見えてきたAEC発展途上の姿

我が社でも大いに注目しているAEC(ASEAN経済共同体)。人口6億、GDP2兆5000億ドル超の巨大経済圏が誕生。関税の撤廃、通関手続きの簡素化、規制緩和などでヒト、モノ、カネの動きを自由化し、域内経済を活性化させようという試みである。

その動きを伝える番組があった。それが1月28日(木)に再放送されたドキュメンタリーWAVE (NHK)の「動き出した6億人の市場 ~ASEAN経済共同体にかけるタイ~」だ。

ASEAN経済共同体で最初に大きな変革がもたらされるのは物流である。2015年4月、タイ、カンボジア、ベトナムを一本の道路でつなぐ「南部経済回廊」が完成した。すでに整備されている「南北経済回廊」「東西経済回廊」と共に陸上輸送の大動脈として活用され、「物流革命」を引き起こすことが期待されている。

番組ではタイの大手物流会社V-Serveのトラックドライバーに密着取材し、タイからミャンマーへの輸送の実態も映してくれた。確かに以前よりずっと道路や橋が整備され、スムーズな通行ができるようになっているのが分かる。

一番注目したのはタイ~ミャンマー間の国境を越える部分。南北回廊を北上し、次に東西回廊へ入り、メーソートに到着。まだ以前に比べて早くなっているとはいえ、専任者による関係部署持ち回りでも、通関手続きには4~6時間掛かる。これは相変わらず最も非効率な部分だ。

現在、ASEAN各国は、国境を越えたシングルウインドウと呼ばれるネットワーク作りを進めている。シングルウインドウは書類を電子化し、いくつかの窓口もインターネットで結んで手続きを瞬時に行なえるようにするものである。現段階ではこのシステムを相互に接続できるのは5か国にとどまっており、タイはシンガポールに続いて導入が進んでいる(中心となって推進しているタイ財務省情報通信技術部長・ジェーサダーアリヤチャックン氏がコメント)。

その次に、積み荷の中古自転車や家電製品を降ろし、船で川を渡す工程も何とも非効率。橋は架かっているが強度が十分でない為、大型トラックは通過できないのだ。国境の船着き場から川上へ車で30分かかる、東西回廊の難所である。現在(40億円の建設費はタイ政府が拠出し)建設が進められているタイ・ミャンマー友好橋が完成すれば(来年後半予定)、大幅な手間と時間の短縮につながり、物流コスト削減にもなろう。

一昨年の経済成長率は8%を超えるミャンマーの物流を押さえようと進出している日本企業、日本通運の動きも伝えられた。2014年に現地法人を設立、去年6月には巨大な倉庫の運用をスタートさせた。そして首都・ヤンゴンの事務所では19名のスタッフが海上輸送の可能性など新たな物流ルートの開拓にもあたっている。

ミャンマー日本通運が注目しているのはミャンマーの海沿いの町・ダウェイ。港が完成すればインドを巨大なマーケットとして捉えることができるという(ミャンマー日本通運社長・野尻浩のコメント)。日本-南アジアをつなぐ要所としてASEANの南部回廊が位置付けられているのだ。何とも楽しみな地域である。
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