欲しがる人を見つければ何でもレンタルできる時代

今月からあるシェアリングビジネスに関する調査をやっている。そのために様々な公開資料に現れている事例やら研究、そして記事をむさぼるように読んできた。

クルマ、家、服、空きスペース…。誰にも使われずに「ひっそりと眠っているモノ」「一見、価値がなさそうなもの」を「求めている人」とマッチングし、借りてもらうというビジネスが世の中で動き出している。これで成長中のベンチャー企業もいる。使われていなかったモノをレンタルするというこのスタイルが私たちの生活をどのように変えるのか。

そんな中で、10月06日に放送されたガイアの夜明け“「貸す」と「借りる」の新時代〜進化するレンタルビジネス〜”を録画で観たが、少しヒントをもらえた。番組はちょっと変わった例を幾つか紹介してくれた。

鎌倉を代表するお寺の一つ、建長寺。800年の歴史を持つ古刹で、小生も何度か訪れたことがある。旅行サイトを運営するベンチャー企業のロコパートナーズが気分を変えて会議をするため、1時間9000円で敷地内の古民家を借りていた。寺の住職はこの古民家の活用方法を模索していた。

これを仲介した会社「スペースマーケット」は去年設立したばかりのベンチャー企業で、社員数16名。スペースマーケットでは様々な施設を使われていない空き時間に貸し出しているそうだ。

猿島は毎年約11万人が訪問する観光スポットだが冬は閑散期。スペースマーケットの重松社長は島を管理する横須賀市役所へ赴き、吉田市長に12月~2月の閑散期に島をレンタルする直談判に成功した。市にもレンタル料が入る、意義のあるビジネスだ。

最近はタイムズ24など、無人駐車場システムが全国様々なところに拡がってきたが、それでもなお都市部や観光地では駐車場が足りない状況が続いている。今まで使われていなかった意外なスペースを駐車場にすべく、新たな動きが始まっている。

開いているスペースを駐車場として貸し借りできるサービス「akippa」は10日前からインターネットで予約でき、値段も割安なのが売り。利用者の支払いのうち、6割がレンタル料としてスペース保有者に入る仕組みだ。

2014年4月にサービスを開始、最近は少しだが知名度も上がってきている。現在駐車場は全国に約3400ヵ所、利用者は約3万4000人に上る。従来、デッドスペースには何か置くか、そのまま空けておくしかなかったのが、場所によっては月に4~5万円稼ぐ人も出ているそうだ。

丸亀製麺の一之江店はランチのピーク時には33台分の駐車場がすぐ満車になる。店の前には駐車場待ちの車の大行列ができるが、店内には空いている席もあり、諦めて他に行ってしまう客もいる。丸亀製麺を運営するトリドールはakippaに駐車スペースを探して欲しいと依頼。担当者は徒歩2分圏内に10台分の駐車スペースの開拓に挑むこととなった。

これまでにない大手との取引ゆえ、担当者の女性も非常に力が入っているのがよく分かる。周辺のめぼしい駐車スペースを見つけては家主・地主に交渉をしたが、大半は門前払いか、断られていた。それでも何とか徒歩圏内の場所に10台分の駐車スペースを確保。次はそれらが使えるかだ。

駐車スペースの運用を開始するため、専用の目印を設置。客を誘導する警備員に手作りの地図を渡した。最初の誘導客は地図を読み違えて違う方向に去ってしまったが、その後は誘導が効いたのか、うまく駐車スペースが回り始めたことで、店の前の車の行列が解消された。

閉店後、一日の売上がこれまでの週末に比べ、来客数は約100人も増加。売上は安く見積もって約5万円増加となった。成功である。担当者の菅田さんは「法人に対する営業方法を確立して、より多くの貸し手や借り手のお客様をつなげていければ、なくてはならないサービスになると思う」と述べていた。

最後の例は貸倉庫。「エアークローゼット」は月額6800円でコーディネートされた服が3着届くレンタルサービス。送り返すと何度でも違う服が届く。プロのスタイリストが、コメント付きで選んだ服を送ってくれる。衣装を管理する寺田倉庫のサービスで、貸し出す服の撮影、梱包から配送までを手がけている。なかなか面白いところに目を付けたものだと思う。

寺田倉庫は1950年に国がコメを保管する倉庫として創業。その後、富裕層向けにワインや美術品などを保管してきた。年商約160億円、従業員約100人の中堅倉庫会社。一般向けのトランクサービスでも有名だ。

絵のレンタルサービス「レンタルト」は、画家の絵を寺田倉庫が無料で保管し、気に入った人に貸し出し、レンタル料金を保管代に当てるサービス。もし絵が売れれば販売価格の7割が画家の収入になる。現在約500人の画家から約5000枚の絵を保管している。そのうち常に約1000枚を貸し出している。

ある利用者は何か飾るものを探していた時にレンタルトを知り、「ずっと飾りたいものもないので、マッチしたサービスだなと思った」と述べていた。このサービスは初耳だったが、こんなニーズがあるんだと感心した。

寺田倉庫の月森さんは新たなレンタルサービスを始めるため動き出していた。訪ねたのはhesoという女性作家グループのアトリエ。絵の他に、置物や雑貨のレンタルを新たに開始しようとしている。

アトリエの物置には作品や道具などが溢れていた。今までなら何のお金にもならずに場所だけ取っていたのが、「お金を生んでくれる」と約30人の作家から続々とアート作品が集まった。期待は高そうだ。この新しいサービスは11月中旬に開始するそうだ。

こうした新しいマッチングサービスがどんどん生まれる背景には3つあると思う。一つは価値の多様化。もう一つはスマホの普及とICTレベルの向上。最後は宅配便の普及。要は、欲しいと思う人が数人でもいれば、マッチングが可能になり、リーズナブルなコストで送り届け、一定期間後に返却してもらうことが簡単にできるようになったからだ。時代の賜物ともいえる。
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