先入観とは恐ろしい

先週は某クライアント企業(IT企業)と共に地方出張し、地域金融機関に対し地元産業のプロセス改善のための協業による調査を提案する場に同席した(当然ながら同席だけでなく、むしろ内容説明と説得の一翼を担ったのではあるが)。

前半と後半では随分風向きが違った。クライアント企業が最初に「これは(システム化の意義があるかを把握するための)ポテンシャル調査です」「システム化するかどうか、システム化するとしてもどんなものにするかはその先に検討する」と断っているのに、金融機関側が「これはシステムの提案なんだ」という固定観念を持って聴いていたようで、前半は話がかみ合わなかったのである。特に金融機関のシステム部門の方々にはその傾向が強かったようで、その観点で聞いているとシステムの内容が曖昧なのだ(当たり前だが)。

小生を含めクライアント企業側のメンバーは調査だと考えているから却って気づかなかったが、後で資料を読み返してみると、小生が書いていた「システム化の意義があるかを把握するための」という部分が、曖昧な言葉に差し替えられてしまっている。このせいか、と思った。

結局、金融機関の1人が「これはテストみたいなものですね」と発言したのを契機に、金融機関側もこれがシステムの提案ではなく、ポテンシャル調査の提案だったことを思い出したようで、急に趣旨と内容を理解したようだ。それで後半は随分と雰囲気が前向きになって、こちら側のメンバーは一様にほっとした表情だった。

やはり「IT企業というものはシステムを売り込みに来るものだ」という固定観念は強いもので、よほど最初に強烈な「断り」を入れない限りその先入観は払しょくできないのだと改めて思い知った次第である。

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無理は禁物、健康は天の与えた宝物

この1週間余り、出張中に発症したギックリ腰症状で難渋し、関係者にもご迷惑をお掛けした。寝返りも寝床から起きるのも自分独りではできず、歩くのも超スローなASIMO君状態だった(家族もプロジェクトメンバーも心配顔と同時に思わず吹き出しそうになっていたことを知っている)。

幸い骨にも神経にも異常がなく、極度の筋肉痛から来たものと判明し(発症前日の極端に寒い中、痛む足を庇いながらうろうろと歩いたせいだろう)、連休中の安静が効いて火曜からは仕事に復帰できていたし、電車で移動してプロジェクトのミーティングにも参加できた。とはいえ時折、腰に少々痛みが残っており、長時間のデスクワークは腰に負担があるようで、集中力が途切れることもあった。

とにかく健康が何より、有難いものと改めて実感した。そして普段の健康なわが身を過信してはいけないことが身に染みた。そして身体障碍者の気持ちが少し分かった気がした。

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「残念なサービス」が教えるもの

この一か月ほどで経験した「残念なサービス」について挙げたい。

某大手外資IT会社。サブに使っていたメールツールがずっと1通も受信していないのを(忙しくて放っておいた私も悪いのだが)さすがに気になり調べてもらったら、数か月間もノンアクティブ状態になっており、その間のメールが消滅していた。本社と日本での管理体制のすれ違いが元々あるところに、サーバー切替と弊社の包括契約の切替がほぼ同時期に生じたせいだった。

某会計ソフト会社。新たに使い始めたソフトの使い勝手が悪く、あまり効率改善になっていない。昨日はエクセルへのエクスポートのやり方が分からず、電話相談した。説明が要領を得ず、何度も聞き直しながらも指示通りにすると文字化けしてしまう。挙句には「解決法を書いてあるウェブページを案内するので自分で直してください」と突き放されてしまった。自分で試行錯誤しているうちに、電話で指示された操作途中での選択がまずかったことが判明した。

某マーケティング会社。デジタルマーケティング手法を研究するため、出版物やビデオなどを定期的に購入してきた(個人的には結構な出費)。先頃購入したウェブ出版物の内容に関して問い合わせをしたのだが、なしのつぶて。さらに記名アンケートにも明示したが、何の反応もない。それでも毎週、様々なキャンペーンのDMがこまめに郵送されるので、「売らんかな」の姿勢を感じる。

先月は他にも同様の「駄目サービス」に逢っているが、上記が典型。商品そのものはよいと思って購入または契約しているのだが、さすがにサービス体制に問題があると感じるため、相手の会社へのロイヤルティはかなり落ちる。他山の石にしたい。

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コンサル業界は働き方改革をできるのか

コンサルティング業界は今や人気業界の一つらしいが、その長時間労働の実態はあまり知られていないようだ。世の中で「働き方改革」が注目されている中、この業界でも真剣な取り組みが不可欠な時期に来ている。


安倍政権が構造改革の柱として採り上げている「働き方改革」は産業界のホットテーマだ。とりわけ「長時間労働の是正」というのが喫緊の課題であり、学生らの就職先の選択においても大きな要素となっているだろう。

そんな中、小生が注目しているのがコンサルティング業界である(我社もその一員だが)。我々が就職した数十年前と違って今や人気業界の一角とまで言われることがあるそうだが、この四半世紀の実態はかなりの「長時間労働」業界だった。3Kで有名なSI業界からの転身組が多いせいか、実態も似てきたのである(むしろ最近はSI業界のほうが働き方改革を進めている傾向がある)。

そんな「長時間労働」業界でも就職または転職における人気が高まったのは、ひとえに給与水準が高く、任せてもらえる仕事の内容(クライアント企業の経営事項に関わるなど)が面白いことに尽きよう。しかしそうした就職・転職人気にあぐらを掻いて長時間労働の是正に背を向けていては、いずれは大きなしっぺ返しを食らいかねない。新入社員の自殺問題で電通がクローズアップされたのにもそうした側面があろう。

ちなみに小生が昔いた頃のアーサー・D・リトルという戦略コンサル会社は例外的存在だったため、当時もその後も、他の外資戦略系コンサル会社にいる人達と互いの実態話をすると結構呆れられることが多かった。「ウチではその倍は働いている」とか「タクシー&御前様でない日を数えたほうが早いよ」とかいうコメントが多かったので、他社はその頃から長時間労働だったと思われる。

それでも、戦略系よりずっと図体の大きい「会計系」とか「総合」が付く大手コンサル会社の人たちに話を聞くと、さらに輪を掛けた「長時間労働」の実態にこちらが唖然とすることが多かった。

実際、それで体を壊したり精神を病んでしまったりする人が毎年数%いるという話を幾人からも平気で聞かされたものである。その場にいた某社での先輩・後輩の関係の人たちが「あの頃はアパートには寝に帰っているだけでしたよ」などと懐かしそうに振り返るのには、「こいつらマゾか」と思ったものだ。

体や精神を病む人が一定数存在することに関し小生が「それはおかしくないの?」と問いかけると、某有名コンサル会社の若手幹部役員は平然と「ある程度の病人を抱えるのは仕方ないですね。僕らパートナークラスが仕事を取ってきて、若手に馬車馬のように働いてもらう。これがこの業界のビジネスモデルですよ。今さら何ですか」と答えてくれたものだ。

今、日本社会のあちこちで長時間労働の是正が叫ばれている中、彼らは業界の「ビジネスモデル」や「従来の常識」を変えることができるのだろうか。役員がこうした「従来の常識」に囚われている限り、若手が「長時間労働」を避ける術は限られているだろう。この業界に期待して入ってきた前途有望な若者が体や精神を病むだけでなく、いつか自殺騒ぎが生じるような事態を懸念せざるを得ない。

そもそもコンサルティングのようなサービス業界で「長時間労働」が常態化するというのは、1)無闇な安売りをしているために従業員の人件費をダンピングさせないと足が出てしまうか、2)そもそも仕事量に見合ったスタッフを用意していないか、3)仕事の計画性がなくて無駄なことをたっぷりさせているか、の掛け合わせであるのが普通だ。

しかし大手コンサル会社でまともに経営しているところで1)と2)の要素が大きいとは考えにくいため、一番致命的な要素は3)の計画性の問題だと言えそうだ。つまりクライアント企業からはそれなりに大きな金額でプロジェクトを受注しておきながら無駄な作業に時間を費やしてしまい、途中から挽回のためにプロジェクトメンバーに残業を強要しているという構図だ。

本来、コンサルティングの仕事というのは、最初に「イシュー分析」(戦略系のマネジャー以上の経験者なら常識だろうが、SIが中心の総合系や総研系でも教えているのかは知らない)というものをきちんとしてプロジェクトを計画し、それに沿ってクライアントから予算をいただいておけば、長時間労働などに頼らなくともリーズナブルな時間とコストで完遂できるものだ。むしろ長時間労働で切り抜けようなどとしている時点で、そのプロジェクトの品質は警戒レベルに落ちていると知るべきだ。

そしてクライアントの責任も皆無ではない。きちんとした予算を付けたはずなのに責任者があまり現場に顔を出さず、マネジャー以下が睡眠不足の青い顔でため息をついているようなら黄信号だ。そんなやり方を続けていては、いずれミスが生じるか迷走しかねないし、よいアイディアも生まれない。即刻、コンサル会社の責任者に警告を出すべきだ。

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連続優勝なしの横綱昇進に伴う嫌らしさと不穏さ

大関・稀勢の里が初場所を14勝1敗で優勝し、23日の横綱審議委員会は横綱推薦を決めた。これで事実上決定らしい。初優勝も横綱昇進も実に目出度い。

しかしながら一つだけ引っ掛かって仕方がない。「2場所連続優勝もしくはそれに準ずる成績」という横綱昇進の内規は片方が準優勝だった場合を指しており、稀勢の里はこれに当てはまらないことは明白だ。しかし横綱審議委の面々は「昨年の年間最多勝+今回の1敗優勝」で「2場所連続優勝」に匹敵すると強弁しているのだ。

しかし、今場所が始まる時点で「もし稀勢の里が優勝したら横綱昇進の可能性がある」などというコメントは全く聞かれなかった。場所途中でも同様だ。優勝が決まったとたんに「横綱へ」という記事見出しが飛び出したことに違和感を持った人も多かろう。

小生は稀勢の里が嫌いではない。というか、むしろ好きな力士だ。そして期待すると「コケてしまう」その過去のパターンに何度も失望を味わってきたからこそ、今回の優勝にはもろ手を挙げて祝福したい。しかし横綱審議委の「原則を捻じ曲げてしまう」ご都合主義には汚いものを感じてしまう。

もし日本人力士・稀勢の里ではなく、外国人力士が同じ条件の成績を上げていて優勝していたらどうだろう。きっと「来場所に期待したい」という話になったのではないか。どうしても日本人横綱を誕生させて相撲人気を煽りたいという、露骨な思惑が今回の推薦決定からは透けて見える。それが「嫌らしさ」を感じさせるのだろう。

今は祝賀ムードに溢れているが、仮に来場所、稀勢の里が不調に終わってしまった場合、このご都合主義的な昇進のせいで彼はひどいバッシングをされかねない。何としてもそうならないよう、稀勢の里関には頑張っていただきたい。

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