海外営業マンが説く「法人営業の心得」は実に「日本的」

先進国市場でのB2BまたはB2G営業においては、着実に結果を出せる営業員の考え方は共通する。それは一見、「日本的」で「ベタ」なやり方だが、顧客キーパーソンの信頼を得るために必要なことをやっているに過ぎない。

弊社のサービスラインに「営業モデルの確立・標準化」というのがあるのですが、最近は日本企業の海外部門で実施することもあります。当然、その対象は現地の営業パーソン達で、その大半は非日本人です。

その進め方の中核部分は国内で実施する場合と基本的に同じです。成功している営業員何名かにヒアリングして、その共通する営業プロセスと成功要因を洗い出すのです。当然ながら、それらが共通するだろうというのが前提条件ですから、対象マーケットの事情が共通するグループ毎に実施します。

つい最近、あるハイテクサービスのクライアント企業の海外法人(特定市場向け部門)における営業モデルの確立のため、ニュージーランドに出張しました。現地で「優秀」と評価の高い営業員に、彼の主導したある案件を参照事例として取り上げるべくヒアリングするためです。その前段階として、この会社の海外営業担当者の協力をいただいて標準プロセスの仮説を作成しており、その現実性や有効性を検証する意味合いもありました。

直前にいただいた案件概要などのインプットはありましたが、クライアント企業のプロジェクトメンバーが多忙過ぎたせいで事前にはあまり情報がなく、ほとんどぶっつけ本番でQ&Aセッションを行いました。それでも予定された面談の終わりにはなんとか、概要、登場人物、経緯、現在のフォロー状況などを把握しました(ニュージーランド英語の発音は米語とは所々違うため、結構苦労しましたが)。

そしてそれと並行して「なぜ、そのステップでそういうことを実施したのか」「何を重視したのか」「なぜ顧客が気に入ってくれたと思うか」など、成功要因に関連する事項も多角的に確認しました。

そこで分かったのは、確かに日本や西欧とは商習慣は違うのですが、優秀な営業の考え方はかなり日本と共通するということでした。今回用意した「標準営業プロセス」は先進国向けなので、ある程度は共通するとは想定していましたが、「営業のあるべきスタンス」や「どういうことに価値をおくべきか」といったことの共通度は想定以上でした。

要は「顧客目線を維持すること」が最重要だと、その優秀営業員は何度も繰り返すのです。そして彼が信ずる、「顧客と波長を合せる」ために実践していることを具体的に幾つか語ってくれました。例えば「キーパーソンの信頼を得ることを最重要視している」、そのため「定期的に通って、何か気になることがないか常に尋ねている」、「何か質問されたらすぐに対応し、その途中報告も欠かさない」などといったことです。

聞きようによっては非常に「日本的」で「ベタ」に聞こえる内容でした。それらを聞いているうちに、小生はいわゆるデ・ジャブ(既視感)を覚えました。そのクライアント企業の業界で優秀とされる日本人営業員の方々が同じようなことを語っていたのを思い出したのです。

でも確認してみると、そのニュージーランドの優秀営業員は日本人と営業法について語ったのはこれが初めてだと言いますし、そもそもその日系企業に入社したのは1年ほど前に過ぎないというのです。

つまり彼が身につけている営業センスや価値観は、日本的センスとはまったく関係なく、独自で身につけたものなのです。彼の成功をもたらしている、多くの日本人が「日本的営業」と思っている行動パターンは、実は日本独自のものではないのです。

実は小生は似たような経験を幾つか、B2B市場向けの他のクライアント企業でもしています。どうやらB2B/B2G営業においては、着実に結果を出せる営業員の考え方は先進国市場では共通するんじゃないかというのが、小生の仮説です。
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