MUJIはBlack Fridayの波に乗れたか

今年11月27日は米国では「感謝祭」でした。アメリカ人にとって一年で最も大事な休日です。家族や友人が集まり、七面鳥の丸焼きを食べながらゆっくりと過ごします。人によってはそのままクリスマスシーズンを迎える(つまりずっと休みを取りっぱなしということ)ケースもありますが、大半の人は居住地と実家を往復するわけです。ちょうど日本のお盆や正月休みみたいなものです。

でも今年の米国は全国的にひどい荒天気だったようです。北部の一部では吹雪のために車が動かなくなり、大渋滞になってしまった人々が続出したそうです。ご愁傷様。


ところが、その夜から米国市場では年に一度の巨大セールが始まりました。赤字企業もこのセールで黒字になることからBlack Fridayと呼ばれているとのことです(あまりイメージのよくない語感ですがね)。

家電量販店、百貨店、大型玩具店(トイザらスなど)などでは、セール開始と同時に客が店内になだれ込みセール品を奪い合うパニック状態になるそうです。特に今年の米国は経済が好調で、庶民の購買意欲も増大しているので、売る側も期待が高いようです。

そんな米国の巨大セールに一大勝負を挑もうとしている「無印良品」(社名は良品計画)の新挑戦を描いたのが、12月16日放送のガイアの夜明け(TV東京系)でした。

同社は米国市場で苦戦を強いられており、今年4月、てこ入れのため、無印良品のUSA社長に就任したのが嶋崎朝子さん。タイムズスクエアにある旗艦店をセール直前に3日間営業を停止して全面改装、客を呼ぶ売り場へと作り直していました。

タイムズスクエアという非常にいい場所にありながら来店客がまばらで、知名度もほぼ皆無でした(前任者は何をやっていたのでしょう)。なんと店外から目立つ場所を年がら年中目立たないシーツ売り場にしていたそうですから、商売っ気がないというか工夫がないというか…。

嶋崎さん、ここにファッション商品を置いて季節ごとにディスプレイを変化させることにしました。当たり前の策ですが、こんな当たり前のことも上が指示しないと発案されないということかも知れません。

さらにセールの目玉商品として、自らが開発し、日本で大ヒットしたアロマディフューザー(自動お香焚き器)を目立つ場所に置いて、積極的に売り込もうと考えました。実際、これは効果があったみたいです。

さらに「秘策」がありました。エコバックを1ドルで売り、しかもポイントカードのような役割を持たせたのです。そしてレジでスタッフがこのエコバッグをオススメしていました。事実、このバッグ、アメリカ全店でなんと635枚を販売したそうです。これは実にいいアイディアです。これを買い物の際に使ってもらうたびに、「ああ、あの店に行くとポイントが貯まるのね」と思い出してもらえます。

結果として、11月28~29日の2日間の売上は昨年比で30%増加と大成功だったようです。でもこれはあくまで第一歩。このあとも年に何度か来店してもらわないとダメです。

店を知ってもらい、何度も来てもらう、そのための仕掛けをどんどん繰り出していけば、そして生産・物流の政策を変えて商品価格をもっと割安にすれば(あの地味な商品群に割高なプライスタグを付けていては、誰も見向きもしません)、同地でMUJIファンを増やすことは十分可能です。今まであまりに殿様商売だったようですが、本気を出せば実力のある会社ですから米国でも存在感を示すことができると思います。
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