廃棄家電に見る、愚かしき人間の哀しさ

7月2日(木)に再放送されていたBS世界のドキュメント「廃棄家電の悲しき行く末」(原題:E-Waste Tragedy)を観た。少しは予想していたとはいえ、やっぱり環境的もしくは人権的に凄まじい現実を知らされただけでなく、我々先進国の人間にとっても恐ろしい事態になっていることも教えられた。

アメリカやヨーロッパの家電製品が大量に不法投棄されるガーナから番組は追及を始める。その廃棄ルートをたどっていくと、我々は欧米各国でリサイクル制度が機能していない現実にぶちあたる。

パソコンなど、家電製品の廃棄量は年間 5000万トンにもなる。その多くが途上国で不法投棄され、家電に含まれる有害物質が環境を汚染し、健康被害を引き起こすことも。ガーナでは中古品として売られた家電が壊れてゴミとなり、子どもたちが金属を取り去っていく光景がみられる。彼らが数年後、数十年後に公害で体が動かなくなっていても不思議はない。

リサイクル制度が整うヨーロッパでも廃棄品の3分の2が正式ルートに乗らず、適正に処理されないというのが現状だ。

最もリサイクル率の悪いスペインでは、不況のために若者が廃棄家電を盗み、転売できる部品だけ取り外して残りは空地に捨てられていた。フランスでは、リサイクルを行うはずの企業が廃棄物を斡旋業者に売り、それが中国に渡って処理されるというルートと組織が確立していた。彼らと政府・NPOとのイタチごっこはまだまだ続きそうだ。

中国では公害も深刻だが、さらに厄介なことが起きていた。重大な事故につながりかねない。
劣悪な作業場で取り出した中古ICチップを、新品と偽って流通させているのだ(さすが中国人らしい)。

ICチップは、あらゆる電子機器(もちろんコンピュータにも)、管理システム、飛行機、原子力発電所にも利用されている。それなのに中古の粗悪品が検査された新品として売られているのだから、いつ誤作動してもおかしくない。ICチップの表示改竄も行われており、不良品を使用した結果、電子機器の内部の部品が爆発したケースもある。

この偽造品と正規品とを、見分けることに大変な時間と労力が掛かってしまうことも現実とんでもないことだが、安いからと中国製の横流し品を平気で買い付けることは、とんでもない事故を引き起こして、結局企業の存在を喪わせてしまうかも知れないのだ。しかし、そんな愚かしい行動をするのもまた人間なのだ。
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