中国での日本車はさらに苦境へ

中国での日本車の売れ行きが殊のほか悪化している。9月の各社の販売実績は前年同月比で、トヨタが48.9%減、日本車トップの日産が34.6%減、ホンダが40.5%減と、軒並み討ち死に状態である。一方、韓国車は飛ぶように売れている。ヒュンダイは15%増と、市場全体の伸びを大きく上回る。

つまり日本車への買い控えがダイレクトに韓国車に向かった訳である。いかにも金持ちであることを示す外国車を乗り回す、見せびらかすという行為は、成功した中国人としてはゴールイメージに近いらしい。日本車でなければ欧米車や韓国車が代替品になる。はっきり言って車に関しては、彼らに日本ブランドへのロイヤルティはない。

この結果は、今回の反日デモ/暴動が起きた直後に予想されていた。今回ターゲットにされたのは日本資本のスーパー/百貨店だけでなく中国人所有の日本車が多かったからだ。多くの都市で日本車が傷つけられ、中には車から引きずり出されて大けがを負った人たちさえいる。こんな怖い思いをした人たちの話を聞いて、わざわざ日本車を買おうと思う勇気はなかなか出ないものだ。

以前に書いたように、今回の暴動の本質は中国人同士の経済格差、そしてそこから生まれる都市に流入した元農民やその子供たちの嫉妬心のマグマがのっぴきならないレベルに達したことから来る。確かに中国政府が扇動した側面はあるが、「火薬」が積み上げられているところで火遊びをするようなもので、危険極まりない状態だ。したがって今後も事あるごとに今回のような暴動は起きるだろう。そしてそれを中国の豊かな側にいる消費者も敏感に感じているだろう。

この数字の落ち込みは、反日デモの連中が声高に主張した「日本車不買運動」の成果では決してない。日本車を買える人たちに対する嫉妬心が自分達に向かう過激な暴力になることを身近に感じた中国の消費者(しかも都市エリートたち)が恐怖に駆られた結果である。

しかも9月の販売実績は、既に注文済みだった車を受け取った人たちがかなりいるから、それなりに底堅いものがあったが、10月以降の数字はさらに惨めなものとなろう。当然ながら、一連托生のTier1以下の部品メーカーや関連サービス事業者も、一層の業績の縮小を余儀なくされる。既に中国ビジネスのモードを拡大から縮小に切り替えたところが多いと聞いているが、戦略的撤退は早ければ早いほど、そして果断であればあるほど、傷は小さく済む。
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