで食い止めなければ、日本は薬物汚染大国、薬物依存大国になってしまう」と、麻薬取締当局のトップが危機感を表明していましたが、まさにその通り。米国のようになってしまっては後戻りできません。そのためにはいかなるドラッグも麻薬も許してはなりません。残念ながら中国に捜査の手は届きませんが、その使用者も、販売者も、国内では容赦なく摘発されなければ安心できません。
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