「残念なサービス」が教えるもの

この一か月ほどで経験した「残念なサービス」について挙げたい。

某大手外資IT会社。サブに使っていたメールツールがずっと1通も受信していないのを(忙しくて放っておいた私も悪いのだが)さすがに気になり調べてもらったら、数か月間もノンアクティブ状態になっており、その間のメールが消滅していた。本社と日本での管理体制のすれ違いが元々あるところに、サーバー切替と弊社の包括契約の切替がほぼ同時期に生じたせいだった。

某会計ソフト会社。新たに使い始めたソフトの使い勝手が悪く、あまり効率改善になっていない。昨日はエクセルへのエクスポートのやり方が分からず、電話相談した。説明が要領を得ず、何度も聞き直しながらも指示通りにすると文字化けしてしまう。挙句には「解決法を書いてあるウェブページを案内するので自分で直してください」と突き放されてしまった。自分で試行錯誤しているうちに、電話で指示された操作途中での選択がまずかったことが判明した。

某マーケティング会社。デジタルマーケティング手法を研究するため、出版物やビデオなどを定期的に購入してきた(個人的には結構な出費)。先頃購入したウェブ出版物の内容に関して問い合わせをしたのだが、なしのつぶて。さらに記名アンケートにも明示したが、何の反応もない。それでも毎週、様々なキャンペーンのDMがこまめに郵送されるので、「売らんかな」の姿勢を感じる。

先月は他にも同様の「駄目サービス」に逢っているが、上記が典型。商品そのものはよいと思って購入または契約しているのだが、さすがにサービス体制に問題があると感じるため、相手の会社へのロイヤルティはかなり落ちる。他山の石にしたい。

テーマ : 経営コンサルタント
ジャンル : ビジネス

コンサル業界は働き方改革をできるのか

コンサルティング業界は今や人気業界の一つらしいが、その長時間労働の実態はあまり知られていないようだ。世の中で「働き方改革」が注目されている中、この業界でも真剣な取り組みが不可欠な時期に来ている。


安倍政権が構造改革の柱として採り上げている「働き方改革」は産業界のホットテーマだ。とりわけ「長時間労働の是正」というのが喫緊の課題であり、学生らの就職先の選択においても大きな要素となっているだろう。

そんな中、小生が注目しているのがコンサルティング業界である(我社もその一員だが)。我々が就職した数十年前と違って今や人気業界の一角とまで言われることがあるそうだが、この四半世紀の実態はかなりの「長時間労働」業界だった。3Kで有名なSI業界からの転身組が多いせいか、実態も似てきたのである(むしろ最近はSI業界のほうが働き方改革を進めている傾向がある)。

そんな「長時間労働」業界でも就職または転職における人気が高まったのは、ひとえに給与水準が高く、任せてもらえる仕事の内容(クライアント企業の経営事項に関わるなど)が面白いことに尽きよう。しかしそうした就職・転職人気にあぐらを掻いて長時間労働の是正に背を向けていては、いずれは大きなしっぺ返しを食らいかねない。新入社員の自殺問題で電通がクローズアップされたのにもそうした側面があろう。

ちなみに小生が昔いた頃のアーサー・D・リトルという戦略コンサル会社は例外的存在だったため、当時もその後も、他の外資戦略系コンサル会社にいる人達と互いの実態話をすると結構呆れられることが多かった。「ウチではその倍は働いている」とか「タクシー&御前様でない日を数えたほうが早いよ」とかいうコメントが多かったので、他社はその頃から長時間労働だったと思われる。

それでも、戦略系よりずっと図体の大きい「会計系」とか「総合」が付く大手コンサル会社の人たちに話を聞くと、さらに輪を掛けた「長時間労働」の実態にこちらが唖然とすることが多かった。

実際、それで体を壊したり精神を病んでしまったりする人が毎年数%いるという話を幾人からも平気で聞かされたものである。その場にいた某社での先輩・後輩の関係の人たちが「あの頃はアパートには寝に帰っているだけでしたよ」などと懐かしそうに振り返るのには、「こいつらマゾか」と思ったものだ。

体や精神を病む人が一定数存在することに関し小生が「それはおかしくないの?」と問いかけると、某有名コンサル会社の若手幹部役員は平然と「ある程度の病人を抱えるのは仕方ないですね。僕らパートナークラスが仕事を取ってきて、若手に馬車馬のように働いてもらう。これがこの業界のビジネスモデルですよ。今さら何ですか」と答えてくれたものだ。

今、日本社会のあちこちで長時間労働の是正が叫ばれている中、彼らは業界の「ビジネスモデル」や「従来の常識」を変えることができるのだろうか。役員がこうした「従来の常識」に囚われている限り、若手が「長時間労働」を避ける術は限られているだろう。この業界に期待して入ってきた前途有望な若者が体や精神を病むだけでなく、いつか自殺騒ぎが生じるような事態を懸念せざるを得ない。

そもそもコンサルティングのようなサービス業界で「長時間労働」が常態化するというのは、1)無闇な安売りをしているために従業員の人件費をダンピングさせないと足が出てしまうか、2)そもそも仕事量に見合ったスタッフを用意していないか、3)仕事の計画性がなくて無駄なことをたっぷりさせているか、の掛け合わせであるのが普通だ。

しかし大手コンサル会社でまともに経営しているところで1)と2)の要素が大きいとは考えにくいため、一番致命的な要素は3)の計画性の問題だと言えそうだ。つまりクライアント企業からはそれなりに大きな金額でプロジェクトを受注しておきながら無駄な作業に時間を費やしてしまい、途中から挽回のためにプロジェクトメンバーに残業を強要しているという構図だ。

本来、コンサルティングの仕事というのは、最初に「イシュー分析」(戦略系のマネジャー以上の経験者なら常識だろうが、SIが中心の総合系や総研系でも教えているのかは知らない)というものをきちんとしてプロジェクトを計画し、それに沿ってクライアントから予算をいただいておけば、長時間労働などに頼らなくともリーズナブルな時間とコストで完遂できるものだ。むしろ長時間労働で切り抜けようなどとしている時点で、そのプロジェクトの品質は警戒レベルに落ちていると知るべきだ。

そしてクライアントの責任も皆無ではない。きちんとした予算を付けたはずなのに責任者があまり現場に顔を出さず、マネジャー以下が睡眠不足の青い顔でため息をついているようなら黄信号だ。そんなやり方を続けていては、いずれミスが生じるか迷走しかねないし、よいアイディアも生まれない。即刻、コンサル会社の責任者に警告を出すべきだ。

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連続優勝なしの横綱昇進に伴う嫌らしさと不穏さ

大関・稀勢の里が初場所を14勝1敗で優勝し、23日の横綱審議委員会は横綱推薦を決めた。これで事実上決定らしい。初優勝も横綱昇進も実に目出度い。

しかしながら一つだけ引っ掛かって仕方がない。「2場所連続優勝もしくはそれに準ずる成績」という横綱昇進の内規は片方が準優勝だった場合を指しており、稀勢の里はこれに当てはまらないことは明白だ。しかし横綱審議委の面々は「昨年の年間最多勝+今回の1敗優勝」で「2場所連続優勝」に匹敵すると強弁しているのだ。

しかし、今場所が始まる時点で「もし稀勢の里が優勝したら横綱昇進の可能性がある」などというコメントは全く聞かれなかった。場所途中でも同様だ。優勝が決まったとたんに「横綱へ」という記事見出しが飛び出したことに違和感を持った人も多かろう。

小生は稀勢の里が嫌いではない。というか、むしろ好きな力士だ。そして期待すると「コケてしまう」その過去のパターンに何度も失望を味わってきたからこそ、今回の優勝にはもろ手を挙げて祝福したい。しかし横綱審議委の「原則を捻じ曲げてしまう」ご都合主義には汚いものを感じてしまう。

もし日本人力士・稀勢の里ではなく、外国人力士が同じ条件の成績を上げていて優勝していたらどうだろう。きっと「来場所に期待したい」という話になったのではないか。どうしても日本人横綱を誕生させて相撲人気を煽りたいという、露骨な思惑が今回の推薦決定からは透けて見える。それが「嫌らしさ」を感じさせるのだろう。

今は祝賀ムードに溢れているが、仮に来場所、稀勢の里が不調に終わってしまった場合、このご都合主義的な昇進のせいで彼はひどいバッシングをされかねない。何としてもそうならないよう、稀勢の里関には頑張っていただきたい。

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プロと若者の真剣なセッションは観もの

年末近くになって風邪をひいてしまい、そのせいで溜まった仕事を細切れに片づけながらなので、どんどん録画が溜まってしまう。とはいえその合間を縫って面白そうな番組を観ている。幸いにして年末のバラエティ番組には興味がないので極端には増えてはいないが…。

そんな中、11月28日に放送されたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」のスペシャル版「10代 VS.プロフェッショナル 弟子入りスペシャル」の回は特に楽しかった。3組の高校生グループがそれぞれ違った大家に短期間「弟子入り」的に見習いする趣向だ。
http://www.nhk.or.jp/professional/2016/1128/index.html

一人目のプロは当代屈指と言われる天ぷら職人・早乙女哲哉氏(70)。料理人志望の佐藤花菜子(18)と、灘高生の中野誠大(18)の両名が、1か月弟子になる話だ。初日、早乙女氏が2人に働く際の心構えを伝えた際の「修業は、魚をさばくとかそういう技術を覚えに来るんじゃなくて、我慢を覚えに来るもの」という言葉は重いものがあった(実は最近のカンブリア宮殿で菊の井の主人が「単に我慢させる修行は意味がない」と仰っていたのも納得できたので複雑だが)。

若い2人がどれほど真剣に受け止めたかは分からない。しかし天ぷらを2階に運ぶ仕事をひたすら繰り返す1日に中野君は早くも心が折れかけたようだが、思い直して接客など自分ができることで工夫をしていた。そして「安易に料理人も興味あるなんて言えない」と自分の頭脳を活かす方向に生きる覚悟を決めたようだ。そしてふだんから料理店でアルバイトをしている花菜子君には、早乙女氏はまかないで食べるキスの天ぷらを作らせる。当然ながら失敗した後、懸命に練習して修業最終日に早乙女氏に、自分の天ぷらを振る舞おうとする。結局、緊張しすぎたのか途中で失敗し断念してしまうのだが(これが残念だが)、若い人の挑戦心は心躍るものがある。

2人目のプロは、“世界一清潔な空港”羽田の清掃員・新津春子氏(46)。彼女の元に弟子入りしたのが、上村さや香(17)、砂川桜子(17)、瀧堅介(18)の3人。しかし掃除洗濯自炊を自分たちの手でやったことがない3人は洗濯機の使い方すら分からず、なんと翌日には全員寝坊し1時間遅刻するなど、まったく不甲斐なかった。しかも女の子の一人は2度目の寝坊&遅刻までしてしまう。共同生活なのに他の2人も置いてきぼりするなんて、とにかくこの3人は気合が入っておらず、ひどかった。

最後のプロが、ヒットメーカー編集者・佐渡島庸平氏(37)。弟子入りしたのはクリエーター志望の10代4人。それぞれ作品を作り、良いものが生まれればデビューさせることになっていたが、初日に4人の作品を見た佐渡島氏は「今の作品だとプロにはほど遠い。君らは準備ができていない」と叱った。そして弟子たちに、毎日作品を作ってSNSで発表することを課した。高校生とはいえ甘やかさないのは正しい。

「プロの作家は決して生まれつきの才能でヒットを生み出しているわけではない。24時間作品のことを考え抜き、自分の感情や考えをさらけだし、絞り出してこそ名作は生まれるのだ」と佐渡島氏は言う。「物語は基本的には型なので教えることが出来る。だけど教えられない“才能”というものがあって、それは“最後までやりぬく”、“こつこつと続けられる”、その努力ができることなんです」と。彼はこのことを教えたかったのだ。

そんな中、広島からマンガ家デビューを目指してやってきた松田悠希君(17)が自分の家族関係を描いたマンガ作品を持ってきた。多感な17才の気持ちをさらけ出した作品に佐渡島氏は「初日に見たマンガより、1万倍おもしろい」と評し、真剣に向き合っていく…。この後の彼女の成長、そして他の3人の成長も期待したい。

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プロは最後まで諦めず全力を尽くす

最近、地方の活性化を手伝うクライアントを手伝うことが度々ある(ややこしい)。それで地方の「目利き」の人に関心を持つようにしている。その実例を目にした。

11月21日に放送されたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の「諦めるな、それが魚屋の心意気」という回だ。フィーチャーされていたのは鮮魚店店主・門川安秀氏だ。
http://www.nhk.or.jp/professional/search/index.html

地元・宮崎の“目井津漁港”“南郷漁協地方卸売市場”をベースに九州各地を巡っていい魚を仕入れ、捌き、料理店に届ける。取引先の料理店の星の合計数はなんと9個だという(一つ星でもすごいのに、彼の取引先には二つ星や三つ星の店すらある)。

門川氏は、セリが始まるまで、市場に並んだ魚を一匹一匹丁寧に目利きしていく。彼の目利きのようすを観たが、すごいものだとしか言いようがない。目利きのポイントは、魚の目の膨らみ、エラの色、指で押したときの身の戻り具合らしい。長年の経験から総合的に判断し、魚の善し悪しを見極める。

そして目をつけた魚には、相場より高い値をつけてでも、必ず競り落とす。目先のもうけにばかりとらわれては、漁師も市場もやせ細り、いずれ自分に返ってくると考えているからだ。

「漁師のことを考えるよ。『間違いない魚いつも取ってくるから、この漁師のやったら1割2割高く買ってもいい』と。それをすることによって『目井津漁港に魚を持っていくと高く売れるよ。よその港に揚げないで、目井津に持って行こうや』って漁師同士で話題になる。そうなるとここにいろんな魚が集まるわけやから」というのが門川氏の弁だ。スーパーなどのバイヤーにも聞かせたい。

この人は研究熱心だ。市場で見慣れない魚を見つけると、すぐに買いつけ、自分の店に持ちこみすぐに図鑑で調べる。それでも分からなければ、親しい大学教授に聞きに行く。魚の生息域や習性などの知識が増えれば、目利きの精度が上がるという。その習得した知識を料理人たちにも伝える。

そうした彼の目利き能力とさばきのていねいさを信頼して有数の料理人が彼を頼ってくる。そしてそれに見事に応える。大事な〇〇周年パーティのために指定された魚を20尾確保するために台風直後の漁港と知人への連絡で奔走する姿が映されていた。頼られたら何としても結果を出す。プロとしての矜持を観、共感した。

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