ブレークスルーを生む技術開発現場

1月12日(土)に放送されたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」はマツダで35年にわたってエンジン開発に心血を注いできた課長、人見光男氏のお話。照れ屋でありながら熱い、魅力あるリーダーでした。

4年前、彼が開発チームを率いて世に出したのは、リッター当り30km(10・15モード)というガソリンエンジンとしては驚異的な燃費性能を誇るエンジンでした。電気モーターを併用するハイブリット車並みの低燃費を成熟したはずのガソリンエンジンだけで(ターボチャージャーなどの付属物もなしです)実現したことは、世界の関係者に衝撃を与えました。

人見氏たちは今、さらに効率を30%アップさせることを目標とした新世代エンジンの先行開発に挑んでいます。物腰は柔らかいですが、ともすれば安易な妥協を図ろうとする部下たちに向かって叱咤激励し妥協させない。「妥協案はなしと決めて知恵を出せ」と発破をかけ続ける。その姿勢の厳しさが印象深かったですね。

人見氏を駆り立てているのは強い「危機感」です。グループ従業員でみてトヨタのわずか8分の1という弱小自動車メーカーはこれまで何度も経営危機に瀕してきました。その経験を経て、マツダが生き残っていくためには「究極」と言えるエンジンを目指し続けて行くしかない。前人未踏のエンジンを生み出すためには「退路を断つ」しかない。そのことを自分にも部下にも貫き通していることがよく伝わってきました。

もう1つ、素晴らしいと感じたことがあります。彼は細かな課題の解決策を現場の部下に考えさせるだけでなく、自ら1エンジニアとしてアイデアを出すことにこだわっているのです。それが世の中に革新をもたらす技術者としてのプライドであると考えているのですね。その一方で、部下がアイデアを出してきたら、それがどのようなものであっても尊重し、試させる。この姿勢も同時に大切です。アイデアと技術者のプライドがぶつかりあう現場はこうしたリーダーのもとに生まれるのだと感じました。
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